概要
春に観測できる巨大星座。尻尾の部分である北斗七星は一年中見ることができる。
北斗七星がオール2等星なので非常に見つけやすい星座。(北斗七星が大きいため、星座図の熊の尾はかなり長く虎や猫にも見えるがこれはこぐま座にも言える)
星座神話
この熊はギリシャ神話ではニンフのカリストが変えられた姿だと伝えられている。
カリストは処女神アルテミスに仕える身として、女神に純潔の誓いを立てていた。しかし大神ゼウスが美しい彼女を見初めると、アルテミスの姿を借りて彼女を誑かし、思いを遂げる。
このためカリストは妊娠し、水浴びのために衣服を脱いだところをアルテミスに見られたことで、その秘密が露見する。アルテミス(ゼウスの実娘)は彼女が誓いに背いたことに怒り、お供から追放してしまった。
やがて子供が生まれると、今度はゼウスの正妻ヘラが怒り、夫を魅了した彼女の美しさを奪って、熊の姿に変えてしまう(妊娠が発覚した時点で激怒したアルテミスによって変えられたとも)。
残された子供アルカスは女神マイア、あるいは祖父リュカオンのもとで育てられ、15年後には若い狩人に成長していた。森の中でいつものように狩りをしていると、一匹の大きな熊に出会う。それは彼の母親であるカリストが変えられた姿だったが、そんなことを知りもしないアルカスは熊を獲物として仕留めようとする。
しかし、それを空の上から見ていたゼウスは巨大な竜巻を発生させ、カリストとアルカスを天に上げて星座とした。ゼウスはついでにアルカスを小熊に変え、ようやく母子は再会することが出来たのである。なおこの際、熊の尾を掴んで投げ上げたために実際の熊では考えられないような長さになっているとも言われる。
これに怒ったヘラは自身の養父母である海神オケアヌスとテテュスに頼み込んで、二つの熊の星座を水平線の下で休ませることができないようにした。かくて大熊座と小熊座は一晩中空に輝き続けているのだ。
余談
元の神話(おおむねオウィディウス『変身物語』を主要な典拠としている)は上の概略でもわかるように凄まじくドロドロとした内容である。だが児童書などではそのまま紹介するのは良い子にはよろしくないと考えられてか、ゼウスとカリストが「愛し合った」とされていることも多い。元の話が元の話だからゼウスの不倫行為やヘラの仕打ちの理不尽さ、救いの無い結末などはごまかしようもないが・・・。
関連項目
※上記の通り元の神話ではおおぐま座となったのは女性なのだが、男性キャラである。