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アメリカ連邦議会襲撃事件

あめりかれんぽうぎかいしゅうげきじけん

2021年1月6日にドナルド・トランプの支持者たちが連邦議会議事堂を襲撃した事件
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概要

2021年アメリカ合衆国連邦議会議事堂襲撃事件(2021ねんアメリカがっしゅうこくれんぽうぎかいぎじどうしゅうげきじけん、英語:2021 United States Capitol Attack)は、2021年1月6日にアメリカ合衆国ワシントンD.C.で発生した事件。ドナルド・トランプ(当時の大統領)の支持者たちが「2020年アメリカ合衆国大統領選挙で不正があった。」と訴えて連邦議会の議事堂を襲撃し、この時は大統領選挙で各州の選挙人の投票結果を認定しており、勝利したジョー・バイデンが2021年1月に大統領に就任する事が確定しようとしていた最中であった。


1814年8月にイギリスに襲撃されて以来史上初めて連邦議会議事堂が攻撃を受けて占拠され、2021年1月下旬の時点で司法省は議事堂に侵入した者は約800人程だと推定している。この事件で逮捕された者の大半は男性で、出身地はワシントンD.C.とその他の45州に渡り、平均年齢は約40歳であった。トランプは同月7日に投稿した動画で整然とした政権移行を約束し、これは前年の大統領選挙での事実上の敗北宣言と受け止められ、同月20日の正午に1期4年で大統領を退任した。


概説

2017年1月から大統領に在任しているドナルド・トランプは、2019年6月に2020年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬すると正式に表明した。2020年8月にマイク・ペンス副大統領と共に正式指名され、同月に正式指名されたバイデン前副大統領とカマラ・ハリス連邦上院議員のペア(民主党)と一戦を交えたものの、バイデン・ハリスのペアに306人の選挙人を獲得されて敗北を喫した。


しかしトランプは何の根拠も無しに「選挙は民主党のバイデン一派が票を操作した。」・「一晩の内に何処からともなくバイデン票が現れた。」・「勝ったのはトランプだ。」・「選挙は不正であり、やり直すべきだ。」と主張し、敗北を認めないままで立て続けに連邦最高裁判所と各州の裁判所に票の数え直し(敗北した州)・選挙の無効を提訴するまでに及んだ。


結局票の数え直しは認められたものの、これらの裁判によって大統領選挙の無効化を狙ったトランプ一派の策動は、不正の証拠が無い事から共和党の保守派が主導する連邦最高裁判所にも門前払いされた。2020年12月16日に選挙人投票が実施され、2021年1月6日にその開票と上下両院での認定作業を経てバイデン・ハリスのペアが勝利するのは確定し、ウィリアム・バー司法長官は「大統領選挙に不正があった証拠は無い。」と断言した。


トランプはこれらの動きに不満を感じてバー司法長官を解任し、ペンス副大統領に不正があるとされる州の票を数えない事を要求したが、「私にはその権限が無い。」と拒否された。根拠の無い不正を主張し続けるトランプは認定会議が行われる1月6日に反対集会を開催し、極右勢力が主体となるトランプ派の群衆に選挙の不正を主張し、「(会議が行われる)連邦議会に向かえ。」と扇動して群衆は連邦議会議事堂に殺到する事態となった。


群衆の一部は議事堂内に侵入し、警察や首都に駐留しているコロンビア特別区の州兵と小競り合いになった結果、警備に当たっていた議会警察1名・トランプ派と思われる4名の計5名が死亡し、50人を超す逮捕者が出てワシントンD.C.は外出禁止令が発令される羽目になった。


1月6日にトランプは議会を占拠した暴徒に解散するように呼びかけたが、反省・釈明もせずにむしろ襲撃犯を擁護・称賛する演説に終始し、同月7日に「暴徒の暴力を許さない。」と釈明した。しかし民主党はトランプの真意では無いと判断し、「アメリカ合衆国大統領の職責を果たす事ができない。」として、憲法修正第25条4節を適用してトランプの解任をペンス副大統領に要求した。


同月12日にペンス副大統領はトランプの解任要求を拒絶し、民主党はトランプに反乱扇動罪を適用して弾劾訴追案を下院に提出した。同月13日に共和党・民主党でそれぞれ222名と10名が賛成して弾劾決議が上院に送付され、トランプは歴史上初めて弾劾訴追を2度受けた大統領となった。


これはまだ終わっておらず、アメリカ国内は民主党派・共和党派(むしろ極右過激派・トランプ崇拝派)に分断が進み、極右過激派・トランプ派が武装蜂起するのでは無いかとの不穏な空気が各地に流れ、新型コロナウイルス感染症の対策も含めて世界情勢に対する影響が注目されている。


国際的反応

アメリカの立法府に当たる機関が襲撃されるという惨状を受け、イギリスフランスドイツはトランプを非難した。対する中国は「香港の民主派英雄として扱っているにも係わらず、連邦議会議事堂に乱入した市民は暴徒として扱う2重基準をアメリカは使っている。」と冷笑し、香港の民主派を鎮圧している現状を正当化する声明を発出している。


2019年6月にナンシー・ペロシ下院議長が香港での暴動を「英雄たちによる美しい風景。」と称賛したが、この暴動では本人の事務所が襲撃された他に警察の導入に積極的だった事が判明し、議会警察に射殺された女性が元軍人であった事が発覚した。軍・警察・州兵にも過激思想が浸透している可能性が浮上し、1月20日に執行されたバイデンの大統領就任式では、そこの警備に当たっている2万5000人の州兵に対して急遽思想調査が実施された。


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