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概要

アルトのスポーツ仕様。アルトターボRSについても記述する。


アルト・ワークス

1985年に2代目になってから2年後、87年にターボとエアロで武装したホットモデルが登場した。これがアルトワークスである。当時のスズキは「馬力戦争」に積極的に参戦しておりスズキ車の最高出力が後の自主規制値となるケースが見られたが、このワークスの存在によりアルトもその一つとなった。その最大のライバルはミラTR-XX アバンツァートR4だった。言わば軽自動車版のインプレッサランエボの構図である(実際にはこちらの登場の方が早いが)。


他に他社のライバルも空前の軽5バルブを採用したミニカ ダンガンターボと、スーパーチャージャーの採用により軽量低重心のシングルカムエンジンで肩を並べてきたレックス VXだった。


その後3代目、4代目、5代目(前期)にも設定され、3代目の途中でリアブレーキがディスク化(SOHCのie系は除く)されていたが、5代目がフェイスリフトを受けた際にワークスを含む全てのターボグレードが廃止されてしまったのである。それ以降、ラパンSS及びKeiワークスがその役目を引き継いでいるとされた。


しかし、Keiは2009年に生産終了。ラパンに関しても全グレードAT・NAになってしまった……が、2015年……


アルトターボRS

2015年3月に設定された、アルトシリーズの(当時)最上級車種。ターボチャージャー搭載・64PS(47kW)エンジンを搭載している点はかつてのアルトワークスと同じだが、AT(2ペダルMT)である5速AGSしかない(ただしそれ相応にチューニングされてはいる上、マニュアルモードではパドルシフトとシーケンシャルシフトの双方が使える)うえ、オートエアコンやシートヒーターが標準装備されているあたり、アルトワークスのようなガチガチのホットモデルとは言いがたい

しかし、2018年のマイナーチェンジ時に下記のワークスに統合され、わずか3年で廃止されてしまった。


つかの間の復活

ところが2015年11月に開催された第44回東京モーターショーにおいて、そのRSターボのMTバージョンが出展された上、同年12月24日、ついに発売となった。しかも「アルトワークス」と名乗って、というおまけまでついた。ちなみに、RSターボと同時発売しなかったのは、「開発に時間がなかったから」。


レカロシートとENKEI製15インチアルミとKYBショック標準装備で価格は150万円強。アルトと言う車種の中では高い(最廉価グレード「VP(バン)」の約2倍!!)が…内容考えればバーゲンプライスとさえ言えるのかもしれない。

レカロ標準装備の軽のカタログモデルなんてこいつぐらいのもんだろう。スズキ本気出し過ぎ。(褒め言葉)


鈴木修社長はコペンS660出たときに「軽自動車は庶民の生活のパートナー、スポーツカーはいらない」と述べたが…要望があったとはいえ、その後RSだけでは飽きたらずワークスという激辛ホットハッチを出してきてその軽スポーツ勢を真っ正面から襲撃するあたりはさすがスズキである。もう好戦度では完全に前2車の上を行っているといえる。

(鈴木修社長がジムニーの育ての親だから、他社が気を抜きすぎなんだが)

さらに細かいこというと、同年代のスポーツ系軽自動車であるダイハツコペンホンダS660車重約850kg(これは電動ルーフなどが関係していると思われる)なのに対して、アルトワークスはたったの約700kgである。(ちなみに前述のターボRSも同じくらい)

たった150kgと思われるかもしれないが、軽さは正義なスポーツカー業界、それも軽自動車ではこの差はかなり大きい。だって150kgって言ったらC50スーパーカブ約2台分(※)だよ? ワークスの重量の2割強だよ? (※C50系カブの車重はAAO1リトルカブ セル無しで79kg)

そして軽いだけではない、ワークスやRSはボディ各部のスポット溶接増しで剛性も高められている。

さらに言うと2ペダルに限定しても、コペンやS660がCVTなのに対し、アルトはセダン実用モデルの一部グレードを除きAGSというMTのクラッチを自動化した機構を採用しているのも特徴である(近年のスーパーカーと同じ方式な上に、CVTに比べるとミッション周りを軽く作れる、CVTの弱点であるターボのでかいトルクでの損失がない、というメリットがある)。

新車カタログも完全にメカ推しの構成……完全にスポーツカーのそれである。


そして、ワークス/ターボRSの魅力を語る上で忘れてはいけないのは、

ワークス/ターボRSはあくまで実用ハッチバックであるアルトのホットモデル、ということである。


つまり、4人乗れる。(日本市場では実際の使用状況に関わらず、“2シーターの乗用車”は敬遠されがち)

しかも、現行型は5ドアなのでリアシートにも楽に乗れる。

そして、スーパーでレジカゴ2つ山盛りで買い物してもまだ寄り道できちゃう。

その上、軽なのでお財布に優しい。つまり若年層でも購入を現実的に考えることができる。

なのに、普通に軽い、速い、おまけに安くて装備も充実(コペン、S660と比較して)。

さらに、アルトのトップグレードなので、快適装備にも抜かりはない。HA36S AGS車に至ってはレーダーブレーキサポートも標準装備である(ただし、ディーラーオプションの範囲に収まる装備、例えばカーオーディオ/ナビゲーションシステムなどについては省略。もちろん、軽くするためである)。

なので、実は奥様専用お買い物カーとしてのポテンシャルも高い。例えば130万円弱のRSを基準に考えると、ラパンのアッパーミドルグレードとほぼ同額である上に快適装備も遜色ない。しかもほぼ同額なのにラパンはノンターボである。RS/ワークスはもともと男性向けのグレードなので女性ウケは考慮されてこそいないが(ただし女性に気合の入った走り好きがいないとは言わん)、特に郊外や登坂の多い地域であれば実用車として見ても軽量ボディ+ターボの組み合わせはとても魅力的なものである。そして、もう一度言うがこれが軽ターボとしては異例の130万円弱なのである。

ゆえに、「スポーツカーが欲しい夫と経済的なお買い物用ハッチバックが欲しい妻」が喧嘩している場合、「安い、速い、使える」ワークスを超える妥協案はまずないだろう。

さらに、アルト、及びF6A/K6A/R06Aターボエンジンは市場に広く流通している。そのため純正・社外、あるいは新品・中古問わずメンテナンスパーツの供給状況は比較的良好であり、しかもスズキは初代ワゴンRの時代からVWに刺激されて基幹部品を使いまわす(例えばカプラーの配線をたった3本入れ変えるだけ、その他の物理加工一切不要でMC22SワゴンR RRのメーターがHA23Vアルトバンにポン付けできるという有様である。)ので軽自動車規格とスズキ四輪部門が存続する限りメンテナンスに困ることはまずあり得ないとさえ言えかねないレベルである。


つまりワークスは日本の庶民の生活にマッチしたスポーツカーの姿であったといえる。


ただ、今後かなり厳しくなるであろう衝突安全性能や騒音規制、そして何よりも燃費性能に対処できない、と言う理由から、現行モデル(9代目)に切り替わったのを機に廃止された。


…………本当に?


本当にその理由なのだろうか?


それが理由なら、つい先日発売して未だに納車待ちが酷い(しかもMTの方が)ジムニーなど、引っかかりまくりの気がする。そもそもジムニーは、国内販売はエコカー減税など要らないという人のためのクルマだ。ワークス撤退が本当に環境性能や安全性能の問題であれば、スズキの行動が矛盾している。


つかの間、と書いたが、HA36型アルトワークスそのものが、もう発売して6年経つのだ。しかもベースのHA36系はその前年。発売時の赤ん坊が来年は小学2年生になるのである。平気で2ケタ年次サイクルする敵前逃亡こいた伊勢崎の田舎モンではあるまいし、HA36系そのものがもう基本設計がくたびれて来ていたのである。


軽の王者、と言われるスズキだが、実はホンダN-BOXが発売して依頼、その玉座を追われて久しい。本当の理由はこっちにあるんじゃないのか?

と、言うのも2019年、ホンダはN-ONEのフルモデルチェンジと同時に、シビック、そしてそのシビック不在の間のホットハッチとして2代目GE9型フィットがホルダーし、10代目FC型シビックの“帰還”後、空座となっていた(シビックは“TYPE-R”を継承)「RS」を、ターボと、軽自動車としては空前の6MTを載せて発売されていた。


それだけではない。2022年度中には、ワークス最大の“宿敵(とも)”だった、ヤツ……

TR-XX

の復活がまことしやかに囁かれているのだ。


思えばHA36系発売のときだってそうだった。「先代と比べてもコスパ最優先の、手頃なクルマに収まっちまったなぁ……」HN22型Kei・ワークスまでの系譜を知っているオヤジ達はそう思ったものだ。だが、その翌年突然に復活を宣言しアッと言わせた。オヤジ達の熱い血を滾らせ、その熱はクルマ離れを起こしていた若年層に確実に伝わった。


「王者“アルト・ワークス”がポッと出の後追いホットハッチの後塵を拝し、宿敵・TR-XX に無様なところを見せるわけにはいかない」


つまり、現状は“ワークス”に向けたHA37系の“シェイクダウン”。


本当の理由はこちらじゃないのか…………!?


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SUZUKI アルト

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