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概要

エフェソス(現在のトルコ西部の古代都市)で信仰されていたアルテミスである。

アルテミスはギリシャ神話のエピソード上では処女神であるが、エフェソスのアルテミス像は複数の「乳房」を持ち、たくさんの獣たちを纏う姿で造形された。

この「乳房」は睾丸、蜂の巣とする説もある。処女神アルテミスと趣を異とする豊穣神・地母神としての特徴を色濃く備えたアルテミス像である。

ヘレニズム期以降の像だと頭に城砦を模した「城砦冠」を被っている。これは都市の幸運と繁栄を司り運命を左右する女神テュケーの持物であり、エフェソスのアルテミスが都市・国家の守護神とも看做されていたことの現れである。


この女神を祀る「エフェソスのアルテミス神殿」は世界の七不思議にも数えられる、雄大で壮麗なものであった。しかし「これ燃やせば歴史に名を残せるんじゃね」と考えたヘロストラトスの手により放火され失われてしまった。

現地の住人は実行犯の名前を残させたくなかったが、歴史家のストラボンが書き残した事で「ヘロストラトス」という愚か者の名前は後世まで残ることになった。

この神殿焼失の事件はアレクサンドロス大王の誕生と同日であったとされ「アルテミスが彼の誕生で頭が一杯だったので自身の神殿が焼けるのを止められなかった」という伝説も生まれた。


エフェソスのアルテミスの「乳房」

エフェソスの胸部に無数についた膨らみが何なのかについては諸説ある。

・人間の女性の乳房

アルテミスはヒトの女性の姿をした女神であり、胸部についているのは人間の女性の乳房が多くなったものとする説。しかし乳首に見えるデザインが全く無い作例も多い。

・牛の睾丸

雄牛の睾丸とする説。ゲラルト・サイタール(Gerard Seiterle)が唱えた。牛の金玉は小豆の粒のような形をしており、「エフェソスのアルテミス」系列の古代に作られた女神像の胸部についたものと形状的には一致する点が多い。

・蜂の巣、卵

英語でバンブルビー(Bumblebee)と呼ばれるマルハナバチという種がつくる巣は卵状をしており、牛のキンタマと並び形状が近い。古代のエフェソスではこの蜂がデザインされた硬貨や陶器も使われていた。像の下半身部分の装飾にもこの蜂がいる。卵のほうは若干細長いフォルムで柿の種に近い。


作例によって上記のどれかに近いものとそうでないものとがある。例えばトルコのエフェス考古学博物館所蔵の二つの像のうち、二匹の獣を従えたほうのアルテミス像はマルハナバチの巣のような「乳房」だが、大きい方のアルテミス像の「乳房」は重力に引っ張られたような垂れ方をしている(両端や下のほうで顕著)。

イタリアのヴィテルボ(Viterbo)に残された胸像の場合、先端が細まって乳首のようになっている所がある。

ナポリの民族博物館所蔵の「ファルネーゼ・コレクション(Farnese collection)」に含まれる像の場合も、石の色合いや陰影がそう見えなくも無い。

そのせいか、中世の再現図では明確に乳首が描かれたり、世界遺産「ティヴォリのエステ家別荘」にある彫像で再現されたりすることになった(乳首の先端から水が出る)。


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