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エンジンスワップ

えんじんすわっぷ

エンジンスワップ(Engine Swap)とは、自動車に搭載されているエンジンを、別のエンジンに載せ換えることを言う。エンジン移植、エンジン換装とも言う。
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日本国外における事例

ノーマルモデルのBMW・3シリーズに、ホットモデルであるM3のエンジンを搭載。
アメリカンV8の世界ではエンジンスワップは極めて日常的に行われ、中には4気筒のベースグレード車に7LオーバーのV8エンジンを搭載する例もある。
ポルシェやフォルクスワーゲンの空冷モデルはスワップが非常に容易な部類に入る。

日本国内における事例


自動車の基本性能を高めるために行われるチューニングの 一つであり、大半はそれを狙って搭載されていたエンジンより上級の性能を持つものに換装するが、稀に例外もある。以下に例外を示す。
何らかの環境の変化に対応させるため。
旧車においては上記の理由の他にも、経年劣化などで低下した動力性能の回復、メンテナンスフリー化の実現や部品供給終息への不安を解消するために世代が新しいエンジンへのスワップが行われる。
貨物自動車においては高価な架装を施したディーゼル車の排出ガス規制へ対応させるため。
チューニングの一環ではあるが、それ自体はチューニングかどうか微妙なケース
いわゆる「ハコ替え」と呼ばれる、老朽化または損傷したモノコックの交換を目的とするケース。モノコックを交換することは書類上不可能なので見かけ上は移植先となる車両を購入しエンジンスワップを行うことになる。
上級グレードのベース車を入手する方法として行われるケース。「エンジン形式」「ターボの有無」、「ATかMTか」などの仕様によって極度に流通価格・流通量が異なる(例:AE80系レビン・トレノ、マークIIBros.)ため、かえってエンジンスワップを行い「上級グレード車を作ってしまう」方が安上がりになるケースもままある。
これらの場合、エンジンの移植先はモノコックの程度がいい同型車であればいい。そのため「安くて程度が良いモノコックが豊富にある」と言う背景から積極的に廉価グレードを購入する場合も見られる。
その他
原動機を載せ替えるという手法から言えばコンバートEVも広義でのエンジンスワップと解釈することが出来る。(法的にも同様の扱い)

トヨタ車


AE85/86型カローラレビン・スプリンタートレノへ、DOHC5バルブ機構をもった4A-GEへのスワップ。
4バルブ4A-Gエンジンは、年式からヘタリが来ているので、同一型式である4A-GEに乗せ換えることで数十馬力のパワーアップも得る(実測で110馬力程度→カタログ値160馬力)。
同一型式のエンジンであるので、構造変更手続きは不要である。
また、AW11型MR2やA63型カリーナへのスワップもマニアの間では行われている。
スーパーチャージャーの付いたAE92、AE101 GT-Z用4A-GZEや一部、コアなファンの中には4A-FEエンジン車や5A-FE車(要構造変更)にスワップする者もいる。
ただ、元々横置き用のエンジンを縦置き用にスワップするため、単純に乗せ変えるだけではなく、かなりの量の加工が必要となる。
GXE10型トヨタ・アルテッツァに2JZ-GTEをスワップ。
XE10型セダンの輸出仕様車には3000ccモデルがあったが、国内では2000ccモデルのみのラインナップで、自然吸気仕様(3S-GEと1G-FE)しか存在しなかった為、モアパワーを求めてスープラ等に使用されていた2JZ-GTEエンジンをスワップする。ステーションワゴンのジータやプラットフォームを共用するプログレには2JZ-GEが搭載されていたためエンジンマウントなどが比較的容易に入手、装着できる。
トヨタの縦置き6気筒エンジン車は、(基本的には)同系統エンジンでなくとも積み替えることができる。
1G→1JZなどがその例で、ユーザーニーズへの対応の為に同一モデルでも排気量ラインナップ(たとえばJZA70スープラは2Lの1G、3Lの7M、2.5Lの1JZとバリエーションが存在する)を多数揃えていたことからできる芸当である。

日産車


シルビアの自然吸気仕様(Q's・specS)に、ターボエンジンをスワップ。
S13型からよく行われている改造である。ホットモデルであるK'sはやはり玉数が少なく、事故車も多い。そこで、車両台数の多いQ'sをターボエンジンに載せ換え、「K's仕様」を作成する。
車両台数そのものは多いので、チューニングショップでもノウハウが溜まっていることもあり、比較的安価にターボ化できることもあって一時期はターボ仕様のQ'sも比較的多かった。
また、S13の前期型はCA18エンジンで排気量も少なく、パワーも見劣りした為、中期以降のSR20DETやS14,S15型のエンジンに乗せ換える例も見られる(兄弟車の180SXに多い)。時にはスカイラインGT-Rに積まれているRB26DETTを積む事もある。
ノーマルモデルのスカイラインやセフィーロ、ローレルに、トップモデルのGT-RのエンジンであるRB26DETTをスワップしたりトヨタの1JZ-GTEや2JZ-GTEを搭載する場合がある。
RB20DETやRB25DEなど、ノーマルモデルのスカイライン(多くはFR車)にハイパワーエンジンを積むことで、走行性能の向上を図る。また、このRB25もRB20エンジン搭載車に換装されるときがある。
トランスミッションは4WD(GT-R)→FRとなるため、ケースはFR用のまま、中身のみGT-R用を流用したりと、手間がかかる。しかしRB26DETTでトランスファーが入っているオイルパンについては、RB20/25用がそのまま流用出来る為加工はいらない。
スカイライン系統の6気筒搭載FR車にSR20DETエンジンをスワップ。
アルミブロックの4気筒エンジンであるSRエンジンは鋳鉄製6気筒のRBエンジンよりも大幅に軽量であり、フロントセクションの軽量化により回頭性が上がりドリフトに適する車両になる。R32スカイラインの廉価グレードには同時期のシルビアに搭載されていたCA18エンジンが搭載されていたモデルがあり、4気筒エンジンの搭載は困難なことではない。
L20エンジン搭載車のスカイライン、フェアレディZ、ブルーバード、ローレル、セドリック・グロリアにL28エンジンをスワップ。
人気の高い車種が多かったこともあり日本中に広く広まった。また、同系統エンジンである為のスワップの容易さ、長期に渡り製造されていたことによる個体数の多さ、パーツ流用や専用部品を追加して大幅なパワーアップが出来ること(自然吸気のままでも3倍以上になる)などの理由により、70年代から80年代前半までの間、日本で最も盛んに行われたエンジンスワップの例である。エンジンスワップに併せ、純正の小型なキャブレターや初期のインジェクションからソレックス、ウェーバー等の大径キャブレターに交換する場合が多い。現在でも熱狂的な愛好家が多く存在する。米国ではフェアレディZにV8エンジンを搭載するケースも多かった。

その他の車種


ホンダのB16/B18型エンジン搭載車に、B20BをVTEC化改造を施した上で搭載
FC3S型・FD3S型RX-7に、ユーノス・コスモの20B型3ローターのロータリーエンジンを搭載
CE型・CA型三菱・ミラージュに三菱・ランサーエボリューションに搭載される三菱・4G63エンジンを搭載。
NA型・NB型のマツダ・ロードスターに、13B型ロータリーエンジンを搭載。
SS40型のスズキ・セルボおよびマイティボーイに、CA72V型アルトワークスのツインカムターボエンジンを搭載。エンジン型式はF5Aで共通。

モータースポーツ


全日本プロドリフト選手権やSUPER GTのGT300クラスのように、競技カテゴリーによっては競技車両にベース車と異なるエンジンの搭載が認められることがあり、次のような事例が見られる。
ベース車より大排気量のエンジンに換装
エンジンが大型化されるため直接的なパワーアップを期待できる。反面重量と燃料消費量は上がる。
ダカール・ラリーのスズキ・エスクード(2代目)にいすゞ・ビッグホーンの6VD1エンジンや三菱・パジェロの6G74エンジンを搭載。2代目エスクードのV6ガソリンエンジンはH27A型の2700ccが最大で、ラリーでは力不足のため3000ccクラスの他社製エンジンを選定。
ベース車より小排気量のエンジンに換装
マシンの軽量化を目的に採用されることがある。過給器を装着してパワーダウンを補うことが多い。
全日本GT選手権の三菱・FTOに4G63ターボを搭載。(ベース車は6A12)
SUPER GTのトヨタ・スープラに3S-GTEを搭載(ベース車は2JZ-GTE)
ダカール・ラリーの三菱・パジェロ(2代目)に4G63ターボを搭載。(市販車改造クラス、ベース車は6G72)
ベース車と同等だが異なる仕様のエンジンに換装
三菱・パジェロのラリー仕様では6G74エンジンのGDI仕様からMIVEC仕様に換装。

特に使われるエンジン


トヨタ・2JZ-GTE 日産・RB26DETT
どちらも国内最高峰の出力と耐久性を持つため、モアパワーを狙うチューニングに使われる。同系列の1JZ-GTE、RB25DETなども使用されることがある。
日産・SR20DET
アルミブロックの4気筒エンジンであるためチューニングベースとなりやすいエンジンの中では軽量である。フロントの軽量化を目的に、6気筒エンジン搭載車から換装するドリ車が特に多い。フロントの軽量化は、回頭性を向上させる効果がある。スーパーGTでも行われる手法である(この場合はトヨタの3S-GTE)。

構造変更検


エンジンスワップには、「同一型式のものを載せ換える(SR20DEからSR20DETなど)」場合と「型式の異なるものに載せ換える(VQ20DEからVQ25DDなど)」場合がある。
前者の場合、ターボチャージャーの有無や動弁機構の違いは補記類の違いによるものとされているので、構造変更検査を受ける必要は(現状では)ない。
しかし、後者の場合は車検証記載の原動機型式が異なる(VQ20からVQ25へ変更になる)ので、構造変更検査を受ける必要がある。
原動機変更の為に構造変更検査を受ける際に問われるのは、主に次に挙げるものである。
クラッチ・トランスミッション・プロペラシャフト等の駆動系が耐えられるか
エンジンマウント・エンジンメンバーなどが耐えられるか。
スワップする車両が対応している排出ガス規制値を満たすエンジンであるか。
例:E-PS13にGF-S15のSR20エンジンは搭載可能であるが、その逆は排出ガス規制が厳しくなっているので不可能。
エンジン等のサイズの都合でボディを切断・加工した場合、そのボディの強度は十分か。

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