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エントロピー(英: entropy)とは、

1)熱力学

2)統計力学(情報理論)の用語である。


概要

1)エントロピーとは『曖昧さ』『乱雑さ』の度合いと考えればいい。

外部からエネルギーが流入しない状態では、エントロピーは高くなる(どんどん雑に、適当になり、質が下がる)一方で、どれだけ待っても勝手に低くなることはない。「10の電気からは10の熱と光が生み出されるが、10の熱と光をどんなに完全に合わせても10の電気にはなりえない=ロスが発生する」という熱力学第二法則と合わせ、この様にどんどんと質が低くなっていった結果、最終的に元々あった10の電気が0になり、そこから生み出される熱も光も無くなってしまう、これを熱的死と言う。

エントロピーを低くするには必ず外部からのエネルギー流入がなければならない。


例)

室温に置いた氷水は、時間経過とともに熱が水から氷に移動して氷が融けていく。これはエントロピーが高くなった状態である。この融けきった状態から、水の一部の熱が勝手に逃げて氷ができることはない(熱的死)。再び氷を作るには「冷凍庫に入れる=外からのエネルギーを得る」ことが必要になる。


2)ある事象(できごと)が起きた際、それがどれほど起こりにくいかを表す尺度。


ありふれたできごと(例:「風の音」)が起こったことを知ってもそれはたいした「情報」にはならないが、逆に珍しいできごと(例:「曲の演奏」)が起これば、それはより多くの「情報」を含んでいると考えられる。


情報量はそのできごとが、本質的にどの程度の情報を持つかの尺度であるとみなすこともできる。


ここでいう「情報」とは、あくまでそのできごとの起こりにくさ(確率)だけによって決まる数学的な量でしかなく、個人・社会における有用性とは無関係である。

  • たとえば「自分が宝くじに当たった」と「見知らぬAさんが宝くじに当たった」は、前者の方が有用な情報に見える。しかし同じ条件下では当選確率に変化はなく、両者の情報量は全く同じである。

魔法少女まどか☆マギカでのエントロピーについて

地球は太陽からのエネルギーが得られるため、エントロピーは高くならない(例:単純な分子から長大なDNAが合成される等)。

しかし宇宙全体で考えれば『宇宙の外からのエネルギー』というものはないので、宇宙のエントロピーは高くなっていく一方であり、いずれは熱的死を迎えることになる。

そこでキュゥべえは、ソウルジェムグリーフシードに転化する際に発生する力が、"その少女が生まれてから死ぬまでに消費されるエネルギー量"を補って余りある(熱力学第二法則に反している)事に着目し、それを『エントロピーの法則外からのエネルギー』として回収し、エントロピーを低くしようとしている。



余談と考察

1.宇宙存続のためにエントロピーを引き下げようとしているキュゥべえだが、その言葉からは彼らが「超ひも理論による『ブレーンワールド(膜宇宙)理論』を否定している」とも考えられる。


ブレーンワールド理論では宇宙は高次元時空に浮かぶ”膜”であり、我々の宇宙の他にも、いくつも同じような「膜宇宙」が存在していると考える。

ところで、ほとんどの素粒子は、膜宇宙の”膜”に固定されているため、この宇宙から飛び出すことはできないのだが、このうち重力子のみは高次元時空や他の膜宇宙と行き来できるとされる。


つまりブレーンワールド理論が正しいとすれば、重力が『外からのエネルギー』になり得るのだが、熱的死を防ぐために別のエネルギーを求めようとするキュゥべえは、その理論を否定している、あるいは修正する理論を持っていると考えることができる。


2.現在の人類の科学による宇宙観によると、熱的死のほかに宇宙の終焉は以下のようになる。

(宇宙の膨張は収縮に転じないことが前提。宇宙を膨張させているダークエネルギーは空間そのものが持つエネルギーであるとされているため、空間が膨張しても薄まることはない)

  • 銀河群(数個〜数十個程度の銀河の集団)や銀河団(数百個以上の銀河の集団)は互いの重力により引き合い、合体して超巨大銀河になっていく。
  • 銀河群や銀河団同士の距離が大きすぎて重力よりも宇宙が膨張する力のほうが勝るため、超巨大銀河同士は離れていく。
  • 銀河を構成する恒星は燃え尽き、大きさに従って白色矮星、中性子星、ブラックホールが形成される。
  • 恒星の材料である物質が尽きて新しい星が生まれなくなる(天の川銀河の場合、百億年以内と予測されている)。
  • 残されたブラックホールが周囲の恒星の残骸などを吸い込み、さらに他のブラックホールと合体して大きくなっていく(天の川銀河の場合、銀河の構成物質の大多数がブラックホールに飲み込まれるのには10の23乗年かそれ以上の時間が必要とされている)。
  • 飲み込むものがなくなったブラックホールが蒸発により縮小(空間そのものから対生成されてすぐに対消滅する素粒子のペアのうち、片方がブラックホールの重力によって捉えられる。そのため事象の境界線のすぐ外ではブラックホールから素粒子が放出されるように見え、対してブラックホールには捕らえた素粒子の片割れにより負のエネルギーが持ち込まれるため縮小していく)し、最終的にガンマ線や素粒子を放出して消滅する。
  • 残された物質は陽子崩壊により消滅、最終的にニュートリノと陽電子になる(陽子一個の寿命は10の32乗年程度と見積もられている)。
  • こうして、10の100乗年を超える未来の宇宙は、広大な空間をたまに光子や電子、ニュートリノなどといった素粒子がごく稀に行き交うだけの暗く冷たい世界になる。

キュゥべえはこの宇宙の終焉も先延ばしにできるのだろうか?



関連タグ

インキュベーター


熱力学

永久機関


平沢進:彼の楽曲「夢みる機械」の歌詞の中に登場。


デスギドラ:エントロピー増大のせいで誕生したゴジラ怪獣


エヌ・トロピー

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