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概要

1954年3月9日生まれ、レバノンブラジル人の実業家。


フランスにわたりグランゼコールで教育を受けたのちミシュランに勤務。

業績を買われルノーにスカウトされ、1999年に経営危機に陥っていた日産CEO就任。

5つの工場の閉鎖と土地の売却、2万人以上のリストラ、500社以上の取引先の削減、ルノーとの部品共用化といった前例のないコスト削減を断行。

結果、僅か1年後の2000年には黒字経営に転換させることに成功したことから、「コストカッター」の異名でもてはやされ、一躍時の人となった。

後にルノーと三菱自動車の代表取締役も兼任した。


アラビア語とフランス語、英語、スペイン語、ポルトガル語を話せるマルチリンガルであり、日本語も多少は話せる。


逮捕、そして転落

2018年11月、東京地検特捜部により金融商品取引法違反容疑で逮捕された。

これは自身の役員報酬を少なく見せかけて有価証券に記載していた疑いによるもので、日産内部の社内調査により明らかにされたという。

ゴーンは日産から会長を解任された。

その他にも、「勤務実態のない姉を名目上アドバイザーにし10万ドルの報酬を払っていた」などの疑惑が報じられている・


ルノーはその設立経緯や現在もフランス政府が筆頭株主であるといった事情から事実上の国営企業に近く、

エマニュエル・マクロン大統領も驚きのコメントを発するほどの国際問題になりつつある。


国外逃亡

2019年12月31日の早朝、保釈中のゴーン被告がプライベートジェット機で母国レバノンへ逃亡したという衝撃のニュースが飛び込んできた。

ゴーンが逃亡した目的はレバノンに守ってもらい、日本に裁判を放棄させ、身柄拘束を諦めさせるためであるという。


逃亡ルートとして有力視されているのが、「自宅出発」→「徒歩で六本木ヒルズ方面に向かう」→「ヒルズ近くのホテルで協力者2人と合流」→「車で品川駅に向かう」→「東海道新幹線ひかりに乗車し新大阪駅へ」→「新大阪駅到着後、タクシーで関西国際空港近くのホテルに入り、さらに協力者と合流」→「人間も丁度入るくらいの楽器ケースに身を潜める」→「関西国際空港・第二ターミナルまで車で行き、プライベートジェット専用のラウンジを経て飛行機に乗り込みレバノンへ」

という流れである。


ゴーンの逃亡に協力したと思われる存在について、裁判所や検察はもちろん、ゴーンの保釈を勝ち取った、弘中惇一郎ら弁護団は「寝耳に水」であると、否定。

マスコミによると、ゴーンのパスポートは弘中惇一郎弁護士が預かっており、出国記録にも名前が無かった事から、別名を名乗り予備のパスポートを使っていたとみられている。

 逃亡の裏には日本国内外の協力者が居たとされ、プライベートジェット機で出国する場合、一般の飛行機とは別ルートで出国審査が行われる事も、逃亡を成功させた要因であるという。

日本とレバノンは「犯人引き渡し条約」を締結しておらず、レバノン政府が拒否すれば日本は手が出せない。


母国レバノン入りしたゴーンは、以下の様な声明を発表している。

「私は基本的人権を侵害するような日本の司法制度の人質にはなりません。裁判から逃げたのではなく、政治的迫害や不正義から逃れたのです。やっとメディアに自由に話すことができる。来週を楽しみにしていてほしい」


そして日本時間における1月8日の22時、レバノンで開かれた記者会見にて、ゴーンは自らの持論を展開する。

しかし、世界中において大きな注目を集めていた結果、世界から約80媒体のメディアが参加しているのだが、ゴーンはその中でも最も真意を知りたいはずである日本メディアに対し、僅か数社(朝日新聞小学館、そしてテレビ東京という謎のチョイス)のみを除いて他は全て締め出しを行うと言う、明らかに自分に有利に進めようとする政策に出ている。

そして記者会見では、自らの追放や逮捕は、自らの功績に嫉妬した経営陣や検察によって仕組まれたという陰謀論を説き、改めて自らの潔白を強調。その陰謀に関わったとされる日産自動車の経営陣など6人を名指しで批判している。

だが、それに対するメディアからの受けが思ったよりもよくなかったからか、今度は日本司法への批判を繰り返しながら、妻・キャロルへの愛情を強調。同情を誘うパフォーマンスのような振る舞いを見せていたという。

結局、会見は陰謀の証拠もなく、日産や日本の司法に対して告訴等の具体的な行動を起こすかどうかについても言及していない、身もふたもない言い方をすれば、延々と文句と持論を一方的に言うだけに終わっている

なお、記者会見終了後、ゴーン逃亡に加担したとされ逮捕状の出ていたキャロルは、日本の司法を「残酷」と評している。


仮に、前出の逮捕容疑が事実無根で日本の司法に問題が有る、とゴーン側に最大限好意的な解釈をしても、そもそも密出国自体が犯罪行為であり、その点についての責任はついて回ることになる。


現在、裁判はなんとか公判前整理手続までは行ったもののこれ以上は進めることはできず、さらには弘中氏をはじめとして弁護士の大半が辞任してしまい、上記の通り事実上の裁判放棄状態となってしまっている。


2020年2月現在、ゴーン側は日本への訴訟等は起こしていないが、なんと自身の半生をハリウッドで映画化する準備を進めているとアメリカのメディアが報じた。当然日本からは避難轟々となっている。

一方の日本側は、日産自動車がゴーンに対して、不正行為による100億円の損害賠償請求訴訟を横浜地方裁判所に提起している。また、上記の会見での名誉を毀損する発言についても法的手続をとる権利を留保する、としている。ただ、ゴーン側のこれまでの行動から、(無視するなど)訴訟に応じる可能性は低いと言わざるを得ない。


世論の評価

ゴーンは国際的な成功を築いた人物としてレバノンで尊敬されており、事実、ゴーンの逮捕後は、彼が国籍を有すブラジルやフランスでは、判官贔屓とも言える形で彼を擁護する声も目立っている。

特に母国レバノンでは複数の公人が、過去に強引とも言える大リストラ等を実施しているゴーンの所業について知ってか知らずなのか、彼に対する連帯感を示しており、ヌハド・マシュヌク内相は「レバノンの不死鳥が、日本の太陽によってその身を焼かれることはない」と断言。レバノンの首都ベイルートの街頭電光掲示板に「われわれは皆、カルロス・ゴーンだ」という広告まで現れた。

その一方で、レバノンには海外から逃亡したゴーンを擁護している政府の方針に不満を持っている人も少なくなく、そういった人を中心に「逃亡犯となったゴーンを匿うのはおかしい」「一般の犯罪者と同等に扱うべきだ」という声も上がっている。

さらにはレバノン国内では反政府デモが頻繁に行われており、ゴーンもやり玉に挙げられている。


1月8日の記者会見でも、元々日本の司法制度に反感を抱いていたフランス、アメリカ、イギリス側の取材者達から同情的な表情を見せており、レバノンの報道陣に至ってはゴーン氏の地元愛を聞くたびに笑顔や拍手喝采を見せ、それを見たゴーン本人も上気させて笑顔を見せていたという。

ただし、この時も、一部の記者から「火の無い所に煙は立たない」と皮肉混じりな発言をされた際は、明らかに不快感を示した険しい表情を見せたりもしている。

当然、日本の各種メディアからは上記の通り証拠もない持論展開のみの会見には厳しい意見が出ている。


様々な国家の人物達から賛美・擁護を受け、現時点で日本の司法も手が出せずにゴーンペースで進んでいる一方で、日本の司法と正々堂々と戦わず自らの有利になる国外へ逃亡したゴーンに批判している人物達も日本国内はもちろん、海外にもかなりいる為、このまますんなりとゴーン側の勝利とはいかない可能性もまだ僅かながら残っている。

さらには、国際レベルで社会的信用を大きく失う形になっており、勝敗にかかわらず実業家としての再起はレバノン等の擁護している国以外ではほぼ絶望的と言っていいかもしれない。


日産について

先述の通り、ゴーンは日産の救世主として称賛を浴び、一時は世の経営者層から神格化じみた扱いを受けていた。

しかし、この大規模リストラにより泣きを見る元社員や元取引先が多数生まれた他、生き残った取引先も苛烈なコスト競争に晒され、利益確保に苦心する羽目になった。

また、開発費の削減により新技術が停滞したことで、後に再びシェアを落とすこととなった。


一方でゴーンは破格の役員報酬を受け取っており、解任直前の2018年で16億5200万円という金額であった。

これは国内自動車メーカーにおける役員報酬のダントツ一位であり、トヨタ自動車社長の豊田章男が3億8600万円であったことと比較しても、文字通り桁違いの数字である。

上記の事実から、ゴーンに批判的な層は解任前から一定数存在していた。


現時点では

現在、レバノン感染症の影響により経済が悪化し

支援を求めているが、それは決定権のある日本が認めなければありえない。と言われている

(その条件と言うのは身柄の引き渡しである)。


さらには、2020年8月に発生した2020年ベイルート爆発で負傷こそしていないものの、自宅に被害が発生。それだけでなくベイルートの穀物倉庫なども吹き飛んでしまい食糧事情などもより一層悪化という事態になっている。

少なくとも、このまま悠々と亡命生活を……とはいかないかもしれない。


結果的には国外逃亡は失敗とするべきものに終わり、下手すれば日本での勾留生活以下の生活レベルを余儀無くされている。仮にきちんと裁判に応じていればたとえ実刑判決を受けたとしても財界復帰はどこかの国で実現できていたかもしれないので、非常に惜しい事をしたと言える。


関連タグ

レバノン 実業家 日産 Mr.ビーン:そっくりさん

アルゴ:実際にあった、駐イラン・アメリカ大使の脱出劇を元にした2012年のアメリカ映画。


春日俊彰:2019年の浮気騒動の際に撮られた写真でサイズの合わないジャージを着て、レーシックをしたのにもかかわらずメガネを掛けていたことが発覚。そのせいで相方の若林正恭から「変装で笑わせてくるのお前かカルロス・ゴーンだけだぞ!」とキレ気味にツッコまれた。

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