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キンキーブーツ

きんきーぶーつ

特殊嗜好者向けのブーツ、もしくは同名の映画・ミュージカル作品。本項目では主に後者について説明する。
目次 [非表示]

曖昧さ回避

1. ひざまたはももまでの、通例黒革のぴっちりした女性用ブーツ。サディストの女性が履くものとされることから。

2. 2005年にイギリスで公開された映画およびそれを基にしたミュージカル本項で説明する


2の概要

イギリスのノーザンプトンシャーにある老舗の靴工場プライス社御曹司チャーリー・プライスは、父の死により実家を継ぐことになる。

しかもリストラが必要なほどの経営難に陥っており、就任早々頭を抱えてしまう。

従業員のローレンから「嘆いてばかりいないでニッチ市場でも開発しろ」と吐き捨てられたチャーリーは、ロンドンで出会ったドラァグクイーンローラを思い出す。

ドラァグクイーンである「彼女」たちは女性用の靴を履く他なく、男性の足の大きさや体重に適していないのだ。

そこでチャーリーは閃いた...専用の靴がない彼女たちのための靴、キンキーブーツでプライス社を黒字に回復させると!


原作映画

イギリスのノーザンプトンシャーに実在した紳士靴メーカー「W.J.ブルックス社」をモデルしたコメディ映画

イギリスとアメリカの合同制作だが、アメリカでの公開は2006年春と半年ほどタイムラグが発生した(イギリスでの公開は2005年秋。ちなみに日本での公開は2006年夏)。

アメリカおよび日本での配給元はブエナビスタ(現ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ)。


ローラ役のキウェテル・イジョフォーがゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞する等決して評価できない作品ではなかったが、「よくあるプリティッシュコメディ」と公開当初の評価は賛否両論だった。


ミュージカル版

2012年にシカゴでプレビュー公演、2013年春にブロードウェイ初演。

脚本は「ラ・カージュ・オ・フォール」でお馴染みのハーヴェイ・ファイアスタイン、音楽はシンディ・ローパー、振り付け・演出はジェリー・ミッチェルが担当。

ローパーにとっては初のミュージカル作曲となったが、かなりの難産であったことを明かしている。


上演当初こそ前作品の「マチルダ」と比較されがちだったが、失業や財政難といった現実の社会問題と重なる内容が観客の共感を呼び、上演1週間で興行収入がマチルダを上回り、チケット難となった。

2013年はトニー賞激戦の年だったが、内6部門を受賞する大挙を成し遂げた。


日本での展開

製作はアミューズ。2016年に初演。

日本版の演出協力として岸谷五朗が採用され、訳詞を森雪之丞が担当した。

チャーリー・プライスを小池徹平が、ローラを三浦春馬が演じたことで話題になった。

特に三浦は所属事務所であるアミューズが主催の「地球ゴージャス」を除けば、本作が初のミュージカル出演である。

初演の好評を受けて2019年も初演キャストで上演された。

小池は菊田一夫演劇賞を、三浦は読売演劇大賞を含めた3つの賞を受賞した。


再演も高評価を受け、3度目の上演に舵を切ろうとしていた矢先、2020年に三浦が急逝。

ローパーを始め、ブロードウェイ関係者からも哀悼のメッセージが寄せられた。

ファンによって映像化の署名運動が行われたが、ブロードウェイスタッフの厚意により追悼動画が公開された(※)。

これを受けて、主催者は署名提出を取り下げている。


(※)ブロードウェイで上演された作品のライセンス料金は非常に高額な上に、映像化を許諾していないことも多い。

稀に映像化の許諾が下りることもあるが、その額は回収できれば御の字レベル。

そのため三浦の追悼動画は異例とも言えよう。


以上の経緯により再再演を断念することも検討していたが、三浦の思い出と熱意を引き継ぐために「日本にはキンキーブーツが必要だ」と思い直し、2022年秋に上演が決定。

オーディションの結果、ローラ役は城田優に引き継がれた。


尚、3度目の上演にあたってキャストは非常に葛藤したことを明かしており、最終的には「三浦がこの作品に込めた思いを継いでいきたい」と出演を決意した(もちろんスケジュール等の都合で出演できなかったキャストもいる。事実上演中に子役数名が声変わりにより降板した)。

幸いにも東京・大阪公演の全日程を完走するという奇跡に恵まれた。


余談

  • 本作の舞台であるノーサンプトンはイギリスにおける靴のメッカとして知られる。
  • W.J.ブルックス社は家族経営の老舗靴工場だったが、一時工場の閉鎖を余儀なくされたことがあった。再起をかけてドラァグクイーン用のブーツやアダルト向けのファッションアクセサリーの製作工場として方向転換した。
    • 主人公のチャーリーのモデルはブルックス社の社長だったスティーブ・ぺイトマン。
    • 残念ながらブルックス社は2000年に消滅してしまったが、ぺイトマンはチャーリーのモデルとして自伝を執筆したり、オリジナルグッズを製作している。自伝はAmazonやぺイトマンのホームページから購入できる。後者は受注販売なので、気になったらぺイトマンにメールしてみよう。
  • ファイアスタインはラ・カージュ・オ・フォール以外にも、ヘアスプレーのミュージカル版でエドナを演じている。つくづくドラァグクイーンに縁があるようだ。
  • ローパーはトニー賞オリジナル楽曲賞初の単独女性受賞者となった。

関連イラスト

RAISE YOU UP!キンキーブーツより



関連タグ

映画 ミュージカルブーツ


関連リンク

原作映画公式サイト

ブロードウェイ版公式サイト

日本版公式サイト

ぺイトマン公式ホームページ

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