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概要

別名断頭台。その名の通り、受刑者の首を刎ねるための機械。

名は考案者である医師ギヨタン(guillotine)の英語読みから。正式には「Bois de Justice」(正義の柱)という。フランス革命期の印象が強いが、実は1977年まで使用されていた。


固定したに、重く鋭い刃がレールに沿って勢いよく降りてくることで確実かつ迅速、無痛のうちに刑を執行するというシロモノである。刑の執行の見た目や、使用目的、そしてフランス革命直後の恐怖政治期に乱用されたことから凄惨なイメージがつきまとうギロチンだが、大元の開発目的は死刑囚を苦しめずかつ確実に処刑するためである。


人の首を一刀の下に切り落とすのは卓越した技術を必要とし、下手な者が行えば中途半端にしか切断できず、罪人は不必要に苦しみながら絶命を待つしかなかった。(国は違うが)例として、1685年に行われたモンマス公の処刑を担当した死刑執行人・ジャック=ケッチの不手際が挙げられる。刑執行に際し、彼は幾度となく斧を振り下ろしたがすべて失敗、最終的にはナイフで首を切断するという事態に発展し、見物客から大変なひんしゅくを買ったとされている。


そういった事情から、この装置は死刑囚と処刑人の両方に配慮した実は慈悲深い装置でもあるのだ。だが、こうして「誰でも」「簡単に」処刑が行えるようになった結果、何万人という人間が首を落とされる事態となったわけで、近代的な「合理的判断」というやつが必ずしも人間に利するものでないということを教えてくれる。


切れ味を良くするためにルイ16世が自ら「刃を斜めにせよ」と提案したというエピソードがある。後年その「切れ味の良くなった」装置で自らが首を落とされたという事実は皮肉である。なおルイ16世を処刑した際の刃は、今はイギリスのある蝋人形館で展示されているという。また、恐怖政治の象徴として数々の人達をギロチン送りにしてきたロベスピエールの最期もそのギロチンであった。なんとまたこちらも皮肉である。


ルイ16世の妻であるマリー・アントワネットは民衆の怒りを買っていた為に「恐怖を増大させる為に仰向けで寝かされた」とする俗説があるが、創作である可能性が高い。


なお、他に廃棄物を少しずつ送りながら千切りのように細かく切断する廃棄物処理設備も、見た目や動きが似ていることからギロチンという。タグとしては、形状の似ているものや重く鋭い刃物、を狙ったプロレス技などに用いられる場合がある。


歴史

革命以前のフランスでは、庶民に対する処刑方法に、多大な苦痛を伴う絞首刑を適用していた。貴族に対しては斬首刑が用いられたが、前述の通り技術のある者が担当しない場合、一撃で首を落としてもらえない場合もあった。


この事態を重く見たギヨタンは、「人道的な」処刑方法として機械式の断頭台導入を提案した。当初の形状は、16~17世紀に英国で使用されていたハリファックス断頭台、同時期にスコットランドで使用されていたスコッチ・メイデンに類似している。ギヨタンによる再三にわたるプレゼンの結果、1792年4月に正式導入が認可され、『正義の柱』としてのデビューを果たした。


果たして、人道的な処刑器具としてのギロチンは、十分に機能としたといえる。しかし、当時の死刑は見世物としての意味合いもあったので、刑の開始から終了までをじっくり見たい者からは不評だった模様。認可当日に、窃盗未遂+暴行による死刑囚への刑を執行したが、あっけなく終了した刑にむしろ不満の声が多かったという。


その後も、革命で名を馳せた政治家をはじめ、多くの著名人を血祭りにあげた断頭台。フランス革命の原因となったルイ16世マリー・アントワネット夫妻、恐怖政治を展開したロベスピエールのみならず、質量保存の法則を発見したラボアジェなども犠牲になっている。


効率的な死刑執行が可能という評判は他国にも広まり、ドイツやイタリア、ベルギーなどでも導入された。改良版(高さが低くコンパクトなサイズになっている)を採用したドイツでは、ナチス政権下で特に重宝され、その受刑者は1万5000人以上を数えた。独裁政権下とあっては裁判もろくに機能しておらず、反ナチを訴えるビラを配っただけで処刑されるなど、その効率性が完全に裏目に出る形となった。


日本でも導入が検討されていたというギロチンだが、本家であるフランスは1939年に公開処刑という形での使用を終了(映像は隠し撮りされており、YouTube上で一般に閲覧可能である)。以降は刑務所内での処刑となり、1981年の死刑制度廃止に伴いその役割を終えた。


あまりにポピュラーな器具であるがゆえ、検索エンジンで調べると大量の画像が表示される。中には、実際に執行される直前・直後のものも現存しており、一般に閲覧可能である。刺激が強いものも多いので、閲覧に際しては自己責任のもとで行っていただきたい。


執行後の意識

ギロチン導入に際して科学者の関心を集めたのは、「切断された頭部はいつまで意識を保てるのか」というテーマである。脳という器官は大量の酸素を要し、血液によって運搬される酸素で活動を行っている。よって、頭部切断に伴い頸動脈を失うと脳は即座に生命活動を停止する、というのが一般的な定説である。


しかし歴史上では、切断された頭部がおかれた環境によって反応したという記録が複数残されている。16世紀英国国王ヘンリー8世の2人目の妻であるアン=ブーリンは、処刑直後に何かを言おうとしてそのまま息絶えたとされている。またフランス革命期でいえば、ロベスピエールと同じくジャコバン派の巨頭として活動したマラーの暗殺犯・シャルロット・コルデーの死刑も執行。切り落とされた頭部は、執行人に叩かれると怒りからか紅潮したとされている。


このような事象も相まって、一部の科学者はこのテーマについて議論を展開。先述のラボアジェに関しては、自身の処刑時に自らを実験台に用い、幾分かの反応を見せたという。また、1905年にある死刑囚に対して執行された刑に際し行われた実験では、その頭部が呼びかけに応じて数回のまばたきをしたと記されている。


現代の科学では、頭部を切断された人間を生き長らえさせる・もしくは復活させる術がないため、以上の反応が意識的なものなのか、反射で行われているものなのかを知ることは不可能である。しかし、ギロチンという処刑器具を語るうえでは、決して外せないテーマということができよう。


ギロチンの表情練習


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