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サガン鳥栖

3

さがんとす

サガン鳥栖とは、Jリーグに所属するプロサッカークラブである。ホームタウンは佐賀県鳥栖市を中心とした佐賀県全域。
サガン鳥栖とは、Jリーグに所属するプロサッカークラブである。ホームタウンは佐賀県鳥栖市を中心とした佐賀県全域。

解説

解説

創設年1997年
加盟年2006年
ホームスタジアム駅前不動産スタジアム
クラブカラー水色とピンク
マスコットウィントス

通称「鳥栖の兄貴」。佐賀県唯一の公式球技チームである。


歴史

歴史

チーム創設まで

1987年に静岡県浜松市を本拠にPJMジャパンの設立したサッカークラブ「PJMフューチャーズ」を佐賀県が誘致、1994年に移転、「鳥栖フューチャーズ」と改名、Jリーグ準会員となった。

しかし、PJMジャパンの撤退が原因となって深刻な経営難に陥り、1997年1月にチーム運営会社の株式会社佐賀スポーツクラブが解散を決議(翌年破産)、その受け皿として1997年2月4日に佐賀県サッカー協会会長の中村安昭を代表とする任意団体として「サガン鳥栖FC」が発足した。

その為、「鳥栖フューチャーズ」とは経営的、組織的に直接のつながりはない。選手も元フューチャーズの選手はサガンに″移籍″となっている。(但し天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の出場回数は鳥栖Fからの通算である。)


Jリーグ参戦

J2発足時に加盟したクラブで最後までJ1昇格を経験していなかったが、2012年シーズンで初の昇格を果たす。


昇格当初は残留できればまずまずという評価であったが、初年度で最終節までACL争いに食い込む5位、2年目はリーグ12位だが天皇杯でベスト4。さらに2014年シーズンではシーズン途中に首位に立つ。


残留争いに巻き込まれることも決して少なくはないが、昇格して以降は1度も降格しておらず、現在ではJ1に定着している。


また、2017年にリーグが1シーズン制になって以降は、毎年のように優勝争いに関わり5年連続でタイトルを獲得した川崎フロンターレに同2017年以降唯一シーズンダブルを1度も許していないクラブでもあり、特に2020シーズンは他クラブが最低でも1敗(1勝1敗、1分1敗、2敗)を喫した中で鳥栖は2戦2分けに終わり、この年リーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかったクラブとなった。


貧乏クラブから金満クラブへ

昇格以来安定した成績の裏で、地方クラブの宿命である2年連続で赤字を抱えており、改善しなければJ3へ自動降格という経営危機があった。それを克服したのがCygamesという超大型スポンサーである。それ以来財政は大幅に改善された。スタジアムや佐賀新聞などにグラブルなどのサイゲの広告が多数掲載されたり、アウェイ福岡ドームのネット裏に広告を出したことも。


その後、お釣りが余り過ぎたためマガトブッフォンフェルナンド・トーレスといった大物プレイヤーの獲得に挑戦している(このうち、トーレスは獲得に成功し2018年夏よりチームに合流した)。ファンからは「俺たちのガチャで〇〇を呼べる」「自身のガチャSSRに挑戦している」との書き込みが目立っている。


しかし2018年9月、親会社サイバーエージェントがライバルチームFC町田ゼルビアを買収。Cygamesはサガンを離れることを余儀なくされてしまった。


トーレスが来た!しかし...

2018年、トーレスが本当に来た。年俸は推定6~8億。なお、ヴィッセル神戸のイニエスタは32億。この超大型補強でサポーターの期待は高まったが、残留争いから抜け出すことはできず。トーレスはガンバ大阪戦でクロスからのヘディングシュートを決め、鳥栖での初ゴールを決める。その後、監督交代をすると、最終節まで負けなしを継続。さらには横浜F・マリノス戦で劇的な逆転弾を決め、残留へ大きく近づく。最終節は引き分けて残留に成功。実はこの最終節、鹿島アントラーズのレジェンド小笠原満男の現役最後の試合だったりする。


2019年、ルイス・カレーラス監督が就任。トーレスとはスペインで共にプレーした経験もある。しかし、スペインで就任したクラブはいずれも短期間で解任されているというどう考えても怪しい監督。そのイヤな予感は的中してしまう。

まず開幕戦、名古屋グランパス戦を0-4で敗れる。これを機に無得点で3連敗してしまう。4節のジュビロ磐田戦で1-0で初勝利、続く横浜F・マリノス戦でスコアレスドロー。しかし、6節から無得点で4連敗。10節の大分トリニータ戦は監督不在でコーチだった金明輝が代理で指揮するも、狂った歯車は止められず、結果2-0で5連敗。以上より、開幕から10試合1勝1分8敗で僅か1得点というJ1歴代ワースト記録を作ってしまう。これを受けて、流石の鳥栖もカレーラスを解任。後任は前年も途中交代で引き継いで残留へ導いた金明輝。

その後は3連勝したかと思えば3連敗、ラスト2戦は連敗フィニッシュと浮き沈み、沈みの方が激しいシーズンとなり、最終節で松本山雅FC湘南ベルマーレに1-1で引き分けたことにより、プレーオフを回避しギリギリ残留。

なお、この年にトーレスが引退した。


トーレス引退後と騒動

2020年、今回は金明輝が開幕から指揮を執る。が、開幕から5試合無得点。得点を上げたのは6試合目であり、初勝利は8試合目のこと。この年は降格が無かったため、残留争いは無かったものの、年間僅か7勝しかできず。ただし、ドローで勝ち点1を多く稼ぎ、結果は13位フィニッシュ。


2021年、開幕3連勝、セレッソ大阪戦で敗れるまで開幕から無失点継続、オウンゴールを除くと開幕から9試合無失点記録継続中だった名古屋グランパスを相手に試合開始6分で点を取る、初めて複数失点したのが前半戦ラストの横浜F・マリノス戦、J2個人昇格組が大活躍など、これまでの下馬評を覆す躍進ぶりを見せる。しかし、後半戦は監督のパワハラ疑惑浮上や6戦勝ち無しなど一気に急ブレーキがかかり、マリノス、神戸、鹿島、浦和に追い抜かれて最終的には7位フィニッシュ。それでも、終盤には圧倒的な強さで優勝を決めていた川崎フロンターレに3-1で勝利、それまで4年以上勝っていなかった北海道コンサドーレ札幌に久々に勝利するなど、後半戦もそれなりにインパクトを残した。なお、金明輝はパワハラが完全に発覚し、退任することとなった。


監督退任の影響からか、2021年の主力の大半が他のJ1クラブへ移籍した。他のクラブのサポーターからも気を遣われるほど、衝撃的な主力の大量放出であった。その例は次のとおり。


FC東京へ山下敬大(前半戦だけで8得点を決めた長身FW)

名古屋グランパスへ酒井宣福(鳥栖でFW起用されて才能が開花した酒井高徳の弟)

名古屋グランパスへ仙頭啓矢(全試合出場達成した視野が広いMF)

柏レイソルへ小屋松知哉(FWも対応可能な瞬足MF)

鹿島アントラーズへ樋口雄太(正確なキックとハードワークが持ち味の中盤の核)

浦和レッズへ大畑歩夢(2021年に飛躍した若きDF)

清水エスパルスへ白崎凌兵(夏に主力として活躍していた鹿島から期限付きで来た技巧派MF)


実は2021年夏にも、林大地や松岡大起も退団していた。


そんな中でエドゥアルド、飯野七聖、ファンソッコに加えて夏に加入した小泉慶も契約更新を発表。また、監督にはモンテディオ山形でコーチをしていた川井健太が就任することが決定した。しかし...


思いがけない2022シーズンスタートとその後

2022年、開幕直前にエドゥアルドが横浜F・マリノスへ完全移籍することが発表された。ティーラトンの穴埋めに鹿島アントラーズの永戸勝也が期待されたのと同じように、チアゴ・マルチンスの穴埋めに急遽白羽の矢が立ったのがこのエドゥアルドであると思われる。これには他のサポーターからも同情された。エドゥアルド移籍に限らず上記のこともあり、巷では鳥栖のJ2降格が多く予想された。というのも、


・上述の主力大量放出

・監督がJ1初挑戦でJ2でもあまり結果を残せていない

・パワハラ問題でチームの雰囲気は最悪

・今年も補強はJ2の選手やレンタル移籍選手がメイン


といった要因があったので無理もない。藤田直之、小野裕二、福田晃斗という鳥栖を知る3人が久々に帰還したのはポジティブ要素だったが。


といった具合に不安視された中でスタートを切った。すると、サンフレッチェ広島戦を0-0に抑えた開幕から7戦負けなしで2勝5分けというスタートを切る。前半戦は連敗無しでトップハーフの順位にいることがほとんど。一時は5位まで浮上した。後半戦も1度連敗こそするものの、アウェイのガンバ大阪戦でダブル成功するまでは上々の出来だった。しかし、翌セレッソ大阪戦でATに勝ち越し弾を許して敗れたのを皮切りに、以降は3連敗を含む6戦連続勝ち無しフィニッシュ。7位~9位にいることが多かったチームは11位でシーズンを終えた。


2023年も川井監督は続投。開幕戦のホーム湘南ベルマーレ戦で大橋祐紀にハットトリックを許して1-5の大敗を喫するという最悪のスタートを切る。連敗も前半戦のみで2回、シュート数が少ない、複数得点が中々生まれないなどネガティブな面もあったが、鉄壁の名古屋グランパス、前年4戦3敗の京都サンガF.C.、ACL決勝のスタメンをあまり入れ替えていない浦和レッズを破るなど上々の試合も見られた。そして、後半戦初陣となった2回目の湘南戦では0-6というクラブ1試合最多得点を更新する大勝。小野裕二が豊田陽平以来のハットトリックで前半戦の借りをそれ以上の結果で返す。HTコメントでは「叩き潰してこい!!」とのこと。しかし、その後は内容と結果が伴わない試合が多く、中々勝ち点を伸ばせていない。東京戦で残留争いトリオ(柏・横浜FC・湘南)と最も近い15位にまで一時転落してしまったが、なんとか巻き返して残り3試合の時点で残留決定。後半戦、露骨に調子を落としてしまい、8戦勝ち無しなどもあって最終順位は14位。クリーンシートは後半戦スタートの湘南戦で途絶え、残りの全試合で失点を喫するというハメになった。つまり、「点は取れるが勝ち切れない、勝ち越せない、守り切れない」という試合が多発。得点数も失点の多さも上位と北海道コンサドーレ札幌を思わせる結果に。


2024年も川井監督は続投決定。不安視や降格候補に挙げる声もあるが、他のクラブも軒並み不安視される声は挙がっているのでファン・サポーターは移籍情報を気にしつつ、チームを信じて応援するしかないだろう。


チームや移籍の傾向

トーレスや金崎夢生、クエンカといった「エグイ」補強に目が行きがちだが、資金面では他のJ1クラブよりも不利である。基本的にはJ2やJ3で活躍した選手、試合にあまり出れていないがポテンシャル秘めた有望株を連れてくることがほとんど。鳥栖に来て活躍する度に鳥栖を「再生工場」と言いファン・サポーターも見られる。前述のように、資金面で不利なので鳥栖での活躍ぶりを高く評価した他のJ1クラブに目を付けられ、在籍1~2年目で移籍するというケースが多い(が、移籍した選手には以下のようなジンクスが生じがち)。補強の上手さのみならず、ユースが強いことでも有名であり、若手の育成にも定評がある。


個の力に頼れない分、選手間のチームワークやハードワークを徹底しているのが特徴。1試合での走行距離やスプリント回数がほとんどの試合で相手を上回っている。この方針は監督が代わってもブレてはおらず、方向性が長期的に一貫しているというのも長くJ1に居られる秘訣であろう。

また、ゴールマウスを守る最後の砦となる守護神に恵まれている。林彰洋、権田修一、高丘陽平と日本代表やベストイレブンになるような面々が守っていた。権田・高丘は2018・2019年のJ1残留にも大きく貢献。2020年途中から横浜F・マリノスで優勝も経験した朴一圭が高丘との実質的なトレードという形で加入し、たまに飛び出し過ぎてポカを犯すこともあるがJ1屈指のセービング能力を発揮し、ゴールマウスを守っている。


このように、J1でも色々と話題になりやすいクラブである。今後もその動向に注目していきたい。


サガン鳥栖で囁かれるジンクス

サガン鳥栖で囁かれるジンクス

川崎フロンターレFC東京に強い

川崎については上記にもある通り、Jリーグが通年制になった2017年から2022年までの間、負け越す(1勝1分)ことはあっても、17年以降J1に残留しているクラブでは唯一シーズンダブルを1度も許しておらず、特に2020シーズンはリーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかった。2021シーズン後半戦に関しては当時6戦勝ち無しで苦しんでいたにもかかわらず3-1で勝利し、川崎は2敗目を喫した。余談だがこの年の川崎の初黒星はアビスパ福岡のホームゲームで、この年の川崎は本州無敗であったが、2敗の敗戦がいずれも九州であり、天皇杯でも大分トリニータにPK戦の末敗戦。「川崎は九州が無条件に苦手」というジンクスを強めることになった。川井監督就任後も後半戦こそ4-0で完敗を喫するも前半戦に関しては得点を許さず、川崎の2022シーズン初の無得点試合にした。このため、川崎のサポーターには深い苦手意識が埋め込まれており、上記の4失点のように例えどんなに圧勝したとしても、後述の通り勝ち越していても苦手意識が消えていない。ただし、通算成績では大きく負け越しており、川崎が2023年に9年ぶりにダブルを達成したのに対し川崎に対してのダブルは2017年以降一度も果たせてない。


東京は2019シーズン後半戦から2023シーズン前半戦まで8連勝を果たしていた。ただし、1勝目は鳥栖の選手のハンドを見逃して得点を取り消さなかったという疑惑の判定が起こったため、そこは配慮すべきではある。もっとも、この試合に限らず仮に誤審がなかったとしてもFC東京が負けなかったかというのは限らないというのは忘れてはならない。2022~2023前半のアルベルトーキョーに関しては3試合とも無失点で抑え込んだ。しかし、2023シーズン後半戦では2点リードして監督が「余裕が油断になりかけている」とHTに注意しておきながらも3点取り返され、リーグ戦で4度目の逆転負けを喫して連勝ストップ。


また、2クラブほどではないものの、名古屋グランパスも鳥栖を苦手としている模様。特に2021シーズンの開幕からの無失点継続記録&無敗記録を鳥栖がストップさせ、川崎と共に名古屋戦をダブル成功している。


イニエスタが来てからヴィッセル神戸が天敵に

2018シーズンは2戦共にドローだったが、2019・2020・2022・2023シーズンはダブルを食らう。2021シーズンは1分1敗。2019シーズン前半戦はビジャの来日初ゴールを許し、トーレスの引退試合だった後半戦は1-6の大敗。2022シーズン前半戦はリーグ戦未勝利だった神戸相手にイニエスタ、汰木康也、武藤嘉紀、大迫勇也と4人の攻撃陣に得点を許し、4-0の完敗を喫する(イニエスタはこのとき武藤とのツートップとしてスタメン出場していた)。後半戦も武藤のヘディング2得点で0-2で敗れる。2023シーズンも0-1、2-1とまたもやダブルを喫するが、大迫と武藤のコンビが抜群のコンディションで大暴れしている中で1点差に終わったのはまだマシだと言うべきかもしれない。


上記の川崎や東京、神戸の他にも鳥栖は相性の良し悪しが比較的ハッキリしているクラブであり、サンフレッチェ広島横浜F・マリノス鹿島アントラーズにも大きく負け越している。が、鹿島戦は1点差で決する試合やドローなど接戦になることが多く、2022年にはATに双方合わせて計3点も入った4-4の熾烈な撃ち合いとなり、2023年に鹿島が達成した9試合無敗3失点のうち、2失点は鳥栖戦でのもの。


鳥栖で活躍した選手が他のJ1クラブへ移籍すると苦境に立たされやすい

鳥栖が資金的に不利だが色々と注目度の高いクラブであるからか、鳥栖に移籍orユースから昇格して活躍した選手は1~2年の比較的短期間で退団して他のJ1クラブへ移籍することが多い。しかし、新天地で鳥栖時代のように輝ける選手は少なく、ケガやポジション争いなどに苦しむことがしばしば。特に2022年開幕前の移籍選手を中心に事例を以下に示す。


・権田修一は2017・2018年に在籍し、特に2018年は鳥栖を残留へ導く大活躍をする。翌2019年からはポルトガルのポルティモネンセへ移籍。2019-2020シーズンは、中盤からレギュラーに定着し15試合に出場したが、翌年はポジションを奪われ、2021年からは清水エスパルスでプレー。清水では2021年こそ残留するも2022年はJ2降格を喫してしまう。カタールワールドカップでは代表として招集され、大ベテランの川島永嗣とベルギーで活躍中のシュミット・ダニエルを差し置いて守護神として君臨。ドイツ・スペインを破る大金星を起こす立役者となった。現在もJ2に降格した清水でプレー中。代表の守護神を擁しながら降格することもある恐ろしいリーグ、それがJリーグである...


・イサック・クエンカは2019年に鳥栖へ加入。カレーラス時代唯一の得点を決めたのも彼であり、その後もFCバルセロナ仕立ての実力を発揮し、残留争いに苦しむチームの中でもかなりの存在感を放った。翌2020年からはベガルタ仙台へ移籍。しかし、プレシーズン中に膝をケガして長期離脱。2021年も開幕から離脱しており、治療に専念するために4月に仙台を退団してスペインへ帰った。


・高橋祐治も2018・2019年に主力として活躍し、2020年に柏レイソルへ移籍。順調に試合に出場していたが、8月に全治9か月の右膝の大ケガを負う。翌2021年6月に復帰すると、柏のディフェンスリーダーとして2022年まで主力として活躍し、2023年からはJ2の清水エスパルスでプレーしている。この移籍には柏の監督だったネルシーニョとの不仲がウワサされたが、本人がSNSできっぱりと否定。2022シーズン終了後は彼の他にも大南拓磨、上島拓巳も退団し、柏は大幅なDFの入れ替えをした。


・金井貢史は2019年中盤に名古屋グランパスよりレンタル移籍で加入し、2014年以来の鳥栖加入となった。鳥栖では両SBをこなしつつ10試合に出場して4得点を決め、内3点が決勝弾であり、J1残留に大きく貢献した。その後は名古屋へレンタルバック、2020年には清水エスパルスへ完全移籍。しかし、ケガなどの影響で試合には多く絡めずに1年で契約満了。その後はヴァンフォーレ甲府FC琉球カマタマーレ讃岐と短期間でクラブを転々としている。


・松岡大起は2018年に高3にしてトップチーム昇格を果たし、2019年にカレーラス監督に見いだされて出場機会を増やすと、2020・2021年は不動の鳥栖の司令塔となる。しかし、厳しい環境で挑戦したいという思いから2021年中盤に下位に沈む清水エスパルスへ移籍。清水でもすぐにスタメンに定着するが、終盤まで残留争いに巻き込まれる。翌2022年はケガによる離脱もあって過去2~3年と比べてあまり試合には絡めず。チームもJ2降格を喫することに。ヨーロッパクラブへの移籍を望み、ギリギリまでオファーを待つが、結果オファーは届かずにJ2に降格した清水に残留。しかし、その後はブラジルへ旅立った。


・山下敬大は2021年に加入。2節の浦和レッズ戦で2点取って2-0で勝利したことを皮切りに得点を量産し、J1初挑戦ながら前半戦だけで8得点。後半戦は調子を落として1得点に終わるが、トータル9得点とJ1初挑戦としては非常に優秀な結果を残す。翌年はFC東京へ移籍するも、ディエゴ・オリベイラら強力なFW陣とのポジション争いに屈してほぼ途中出場となり、無得点に終わる(1度はネットを揺らすもVARで彼がハンドしていたことが分かり、無念の取り消しになった)。2023年には湘南ベルマーレへ期限付き移籍したが、こちらでも出場機会は得られず、更には大ケガにも見舞われてレンタル期間満了せずに東京へ出戻り決定。


・酒井宣福は大宮アルディージャを契約満了で退団後、2021年に加入。FW起用されてストライカーとしての才能を開花させると勝利や勝ち点に繋がる得点を量産し、計8得点を記録。特に名古屋グランパス戦では前半戦で1得点1アシスト、後半戦で月間ベストゴールを決める名古屋キラーになる。翌年はその名古屋に移籍するが、長谷川健太監督の戦術に中々ハマれず、ケガによる長期離脱もあって2得点止まり。途中出場がメインとなり、2年目もリーグ戦では結果を残せていない。


・仙頭啓矢も2021年に加入し、全試合出場達成してピッチ上でも存在感を放つ。翌年からは名古屋グランパスへ移籍し、名古屋でも全試合出場達成するが、「鳥栖のときと比べるとイマイチ」といったような声が多く挙がった。チームも長谷川健太監督が就任したばかりだったからか、後半は勢いをつけるも前半戦は下位に沈んでしまう。2023年は後輩の小屋松がいる柏レイソルへ移籍するが、柏も下位に沈んでいる。そんな後輩小屋松も彼ほど苦戦していたわけではなく、チームアシスト王になるなど前半戦の大躍進に貢献したが、10戦勝ち無しで2022シーズンを終えるハメになった。


・大畑歩夢は2020年にトップチームに昇格し、2021年に飛躍した。翌年からは浦和レッズへ移籍するも、2度のケガに見舞われる。この年はリカルド・ロドリゲス監督からの評価が高く、離脱時以外は基本的にスタメン出場していて主力として奮闘した。しかし、2022年で退任したロドリゲス監督に代わって新たに監督に就いたマチェイ・スコルジャ監督が左SBを京都サンガF.C.での武者修行帰りの荻原拓也や大畑と仲の良い明本考浩を中心に起用しており、三つ巴となるポジション争いに苦戦。


・エドゥアルドは2020年に加入し、躍進した2021年はキャプテンを務めていた。3バックの中央を守り、鳥栖の開幕からの6戦無失点継続や鳥栖の失点の少なさ3位タイ、2試合連続での強烈FK決勝弾など鳥栖の躍進に大きく貢献。2022年からは上記の通り、契約更新したものの開幕前に急遽横浜F・マリノスへ移籍。しかし、当初はマリノスのスタイルについて行けず、失点・敗北に繋がる致命的なミスを犯してしまう。その後しばらくはベンチスタートやベンチ外となるが、次第に調子を上げてスタメンに定着。2023年は若手の角田涼太郎との激しいポジション争いを繰り広げる。


・飯野七聖は2021年に加入して主力となり、多くの主力選手が移籍した2022年も鳥栖でプレー。しかし、ヴィッセル神戸戦で対峙した酒井高徳に圧倒されたことや日本代表入りも目標であって日本代表へのアプローチは神戸の方がしやすいと考えたことなどにより、夏の移籍期間で神戸へ移籍。神戸ではすぐにスタメンに定着してACLのトーナメント戦で横浜F・マリノスを破るきっかけとなる先制点を挙げる活躍をするも、終盤はケガに見舞われる。2023年は後半戦こそ武藤嘉紀を左WGにして右WGでスタメン出場する試合もあったが、前半戦はケガに悩まされてしまった。


・ジエゴは2022年に加入し、3バックの左や4バックの左CBで攻守において欠かせない主力となる。守備面では勿論、攻撃面でも大胆な仕掛けからの鋭いクロスでのアシストや打点の高いヘディングなどで活躍。翌年からは柏レイソルへ移籍し、後半戦は浦和レッズから柏へレンタルで来た犬飼智也と共に残留争いを抜け出す大きな原動力となっていたが、開幕前に大ケガに見舞われてしまっており、シーズンの半分近くを棒に振ってしまった。


このように苦戦する選手が目立つが、鹿島アントラーズで加入1年目にして欠かせない主力となった樋口雄太など、移籍しても高パフォーマンスを披露している選手もちゃんといることを忘れないでおきたい。もっとも、近年のアントラーズは毎年の大型補強で加入した移籍組が1年目こそ主力定着しても2年目以降は帰還組や生え抜きを優先し出場機会が減って他クラブへ移籍して活躍し、移籍組の活躍が長くなく、その故かタイトルをとれていないという傾向があるため、そのジンクスを払拭できるかが注目される。


トスタイム

トスタイム

鳥栖の試合では後半ATで得点が決まって勝利や引き分けに持ち込むという展開になったとき、鳥栖サポはこの言葉を使うことがある。「トスタイム発動!」といった具合に。「これだからサガン鳥栖はやめられない」と言う声も。


マスコット

マスコット

佐賀県の県鳥カチガラスの「ウィントス」。

ベアスタでのホームゲームでは鳥栖市公式キャラクターのとっとちゃんと一緒にいることが多い。


スタジアム

スタジアム

駅前不動産スタジアム。その看板に偽りなく、Jリーグのスタジアムで駅からの近さは第2位である。鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。ただし、鳥栖駅の出入口はスタジアムの反対にしかなく、線路を渡る歩道橋は狭いので試合終了時には大変混雑する。


鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。四方のスタンドが全て2層式の球技場で、さながらイングランドのサッカー場を思い浮かべる人も多い。


ただし自動車では、鳥栖駅周辺の駐車場では足りない。九州新幹線駅でもある新鳥栖駅に駐め、そこから電車で向かうサポーターも多い。新鳥栖駅周辺にクラブも無料駐車場を用意している。


まさかのコラボ

まさかのコラボ

佐賀県ロマンシング佐賀を展開している中、「ロマンシングサガン」が誕生するとは誰が予想していただろうか?


6月20日のFC東京戦にて、スタジアム内のBGMやMCもコラボによる特別仕様となる。


Cygamesがスポンサーになった9月からはアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」を開催。


2017年開幕時にはユーリ!!!onICEのコラボ広告を出した。

同年10月には佐賀県出身の漫画家・原泰久キングダムとコラボ、来場客に小雑誌が配布された。


関連タグ

関連タグ

Jリーグ 鳥栖


ロマンシング佐賀


九州地方に本拠地を置くチーム。

アビスパ福岡ギラヴァンツ北九州V・ファーレン長崎大分トリニータロアッソ熊本鹿児島ユナイテッドFCFC琉球

テゲバジャーロ宮崎(2021年よりJ3参戦。)


外部リンク

外部リンク

サガン鳥栖オフィシャルホームページ

解説

解説

創設年1997年
加盟年2006年
ホームスタジアム駅前不動産スタジアム
クラブカラー水色とピンク
マスコットウィントス

通称「鳥栖の兄貴」。佐賀県唯一の公式球技チームである。


歴史

歴史

チーム創設まで

1987年に静岡県浜松市を本拠にPJMジャパンの設立したサッカークラブ「PJMフューチャーズ」を佐賀県が誘致、1994年に移転、「鳥栖フューチャーズ」と改名、Jリーグ準会員となった。

しかし、PJMジャパンの撤退が原因となって深刻な経営難に陥り、1997年1月にチーム運営会社の株式会社佐賀スポーツクラブが解散を決議(翌年破産)、その受け皿として1997年2月4日に佐賀県サッカー協会会長の中村安昭を代表とする任意団体として「サガン鳥栖FC」が発足した。

その為、「鳥栖フューチャーズ」とは経営的、組織的に直接のつながりはない。選手も元フューチャーズの選手はサガンに″移籍″となっている。(但し天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の出場回数は鳥栖Fからの通算である。)


Jリーグ参戦

J2発足時に加盟したクラブで最後までJ1昇格を経験していなかったが、2012年シーズンで初の昇格を果たす。


昇格当初は残留できればまずまずという評価であったが、初年度で最終節までACL争いに食い込む5位、2年目はリーグ12位だが天皇杯でベスト4。さらに2014年シーズンではシーズン途中に首位に立つ。


残留争いに巻き込まれることも決して少なくはないが、昇格して以降は1度も降格しておらず、現在ではJ1に定着している。


また、2017年にリーグが1シーズン制になって以降は、毎年のように優勝争いに関わり5年連続でタイトルを獲得した川崎フロンターレに同2017年以降唯一シーズンダブルを1度も許していないクラブでもあり、特に2020シーズンは他クラブが最低でも1敗(1勝1敗、1分1敗、2敗)を喫した中で鳥栖は2戦2分けに終わり、この年リーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかったクラブとなった。


貧乏クラブから金満クラブへ

昇格以来安定した成績の裏で、地方クラブの宿命である2年連続で赤字を抱えており、改善しなければJ3へ自動降格という経営危機があった。それを克服したのがCygamesという超大型スポンサーである。それ以来財政は大幅に改善された。スタジアムや佐賀新聞などにグラブルなどのサイゲの広告が多数掲載されたり、アウェイ福岡ドームのネット裏に広告を出したことも。


その後、お釣りが余り過ぎたためマガトブッフォンフェルナンド・トーレスといった大物プレイヤーの獲得に挑戦している(このうち、トーレスは獲得に成功し2018年夏よりチームに合流した)。ファンからは「俺たちのガチャで〇〇を呼べる」「自身のガチャSSRに挑戦している」との書き込みが目立っている。


しかし2018年9月、親会社サイバーエージェントがライバルチームFC町田ゼルビアを買収。Cygamesはサガンを離れることを余儀なくされてしまった。


トーレスが来た!しかし...

2018年、トーレスが本当に来た。年俸は推定6~8億。なお、ヴィッセル神戸のイニエスタは32億。この超大型補強でサポーターの期待は高まったが、残留争いから抜け出すことはできず。トーレスはガンバ大阪戦でクロスからのヘディングシュートを決め、鳥栖での初ゴールを決める。その後、監督交代をすると、最終節まで負けなしを継続。さらには横浜F・マリノス戦で劇的な逆転弾を決め、残留へ大きく近づく。最終節は引き分けて残留に成功。実はこの最終節、鹿島アントラーズのレジェンド小笠原満男の現役最後の試合だったりする。


2019年、ルイス・カレーラス監督が就任。トーレスとはスペインで共にプレーした経験もある。しかし、スペインで就任したクラブはいずれも短期間で解任されているというどう考えても怪しい監督。そのイヤな予感は的中してしまう。

まず開幕戦、名古屋グランパス戦を0-4で敗れる。これを機に無得点で3連敗してしまう。4節のジュビロ磐田戦で1-0で初勝利、続く横浜F・マリノス戦でスコアレスドロー。しかし、6節から無得点で4連敗。10節の大分トリニータ戦は監督不在でコーチだった金明輝が代理で指揮するも、狂った歯車は止められず、結果2-0で5連敗。以上より、開幕から10試合1勝1分8敗で僅か1得点というJ1歴代ワースト記録を作ってしまう。これを受けて、流石の鳥栖もカレーラスを解任。後任は前年も途中交代で引き継いで残留へ導いた金明輝。

その後は3連勝したかと思えば3連敗、ラスト2戦は連敗フィニッシュと浮き沈み、沈みの方が激しいシーズンとなり、最終節で松本山雅FC湘南ベルマーレに1-1で引き分けたことにより、プレーオフを回避しギリギリ残留。

なお、この年にトーレスが引退した。


トーレス引退後と騒動

2020年、今回は金明輝が開幕から指揮を執る。が、開幕から5試合無得点。得点を上げたのは6試合目であり、初勝利は8試合目のこと。この年は降格が無かったため、残留争いは無かったものの、年間僅か7勝しかできず。ただし、ドローで勝ち点1を多く稼ぎ、結果は13位フィニッシュ。


2021年、開幕3連勝、セレッソ大阪戦で敗れるまで開幕から無失点継続、オウンゴールを除くと開幕から9試合無失点記録継続中だった名古屋グランパスを相手に試合開始6分で点を取る、初めて複数失点したのが前半戦ラストの横浜F・マリノス戦、J2個人昇格組が大活躍など、これまでの下馬評を覆す躍進ぶりを見せる。しかし、後半戦は監督のパワハラ疑惑浮上や6戦勝ち無しなど一気に急ブレーキがかかり、マリノス、神戸、鹿島、浦和に追い抜かれて最終的には7位フィニッシュ。それでも、終盤には圧倒的な強さで優勝を決めていた川崎フロンターレに3-1で勝利、それまで4年以上勝っていなかった北海道コンサドーレ札幌に久々に勝利するなど、後半戦もそれなりにインパクトを残した。なお、金明輝はパワハラが完全に発覚し、退任することとなった。


監督退任の影響からか、2021年の主力の大半が他のJ1クラブへ移籍した。他のクラブのサポーターからも気を遣われるほど、衝撃的な主力の大量放出であった。その例は次のとおり。


FC東京へ山下敬大(前半戦だけで8得点を決めた長身FW)

名古屋グランパスへ酒井宣福(鳥栖でFW起用されて才能が開花した酒井高徳の弟)

名古屋グランパスへ仙頭啓矢(全試合出場達成した視野が広いMF)

柏レイソルへ小屋松知哉(FWも対応可能な瞬足MF)

鹿島アントラーズへ樋口雄太(正確なキックとハードワークが持ち味の中盤の核)

浦和レッズへ大畑歩夢(2021年に飛躍した若きDF)

清水エスパルスへ白崎凌兵(夏に主力として活躍していた鹿島から期限付きで来た技巧派MF)


実は2021年夏にも、林大地や松岡大起も退団していた。


そんな中でエドゥアルド、飯野七聖、ファンソッコに加えて夏に加入した小泉慶も契約更新を発表。また、監督にはモンテディオ山形でコーチをしていた川井健太が就任することが決定した。しかし...


思いがけない2022シーズンスタートとその後

2022年、開幕直前にエドゥアルドが横浜F・マリノスへ完全移籍することが発表された。ティーラトンの穴埋めに鹿島アントラーズの永戸勝也が期待されたのと同じように、チアゴ・マルチンスの穴埋めに急遽白羽の矢が立ったのがこのエドゥアルドであると思われる。これには他のサポーターからも同情された。エドゥアルド移籍に限らず上記のこともあり、巷では鳥栖のJ2降格が多く予想された。というのも、


・上述の主力大量放出

・監督がJ1初挑戦でJ2でもあまり結果を残せていない

・パワハラ問題でチームの雰囲気は最悪

・今年も補強はJ2の選手やレンタル移籍選手がメイン


といった要因があったので無理もない。藤田直之、小野裕二、福田晃斗という鳥栖を知る3人が久々に帰還したのはポジティブ要素だったが。


といった具合に不安視された中でスタートを切った。すると、サンフレッチェ広島戦を0-0に抑えた開幕から7戦負けなしで2勝5分けというスタートを切る。前半戦は連敗無しでトップハーフの順位にいることがほとんど。一時は5位まで浮上した。後半戦も1度連敗こそするものの、アウェイのガンバ大阪戦でダブル成功するまでは上々の出来だった。しかし、翌セレッソ大阪戦でATに勝ち越し弾を許して敗れたのを皮切りに、以降は3連敗を含む6戦連続勝ち無しフィニッシュ。7位~9位にいることが多かったチームは11位でシーズンを終えた。


2023年も川井監督は続投。開幕戦のホーム湘南ベルマーレ戦で大橋祐紀にハットトリックを許して1-5の大敗を喫するという最悪のスタートを切る。連敗も前半戦のみで2回、シュート数が少ない、複数得点が中々生まれないなどネガティブな面もあったが、鉄壁の名古屋グランパス、前年4戦3敗の京都サンガF.C.、ACL決勝のスタメンをあまり入れ替えていない浦和レッズを破るなど上々の試合も見られた。そして、後半戦初陣となった2回目の湘南戦では0-6というクラブ1試合最多得点を更新する大勝。小野裕二が豊田陽平以来のハットトリックで前半戦の借りをそれ以上の結果で返す。HTコメントでは「叩き潰してこい!!」とのこと。しかし、その後は内容と結果が伴わない試合が多く、中々勝ち点を伸ばせていない。東京戦で残留争いトリオ(柏・横浜FC・湘南)と最も近い15位にまで一時転落してしまったが、なんとか巻き返して残り3試合の時点で残留決定。後半戦、露骨に調子を落としてしまい、8戦勝ち無しなどもあって最終順位は14位。クリーンシートは後半戦スタートの湘南戦で途絶え、残りの全試合で失点を喫するというハメになった。つまり、「点は取れるが勝ち切れない、勝ち越せない、守り切れない」という試合が多発。得点数も失点の多さも上位と北海道コンサドーレ札幌を思わせる結果に。


2024年も川井監督は続投決定。不安視や降格候補に挙げる声もあるが、他のクラブも軒並み不安視される声は挙がっているのでファン・サポーターは移籍情報を気にしつつ、チームを信じて応援するしかないだろう。


チームや移籍の傾向

トーレスや金崎夢生、クエンカといった「エグイ」補強に目が行きがちだが、資金面では他のJ1クラブよりも不利である。基本的にはJ2やJ3で活躍した選手、試合にあまり出れていないがポテンシャル秘めた有望株を連れてくることがほとんど。鳥栖に来て活躍する度に鳥栖を「再生工場」と言いファン・サポーターも見られる。前述のように、資金面で不利なので鳥栖での活躍ぶりを高く評価した他のJ1クラブに目を付けられ、在籍1~2年目で移籍するというケースが多い(が、移籍した選手には以下のようなジンクスが生じがち)。補強の上手さのみならず、ユースが強いことでも有名であり、若手の育成にも定評がある。


個の力に頼れない分、選手間のチームワークやハードワークを徹底しているのが特徴。1試合での走行距離やスプリント回数がほとんどの試合で相手を上回っている。この方針は監督が代わってもブレてはおらず、方向性が長期的に一貫しているというのも長くJ1に居られる秘訣であろう。

また、ゴールマウスを守る最後の砦となる守護神に恵まれている。林彰洋、権田修一、高丘陽平と日本代表やベストイレブンになるような面々が守っていた。権田・高丘は2018・2019年のJ1残留にも大きく貢献。2020年途中から横浜F・マリノスで優勝も経験した朴一圭が高丘との実質的なトレードという形で加入し、たまに飛び出し過ぎてポカを犯すこともあるがJ1屈指のセービング能力を発揮し、ゴールマウスを守っている。


このように、J1でも色々と話題になりやすいクラブである。今後もその動向に注目していきたい。


サガン鳥栖で囁かれるジンクス

サガン鳥栖で囁かれるジンクス

川崎フロンターレFC東京に強い

川崎については上記にもある通り、Jリーグが通年制になった2017年から2022年までの間、負け越す(1勝1分)ことはあっても、17年以降J1に残留しているクラブでは唯一シーズンダブルを1度も許しておらず、特に2020シーズンはリーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかった。2021シーズン後半戦に関しては当時6戦勝ち無しで苦しんでいたにもかかわらず3-1で勝利し、川崎は2敗目を喫した。余談だがこの年の川崎の初黒星はアビスパ福岡のホームゲームで、この年の川崎は本州無敗であったが、2敗の敗戦がいずれも九州であり、天皇杯でも大分トリニータにPK戦の末敗戦。「川崎は九州が無条件に苦手」というジンクスを強めることになった。川井監督就任後も後半戦こそ4-0で完敗を喫するも前半戦に関しては得点を許さず、川崎の2022シーズン初の無得点試合にした。このため、川崎のサポーターには深い苦手意識が埋め込まれており、上記の4失点のように例えどんなに圧勝したとしても、後述の通り勝ち越していても苦手意識が消えていない。ただし、通算成績では大きく負け越しており、川崎が2023年に9年ぶりにダブルを達成したのに対し川崎に対してのダブルは2017年以降一度も果たせてない。


東京は2019シーズン後半戦から2023シーズン前半戦まで8連勝を果たしていた。ただし、1勝目は鳥栖の選手のハンドを見逃して得点を取り消さなかったという疑惑の判定が起こったため、そこは配慮すべきではある。もっとも、この試合に限らず仮に誤審がなかったとしてもFC東京が負けなかったかというのは限らないというのは忘れてはならない。2022~2023前半のアルベルトーキョーに関しては3試合とも無失点で抑え込んだ。しかし、2023シーズン後半戦では2点リードして監督が「余裕が油断になりかけている」とHTに注意しておきながらも3点取り返され、リーグ戦で4度目の逆転負けを喫して連勝ストップ。


また、2クラブほどではないものの、名古屋グランパスも鳥栖を苦手としている模様。特に2021シーズンの開幕からの無失点継続記録&無敗記録を鳥栖がストップさせ、川崎と共に名古屋戦をダブル成功している。


イニエスタが来てからヴィッセル神戸が天敵に

2018シーズンは2戦共にドローだったが、2019・2020・2022・2023シーズンはダブルを食らう。2021シーズンは1分1敗。2019シーズン前半戦はビジャの来日初ゴールを許し、トーレスの引退試合だった後半戦は1-6の大敗。2022シーズン前半戦はリーグ戦未勝利だった神戸相手にイニエスタ、汰木康也、武藤嘉紀、大迫勇也と4人の攻撃陣に得点を許し、4-0の完敗を喫する(イニエスタはこのとき武藤とのツートップとしてスタメン出場していた)。後半戦も武藤のヘディング2得点で0-2で敗れる。2023シーズンも0-1、2-1とまたもやダブルを喫するが、大迫と武藤のコンビが抜群のコンディションで大暴れしている中で1点差に終わったのはまだマシだと言うべきかもしれない。


上記の川崎や東京、神戸の他にも鳥栖は相性の良し悪しが比較的ハッキリしているクラブであり、サンフレッチェ広島横浜F・マリノス鹿島アントラーズにも大きく負け越している。が、鹿島戦は1点差で決する試合やドローなど接戦になることが多く、2022年にはATに双方合わせて計3点も入った4-4の熾烈な撃ち合いとなり、2023年に鹿島が達成した9試合無敗3失点のうち、2失点は鳥栖戦でのもの。


鳥栖で活躍した選手が他のJ1クラブへ移籍すると苦境に立たされやすい

鳥栖が資金的に不利だが色々と注目度の高いクラブであるからか、鳥栖に移籍orユースから昇格して活躍した選手は1~2年の比較的短期間で退団して他のJ1クラブへ移籍することが多い。しかし、新天地で鳥栖時代のように輝ける選手は少なく、ケガやポジション争いなどに苦しむことがしばしば。特に2022年開幕前の移籍選手を中心に事例を以下に示す。


・権田修一は2017・2018年に在籍し、特に2018年は鳥栖を残留へ導く大活躍をする。翌2019年からはポルトガルのポルティモネンセへ移籍。2019-2020シーズンは、中盤からレギュラーに定着し15試合に出場したが、翌年はポジションを奪われ、2021年からは清水エスパルスでプレー。清水では2021年こそ残留するも2022年はJ2降格を喫してしまう。カタールワールドカップでは代表として招集され、大ベテランの川島永嗣とベルギーで活躍中のシュミット・ダニエルを差し置いて守護神として君臨。ドイツ・スペインを破る大金星を起こす立役者となった。現在もJ2に降格した清水でプレー中。代表の守護神を擁しながら降格することもある恐ろしいリーグ、それがJリーグである...


・イサック・クエンカは2019年に鳥栖へ加入。カレーラス時代唯一の得点を決めたのも彼であり、その後もFCバルセロナ仕立ての実力を発揮し、残留争いに苦しむチームの中でもかなりの存在感を放った。翌2020年からはベガルタ仙台へ移籍。しかし、プレシーズン中に膝をケガして長期離脱。2021年も開幕から離脱しており、治療に専念するために4月に仙台を退団してスペインへ帰った。


・高橋祐治も2018・2019年に主力として活躍し、2020年に柏レイソルへ移籍。順調に試合に出場していたが、8月に全治9か月の右膝の大ケガを負う。翌2021年6月に復帰すると、柏のディフェンスリーダーとして2022年まで主力として活躍し、2023年からはJ2の清水エスパルスでプレーしている。この移籍には柏の監督だったネルシーニョとの不仲がウワサされたが、本人がSNSできっぱりと否定。2022シーズン終了後は彼の他にも大南拓磨、上島拓巳も退団し、柏は大幅なDFの入れ替えをした。


・金井貢史は2019年中盤に名古屋グランパスよりレンタル移籍で加入し、2014年以来の鳥栖加入となった。鳥栖では両SBをこなしつつ10試合に出場して4得点を決め、内3点が決勝弾であり、J1残留に大きく貢献した。その後は名古屋へレンタルバック、2020年には清水エスパルスへ完全移籍。しかし、ケガなどの影響で試合には多く絡めずに1年で契約満了。その後はヴァンフォーレ甲府FC琉球カマタマーレ讃岐と短期間でクラブを転々としている。


・松岡大起は2018年に高3にしてトップチーム昇格を果たし、2019年にカレーラス監督に見いだされて出場機会を増やすと、2020・2021年は不動の鳥栖の司令塔となる。しかし、厳しい環境で挑戦したいという思いから2021年中盤に下位に沈む清水エスパルスへ移籍。清水でもすぐにスタメンに定着するが、終盤まで残留争いに巻き込まれる。翌2022年はケガによる離脱もあって過去2~3年と比べてあまり試合には絡めず。チームもJ2降格を喫することに。ヨーロッパクラブへの移籍を望み、ギリギリまでオファーを待つが、結果オファーは届かずにJ2に降格した清水に残留。しかし、その後はブラジルへ旅立った。


・山下敬大は2021年に加入。2節の浦和レッズ戦で2点取って2-0で勝利したことを皮切りに得点を量産し、J1初挑戦ながら前半戦だけで8得点。後半戦は調子を落として1得点に終わるが、トータル9得点とJ1初挑戦としては非常に優秀な結果を残す。翌年はFC東京へ移籍するも、ディエゴ・オリベイラら強力なFW陣とのポジション争いに屈してほぼ途中出場となり、無得点に終わる(1度はネットを揺らすもVARで彼がハンドしていたことが分かり、無念の取り消しになった)。2023年には湘南ベルマーレへ期限付き移籍したが、こちらでも出場機会は得られず、更には大ケガにも見舞われてレンタル期間満了せずに東京へ出戻り決定。


・酒井宣福は大宮アルディージャを契約満了で退団後、2021年に加入。FW起用されてストライカーとしての才能を開花させると勝利や勝ち点に繋がる得点を量産し、計8得点を記録。特に名古屋グランパス戦では前半戦で1得点1アシスト、後半戦で月間ベストゴールを決める名古屋キラーになる。翌年はその名古屋に移籍するが、長谷川健太監督の戦術に中々ハマれず、ケガによる長期離脱もあって2得点止まり。途中出場がメインとなり、2年目もリーグ戦では結果を残せていない。


・仙頭啓矢も2021年に加入し、全試合出場達成してピッチ上でも存在感を放つ。翌年からは名古屋グランパスへ移籍し、名古屋でも全試合出場達成するが、「鳥栖のときと比べるとイマイチ」といったような声が多く挙がった。チームも長谷川健太監督が就任したばかりだったからか、後半は勢いをつけるも前半戦は下位に沈んでしまう。2023年は後輩の小屋松がいる柏レイソルへ移籍するが、柏も下位に沈んでいる。そんな後輩小屋松も彼ほど苦戦していたわけではなく、チームアシスト王になるなど前半戦の大躍進に貢献したが、10戦勝ち無しで2022シーズンを終えるハメになった。


・大畑歩夢は2020年にトップチームに昇格し、2021年に飛躍した。翌年からは浦和レッズへ移籍するも、2度のケガに見舞われる。この年はリカルド・ロドリゲス監督からの評価が高く、離脱時以外は基本的にスタメン出場していて主力として奮闘した。しかし、2022年で退任したロドリゲス監督に代わって新たに監督に就いたマチェイ・スコルジャ監督が左SBを京都サンガF.C.での武者修行帰りの荻原拓也や大畑と仲の良い明本考浩を中心に起用しており、三つ巴となるポジション争いに苦戦。


・エドゥアルドは2020年に加入し、躍進した2021年はキャプテンを務めていた。3バックの中央を守り、鳥栖の開幕からの6戦無失点継続や鳥栖の失点の少なさ3位タイ、2試合連続での強烈FK決勝弾など鳥栖の躍進に大きく貢献。2022年からは上記の通り、契約更新したものの開幕前に急遽横浜F・マリノスへ移籍。しかし、当初はマリノスのスタイルについて行けず、失点・敗北に繋がる致命的なミスを犯してしまう。その後しばらくはベンチスタートやベンチ外となるが、次第に調子を上げてスタメンに定着。2023年は若手の角田涼太郎との激しいポジション争いを繰り広げる。


・飯野七聖は2021年に加入して主力となり、多くの主力選手が移籍した2022年も鳥栖でプレー。しかし、ヴィッセル神戸戦で対峙した酒井高徳に圧倒されたことや日本代表入りも目標であって日本代表へのアプローチは神戸の方がしやすいと考えたことなどにより、夏の移籍期間で神戸へ移籍。神戸ではすぐにスタメンに定着してACLのトーナメント戦で横浜F・マリノスを破るきっかけとなる先制点を挙げる活躍をするも、終盤はケガに見舞われる。2023年は後半戦こそ武藤嘉紀を左WGにして右WGでスタメン出場する試合もあったが、前半戦はケガに悩まされてしまった。


・ジエゴは2022年に加入し、3バックの左や4バックの左CBで攻守において欠かせない主力となる。守備面では勿論、攻撃面でも大胆な仕掛けからの鋭いクロスでのアシストや打点の高いヘディングなどで活躍。翌年からは柏レイソルへ移籍し、後半戦は浦和レッズから柏へレンタルで来た犬飼智也と共に残留争いを抜け出す大きな原動力となっていたが、開幕前に大ケガに見舞われてしまっており、シーズンの半分近くを棒に振ってしまった。


このように苦戦する選手が目立つが、鹿島アントラーズで加入1年目にして欠かせない主力となった樋口雄太など、移籍しても高パフォーマンスを披露している選手もちゃんといることを忘れないでおきたい。もっとも、近年のアントラーズは毎年の大型補強で加入した移籍組が1年目こそ主力定着しても2年目以降は帰還組や生え抜きを優先し出場機会が減って他クラブへ移籍して活躍し、移籍組の活躍が長くなく、その故かタイトルをとれていないという傾向があるため、そのジンクスを払拭できるかが注目される。


トスタイム

トスタイム

鳥栖の試合では後半ATで得点が決まって勝利や引き分けに持ち込むという展開になったとき、鳥栖サポはこの言葉を使うことがある。「トスタイム発動!」といった具合に。「これだからサガン鳥栖はやめられない」と言う声も。


マスコット

マスコット

佐賀県の県鳥カチガラスの「ウィントス」。

ベアスタでのホームゲームでは鳥栖市公式キャラクターのとっとちゃんと一緒にいることが多い。


スタジアム

スタジアム

駅前不動産スタジアム。その看板に偽りなく、Jリーグのスタジアムで駅からの近さは第2位である。鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。ただし、鳥栖駅の出入口はスタジアムの反対にしかなく、線路を渡る歩道橋は狭いので試合終了時には大変混雑する。


鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。四方のスタンドが全て2層式の球技場で、さながらイングランドのサッカー場を思い浮かべる人も多い。


ただし自動車では、鳥栖駅周辺の駐車場では足りない。九州新幹線駅でもある新鳥栖駅に駐め、そこから電車で向かうサポーターも多い。新鳥栖駅周辺にクラブも無料駐車場を用意している。


まさかのコラボ

まさかのコラボ

佐賀県ロマンシング佐賀を展開している中、「ロマンシングサガン」が誕生するとは誰が予想していただろうか?


6月20日のFC東京戦にて、スタジアム内のBGMやMCもコラボによる特別仕様となる。


Cygamesがスポンサーになった9月からはアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」を開催。


2017年開幕時にはユーリ!!!onICEのコラボ広告を出した。

同年10月には佐賀県出身の漫画家・原泰久キングダムとコラボ、来場客に小雑誌が配布された。


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さがんとす

サガン鳥栖とは、Jリーグに所属するプロサッカークラブである。ホームタウンは佐賀県鳥栖市を中心とした佐賀県全域。
サガン鳥栖とは、Jリーグに所属するプロサッカークラブである。ホームタウンは佐賀県鳥栖市を中心とした佐賀県全域。

解説

解説

創設年1997年
加盟年2006年
ホームスタジアム駅前不動産スタジアム
クラブカラー水色とピンク
マスコットウィントス

通称「鳥栖の兄貴」。佐賀県唯一の公式球技チームである。


歴史

歴史

チーム創設まで

1987年に静岡県浜松市を本拠にPJMジャパンの設立したサッカークラブ「PJMフューチャーズ」を佐賀県が誘致、1994年に移転、「鳥栖フューチャーズ」と改名、Jリーグ準会員となった。

しかし、PJMジャパンの撤退が原因となって深刻な経営難に陥り、1997年1月にチーム運営会社の株式会社佐賀スポーツクラブが解散を決議(翌年破産)、その受け皿として1997年2月4日に佐賀県サッカー協会会長の中村安昭を代表とする任意団体として「サガン鳥栖FC」が発足した。

その為、「鳥栖フューチャーズ」とは経営的、組織的に直接のつながりはない。選手も元フューチャーズの選手はサガンに″移籍″となっている。(但し天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の出場回数は鳥栖Fからの通算である。)


Jリーグ参戦

J2発足時に加盟したクラブで最後までJ1昇格を経験していなかったが、2012年シーズンで初の昇格を果たす。


昇格当初は残留できればまずまずという評価であったが、初年度で最終節までACL争いに食い込む5位、2年目はリーグ12位だが天皇杯でベスト4。さらに2014年シーズンではシーズン途中に首位に立つ。


残留争いに巻き込まれることも決して少なくはないが、昇格して以降は1度も降格しておらず、現在ではJ1に定着している。


また、2017年にリーグが1シーズン制になって以降は、毎年のように優勝争いに関わり5年連続でタイトルを獲得した川崎フロンターレに同2017年以降唯一シーズンダブルを1度も許していないクラブでもあり、特に2020シーズンは他クラブが最低でも1敗(1勝1敗、1分1敗、2敗)を喫した中で鳥栖は2戦2分けに終わり、この年リーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかったクラブとなった。


貧乏クラブから金満クラブへ

昇格以来安定した成績の裏で、地方クラブの宿命である2年連続で赤字を抱えており、改善しなければJ3へ自動降格という経営危機があった。それを克服したのがCygamesという超大型スポンサーである。それ以来財政は大幅に改善された。スタジアムや佐賀新聞などにグラブルなどのサイゲの広告が多数掲載されたり、アウェイ福岡ドームのネット裏に広告を出したことも。


その後、お釣りが余り過ぎたためマガトブッフォンフェルナンド・トーレスといった大物プレイヤーの獲得に挑戦している(このうち、トーレスは獲得に成功し2018年夏よりチームに合流した)。ファンからは「俺たちのガチャで〇〇を呼べる」「自身のガチャSSRに挑戦している」との書き込みが目立っている。


しかし2018年9月、親会社サイバーエージェントがライバルチームFC町田ゼルビアを買収。Cygamesはサガンを離れることを余儀なくされてしまった。


トーレスが来た!しかし...

2018年、トーレスが本当に来た。年俸は推定6~8億。なお、ヴィッセル神戸のイニエスタは32億。この超大型補強でサポーターの期待は高まったが、残留争いから抜け出すことはできず。トーレスはガンバ大阪戦でクロスからのヘディングシュートを決め、鳥栖での初ゴールを決める。その後、監督交代をすると、最終節まで負けなしを継続。さらには横浜F・マリノス戦で劇的な逆転弾を決め、残留へ大きく近づく。最終節は引き分けて残留に成功。実はこの最終節、鹿島アントラーズのレジェンド小笠原満男の現役最後の試合だったりする。


2019年、ルイス・カレーラス監督が就任。トーレスとはスペインで共にプレーした経験もある。しかし、スペインで就任したクラブはいずれも短期間で解任されているというどう考えても怪しい監督。そのイヤな予感は的中してしまう。

まず開幕戦、名古屋グランパス戦を0-4で敗れる。これを機に無得点で3連敗してしまう。4節のジュビロ磐田戦で1-0で初勝利、続く横浜F・マリノス戦でスコアレスドロー。しかし、6節から無得点で4連敗。10節の大分トリニータ戦は監督不在でコーチだった金明輝が代理で指揮するも、狂った歯車は止められず、結果2-0で5連敗。以上より、開幕から10試合1勝1分8敗で僅か1得点というJ1歴代ワースト記録を作ってしまう。これを受けて、流石の鳥栖もカレーラスを解任。後任は前年も途中交代で引き継いで残留へ導いた金明輝。

その後は3連勝したかと思えば3連敗、ラスト2戦は連敗フィニッシュと浮き沈み、沈みの方が激しいシーズンとなり、最終節で松本山雅FC湘南ベルマーレに1-1で引き分けたことにより、プレーオフを回避しギリギリ残留。

なお、この年にトーレスが引退した。


トーレス引退後と騒動

2020年、今回は金明輝が開幕から指揮を執る。が、開幕から5試合無得点。得点を上げたのは6試合目であり、初勝利は8試合目のこと。この年は降格が無かったため、残留争いは無かったものの、年間僅か7勝しかできず。ただし、ドローで勝ち点1を多く稼ぎ、結果は13位フィニッシュ。


2021年、開幕3連勝、セレッソ大阪戦で敗れるまで開幕から無失点継続、オウンゴールを除くと開幕から9試合無失点記録継続中だった名古屋グランパスを相手に試合開始6分で点を取る、初めて複数失点したのが前半戦ラストの横浜F・マリノス戦、J2個人昇格組が大活躍など、これまでの下馬評を覆す躍進ぶりを見せる。しかし、後半戦は監督のパワハラ疑惑浮上や6戦勝ち無しなど一気に急ブレーキがかかり、マリノス、神戸、鹿島、浦和に追い抜かれて最終的には7位フィニッシュ。それでも、終盤には圧倒的な強さで優勝を決めていた川崎フロンターレに3-1で勝利、それまで4年以上勝っていなかった北海道コンサドーレ札幌に久々に勝利するなど、後半戦もそれなりにインパクトを残した。なお、金明輝はパワハラが完全に発覚し、退任することとなった。


監督退任の影響からか、2021年の主力の大半が他のJ1クラブへ移籍した。他のクラブのサポーターからも気を遣われるほど、衝撃的な主力の大量放出であった。その例は次のとおり。


FC東京へ山下敬大(前半戦だけで8得点を決めた長身FW)

名古屋グランパスへ酒井宣福(鳥栖でFW起用されて才能が開花した酒井高徳の弟)

名古屋グランパスへ仙頭啓矢(全試合出場達成した視野が広いMF)

柏レイソルへ小屋松知哉(FWも対応可能な瞬足MF)

鹿島アントラーズへ樋口雄太(正確なキックとハードワークが持ち味の中盤の核)

浦和レッズへ大畑歩夢(2021年に飛躍した若きDF)

清水エスパルスへ白崎凌兵(夏に主力として活躍していた鹿島から期限付きで来た技巧派MF)


実は2021年夏にも、林大地や松岡大起も退団していた。


そんな中でエドゥアルド、飯野七聖、ファンソッコに加えて夏に加入した小泉慶も契約更新を発表。また、監督にはモンテディオ山形でコーチをしていた川井健太が就任することが決定した。しかし...


思いがけない2022シーズンスタートとその後

2022年、開幕直前にエドゥアルドが横浜F・マリノスへ完全移籍することが発表された。ティーラトンの穴埋めに鹿島アントラーズの永戸勝也が期待されたのと同じように、チアゴ・マルチンスの穴埋めに急遽白羽の矢が立ったのがこのエドゥアルドであると思われる。これには他のサポーターからも同情された。エドゥアルド移籍に限らず上記のこともあり、巷では鳥栖のJ2降格が多く予想された。というのも、


・上述の主力大量放出

・監督がJ1初挑戦でJ2でもあまり結果を残せていない

・パワハラ問題でチームの雰囲気は最悪

・今年も補強はJ2の選手やレンタル移籍選手がメイン


といった要因があったので無理もない。藤田直之、小野裕二、福田晃斗という鳥栖を知る3人が久々に帰還したのはポジティブ要素だったが。


といった具合に不安視された中でスタートを切った。すると、サンフレッチェ広島戦を0-0に抑えた開幕から7戦負けなしで2勝5分けというスタートを切る。前半戦は連敗無しでトップハーフの順位にいることがほとんど。一時は5位まで浮上した。後半戦も1度連敗こそするものの、アウェイのガンバ大阪戦でダブル成功するまでは上々の出来だった。しかし、翌セレッソ大阪戦でATに勝ち越し弾を許して敗れたのを皮切りに、以降は3連敗を含む6戦連続勝ち無しフィニッシュ。7位~9位にいることが多かったチームは11位でシーズンを終えた。


2023年も川井監督は続投。開幕戦のホーム湘南ベルマーレ戦で大橋祐紀にハットトリックを許して1-5の大敗を喫するという最悪のスタートを切る。連敗も前半戦のみで2回、シュート数が少ない、複数得点が中々生まれないなどネガティブな面もあったが、鉄壁の名古屋グランパス、前年4戦3敗の京都サンガF.C.、ACL決勝のスタメンをあまり入れ替えていない浦和レッズを破るなど上々の試合も見られた。そして、後半戦初陣となった2回目の湘南戦では0-6というクラブ1試合最多得点を更新する大勝。小野裕二が豊田陽平以来のハットトリックで前半戦の借りをそれ以上の結果で返す。HTコメントでは「叩き潰してこい!!」とのこと。しかし、その後は内容と結果が伴わない試合が多く、中々勝ち点を伸ばせていない。東京戦で残留争いトリオ(柏・横浜FC・湘南)と最も近い15位にまで一時転落してしまったが、なんとか巻き返して残り3試合の時点で残留決定。後半戦、露骨に調子を落としてしまい、8戦勝ち無しなどもあって最終順位は14位。クリーンシートは後半戦スタートの湘南戦で途絶え、残りの全試合で失点を喫するというハメになった。つまり、「点は取れるが勝ち切れない、勝ち越せない、守り切れない」という試合が多発。得点数も失点の多さも上位と北海道コンサドーレ札幌を思わせる結果に。


2024年も川井監督は続投決定。不安視や降格候補に挙げる声もあるが、他のクラブも軒並み不安視される声は挙がっているのでファン・サポーターは移籍情報を気にしつつ、チームを信じて応援するしかないだろう。


チームや移籍の傾向

トーレスや金崎夢生、クエンカといった「エグイ」補強に目が行きがちだが、資金面では他のJ1クラブよりも不利である。基本的にはJ2やJ3で活躍した選手、試合にあまり出れていないがポテンシャル秘めた有望株を連れてくることがほとんど。鳥栖に来て活躍する度に鳥栖を「再生工場」と言いファン・サポーターも見られる。前述のように、資金面で不利なので鳥栖での活躍ぶりを高く評価した他のJ1クラブに目を付けられ、在籍1~2年目で移籍するというケースが多い(が、移籍した選手には以下のようなジンクスが生じがち)。補強の上手さのみならず、ユースが強いことでも有名であり、若手の育成にも定評がある。


個の力に頼れない分、選手間のチームワークやハードワークを徹底しているのが特徴。1試合での走行距離やスプリント回数がほとんどの試合で相手を上回っている。この方針は監督が代わってもブレてはおらず、方向性が長期的に一貫しているというのも長くJ1に居られる秘訣であろう。

また、ゴールマウスを守る最後の砦となる守護神に恵まれている。林彰洋、権田修一、高丘陽平と日本代表やベストイレブンになるような面々が守っていた。権田・高丘は2018・2019年のJ1残留にも大きく貢献。2020年途中から横浜F・マリノスで優勝も経験した朴一圭が高丘との実質的なトレードという形で加入し、たまに飛び出し過ぎてポカを犯すこともあるがJ1屈指のセービング能力を発揮し、ゴールマウスを守っている。


このように、J1でも色々と話題になりやすいクラブである。今後もその動向に注目していきたい。


サガン鳥栖で囁かれるジンクス

サガン鳥栖で囁かれるジンクス

川崎フロンターレFC東京に強い

川崎については上記にもある通り、Jリーグが通年制になった2017年から2022年までの間、負け越す(1勝1分)ことはあっても、17年以降J1に残留しているクラブでは唯一シーズンダブルを1度も許しておらず、特に2020シーズンはリーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかった。2021シーズン後半戦に関しては当時6戦勝ち無しで苦しんでいたにもかかわらず3-1で勝利し、川崎は2敗目を喫した。余談だがこの年の川崎の初黒星はアビスパ福岡のホームゲームで、この年の川崎は本州無敗であったが、2敗の敗戦がいずれも九州であり、天皇杯でも大分トリニータにPK戦の末敗戦。「川崎は九州が無条件に苦手」というジンクスを強めることになった。川井監督就任後も後半戦こそ4-0で完敗を喫するも前半戦に関しては得点を許さず、川崎の2022シーズン初の無得点試合にした。このため、川崎のサポーターには深い苦手意識が埋め込まれており、上記の4失点のように例えどんなに圧勝したとしても、後述の通り勝ち越していても苦手意識が消えていない。ただし、通算成績では大きく負け越しており、川崎が2023年に9年ぶりにダブルを達成したのに対し川崎に対してのダブルは2017年以降一度も果たせてない。


東京は2019シーズン後半戦から2023シーズン前半戦まで8連勝を果たしていた。ただし、1勝目は鳥栖の選手のハンドを見逃して得点を取り消さなかったという疑惑の判定が起こったため、そこは配慮すべきではある。もっとも、この試合に限らず仮に誤審がなかったとしてもFC東京が負けなかったかというのは限らないというのは忘れてはならない。2022~2023前半のアルベルトーキョーに関しては3試合とも無失点で抑え込んだ。しかし、2023シーズン後半戦では2点リードして監督が「余裕が油断になりかけている」とHTに注意しておきながらも3点取り返され、リーグ戦で4度目の逆転負けを喫して連勝ストップ。


また、2クラブほどではないものの、名古屋グランパスも鳥栖を苦手としている模様。特に2021シーズンの開幕からの無失点継続記録&無敗記録を鳥栖がストップさせ、川崎と共に名古屋戦をダブル成功している。


イニエスタが来てからヴィッセル神戸が天敵に

2018シーズンは2戦共にドローだったが、2019・2020・2022・2023シーズンはダブルを食らう。2021シーズンは1分1敗。2019シーズン前半戦はビジャの来日初ゴールを許し、トーレスの引退試合だった後半戦は1-6の大敗。2022シーズン前半戦はリーグ戦未勝利だった神戸相手にイニエスタ、汰木康也、武藤嘉紀、大迫勇也と4人の攻撃陣に得点を許し、4-0の完敗を喫する(イニエスタはこのとき武藤とのツートップとしてスタメン出場していた)。後半戦も武藤のヘディング2得点で0-2で敗れる。2023シーズンも0-1、2-1とまたもやダブルを喫するが、大迫と武藤のコンビが抜群のコンディションで大暴れしている中で1点差に終わったのはまだマシだと言うべきかもしれない。


上記の川崎や東京、神戸の他にも鳥栖は相性の良し悪しが比較的ハッキリしているクラブであり、サンフレッチェ広島横浜F・マリノス鹿島アントラーズにも大きく負け越している。が、鹿島戦は1点差で決する試合やドローなど接戦になることが多く、2022年にはATに双方合わせて計3点も入った4-4の熾烈な撃ち合いとなり、2023年に鹿島が達成した9試合無敗3失点のうち、2失点は鳥栖戦でのもの。


鳥栖で活躍した選手が他のJ1クラブへ移籍すると苦境に立たされやすい

鳥栖が資金的に不利だが色々と注目度の高いクラブであるからか、鳥栖に移籍orユースから昇格して活躍した選手は1~2年の比較的短期間で退団して他のJ1クラブへ移籍することが多い。しかし、新天地で鳥栖時代のように輝ける選手は少なく、ケガやポジション争いなどに苦しむことがしばしば。特に2022年開幕前の移籍選手を中心に事例を以下に示す。


・権田修一は2017・2018年に在籍し、特に2018年は鳥栖を残留へ導く大活躍をする。翌2019年からはポルトガルのポルティモネンセへ移籍。2019-2020シーズンは、中盤からレギュラーに定着し15試合に出場したが、翌年はポジションを奪われ、2021年からは清水エスパルスでプレー。清水では2021年こそ残留するも2022年はJ2降格を喫してしまう。カタールワールドカップでは代表として招集され、大ベテランの川島永嗣とベルギーで活躍中のシュミット・ダニエルを差し置いて守護神として君臨。ドイツ・スペインを破る大金星を起こす立役者となった。現在もJ2に降格した清水でプレー中。代表の守護神を擁しながら降格することもある恐ろしいリーグ、それがJリーグである...


・イサック・クエンカは2019年に鳥栖へ加入。カレーラス時代唯一の得点を決めたのも彼であり、その後もFCバルセロナ仕立ての実力を発揮し、残留争いに苦しむチームの中でもかなりの存在感を放った。翌2020年からはベガルタ仙台へ移籍。しかし、プレシーズン中に膝をケガして長期離脱。2021年も開幕から離脱しており、治療に専念するために4月に仙台を退団してスペインへ帰った。


・高橋祐治も2018・2019年に主力として活躍し、2020年に柏レイソルへ移籍。順調に試合に出場していたが、8月に全治9か月の右膝の大ケガを負う。翌2021年6月に復帰すると、柏のディフェンスリーダーとして2022年まで主力として活躍し、2023年からはJ2の清水エスパルスでプレーしている。この移籍には柏の監督だったネルシーニョとの不仲がウワサされたが、本人がSNSできっぱりと否定。2022シーズン終了後は彼の他にも大南拓磨、上島拓巳も退団し、柏は大幅なDFの入れ替えをした。


・金井貢史は2019年中盤に名古屋グランパスよりレンタル移籍で加入し、2014年以来の鳥栖加入となった。鳥栖では両SBをこなしつつ10試合に出場して4得点を決め、内3点が決勝弾であり、J1残留に大きく貢献した。その後は名古屋へレンタルバック、2020年には清水エスパルスへ完全移籍。しかし、ケガなどの影響で試合には多く絡めずに1年で契約満了。その後はヴァンフォーレ甲府FC琉球カマタマーレ讃岐と短期間でクラブを転々としている。


・松岡大起は2018年に高3にしてトップチーム昇格を果たし、2019年にカレーラス監督に見いだされて出場機会を増やすと、2020・2021年は不動の鳥栖の司令塔となる。しかし、厳しい環境で挑戦したいという思いから2021年中盤に下位に沈む清水エスパルスへ移籍。清水でもすぐにスタメンに定着するが、終盤まで残留争いに巻き込まれる。翌2022年はケガによる離脱もあって過去2~3年と比べてあまり試合には絡めず。チームもJ2降格を喫することに。ヨーロッパクラブへの移籍を望み、ギリギリまでオファーを待つが、結果オファーは届かずにJ2に降格した清水に残留。しかし、その後はブラジルへ旅立った。


・山下敬大は2021年に加入。2節の浦和レッズ戦で2点取って2-0で勝利したことを皮切りに得点を量産し、J1初挑戦ながら前半戦だけで8得点。後半戦は調子を落として1得点に終わるが、トータル9得点とJ1初挑戦としては非常に優秀な結果を残す。翌年はFC東京へ移籍するも、ディエゴ・オリベイラら強力なFW陣とのポジション争いに屈してほぼ途中出場となり、無得点に終わる(1度はネットを揺らすもVARで彼がハンドしていたことが分かり、無念の取り消しになった)。2023年には湘南ベルマーレへ期限付き移籍したが、こちらでも出場機会は得られず、更には大ケガにも見舞われてレンタル期間満了せずに東京へ出戻り決定。


・酒井宣福は大宮アルディージャを契約満了で退団後、2021年に加入。FW起用されてストライカーとしての才能を開花させると勝利や勝ち点に繋がる得点を量産し、計8得点を記録。特に名古屋グランパス戦では前半戦で1得点1アシスト、後半戦で月間ベストゴールを決める名古屋キラーになる。翌年はその名古屋に移籍するが、長谷川健太監督の戦術に中々ハマれず、ケガによる長期離脱もあって2得点止まり。途中出場がメインとなり、2年目もリーグ戦では結果を残せていない。


・仙頭啓矢も2021年に加入し、全試合出場達成してピッチ上でも存在感を放つ。翌年からは名古屋グランパスへ移籍し、名古屋でも全試合出場達成するが、「鳥栖のときと比べるとイマイチ」といったような声が多く挙がった。チームも長谷川健太監督が就任したばかりだったからか、後半は勢いをつけるも前半戦は下位に沈んでしまう。2023年は後輩の小屋松がいる柏レイソルへ移籍するが、柏も下位に沈んでいる。そんな後輩小屋松も彼ほど苦戦していたわけではなく、チームアシスト王になるなど前半戦の大躍進に貢献したが、10戦勝ち無しで2022シーズンを終えるハメになった。


・大畑歩夢は2020年にトップチームに昇格し、2021年に飛躍した。翌年からは浦和レッズへ移籍するも、2度のケガに見舞われる。この年はリカルド・ロドリゲス監督からの評価が高く、離脱時以外は基本的にスタメン出場していて主力として奮闘した。しかし、2022年で退任したロドリゲス監督に代わって新たに監督に就いたマチェイ・スコルジャ監督が左SBを京都サンガF.C.での武者修行帰りの荻原拓也や大畑と仲の良い明本考浩を中心に起用しており、三つ巴となるポジション争いに苦戦。


・エドゥアルドは2020年に加入し、躍進した2021年はキャプテンを務めていた。3バックの中央を守り、鳥栖の開幕からの6戦無失点継続や鳥栖の失点の少なさ3位タイ、2試合連続での強烈FK決勝弾など鳥栖の躍進に大きく貢献。2022年からは上記の通り、契約更新したものの開幕前に急遽横浜F・マリノスへ移籍。しかし、当初はマリノスのスタイルについて行けず、失点・敗北に繋がる致命的なミスを犯してしまう。その後しばらくはベンチスタートやベンチ外となるが、次第に調子を上げてスタメンに定着。2023年は若手の角田涼太郎との激しいポジション争いを繰り広げる。


・飯野七聖は2021年に加入して主力となり、多くの主力選手が移籍した2022年も鳥栖でプレー。しかし、ヴィッセル神戸戦で対峙した酒井高徳に圧倒されたことや日本代表入りも目標であって日本代表へのアプローチは神戸の方がしやすいと考えたことなどにより、夏の移籍期間で神戸へ移籍。神戸ではすぐにスタメンに定着してACLのトーナメント戦で横浜F・マリノスを破るきっかけとなる先制点を挙げる活躍をするも、終盤はケガに見舞われる。2023年は後半戦こそ武藤嘉紀を左WGにして右WGでスタメン出場する試合もあったが、前半戦はケガに悩まされてしまった。


・ジエゴは2022年に加入し、3バックの左や4バックの左CBで攻守において欠かせない主力となる。守備面では勿論、攻撃面でも大胆な仕掛けからの鋭いクロスでのアシストや打点の高いヘディングなどで活躍。翌年からは柏レイソルへ移籍し、後半戦は浦和レッズから柏へレンタルで来た犬飼智也と共に残留争いを抜け出す大きな原動力となっていたが、開幕前に大ケガに見舞われてしまっており、シーズンの半分近くを棒に振ってしまった。


このように苦戦する選手が目立つが、鹿島アントラーズで加入1年目にして欠かせない主力となった樋口雄太など、移籍しても高パフォーマンスを披露している選手もちゃんといることを忘れないでおきたい。もっとも、近年のアントラーズは毎年の大型補強で加入した移籍組が1年目こそ主力定着しても2年目以降は帰還組や生え抜きを優先し出場機会が減って他クラブへ移籍して活躍し、移籍組の活躍が長くなく、その故かタイトルをとれていないという傾向があるため、そのジンクスを払拭できるかが注目される。


トスタイム

トスタイム

鳥栖の試合では後半ATで得点が決まって勝利や引き分けに持ち込むという展開になったとき、鳥栖サポはこの言葉を使うことがある。「トスタイム発動!」といった具合に。「これだからサガン鳥栖はやめられない」と言う声も。


マスコット

マスコット

佐賀県の県鳥カチガラスの「ウィントス」。

ベアスタでのホームゲームでは鳥栖市公式キャラクターのとっとちゃんと一緒にいることが多い。


スタジアム

スタジアム

駅前不動産スタジアム。その看板に偽りなく、Jリーグのスタジアムで駅からの近さは第2位である。鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。ただし、鳥栖駅の出入口はスタジアムの反対にしかなく、線路を渡る歩道橋は狭いので試合終了時には大変混雑する。


鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。四方のスタンドが全て2層式の球技場で、さながらイングランドのサッカー場を思い浮かべる人も多い。


ただし自動車では、鳥栖駅周辺の駐車場では足りない。九州新幹線駅でもある新鳥栖駅に駐め、そこから電車で向かうサポーターも多い。新鳥栖駅周辺にクラブも無料駐車場を用意している。


まさかのコラボ

まさかのコラボ

佐賀県ロマンシング佐賀を展開している中、「ロマンシングサガン」が誕生するとは誰が予想していただろうか?


6月20日のFC東京戦にて、スタジアム内のBGMやMCもコラボによる特別仕様となる。


Cygamesがスポンサーになった9月からはアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」を開催。


2017年開幕時にはユーリ!!!onICEのコラボ広告を出した。

同年10月には佐賀県出身の漫画家・原泰久キングダムとコラボ、来場客に小雑誌が配布された。


関連タグ

関連タグ

Jリーグ 鳥栖


ロマンシング佐賀


九州地方に本拠地を置くチーム。

アビスパ福岡ギラヴァンツ北九州V・ファーレン長崎大分トリニータロアッソ熊本鹿児島ユナイテッドFCFC琉球

テゲバジャーロ宮崎(2021年よりJ3参戦。)


外部リンク

外部リンク

サガン鳥栖オフィシャルホームページ

解説

解説

創設年1997年
加盟年2006年
ホームスタジアム駅前不動産スタジアム
クラブカラー水色とピンク
マスコットウィントス

通称「鳥栖の兄貴」。佐賀県唯一の公式球技チームである。


歴史

歴史

チーム創設まで

1987年に静岡県浜松市を本拠にPJMジャパンの設立したサッカークラブ「PJMフューチャーズ」を佐賀県が誘致、1994年に移転、「鳥栖フューチャーズ」と改名、Jリーグ準会員となった。

しかし、PJMジャパンの撤退が原因となって深刻な経営難に陥り、1997年1月にチーム運営会社の株式会社佐賀スポーツクラブが解散を決議(翌年破産)、その受け皿として1997年2月4日に佐賀県サッカー協会会長の中村安昭を代表とする任意団体として「サガン鳥栖FC」が発足した。

その為、「鳥栖フューチャーズ」とは経営的、組織的に直接のつながりはない。選手も元フューチャーズの選手はサガンに″移籍″となっている。(但し天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会の出場回数は鳥栖Fからの通算である。)


Jリーグ参戦

J2発足時に加盟したクラブで最後までJ1昇格を経験していなかったが、2012年シーズンで初の昇格を果たす。


昇格当初は残留できればまずまずという評価であったが、初年度で最終節までACL争いに食い込む5位、2年目はリーグ12位だが天皇杯でベスト4。さらに2014年シーズンではシーズン途中に首位に立つ。


残留争いに巻き込まれることも決して少なくはないが、昇格して以降は1度も降格しておらず、現在ではJ1に定着している。


また、2017年にリーグが1シーズン制になって以降は、毎年のように優勝争いに関わり5年連続でタイトルを獲得した川崎フロンターレに同2017年以降唯一シーズンダブルを1度も許していないクラブでもあり、特に2020シーズンは他クラブが最低でも1敗(1勝1敗、1分1敗、2敗)を喫した中で鳥栖は2戦2分けに終わり、この年リーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかったクラブとなった。


貧乏クラブから金満クラブへ

昇格以来安定した成績の裏で、地方クラブの宿命である2年連続で赤字を抱えており、改善しなければJ3へ自動降格という経営危機があった。それを克服したのがCygamesという超大型スポンサーである。それ以来財政は大幅に改善された。スタジアムや佐賀新聞などにグラブルなどのサイゲの広告が多数掲載されたり、アウェイ福岡ドームのネット裏に広告を出したことも。


その後、お釣りが余り過ぎたためマガトブッフォンフェルナンド・トーレスといった大物プレイヤーの獲得に挑戦している(このうち、トーレスは獲得に成功し2018年夏よりチームに合流した)。ファンからは「俺たちのガチャで〇〇を呼べる」「自身のガチャSSRに挑戦している」との書き込みが目立っている。


しかし2018年9月、親会社サイバーエージェントがライバルチームFC町田ゼルビアを買収。Cygamesはサガンを離れることを余儀なくされてしまった。


トーレスが来た!しかし...

2018年、トーレスが本当に来た。年俸は推定6~8億。なお、ヴィッセル神戸のイニエスタは32億。この超大型補強でサポーターの期待は高まったが、残留争いから抜け出すことはできず。トーレスはガンバ大阪戦でクロスからのヘディングシュートを決め、鳥栖での初ゴールを決める。その後、監督交代をすると、最終節まで負けなしを継続。さらには横浜F・マリノス戦で劇的な逆転弾を決め、残留へ大きく近づく。最終節は引き分けて残留に成功。実はこの最終節、鹿島アントラーズのレジェンド小笠原満男の現役最後の試合だったりする。


2019年、ルイス・カレーラス監督が就任。トーレスとはスペインで共にプレーした経験もある。しかし、スペインで就任したクラブはいずれも短期間で解任されているというどう考えても怪しい監督。そのイヤな予感は的中してしまう。

まず開幕戦、名古屋グランパス戦を0-4で敗れる。これを機に無得点で3連敗してしまう。4節のジュビロ磐田戦で1-0で初勝利、続く横浜F・マリノス戦でスコアレスドロー。しかし、6節から無得点で4連敗。10節の大分トリニータ戦は監督不在でコーチだった金明輝が代理で指揮するも、狂った歯車は止められず、結果2-0で5連敗。以上より、開幕から10試合1勝1分8敗で僅か1得点というJ1歴代ワースト記録を作ってしまう。これを受けて、流石の鳥栖もカレーラスを解任。後任は前年も途中交代で引き継いで残留へ導いた金明輝。

その後は3連勝したかと思えば3連敗、ラスト2戦は連敗フィニッシュと浮き沈み、沈みの方が激しいシーズンとなり、最終節で松本山雅FC湘南ベルマーレに1-1で引き分けたことにより、プレーオフを回避しギリギリ残留。

なお、この年にトーレスが引退した。


トーレス引退後と騒動

2020年、今回は金明輝が開幕から指揮を執る。が、開幕から5試合無得点。得点を上げたのは6試合目であり、初勝利は8試合目のこと。この年は降格が無かったため、残留争いは無かったものの、年間僅か7勝しかできず。ただし、ドローで勝ち点1を多く稼ぎ、結果は13位フィニッシュ。


2021年、開幕3連勝、セレッソ大阪戦で敗れるまで開幕から無失点継続、オウンゴールを除くと開幕から9試合無失点記録継続中だった名古屋グランパスを相手に試合開始6分で点を取る、初めて複数失点したのが前半戦ラストの横浜F・マリノス戦、J2個人昇格組が大活躍など、これまでの下馬評を覆す躍進ぶりを見せる。しかし、後半戦は監督のパワハラ疑惑浮上や6戦勝ち無しなど一気に急ブレーキがかかり、マリノス、神戸、鹿島、浦和に追い抜かれて最終的には7位フィニッシュ。それでも、終盤には圧倒的な強さで優勝を決めていた川崎フロンターレに3-1で勝利、それまで4年以上勝っていなかった北海道コンサドーレ札幌に久々に勝利するなど、後半戦もそれなりにインパクトを残した。なお、金明輝はパワハラが完全に発覚し、退任することとなった。


監督退任の影響からか、2021年の主力の大半が他のJ1クラブへ移籍した。他のクラブのサポーターからも気を遣われるほど、衝撃的な主力の大量放出であった。その例は次のとおり。


FC東京へ山下敬大(前半戦だけで8得点を決めた長身FW)

名古屋グランパスへ酒井宣福(鳥栖でFW起用されて才能が開花した酒井高徳の弟)

名古屋グランパスへ仙頭啓矢(全試合出場達成した視野が広いMF)

柏レイソルへ小屋松知哉(FWも対応可能な瞬足MF)

鹿島アントラーズへ樋口雄太(正確なキックとハードワークが持ち味の中盤の核)

浦和レッズへ大畑歩夢(2021年に飛躍した若きDF)

清水エスパルスへ白崎凌兵(夏に主力として活躍していた鹿島から期限付きで来た技巧派MF)


実は2021年夏にも、林大地や松岡大起も退団していた。


そんな中でエドゥアルド、飯野七聖、ファンソッコに加えて夏に加入した小泉慶も契約更新を発表。また、監督にはモンテディオ山形でコーチをしていた川井健太が就任することが決定した。しかし...


思いがけない2022シーズンスタートとその後

2022年、開幕直前にエドゥアルドが横浜F・マリノスへ完全移籍することが発表された。ティーラトンの穴埋めに鹿島アントラーズの永戸勝也が期待されたのと同じように、チアゴ・マルチンスの穴埋めに急遽白羽の矢が立ったのがこのエドゥアルドであると思われる。これには他のサポーターからも同情された。エドゥアルド移籍に限らず上記のこともあり、巷では鳥栖のJ2降格が多く予想された。というのも、


・上述の主力大量放出

・監督がJ1初挑戦でJ2でもあまり結果を残せていない

・パワハラ問題でチームの雰囲気は最悪

・今年も補強はJ2の選手やレンタル移籍選手がメイン


といった要因があったので無理もない。藤田直之、小野裕二、福田晃斗という鳥栖を知る3人が久々に帰還したのはポジティブ要素だったが。


といった具合に不安視された中でスタートを切った。すると、サンフレッチェ広島戦を0-0に抑えた開幕から7戦負けなしで2勝5分けというスタートを切る。前半戦は連敗無しでトップハーフの順位にいることがほとんど。一時は5位まで浮上した。後半戦も1度連敗こそするものの、アウェイのガンバ大阪戦でダブル成功するまでは上々の出来だった。しかし、翌セレッソ大阪戦でATに勝ち越し弾を許して敗れたのを皮切りに、以降は3連敗を含む6戦連続勝ち無しフィニッシュ。7位~9位にいることが多かったチームは11位でシーズンを終えた。


2023年も川井監督は続投。開幕戦のホーム湘南ベルマーレ戦で大橋祐紀にハットトリックを許して1-5の大敗を喫するという最悪のスタートを切る。連敗も前半戦のみで2回、シュート数が少ない、複数得点が中々生まれないなどネガティブな面もあったが、鉄壁の名古屋グランパス、前年4戦3敗の京都サンガF.C.、ACL決勝のスタメンをあまり入れ替えていない浦和レッズを破るなど上々の試合も見られた。そして、後半戦初陣となった2回目の湘南戦では0-6というクラブ1試合最多得点を更新する大勝。小野裕二が豊田陽平以来のハットトリックで前半戦の借りをそれ以上の結果で返す。HTコメントでは「叩き潰してこい!!」とのこと。しかし、その後は内容と結果が伴わない試合が多く、中々勝ち点を伸ばせていない。東京戦で残留争いトリオ(柏・横浜FC・湘南)と最も近い15位にまで一時転落してしまったが、なんとか巻き返して残り3試合の時点で残留決定。後半戦、露骨に調子を落としてしまい、8戦勝ち無しなどもあって最終順位は14位。クリーンシートは後半戦スタートの湘南戦で途絶え、残りの全試合で失点を喫するというハメになった。つまり、「点は取れるが勝ち切れない、勝ち越せない、守り切れない」という試合が多発。得点数も失点の多さも上位と北海道コンサドーレ札幌を思わせる結果に。


2024年も川井監督は続投決定。不安視や降格候補に挙げる声もあるが、他のクラブも軒並み不安視される声は挙がっているのでファン・サポーターは移籍情報を気にしつつ、チームを信じて応援するしかないだろう。


チームや移籍の傾向

トーレスや金崎夢生、クエンカといった「エグイ」補強に目が行きがちだが、資金面では他のJ1クラブよりも不利である。基本的にはJ2やJ3で活躍した選手、試合にあまり出れていないがポテンシャル秘めた有望株を連れてくることがほとんど。鳥栖に来て活躍する度に鳥栖を「再生工場」と言いファン・サポーターも見られる。前述のように、資金面で不利なので鳥栖での活躍ぶりを高く評価した他のJ1クラブに目を付けられ、在籍1~2年目で移籍するというケースが多い(が、移籍した選手には以下のようなジンクスが生じがち)。補強の上手さのみならず、ユースが強いことでも有名であり、若手の育成にも定評がある。


個の力に頼れない分、選手間のチームワークやハードワークを徹底しているのが特徴。1試合での走行距離やスプリント回数がほとんどの試合で相手を上回っている。この方針は監督が代わってもブレてはおらず、方向性が長期的に一貫しているというのも長くJ1に居られる秘訣であろう。

また、ゴールマウスを守る最後の砦となる守護神に恵まれている。林彰洋、権田修一、高丘陽平と日本代表やベストイレブンになるような面々が守っていた。権田・高丘は2018・2019年のJ1残留にも大きく貢献。2020年途中から横浜F・マリノスで優勝も経験した朴一圭が高丘との実質的なトレードという形で加入し、たまに飛び出し過ぎてポカを犯すこともあるがJ1屈指のセービング能力を発揮し、ゴールマウスを守っている。


このように、J1でも色々と話題になりやすいクラブである。今後もその動向に注目していきたい。


サガン鳥栖で囁かれるジンクス

サガン鳥栖で囁かれるジンクス

川崎フロンターレFC東京に強い

川崎については上記にもある通り、Jリーグが通年制になった2017年から2022年までの間、負け越す(1勝1分)ことはあっても、17年以降J1に残留しているクラブでは唯一シーズンダブルを1度も許しておらず、特に2020シーズンはリーグを圧倒し史上最強と呼ばれた川崎に唯一負けなかった。2021シーズン後半戦に関しては当時6戦勝ち無しで苦しんでいたにもかかわらず3-1で勝利し、川崎は2敗目を喫した。余談だがこの年の川崎の初黒星はアビスパ福岡のホームゲームで、この年の川崎は本州無敗であったが、2敗の敗戦がいずれも九州であり、天皇杯でも大分トリニータにPK戦の末敗戦。「川崎は九州が無条件に苦手」というジンクスを強めることになった。川井監督就任後も後半戦こそ4-0で完敗を喫するも前半戦に関しては得点を許さず、川崎の2022シーズン初の無得点試合にした。このため、川崎のサポーターには深い苦手意識が埋め込まれており、上記の4失点のように例えどんなに圧勝したとしても、後述の通り勝ち越していても苦手意識が消えていない。ただし、通算成績では大きく負け越しており、川崎が2023年に9年ぶりにダブルを達成したのに対し川崎に対してのダブルは2017年以降一度も果たせてない。


東京は2019シーズン後半戦から2023シーズン前半戦まで8連勝を果たしていた。ただし、1勝目は鳥栖の選手のハンドを見逃して得点を取り消さなかったという疑惑の判定が起こったため、そこは配慮すべきではある。もっとも、この試合に限らず仮に誤審がなかったとしてもFC東京が負けなかったかというのは限らないというのは忘れてはならない。2022~2023前半のアルベルトーキョーに関しては3試合とも無失点で抑え込んだ。しかし、2023シーズン後半戦では2点リードして監督が「余裕が油断になりかけている」とHTに注意しておきながらも3点取り返され、リーグ戦で4度目の逆転負けを喫して連勝ストップ。


また、2クラブほどではないものの、名古屋グランパスも鳥栖を苦手としている模様。特に2021シーズンの開幕からの無失点継続記録&無敗記録を鳥栖がストップさせ、川崎と共に名古屋戦をダブル成功している。


イニエスタが来てからヴィッセル神戸が天敵に

2018シーズンは2戦共にドローだったが、2019・2020・2022・2023シーズンはダブルを食らう。2021シーズンは1分1敗。2019シーズン前半戦はビジャの来日初ゴールを許し、トーレスの引退試合だった後半戦は1-6の大敗。2022シーズン前半戦はリーグ戦未勝利だった神戸相手にイニエスタ、汰木康也、武藤嘉紀、大迫勇也と4人の攻撃陣に得点を許し、4-0の完敗を喫する(イニエスタはこのとき武藤とのツートップとしてスタメン出場していた)。後半戦も武藤のヘディング2得点で0-2で敗れる。2023シーズンも0-1、2-1とまたもやダブルを喫するが、大迫と武藤のコンビが抜群のコンディションで大暴れしている中で1点差に終わったのはまだマシだと言うべきかもしれない。


上記の川崎や東京、神戸の他にも鳥栖は相性の良し悪しが比較的ハッキリしているクラブであり、サンフレッチェ広島横浜F・マリノス鹿島アントラーズにも大きく負け越している。が、鹿島戦は1点差で決する試合やドローなど接戦になることが多く、2022年にはATに双方合わせて計3点も入った4-4の熾烈な撃ち合いとなり、2023年に鹿島が達成した9試合無敗3失点のうち、2失点は鳥栖戦でのもの。


鳥栖で活躍した選手が他のJ1クラブへ移籍すると苦境に立たされやすい

鳥栖が資金的に不利だが色々と注目度の高いクラブであるからか、鳥栖に移籍orユースから昇格して活躍した選手は1~2年の比較的短期間で退団して他のJ1クラブへ移籍することが多い。しかし、新天地で鳥栖時代のように輝ける選手は少なく、ケガやポジション争いなどに苦しむことがしばしば。特に2022年開幕前の移籍選手を中心に事例を以下に示す。


・権田修一は2017・2018年に在籍し、特に2018年は鳥栖を残留へ導く大活躍をする。翌2019年からはポルトガルのポルティモネンセへ移籍。2019-2020シーズンは、中盤からレギュラーに定着し15試合に出場したが、翌年はポジションを奪われ、2021年からは清水エスパルスでプレー。清水では2021年こそ残留するも2022年はJ2降格を喫してしまう。カタールワールドカップでは代表として招集され、大ベテランの川島永嗣とベルギーで活躍中のシュミット・ダニエルを差し置いて守護神として君臨。ドイツ・スペインを破る大金星を起こす立役者となった。現在もJ2に降格した清水でプレー中。代表の守護神を擁しながら降格することもある恐ろしいリーグ、それがJリーグである...


・イサック・クエンカは2019年に鳥栖へ加入。カレーラス時代唯一の得点を決めたのも彼であり、その後もFCバルセロナ仕立ての実力を発揮し、残留争いに苦しむチームの中でもかなりの存在感を放った。翌2020年からはベガルタ仙台へ移籍。しかし、プレシーズン中に膝をケガして長期離脱。2021年も開幕から離脱しており、治療に専念するために4月に仙台を退団してスペインへ帰った。


・高橋祐治も2018・2019年に主力として活躍し、2020年に柏レイソルへ移籍。順調に試合に出場していたが、8月に全治9か月の右膝の大ケガを負う。翌2021年6月に復帰すると、柏のディフェンスリーダーとして2022年まで主力として活躍し、2023年からはJ2の清水エスパルスでプレーしている。この移籍には柏の監督だったネルシーニョとの不仲がウワサされたが、本人がSNSできっぱりと否定。2022シーズン終了後は彼の他にも大南拓磨、上島拓巳も退団し、柏は大幅なDFの入れ替えをした。


・金井貢史は2019年中盤に名古屋グランパスよりレンタル移籍で加入し、2014年以来の鳥栖加入となった。鳥栖では両SBをこなしつつ10試合に出場して4得点を決め、内3点が決勝弾であり、J1残留に大きく貢献した。その後は名古屋へレンタルバック、2020年には清水エスパルスへ完全移籍。しかし、ケガなどの影響で試合には多く絡めずに1年で契約満了。その後はヴァンフォーレ甲府FC琉球カマタマーレ讃岐と短期間でクラブを転々としている。


・松岡大起は2018年に高3にしてトップチーム昇格を果たし、2019年にカレーラス監督に見いだされて出場機会を増やすと、2020・2021年は不動の鳥栖の司令塔となる。しかし、厳しい環境で挑戦したいという思いから2021年中盤に下位に沈む清水エスパルスへ移籍。清水でもすぐにスタメンに定着するが、終盤まで残留争いに巻き込まれる。翌2022年はケガによる離脱もあって過去2~3年と比べてあまり試合には絡めず。チームもJ2降格を喫することに。ヨーロッパクラブへの移籍を望み、ギリギリまでオファーを待つが、結果オファーは届かずにJ2に降格した清水に残留。しかし、その後はブラジルへ旅立った。


・山下敬大は2021年に加入。2節の浦和レッズ戦で2点取って2-0で勝利したことを皮切りに得点を量産し、J1初挑戦ながら前半戦だけで8得点。後半戦は調子を落として1得点に終わるが、トータル9得点とJ1初挑戦としては非常に優秀な結果を残す。翌年はFC東京へ移籍するも、ディエゴ・オリベイラら強力なFW陣とのポジション争いに屈してほぼ途中出場となり、無得点に終わる(1度はネットを揺らすもVARで彼がハンドしていたことが分かり、無念の取り消しになった)。2023年には湘南ベルマーレへ期限付き移籍したが、こちらでも出場機会は得られず、更には大ケガにも見舞われてレンタル期間満了せずに東京へ出戻り決定。


・酒井宣福は大宮アルディージャを契約満了で退団後、2021年に加入。FW起用されてストライカーとしての才能を開花させると勝利や勝ち点に繋がる得点を量産し、計8得点を記録。特に名古屋グランパス戦では前半戦で1得点1アシスト、後半戦で月間ベストゴールを決める名古屋キラーになる。翌年はその名古屋に移籍するが、長谷川健太監督の戦術に中々ハマれず、ケガによる長期離脱もあって2得点止まり。途中出場がメインとなり、2年目もリーグ戦では結果を残せていない。


・仙頭啓矢も2021年に加入し、全試合出場達成してピッチ上でも存在感を放つ。翌年からは名古屋グランパスへ移籍し、名古屋でも全試合出場達成するが、「鳥栖のときと比べるとイマイチ」といったような声が多く挙がった。チームも長谷川健太監督が就任したばかりだったからか、後半は勢いをつけるも前半戦は下位に沈んでしまう。2023年は後輩の小屋松がいる柏レイソルへ移籍するが、柏も下位に沈んでいる。そんな後輩小屋松も彼ほど苦戦していたわけではなく、チームアシスト王になるなど前半戦の大躍進に貢献したが、10戦勝ち無しで2022シーズンを終えるハメになった。


・大畑歩夢は2020年にトップチームに昇格し、2021年に飛躍した。翌年からは浦和レッズへ移籍するも、2度のケガに見舞われる。この年はリカルド・ロドリゲス監督からの評価が高く、離脱時以外は基本的にスタメン出場していて主力として奮闘した。しかし、2022年で退任したロドリゲス監督に代わって新たに監督に就いたマチェイ・スコルジャ監督が左SBを京都サンガF.C.での武者修行帰りの荻原拓也や大畑と仲の良い明本考浩を中心に起用しており、三つ巴となるポジション争いに苦戦。


・エドゥアルドは2020年に加入し、躍進した2021年はキャプテンを務めていた。3バックの中央を守り、鳥栖の開幕からの6戦無失点継続や鳥栖の失点の少なさ3位タイ、2試合連続での強烈FK決勝弾など鳥栖の躍進に大きく貢献。2022年からは上記の通り、契約更新したものの開幕前に急遽横浜F・マリノスへ移籍。しかし、当初はマリノスのスタイルについて行けず、失点・敗北に繋がる致命的なミスを犯してしまう。その後しばらくはベンチスタートやベンチ外となるが、次第に調子を上げてスタメンに定着。2023年は若手の角田涼太郎との激しいポジション争いを繰り広げる。


・飯野七聖は2021年に加入して主力となり、多くの主力選手が移籍した2022年も鳥栖でプレー。しかし、ヴィッセル神戸戦で対峙した酒井高徳に圧倒されたことや日本代表入りも目標であって日本代表へのアプローチは神戸の方がしやすいと考えたことなどにより、夏の移籍期間で神戸へ移籍。神戸ではすぐにスタメンに定着してACLのトーナメント戦で横浜F・マリノスを破るきっかけとなる先制点を挙げる活躍をするも、終盤はケガに見舞われる。2023年は後半戦こそ武藤嘉紀を左WGにして右WGでスタメン出場する試合もあったが、前半戦はケガに悩まされてしまった。


・ジエゴは2022年に加入し、3バックの左や4バックの左CBで攻守において欠かせない主力となる。守備面では勿論、攻撃面でも大胆な仕掛けからの鋭いクロスでのアシストや打点の高いヘディングなどで活躍。翌年からは柏レイソルへ移籍し、後半戦は浦和レッズから柏へレンタルで来た犬飼智也と共に残留争いを抜け出す大きな原動力となっていたが、開幕前に大ケガに見舞われてしまっており、シーズンの半分近くを棒に振ってしまった。


このように苦戦する選手が目立つが、鹿島アントラーズで加入1年目にして欠かせない主力となった樋口雄太など、移籍しても高パフォーマンスを披露している選手もちゃんといることを忘れないでおきたい。もっとも、近年のアントラーズは毎年の大型補強で加入した移籍組が1年目こそ主力定着しても2年目以降は帰還組や生え抜きを優先し出場機会が減って他クラブへ移籍して活躍し、移籍組の活躍が長くなく、その故かタイトルをとれていないという傾向があるため、そのジンクスを払拭できるかが注目される。


トスタイム

トスタイム

鳥栖の試合では後半ATで得点が決まって勝利や引き分けに持ち込むという展開になったとき、鳥栖サポはこの言葉を使うことがある。「トスタイム発動!」といった具合に。「これだからサガン鳥栖はやめられない」と言う声も。


マスコット

マスコット

佐賀県の県鳥カチガラスの「ウィントス」。

ベアスタでのホームゲームでは鳥栖市公式キャラクターのとっとちゃんと一緒にいることが多い。


スタジアム

スタジアム

駅前不動産スタジアム。その看板に偽りなく、Jリーグのスタジアムで駅からの近さは第2位である。鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。ただし、鳥栖駅の出入口はスタジアムの反対にしかなく、線路を渡る歩道橋は狭いので試合終了時には大変混雑する。


鳥栖駅の貨物駅跡地に建設された。四方のスタンドが全て2層式の球技場で、さながらイングランドのサッカー場を思い浮かべる人も多い。


ただし自動車では、鳥栖駅周辺の駐車場では足りない。九州新幹線駅でもある新鳥栖駅に駐め、そこから電車で向かうサポーターも多い。新鳥栖駅周辺にクラブも無料駐車場を用意している。


まさかのコラボ

まさかのコラボ

佐賀県ロマンシング佐賀を展開している中、「ロマンシングサガン」が誕生するとは誰が予想していただろうか?


6月20日のFC東京戦にて、スタジアム内のBGMやMCもコラボによる特別仕様となる。


Cygamesがスポンサーになった9月からはアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ「スターライ☆鳥栖☆ステージ」を開催。


2017年開幕時にはユーリ!!!onICEのコラボ広告を出した。

同年10月には佐賀県出身の漫画家・原泰久キングダムとコラボ、来場客に小雑誌が配布された。


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