概要
モビルスーツは、元々宇宙空間やスペースコロニー等の無重力・低重力空間での運用を目的に開発された物であるが、モビルスーツが重力下で戦闘を行う場合、その重量と相まって陸上での運用が基本となる。
しかし、モビルスーツ単体の行動半径は歩行能力や推進剤の関係から大きな制限が加わってしまう。
その運用上のデメリットを解消する為に考案されたのが、背部にモビルスーツを乗せて飛行する「サブフライトシステム」である。
このサブフライトシステムの登場により、モビルスーツは推進剤の消耗を減らしつつその行動半径を広げ、迅速に部隊を展開可能となった(ちなみに宇宙世紀シリーズで本システムを使用するモビルスーツは、劇中において「ゲタ履き」と称されている)。
また、既存の輸送機のようにモビルスーツを機内に格納する必要がなく、稼働状態のMSが乗っているので迎撃機や対空砲火に対してモビルスーツの火器を用いて対応する事も可能であり、その結果モビルスーツは限定的にではあるが空中戦へ適応し、その可能性を広げるに至る。
また、熟練のパイロットの場合はサブフライトシステムからモビルスーツを跳躍させ、攻撃してからサブフライトシステムに乗り直す「応用技」を用いる者もおり、またサブフライトシステムは有人/無人運用の切り替えが可能となっている事もあり、敵のサブフライトシステムが無人であった場合、これを奪って使用する事も可能となっていたり、場合によってはMSを乗せず人や荷物を載せた簡易往還連絡機の仕事を担う事も出来る（本職の輸送機・人員移送機に比べ輸送量や居住性などに劣るので基本的には高速のみが求められるケースでの採用がほとんど）。
宇宙空間でもサブフライトシステムは運用されるが、この場合は推進剤を節約し、その行動半径を広げる役割を担う。
ロングレンジ戦術や基地からの迎撃などでその効力を発揮するが、戦場到着後はその運動性の観点から乗り捨てられることが多く、またその被弾面積から撃墜されることも少なくなく、半ば消耗品扱いされている。
後にサブフライトシステムに戦闘力を持たせる計画や、可変MSをサブフライトシステムとして流用する計画もあったが、使い勝手やコストパフォーマンスの点から、あまり定着しなかった。
混同され易いメカ
SFSはその性質上、MSを格納する輸送機や移送メカ、あるいは機動性強化・空中・宇宙対応増設装備パーツなどの類と勘違いされ易いが厳密にはSFSは「MSが稼働した状態で搭乗し航空・航宙機動補佐を行う原則自律稼働する機体」である。したがってMSを待機状態で輸送する事が基本となる輸送機の類や、装備単体では自律的に稼働する事の無い「増設装備パーツ」などはSFSではなく、GファルコンやGNアームズ、クタン参型の様な高速移送時は輸送機となって格納合体をしつつ、変形を行ってMS側が主導権を握る増設装備化する機体もSFSではない。
サブフライトシステム一覧
宇宙世紀
一年戦争
厳密にはこの時代にはSFSの定義が無いので「後のSFSに相当する運用形態が有った」というのが正しく、戦争後期頃には後の「SFS」の定義確立に繋がる運用を想定した機体が開発されている。
- ドダイYS
- ドダイⅡ
- ドダイGA
- スキウレ
- スクート
- Gファイター（主に通常形態のGファイター時とGスカイ時のガンダム騎乗時の状態であり全ての形態がSFS機能を持っている訳ではない）
- コルベット・ブースター
- ライトライナー
- バストライナー
グリプス戦役～マフティー動乱
- ドダイ改
- ゲター
- ベースジャバー
- 89式ベースジャバー
- 94式ベースジャバー
- フライングアーマー
- シャクルズ
- メガライダー
- Zガンダム（ウェイブライダー形態）
- デルタガンダム（ウェイブライダー形態）
- デルタプラス（ウェイブライダー形態）
- リゼル（巡航形態）
- アンクシャ（MA形態）
- ガザE（MA形態）
- ガザG（MA形態）
- エルキャック
- ギャルセゾン
- ケッサリア
- TR-4ダンディライアン(大気圏突入形態)
- ガンダムTR-6［キハールⅡ］(MA形態)
- グランユニット(脚部装着型ホバーユニット)
- セッター
コスモ・バビロニア戦争以降
リギルド・センチュリー
機動武闘伝Gガンダム
- ガンダムマックスターのサーフボード型シールド
- 風雲再起
新機動戦記ガンダムW
- ウイングガンダム（バード形態）※16話でガンダムヘビーアームズが鉤爪に捕まり飛行するシーンがある。
機動新世紀ガンダムX
- ガンダムエアマスターバースト（ファイターモード）
- ガンダムアシュタロン（MA形態）
- ガンダムアシュタロンハーミットクラブ（MA形態）
機動戦士ガンダムSEED～機動戦士ガンダムSEEDDESTINY
機動戦士ガンダム00
機動戦士ガンダムAGE
機動戦士ガンダム水星の魔女
ガンダム以外の作品
聖戦士ダンバイン
- ビルバイン（ウイングキャリバー形態）
重戦機エルガイム
- エルガイムMk-Ⅱ（ランドブースタープローラー形態）
マジンカイザー(OVA)
真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ
スーパーロボット大戦OGシリーズ
- アウセンザイター（プフェールト・モード）※ダイゼンガーとの合体攻撃『竜巻斬艦刀・逸騎刀閃』でプフェールト・モードに変形し背中に騎乗させた。30では常時刃馬一体状態(合体済み)で単独ユニットとして実装。
交響詩篇エウレカセブン
ダンボール戦機W、ダンボール戦機ウォーズ
マジンカイザーSKL
- SKL-RR
スーパーロボット大戦Z
- ダイターン3（ダイファイター）※リフター機能により、自分と小隊を組んでいる空適応のないユニットを飛行させることができる。映写されてないものの、サイズがサイズなのでダイファイターの上に陸ユニットが騎乗しているということになる。
スーパーロボット大戦BX
- 真マジンガー（ビッグバンパンチ）※『ダイナミックコンビネーション』にてマジンガーがビッグバンパンチに変形し、その上に飛び乗ったSKLが騎乗。
関連項目
アズールレーン(アニメ)：劇中にて一部のキャラ達が艦載機に跨って乗ると言うサブフライトシステムのような事をしていた。
