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概要

ジェラルド・R・フォード級(Gerald R. Ford-class)は、前級のニミッツ級が1975年に就役して以来、40年ぶりの新型空母である。アメリカ海軍原子力空母としては三世代目となり、多くの新技術を取り入れている。艦種はCVN(原子力汎用空母)。一番艦の艦名は、元海軍軍人であった第38代大統領、ジェラルド・ルドルフ・フォード(Gerald Rudolf Ford)に由来する。


来歴

1990年代、米海軍では空母戦力を原子力化する方向で一致していたが、エンタープライズの老朽化、そしてニミッツ級の設計的な限界が指摘されていた。これを解決すべく設立されたワーキンググループなどの研究活動が実を結び、建造が認可されたのが本級である。


この経緯から、エンタープライズおよびニミッツ級の後継艦として計画され、以前はその計画名からCVN-21(21世紀の原子力空母の意)とも呼ばれていた。建造は2009年から開始されたが、新技術導入による設計上の問題などで、海軍への引き渡しは何度か延期され、2017年6月にようやく一番艦の引き渡しが行われた。


設計

40年ぶりの新型空母ということで、21世紀の戦闘を想定し、多様な設計案が提示されていた。船体規模からして艦載機搭載数45機程度の中型空母からニミッツ級同様85機程度の大型空母、船体そのものもステルス性を全面に押し出し、アングルドデッキを廃してアクシャルデッキに回帰するものや、ウェーブ・ピアーサー型双胴空母とするものなど、現代空母の常識を打ち破らんとするようなものもあった。その数や、アイランドや飛行甲板のレイアウト改訂まで含めると実に70通りに及んだという。


しかし、最終的には保守的な案が採用され、ニミッツ級の最終艦であるジョージ・H・W・ブッシュを基礎として設計が進められた。よって船体寸法はニミッツ級とさほど変わらないが、いくつか特徴的な変更がある。これらの改正によって乗員を1000名近く削減し、ランニングコストを低減させることに成功したという。以下にその例を示す。


  • 艦橋の小型・ステルス化
  • 飛行甲板の拡大
  • 後部スポンソンの拡大
  • 2つの周波数帯を同時に使用するデュアル・バンド・レーダー(DBR)の採用
  • 原子炉をA1B加圧水型原子炉に変更
  • 航空機用エレベータの削減
  • 新規にHSLA-115およびHSLA-65といった鋼材を採用
  • 電磁カタパルトの採用

ちなみに、紙の設計図でなく、全面的にデジタル3Dモデルを使用した初めての艦級となっている。タブレットを使ってモデルを映し出すことで、立体的に構造を把握できるため、現場でも作業工程を確認する時間がかなり短くなっている。こういった時間的コストのほか、紙の消費量を削減することで費用低減を図っている。これらの意味でも、21世紀の技術を活かした軍艦であるといえよう。


船体

船体構造はニミッツ級とあまり変わらない。格納庫甲板は主甲板とされ、三層分の高さを持つ格納庫を挟んでギャラリーデッキを置き、その天井にあたる04甲板を飛行甲板とする。エンクローズド・バウも引き継いでいるなど、全体のスタイルそのものは戦後型アメリカ空母の『伝統』を踏襲しているといえる。


飛行甲板04
ギャラリーデッキ03
格納庫第1,01,02
格納庫甲板主甲板床面

CVN-77と同じく、顕著なシリンドリカルバウ(筒状の艦首。バルバスバウの一種)を持ち、推進効率を高めている。ただし、原子炉の変更などで艦内配置は改正されて、弾薬や燃料の搭載量が増加したと言われる。また、隔壁や甲板構造に使用される鋼材にHSLA-65およびHSLA-115が加わり、従来の鋼材を使用する場合と比べ、900t近くの軽量化をしたとされる。塗装や滑り止めについても新しくなっており、軽量化や長寿命化など維持費にかかる部分の改良が進んでいる。


艦橋はニミッツ級に比べて100t以上軽量化され、航空機の運用を円滑にするため、右後方へと移動している。レーダー設置場所を確保するため艦橋は前級より高いが、長さは短縮されている。特に上部は傾斜がつけられ、電波の反射を考慮していると思われる。マストは従来の二つから、角柱状の太いマスト一つのみに変更された。艦上構造物を減らし、被探知性を低減する助けとなっている。


スポンソン(飛行甲板を支える張り出し)の形状が幾分直線的で多面的になっており、ステルス設計をある程度意識していることが読み取れる。スポンソンの開口部は減少し、飛行甲板との接続部分も外側に移動しており、電波の反射をなるべく抑えようと努めているのだろう。艦首の形状も、ニミッツ級では滑らかな曲線を描いていたが、ステルス性と工期短縮のためか角ばったものになっている。


細かいところだと、錨や錨鎖も更新されており、従来の空母では退役した空母の錨を再利用していたが、フォード級では電動式の錨を新規に採用した。これにより、重量はほぼ半減(※)したという。また、建造が行われている造船所のクレーン能力が向上したことを受けて、ニミッツ級に比べてより大型の船体ブロックを利用することが可能になった(※)。このことで、費用の低減、工期の短縮や、組み立て前の艤装をより進めておくことができるなどの恩恵があるという。将来の改装による排水量増加に耐えるため、ある程度の設計的な余裕が確保されており、少なくとも満載排水量の5%が要求されている。


※60,000ポンド→30,000ポンド。約27tから13t強へと減少した。

※フォードの船体ブロックは最大で1,026t。ブロックの数自体も減少傾向にある。


  • 船体材質

船体および上部構造物は全鋼製で、HSLA-65とHSLA-115が新たに採用された以外はニミッツ級とほぼ同じであると考えられる。新たな高張力鋼の採用により、強度上必要な厚みを減らせるため、溶接にかかるコストが削減でき、減厚が望ましくない箇所では安全性が向上する。これは重心の低下、将来の改装のための重量的余地の確保を可能とするものである。ちなみに艦橋にはHSLA-100が用いられているようで、これは上部の軽量化と、ある程度の防御措置を両立するものだと考えられる。使用された鋼材重量はおよそ48,000tである。


  • DH-36:従来から使用されている高張力鋼。安価で加工性に優れる。
  • HY-80/HSLA-80:わずかながら使用されていると思われる高張力鋼。高強度だがDH-36より高価。
  • HY-100/HSLA-100:少なくともHSLA-100の使用が確認されている。ニミッツ級では大量に使われていた。
  • HSLA-65:新規に採用された高強度低合金鋼。(最小)降伏応力448MPa、引張強度538MPa~689MPa。DH-36とHY/HSLA-80の間を埋めるものであり、中間的な鋼材。これゆえ、HY-80の適用が難しい箇所での使用もされていると考えられる。
  • HSLA-115:飛行甲板に使用される鋼材。(最小)降伏応力793MPa、引張強度1000MPa以上、吸収エネルギー80ft-lbs(108J)@-18℃(最小要求値)。HSLA-100を改良したもので、耐弾性が高く、強靭である。

機関

フォード級は前級のニミッツ級同様、動力に原子炉を採用した原子力空母だが、いくつもの改良が加えられている。


大きなものは原子炉の違いだろう。

ニミッツ級に搭載されている「A4W」加圧水型原子炉は1960年代の設計で、もはや旧式化しており、発電量も小さい。最新の電子装備は電力消費量も大きくなっていたため、ニミッツ級には新装備に耐えるだけの余地がなかった。


そこで、フォード級ではベクテル社により新しく設計された「A1B」加圧水型原子炉を採用した。

A1Bはニミッツ級のA4Wから小型化しつつ効率化が行われており、一基あたりの熱出力は700MW、発電量はA4Wの2.5~3倍に達すると言われる。また、炉心設計の近代化により、バルブ、ポンプ類の数が削減され、監視のための人員や、維持管理にかかる費用が小さくなった。

燃料棒交換を含む大規模な修理と改修(オーバーホール)についてはおおよそ25年に一度だけで済むようになっており、それに要する高いコストも削減できる。これは長期の戦力的空白を避ける意味でも効果があると思われる。機関配置はシフト配置で、弾薬庫を挟んで二基の原子炉区画が置かれており、緊急事態に備え、少なくとも二基のディーゼルエンジンを搭載している。重量が195,000ポンド以上と言われていることや、映像から判断するにコルト・ピールスティックPA6Bの18気筒または20気筒に近いものを装備していると考えられる。ニミッツ級のものはEMD 645系16気筒(2,000kW級)が四基であったから、より強力なエンジンを積んでいることになる。


これに蒸気タービン四基とスクリュープロペラを四基組み合わせ、30ノット強の速力を確保する。舵はニミッツ級と同じく、約50tのものが二枚である。これらの推進器については前級と差はほぼ無く、艦の運動性については設計変更などの要因はあれど、大きくは変わっていないものと思われる。


兵装・システム関連

  • 武装

従来の空母と同じく自衛用の兵装のみを装備する。しかし、艦後部のスポンソンがニミッツ級に比べて大型化していることから、将来的には大発電量を活かして、(対空ミサイルに比べ重量級の)レーザー兵器などを装備する可能性がある。現在の装備は以下の通り。


RIM-162 ESSM 8連装発射機×2

RIM-116 RAM 21連装発射機×2

Mk15ファランクスCIWS×3

M2 12.7mm機銃


これらに加え改良された電子戦装置やデコイ発射機などを搭載しており、魚雷防御システムの搭載も考慮されていると考えられる。また、ニミッツ級の一部には遠隔操作式の25mm機関砲が搭載されており、高速艇などへの対処のため、本級にも装備される可能性がある。


  • 電測・システム

対空用の電測兵装としては、従来の回転式レーダーとは異なり、AN/SPY-3多機能レーダー(Xバンド帯)とAN/SPY-4捜索レーダー(Sバンド帯)の2種類のアクティブ・フェーズドアレイ(AESA)レーダーをアイランドにそれぞれ3面搭載する。これらはデュアル・バンド・レーダー(DBR)として統合されており、非常に高い性能を発揮するが、AN/SPY-4の方は出力不足などに悩まされ、現在も調整中となっている。


こういった不具合や、過剰性能であると判断されたことから、二番艦からはそれぞれ別のレーダーに置き換えられることとなった。AN/SPY-4はAN/SPY-6(V3)「EASR(Enterprise Air Search Radar)」多機能レーダーに、AN/SPY-3はAN/SPQ-9B捕捉・追尾レーダーなどに置き換えられる予定である。EASRはアーレイ・バーク級駆逐艦フライトⅢに搭載されるAN/SPY-6(V1)を小型化した派生型で、9個のレーダーモジュールを組み合わせて一面を構成する。出力はAN/SPY-1と同等かつ小型になるとされ、十分な性能を持つ。AN/SPQ-9Bは元々砲射撃指揮装置用として開発されたAN/SPQ-9Aの改良型で、アンテナをパラボラ式から背中合わせとしたAESAアンテナ2面に置き換えるなどして低空目標の捜索能力を向上させており、フォード級ではMk.9トラッキング・イルミネーターとの組み合わせが採用されている。

水上用レーダーや航海用レーダーなどに関しては従来のレーダーや、もしくはその改良型を使用している。艦の戦闘システムはSSDS(艦艇自衛システム)によって統合されており、フォード級はSSDS Mod6を装備する。


従来のように、空母打撃群の旗艦として行動するため、充実した情報収集・指揮管制能力を保持し、また作戦行動のための部署、指揮所が置かれている。


航空艤装

飛行甲板は従来通り装甲されており、強度甲板とされている。しかし新鋼材であるHSLA-115の使用により、軽量化と重心の低下がなされた。同時に面積の拡大も図られており、ニミッツ級に比べおよそ10%の面積増大がみられる。このおかげで、ニミッツ級では重量制限がかけられていた左舷側のカタパルトでは、フル装備の艦上機を射ち出せるようになった。また、検討の結果、航空機用エレベータの形状は変更、数も四基から三基へと削減され、二番艦ジョン・F・ケネディからは電動になるといわれている。小型軽量な艦橋も相まって、艦上機の運用がより円滑になるとされ、1日あたりのソーティ数も向上する見込みである。格納庫については、エレベータ削減の影響か、防火可動扉が一基に削減され、二区画に分割されることになった。


カタパルトは電磁カタパルト(EMALS;Electro-Magnetic Airvehicle Launching System)を新たに採用する。ニミッツ級の蒸気カタパルトに比べて維持管理がしやすく、エネルギー効率が70%と高いうえ、重量容積がほぼ半分であるので、艦の重心・容積に与える影響が少なくなっている。これまでの蒸気パイプが不要となり、ダメージコントロールでも有利となる。射出可能重量の範囲も広がり、軽量な無人機から、燃料弾薬を満載した有人機まで対応できる柔軟性を持つ。着艦装置も新たにAAG(先進着艦拘束装置)が採用された。従来の油圧式に変えて、水力タービンを使用してアレスティングワイヤーにかかる力を吸収する。弾薬エレベータも新型のものになり、力量は24,000ポンドと従来の倍以上になった。昇降速度も改善されており、艦上機の動線に入らぬよう配置されることで、ソーティ数向上に貢献している。着艦誘導システムについても、従来の航空管制レーダーなどのほかに、GPSを利用したJPALS(統合精密進入・着艦システム)を搭載しているという。光学着艦装置もFLOLSを改良したIFLOLSに置き換わっている(ニミッツ級でも既に運用)。ジェット・ブラスト・デフレクターは新型のパッシヴ・ジェット・ブラスト・デフレクターとなり、より維持費を低減できるとのことである。


これらの新技術は革新的なものだが、一方で問題が起きている箇所があり、今後の注視が必要である。


防御

詳細は不明であるが、設計の基礎がニミッツ級であることから、防御はそれに準ずると思われる。

軍事研究(2014年4月号)によると、燃料タンクや弾薬庫の装甲が強化されており、指揮管制センターを船体内に移し抗堪性を高めている。計画の初期段階では、ダイナミック装甲という電磁装甲の装備が考えられていたが、一番艦の適用は除外されたという。


船体は多数の隔壁によって区分されており、全体の区画数は2,600を超える。喫水線下の舷側は多層化され、二重底を備えることで水雷防御としているが、生残性向上のために以前より強化されているという。なお一部の資料では、水雷防御に上述の電磁装甲を使う可能性があるとされる。


搭載機

現在のところ、FA-18E/F、F-35C、MH-60R/S、E-2C/D、C-2Aなどを75機前後搭載するとされている。無人機の運用も見込んでおり、開発中止とされたX-47Bに変わり、MQ-25を搭載する可能性がある。カタパルトの能力などから、かつてのA-3スカイウォーリア並みの大型機も運用できると思われ、将来登場するであろう重量級の機体にも対応できるよう考慮されている。


その他

そのほかの装備品についても特徴がある。例えば空調システムには満載排水量の約10%に当たる9,900tもの重量を割いており、居住性の向上だけでなく、湿度などを一定に保つことで船体維持費を低減しようと考えられている。照明にも新しく長寿命のものが使われたり、廃棄物処理装置や淡水製造装置が更新されたりするなど、人件費や維持費の削減に主眼を置いた変更がされている。洋上補給のための装備も従来と比べて強化されており、より艦同士の間隔をとることができ、より重い物資を移送できるようになった。補給の効率を高め、敵勢力の攻撃に脆弱となる洋上補給に割く時間を短縮しようとする狙いがあるとみられる。ちなみに、航空機に弾薬を装着するためのロボットアームも装備品の一つとして計画されていた。従来は(機器は使用していたが)人力装填だったため、マンパワー削減に効果があり、作業時間の短縮にもつながる。


お金のお話

新装備の採用で、ライフサイクルコストが低減できることが期待されているが、代償として研究開発費が嵩み、とうとう建造費が120億ドルを超過した(ニミッツ級最終艦で約60億ドル)。船体材質などが比較的順調だったのに対し、肝心のレーダーなどの開発に苦労したためである。もちろん見積もりはとうに超えてしまった。史上最高性能の空母かもしれないが、史上最高価格の空母になってしまったのである(もっとも、空母特有の問題ではないが)。


用を足すには

フォード級では、コストの削減のため、便器までが標的になった。このため、男性用の小便器は姿を消した。男性諸兄はお分かりかもしれないが、小さい方を済ませるためだけのものなので、意外にスペースをとる。また掃除がしづらく、詰まると対処が必要で、最悪の場合は悪臭が発生する。このような理由から小便器の装備は行われず、性別を問題としないトイレ設計になっているのである。居住区画の人員に応じて、男性用女性用と、簡単に変更できることも大きい。


建造方法も変えるか?

三番艦エンタープライズ以降の艦では、コスト削減のため、ブロック工法をさらに発展させたVertical Building Methodology(仮訳:垂直分割型工法)など新たな工法を採用することも提案されている。資料によれば、まず船体を輪切りにする形で垂直に区分する。その区分に従ってブロックを組み立てていき、ブロックが完成すると艤装を行い、これらのブロックを「スライド」・溶接して船体を建造するという。思うに、クイーン・エリザベス級空母でも似たような工法を採用していた。


環境改善

ニミッツ級では3,200人以上にのぼっていた乗員が、本級では2,600人程度まで削減されたことで、将兵の居住スペースに余裕ができたという。従来は三段寝台が所狭しと並んでいた居住区画は(民間船と比べてはいけないが)、広い通路を備えたものに変わった。部屋の配置や内装も一新され、より静かで、より便利になったという。居住区画については、Wi-Fiの導入も考えられているようである。食堂も待機列が長くなりすぎないように工夫がされているという。また、乗員の体力維持のためにジムが三つ設けられており、設備は充実している。


ニミッツ級と同じく礼拝所を備えているが、配置が変更されている。というのも、ニミッツ級では礼拝所がカタパルトのほぼ真下にあった。これでは落ち着いて礼拝もできないので、より静かな場所に移したという。この処置自体は当然だが、ニミッツ級の設計者は何を考えてそこに配置したのだろうか?


また、蒸気パイプが張り巡らされたニミッツ級の機関室では、ペルシア湾の航海で、室温が華氏100度(摂氏38度近く)に達することもあったというが、フォード級では空調設備の充実やパイプの減少などもあって、華氏80度(およそ摂氏27度)に保つことができるという。ほかにもモジュール化された部屋(Do-It-Yourself Rooms)が19あり、レイアウトの柔軟性が増している(ただ、冗談めかして『200は欲しいよね』と言う中の人もいる)。


これらは乗員の余計なストレスを軽減し、作業効率を向上させる。さらに、通路の広さはダメージコントロール時の混乱を避けることができるなど、戦闘に直接関わるという意味でも、馬鹿にできない大きな変化(Huge Changes)なのである。


問題

新型技術につきものな開発遅延だが、本稿で指摘していたことが現実となった。

EMALSや弾薬エレベータ、着艦装置のコストが開発遅延により暴騰している。これらはソフトウェアの書き換え、設計変更が続き未完成で、実際の運用には更なるコストがかかるだろう。F-35C自体もまだ不具合があるため、こちらと歩調を合わせなければならないからである。今後改良されつつ採用は継続されるようだが、どうなることだろうか。


性能諸元

満載排水量101,605t
全長1,092~1,106ft(資料により変動)
全幅256ft
水線長1,040ft
水線幅134ft
喫水39ft
機関ベティスA1B加圧水型原子炉×2,蒸気タービン×4
補助機関MAN(コルト・ピールスティック)PA6Bディーゼル 18or20気筒×2?
速度30ノット強
飛行甲板面積約20,000㎡
搭載機数75+機

同型艦

命名基準は『海軍功労者』であるが、エンタープライズは除く。近年は海軍へ貢献した者の中でも、大統領が選ばれる傾向にあり、ネームシップもその流れに合わせた形である。


CVN-78ジェラルド・R・フォード就役中。艦名は概要で述べた通り、第38代アメリカ合衆国大統領のジェラルド・R・フォードに由来する。
CVN-79ジョン・F・ケネディ建造中。完成度70%超。艦名は第35代アメリカ合衆国大統領のジョン・F・ケネディに由来し、キティホーク級の準同型艦「ジョン・F・ケネディ(CV-67)」に続き2隻目。
CVN-80エンタープライズ鋼板切り出し式典が終了。建造中。艦名は「冒険心」「困難への挑戦」の意で、その名を冠する艦としては9隻目という伝統ある名称。
CVN-81ドリス・ミラー計画中。艦名は真珠湾攻撃の際、コックながら対空機銃による防空戦闘に従事して戦果を挙げたことから、アフリカ系アメリカ人として初の海軍十字章受章者となったドリス・ミラーに由来するもので、その名を冠する艦としてはノックス級フリゲートの1隻に続き2隻目。
CVN-82艦名未定計画中。

参考

NAVAL VESSEL REGISTER (2017/12/7現在)

http://www.nvr.navy.mil/SHIPDETAILS/SHIPSDETAIL_CVN_78_4524.HTML

軍事研究 2014年4月号 38-51頁

The Ford Class(ニューポートニューズ造船所公式サイト)

http://www.thefordclass.com


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