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タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦

たいこんでろがきゅうみさいるじゅんようかん

アメリカ海軍が運用しているミサイル巡洋艦のタイプ。2023年現在、同海軍が運用している唯一の巡洋艦となる。
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概要

世界初の「イージスシステム」搭載の画期的な巡洋艦で、1983年から就役し、1994年までに同型艦27隻が就役した。


本級の登場以来現在に至るまで、最有力の防空艦として空母戦闘群(現 空母打撃群)の対空防御をになっているほか、トマホーク武器システムによる対地集中精密攻撃、自艦装備のソナーおよびLAMPSヘリコプターによる対潜哨戒など、多任務に運用できる汎用艦である。


ミサイル巡洋艦と名乗っているが、元は駆逐艦であるスプルーアンス級をベースとして設計されている。これは、イージスシステムが極めて高価であり、船体に投入できる予算が限られていたことによるものであり、また、スプルーアンス級が、当初より防空艦の派生を前提とした余裕のある設計を行なっていたためでもあった。しかし、スプルーアンス級の設計当初に想定されていた防空システムは、より小規模な旧式のターターD・システムであった。このため、イージスシステムを積み込むにはやや手狭であり、フェーズドアレイレーダーの設置箇所の分散、上部構造物の大型化といった問題を生じた。


なお、駆逐艦をベースとすることから、計画当初、本級はミサイル駆逐艦に分類されていた。しかし、イージスシステムの極めて強力なC4I能力と対空監視能力をいかして、艦隊の防空指揮所として運用することが構想されたことから、1番艦の建造途中でミサイル巡洋艦に艦種変更された。この艦種変更には、同時期の巡洋艦よりも強力な駆逐艦という矛盾を避け、また、大佐の艦長ポストを確保する意味もあったといわれる。


イージスシステムの継続的な改良により生じた複数のバージョンと上部構造物の大型化に対する重心低下策を合わせ、通称の0を合わせると5つのベースラインが存在する。このうち、ベースライン1以前の艦に搭載した旧式のMk 26ミサイル発射機が弾道ミサイル迎撃用のRIM-161スタンダード・ミサイル3 (SM-3)や対地精密攻撃用のトマホークに対応できず維持コストに見合う運用の柔軟性を発揮できないことから、最初期モデルの通称ベースライン0の艦は2004年中、ベースライン1の艦も2005年までに全艦が退役した。


2015年にはアメリカのアジア重視戦略(「リバランス」)の一環により、日本の横須賀基地に、同型艦「チャンセラーズビル」が配備され、大幅な抑止力強化を実現した。


ベースライン2以降の艦もアーレイ・バーク級の増勢によって、2022年に5隻が退役したのを皮切りに、2027年までに全艦が退役する予定となっている。

なお後継艦はDDG(X)級ミサイル駆逐艦とされているため、タイコンデロガ級の退役によってアメリカ海軍から「巡洋艦」という艦種が消滅することになる。


機関

本級は、イージスシステムの搭載によって、原型艦よりも上部構造物が大型化している。また、スプルーアンス級の船体を使用するという制約は、レーダー配置などの合理化を妨げ、たとえばSPY-1レーダーは、本来は艦橋構造物に4基のアンテナを集中配置するようになっていたものを前後に分離せざるをえなくなった。このことによって艦の安定性が大きく損なわれたことから、3番艦以降では、部材の変更や四脚マストの三脚化といった事後改装で軽量化に努めている。


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