表の顔である劇団としての評判は上々で、物語冒頭で御前公演が催されたアレクサンドリア王国ではチケットおよびグッズはともに飛ぶように売れ、中には演劇観たさに建物によじ登る者や、偽物のチケットを売りさばこうとする者まで出るほど。女王であるブラネも劇団の人気演目『君の小鳥になりたい』の大ファンであるようで、クライマックスシーンでは号泣する姿を見せていた。

なお、構成員については立ち上げから現在に至るまでの28年間で入れ替わりを繰り返しており（これは盗賊から足を洗い真っ当な生き方を見出した者から抜けるという暗黙の了承があるため）、現在の構成は歴代でも若年者が多いらしい。因みにメンバーの多くが普段、それぞれ独特の喋り口調を用いるが、演劇の際には皆標準語を用いる。

構成

バクー

盗賊団のボスであり創始者。劇団では座長兼役者兼前座の語り部を担当している。豪快かつおおらかな性格で、計画性や腕っぷしに加減を知らないところがあるものの、団員たちからは慕われている。ジタンにとっては育ての親でもある。

演劇ではコーネリア姫の父レア王役を務め、下級層生まれのマーカスとの恋路を阻もうと立ちはだかる。

ジタン

本作の主人公。幼い頃、記憶喪失になっていたところをバクーに拾われ育てられた。軟派で軽い性格だが盗賊としての技量は高く、演劇では主人公マーカスの仲間という地味な役を演じつつ（一応、ブランクとの剣劇による見せ場はあるが）、途中で舞台を抜け出してブランクと共に隠密行動を遂行する役目を担った。

ブランク

赤い髪とツギハギのように縫い傷だらけの体が特徴の男性団員。口が悪く皮肉屋な側面もあるが、面倒見の良い兄貴肌。元々は貧民街生まれのチンピラで、同郷のブランクとはそれぞれの派閥を率いて対立していたが、とある出来事を機に兄弟分となった過去を持つ。また、ルビィの苛烈な態度には押し負けることが多い。

演劇では当初マーカスの仲間として加担していたが、ジタンがレア王を討たんとするところを止めに入り、剣を交えることになる。

マーカス

バンダナキャップに筋肉質な体格が特徴の強面の男性団員。語尾に「～ッス」と付ける癖がある。上述の経緯からブランクのことは「アニキ」と呼び慕っている。厳めしい風貌とは裏腹に、タンタラスでは比較的常識的思考の持ち主。

演劇では主人公を演じており、コーネリア姫との恋路を阻むレア王との対立を深めていくことになる。

丸々としたお腹とクマヒゲが特徴の、少々不気味な雰囲気の男性団員。語尾に「～ずら」と付ける癖がある。元々はリンドブルムの飛空艇技師の息子で、彼自身も技師としてプリマビスタのエンジンを製作した経緯を持ち、バクーがプリマビスタを買い取ったことを機にタンタラスに入団した。所謂マニアと呼ぶべき気質の持ち主で、自身が製作に携わったプリマビスタへの思い入れもさることながら、とんかち、ガーネット人形、コーヒー豆、まんまるカステラなどに対する強い執着心を見せる。

ルビィ

盗賊団の紅一点。水色のバンダナに黒い口紅、ゴスロリとバレリーナを合わせたような派手な出で立ちの女性。外見に反して口調は関西弁風、尚且つ歯に衣着せず言いたいことをハッキリ言う勝ち気な性格の姉御肌。

盗賊としての腕の程は不明だが、演劇においてはヒロインのコーネリア姫を演じており、高い人気を誇る花形女優でもあるらしい。

ゲネロ・ゼネロ・ベネロ

青肌のウシのような風貌をした三兄弟。見た目がそっくり過ぎて、長い付き合いの団員たちですら見分けがつかないらしい。全員、語尾に「～でよ」と付ける癖がある。因みにリンドブルムのアジトには、3人とこれまたそっくりな兄弟姉妹のデネロ・ペネロ・ゼネ子・ゲネ子・ベネ子・デネ子・ペネ子が登場する（因みに姉妹たちの口癖は「～でよよ」）。

演劇ではレア王の部下としてマーカス一行と戦っている。