概要
原作ゲーム
ゲーム中盤の教会でハリー・メイソンが出会った女性。年齢は46歳。
ハリーの行く先々に現れては「アレッサという少女の陰謀を止めれば娘（シェリル・メイソン）を救う事が出来る」という助言にも妄言にも思える言葉を発し、忽然と姿を消す謎の人物。土着の宗教を強く信仰しているらしく、語り口調にも色濃く反映されている。また、外見は年齢以上にやつれきった老婆のように見える。
その正体はサイレントヒルの水面下で活動する「カルト教団（The Order）」の司祭であり、本作における一連の事件の黒幕。儀式や呪法を扱う魔女のような存在で、儀式を行い特殊な資質を備えた女性（聖女）の胎内に「神」を宿し、これを出産させることにより「神」の復活を目指す聖女派の筆頭的存在。教団内での地位はかなり高い。
一方で若い頃は酒浸りの父親の暴力と浪費に悩まされたり、職場で肉体関係を持った男に逃げられ私生児としてアレッサを出産するなどの苦しみを味わっていた為、現世に対する強い復讐心を抱いていた。
本来は自らに神を宿して実娘アレッサに儀式を行わせるつもりだったが、母との平穏な生活を望むアレッサに反対されてしまう。そのためアレッサの胎内に無理やり神を宿し、自らが儀式を実行しようと企む。儀式によって全身を焼き焦がされたアレッサは自らの魂を分割して神の成長を阻害し、分かたれた魂は「シェリル・メイソン」として平和な生活を送っていたが、ダリアはアレッサの肉体に呪法による苦痛を与える事でシェリルをサイレントヒルに誘き寄せ、事情を知らないハリーを騙してアレッサ捕獲に利用しようとする。最終的にアレッサを捕らえることに成功し、神を復活させる事にも成功したが、復活した神の手で真っ先に殺された。
『1』『ゼロ』の黒幕であり『3』や『4』にも名前が度々登場する。『ゼロ』（当時39歳）にて儀式の様子が描かれたが、トラヴィス・グレイディの協力を得たアレッサの妨害で失敗する。3に登場するクローディアに歪んだ価値観や思想を植え付けた張本人であるため、シリーズを通しての黒幕とも言える。
誰よりも人間として誠実に生きているハリーと正反対の人物であり、
その関係性は「義理の娘を愛し、助けようとした父親」と「実の娘を愛さず、利用しようとした母親」と実に対象的である。
また、「1」で最も恐ろしい存在として一部ではトラウマとなっているだろう。
映画
映画版『サイレントヒル』でもダリア・ギレスピー（演：デボラ・カーラ・アンガー）がアレッサの母親だが、設定はゲーム版と大幅に異なる。代わりにゲーム版のダリアに近い立ち位置のオリジナルキャラクター『クリスタベラ（演：アリス・クリーグ）』が登場している。
本作のダリアは娘に愛情を持つまっとうな母親であり、貧しいながら女手一人で娘を育てていた。しかし、私生児を産んだ彼女は娘共々サイレントヒルの住民から「魔女」と蔑まれ、虐げられていた為、実姉であるクリスタベラに唆されて「罪を浄化する」という儀式にアレッサを引き渡してしまう。やがて娘の身を案じて警察に助けを求めたが、警官隊が教団へ踏み込んだ時には、既にアレッサは火炙りにされた後であった。
愛する娘を生き地獄に遭わせた彼女は精神を病み、更に異界と化したサイレントヒルへ閉じ込められたが、何故かクリーチャーから襲われないため廃墟の街を何年も徘徊し続けていた。やがてアレッサの分身であるシャロンを娘と勘違いし、守ろうと匿っていたがクリスタベラたちに見つかりシャロン共々捕らえられてしまう。最終的にクリスタベラたちは皆殺しにされたがダリアは1人生かされた。その理由はローズ曰く「（アレッサの）母親だから」。
続編『サイレントヒル: リベレーション3D』にも同キャストで登場。やはり異界の中をさまよい続けており、娘の生まれ変わりであるヘザーと僅かに邂逅した。
SHATTERED MEMORIES
リ・イマジネーション作品である本作でもシェリルを探すハリーの前に立ちはだかる謎の人物だが、その正体はハリー・メイソンの妻「ダリア・メイソン」。
当然原作とは大幅に設定が異なり、ハリーとプレイヤーは彼女の存在を思い出すとともに、ある恐ろしい真実に直面する。
備考
・「サイレントヒル」はスティーブン・キング作の小説「霧（ミスト）」の影響を強く受けた作品であり、ダリアのモチーフは同作に登場する狂信的なカルト集団の教祖ミセス・カーモデイと思われる。
・名前は映画『サスペリア』で知られるダリオ・アルジェント監督と親交の深い女優、ダリア・ニコロディから。アレッサの名前は娘のアーシアから取る案もあったという。
