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ディキトゥス

でぃきとぅす

漫画『機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の7人』に登場する2体1対のモビルスーツ。(メイン画像は「左手」に相当するユーリスディス・シニストラ・ディキトゥス。)同作のラスボス機体である。
目次 [非表示]

概要

木星戦役後、木星帝国の新総統の座に就いた「光のカリスト」「影のカリスト」の専用機。ディキトゥスとはラテン語で「指」を意味する。全2機が製造され、対照となるようなカラーリングが施された上でそれぞれユーリスディス・シニストラ・ディキトゥス(正義さす左指)とリーベルダス・デクストラ・ディキトゥス(自由なる右指)と名付けられている。


コルニグスと同じくアマクサより得られたデータをフィードバックした、木星帝国の新世代機として開発された機体であるが、初期段階より新総統2人が設計に携わっており、その性能は地球圏のモビルスーツは愚か、クロスボーンガンダムを大きく凌駕する程である。

……と言うかスペックがどう考えてもおかしい

最大速度イカロスの特攻を2機がかりとは言え、難なく止めて粉砕する機体強度とパワーは明らかにオーバーテクノロジー

更にスラスター増し増しのX1フルクロスに匹敵する、高い機動性まで持ち合わせている。

こんな超MSが20m程度のサイズで可変型(構造的に脆弱なはず)、しかもコンビネーションしてくるんだからもう笑うしかない。


奇を衒ったコンセプトの多い木星製モビルスーツの中でも、特に際立った外見を持ち、特に「名は体を表す」かのように、人の手を模したモビルアーマー形態に変形する機能を有しているのが最大の特徴とも言える。

モビルアーマー形態時には、四肢から展開するIフィールドによってビーム兵器を無効化できる(クロスボーンガンダムX3のIフィールド・ハンドを、そのままモビルスーツサイズにまで大型化したものと考えれば分かり易い)他、本機の規格外な出力と強度は文字通り強力な握力となり、そのパワーは重モビルスーツであるバーラ・トトゥガすらも握り潰す程である。

こいつ、一体何でできてるんだ?(特に「親指」にあたる首~頭部)。


欠点としてIフィールドは機体全面に展開する事が出来ない為、背面に回られると脆い点が挙げられる(そもそもモビルアーマー形態自体が前面にIフィールドを展開する為の、一種の防御形態であると言える)。

しかし、機体の機動力で言えば当時の連邦軍・木星軍モビルスーツすらも上回るものであった為、背後を取られる危険性は薄いとされ、その欠点は重要視されていなかったようである。

また、手をモチーフとしたMA形態はカリスト兄弟の歪んだ精神性が反映された物であり、本来であればここまで『人間の手』そのもののデザインである必要性は薄い。


メイン武装のビームアックスはクロスボーンのムラマサ・ブラスターと同じ複数のビーム発生器を並べたものだが、その出力はムラマサ・ブラスターを上回る。

恐らくはビーム刃の指向性の差異、及び1基毎の出力差による為だろう。

(ムラマサ・ブラスターは15基のビーム刃が3方向なのに対し、ビームアックスは4基の大型ビーム刃が1方向に展開されている)


劇中の活躍

ユーリスディスには光のカリスト本人が搭乗し、リーベルダスには地球で倒された影のカリストの意識を取り込んだバイオ脳が搭載された上で運用され、木星に強襲して来た鋼鉄の7人達を迎え撃った。彼等がコロニーレーザー『シンヴァツ』に撃ち込んだイカロス(スピードキング)を2機で受け止めて破壊、元・死の旋風隊メンバーを瞬く間に全滅させる事で、鋼鉄の7人を瞬く間に半壊状態へと追い込む。


しかし、ユーリスディスがクロスボーンガンダムX1フルクロスに翻弄されている隙に、F91の最大運動性能を発揮させたミッチェル・ドレック・ナーに背面へ回り込まれたリーベルダスが撃墜される(厳密には反撃に転じてF91を撃破した後、F90のショットランサーで止めを刺された)。この事態に搭乗者が錯乱したユーリスディスはX1の左腕・左足を落とすが、引き換えに左半分を持って行かれてしまう。

そして生き残った者達により、コロニーレーザーが破壊されて自爆する間近、中破状態のユーリスディスはビームアックスを持ち出して、X1と“私闘”を繰り広げる。搭乗者は先程まで押さえ込んでいた、自らの私怨と本心を剥き出しにしてX1を攻め立てたものの、最後はフルクロスの肩部Iフィールド発生装置をナックルガードにしたX1に、へビームアックスを受け止められて破壊された上、その勢いのままナックルガード内に仕込んであったブランド・マーカーにコクピットを貫かれた事で撃破された。


“MSを掴み潰せる『手』に変形する”と言う、従来のMSの常識を覆す運用を可能とする当機だが、これは『ほぼ全身からIフィールドを発生させる強固な防御能力』『星間航行機クラスの速度と出力を有する機動力』と言う、機体特性を併せ持つ故に実現したものと言える。

後年のU.C.0153年、帝国から共和制に移行した木星圏では、帝国軍の思想と技術を保有したタカ派のガス抜きの為サーカス=サウザンド・カスタムの開発が行われたのだが、この内“MSを掴める『手』”と言う設計発想は、その内の1機ガラハドに反映される事となる。

その一方、同じくサーカスの一機でミノフスキードライブを搭載した『惑星間単独航行機』であるファントムは技術面の問題で「失敗作」と判断されて封印されるが、その問題を解消し搭載機能“ファントムライト”を起動した結果『全身のIフィールド同士がぶつかり合う“嵐”であらゆるビーム兵器を掻き消す常識外の防御能力』『本来の用途である惑星間航行機由来の圧倒的な機動力』を発揮。

偶発的な要素はあるが、ディキトゥス以上の機体特性を持った、事実上の後継機として稼働を果たす事となる。


立体物

2020年、ユーリスディス・シニストラ・ディキトゥスが完全新規造形でHGUC化され、プレミアムバンダイ限定商品として登場。名称が長いからか商品名は「ディキトゥス(光のカリスト専用機)」となっている。

これは、『クロスボーン』シリーズにおける木星帝国(及び木星共和国)製MS初の公式プラモ化である。


……と言うか、木星のザクポジションとも言うべき量産機バタラトビア最初の本格的乗機であるペズ・バタラ死の旋風隊隊長機クァバーゼアムロ・レイのバイオ脳を搭載した実績もあるアマクサ、『鋼鉄の7人』もう1つのボス機体コルニグス、『ゴースト』の主人公機ファントムにライバル機のデスフィズ……等に先んじてのディキトゥスと言うチョイス。発表時にはtwitter等で、木星帝国機の商品化に先鞭がつけられた喜びの声と同時に、「最初がそこか!?」「これは予測不可能」等、驚きの声も多くみられた。


と言うのも、本機は『鋼鉄の7人』のラスボス機体であり、クロスボーンX1フルクロスの名実共に『ライバル』に当たる存在だが、フルクロスのゲーム露出がドンドン増える一方で、ディキトゥスは「Gジェネオーバーワールド」とその素材を流用したソーシャルゲームにのみ登場とかなり少なく、その歪な見た目も相まって、上記のような機体と比べてもプラモ化するとは誰も想像していなかったのだ。直接デザインをした作者の長谷川裕一氏ですら「予想ではバタラか…クァバーゼあたり、だろうな、と思っていた」「今!世界で一番頭の上に?マークが浮かんでいるのはこの私!!なので、私に聞かないで(笑)」と自身のブログにコメントを残している。

ゴーサイン出したのは誰だ……?


尚、リーベルダスへは塗装は必要なものの、腕と頭部の左右入れ替えと比較的小加工で済む為、必要なパーツは左手のみとなっている。

後にリーベルダスも「ディキトゥス(影のカリスト専用機)」としてHGUC化、2021年2月1日よりプレミアムバンダイで受注が開始された。もっとも、ユーリスディスの時点でランナーのスイッチからリーベルダスも立体化することは示唆されていた。


ガンダムビルドダイバーズRe:RISEにて、ユーリスディスが24話で登場。丁度第一次分出荷直前の配信での出演となっていた。残念ながら動きは無く、他の機体ともに集まっているカットのみであった。


余談

『掌に変形するMS』と言うデザインは、『クロスボーンガンダムメカニック設定集』の長谷川氏へのインタビューによると、当時中学生であった長谷川氏の御子息の案と答えている。

尚、同書にはディキトゥスのデザインが完成しつつある中、名称が全く決まらなかった為、「『ムーズンデー』と『ヒーライデー』と言うのはどうだろう?」(ほぼ原文)と提案したが、スタッフ総出で止められたエピソードも記されている。


また「巨大な手に変形するロボット」というコンセプトは、氏の作品『轟世剣ダイソード』の敵ロボ「神の篭手:コ・ズー」から引き継いだものだと予想される。

(こちらは1組の篭手が合体することで人型へと変形する)

もっとも、こちらは小悪党じみた自称頭脳派な中ボスで威厳はロクに感じられず、結果的には主人公たちの成長を促すための踏み台でしかなかったのが大きな違い。


関連項目

機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の7人 木星帝国

アマクサ コルニグス

ガラハド(MS) ファントムガンダム


ビッグバンパンチ:こちらもロボットが手の形に変形する。

オメガマン:「巨大な手を持つ強大な悪役」という点で共通。

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