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説明

魔法界の住人が使う人間界の呼び名。

人間界では魔法が使用されないことから「魔法がない」という意味と推測されるが、結希かの子のように魔法や魔法つかいの存在を信じる者もごく僅かにいる。


実際のところ「我々が住むこの世界」以上のものではないため、特別な個性もないのだが、本作では魔法界という異世界からの視点を描くシーンが多くあり、「魔法界と比べてナシマホウ界がいかに特殊な世界なのか」が強調して描かれている。人間界の視点が中心だった過去作とはこの点は大きく異なる。


魔法が秘匿された世界

実はナシマホウ界でも魔法は使え、効果の差異も全く無い。

つまりこの世界は「魔法がない」のではなく、「魔法つかいがいない」という方が正しい。

魔法界の住人は生まれると同時に「杖の木」から自分専用の魔法の杖を授かることで魔法が使えるようになる。この杖の木がナシマホウ界には生えてないので、ナシマホウ界の住人は魔法つかいにはなれないのである。


さらに、魔法界の魔法つかいたちがナシマホウ界に滞在する場合、「ナシマホウ界の住人に魔法が使えることを知られてはいけない」というルールを守らなくてはならないとされている。

それを破った魔法つかいは、魔法の杖を没収され魔法の使用が禁止されるのだ。

そんなわけで、本物の魔法つかいさえもナシマホウ界では「魔法つかい」だと名乗れない。ゆえに「魔法つかいがいない世界」になってしまっているのである。


魔法界にこのような掟が存在している以上、魔法界の住人には魔法の力が実在することをナシマホウ界の連中に気づかせてはならないという強い意思が存在していることになる。そもそも、魔法界の者たちははるか昔からナシマホウ界に干渉しているにもかかわらず、自分たちの存在を隠し続けている。


ただこれは「ナシマホウ界で魔法を使ってはいけない」とは言っていないことに注意。


第11話、教頭がみらいとリコに人前で魔法を使ってはならないと厳命しておきながら自分は傘で飛んで帰っていたことに腹を立てたリコにみらいはこう言っている。

「見つからなければいいってことじゃない?」

そのように解釈した二人は、ナシマホウ界で魔法を使うことを避けるのではなく見つからないように魔法を使う自己責任の立場を取るようになった。

しかし、どういうわけか彼女たちが魔法を使うたびに勝木かなが遠目でそれを目撃してしまうというパターンができつつある。


ただ、ホウキで空を飛んでいるところを遠目で誰かに目撃された程度ならばそれが何者かわからない限りそこまで問題視はされない。多くのナシマホウ界の人間たちは不思議なものを目撃したとしても、正体が不明なままならば何かの見間違いだったのかもとしていつしか忘れていくからだ。

しかし、明らかに目立つ行動をしてしまい自分が魔法つかいであることを認めざるを得ない状況になってしまうとダメということのようだ。


しかしリコは第1話でみらいに魔法つかいだと指摘された際はあっさり認めてしまっている。これは明確なルール違反だが、この当時リコは魔法秘匿の掟自体を知らなかった。

そもそも魔法学校の学生には魔法界から外へ出ることを校則で禁じており、まだ若いリコはナシマホウ界での振る舞いや掟を教えられる段階に至っていなかったのである。

第2話でリコはこの校則違反で退学危機になっていたが、本当はそれどころではない罰を受けるはずだったのだ。しかし校長がみらいに魔法学校に通うことを勧めみらいを魔法つかいの一員に迎え入れたので、結果的に「特例」としてお咎めなしになった。


また、この校長本人は何十年も前にみらいの祖母である結希かの子の目の前でホウキに乗って空を飛んでいるところを見られてしまい、挙句に彼女と会話までして魔法つかいであることを認めている。第1話のリコと全く同じことをやらかしてたというわけだ。

その校長の独断によってリコの罰が免除されたのは色々と感じ入るところでもある。


ちなみにアニメージュでの村山功氏のインタビューでは当初人間界のことを魔法が未発達の世界ということで「未法界」(みほうかい)と名付けていたのだが、耳で聞いたときに解りづらいという話になり、もっとシンプルに魔法がない世界ということで「ナシマホウ界」にしたということである。


かがくのちからってすげー!

魔法界と比べた時にナシマホウ界の大きな特徴としてある部分に、産業革命以後の近代科学の発展がある。

魔法界では機械に相当する役目を魔法で補えるため科学が発達していない。そのため機械に溢れるナシマホウ界の姿は魔法界の住人からは好奇の眼差しで見られている。


魔法界の住人であるリコの視点から見ると、ナシマホウ界は「手をよく使う世界」でもあるらしい。

ナシマホウ界はハイテクな機械に溢れているが、その多くが「手」での操作を必要としている。もちろんローテクな道具だって手を使うし、そもそも手を使って道具を操れることが人間と動物の違いであるというのがナシマホウ界の常識だ。

一方、魔法は「言葉(ことのは)」でエネルギーを集め物を動かしたりする技術のためナシマホウ界に比べ魔法の杖以外のものを生活で手にする機会が少ない。

「ナシマホウ界では魔法に頼る前に、まずは手を使ってできないか考える」はリコにとっては重要な気づきであり、後の花海ことはにもナシマホウ界で暮らす上の約束として伝えている。


ナシマホウ界は楽しいところ

意外なことに、ナシマホウ界は魔法界よりも文化的多様性がはるかに高い世界であるとされている。

魔法界は様々な種族が住まうが、どんな者であっても「魔法こそがこの世界の柱であり、それをよりよく使わなくてはならない」という価値観を当たり前に持っているため、ある意味で均質的でもある。

一方、ナシマホウ界は「世界の正しいあり方」への考えが全人類が共通している訳ではない。皆が好き勝手に自分にとって大切なことを主張し合いながら発展していった世界である。それは争いを生むことにも繋がるが、様々な全く異なる文化を生み出す原動力ともなっている。

家の形も、着る服も、食べ物も、そして言葉(ことのは)さえも、全く統一感なく様々なバリエーションがモザイクのように混在するナシマホウ界のありようは、魔法つかい達から見るとワクワクが詰まったワンダーランドのように見えるようだ。魔法つかいたちの中では海外観光旅行のノリでナシマホウ界見物にやってくるのがステーテスになっているくらいだ。

特に娯楽や芸術など直接生活に密接しない分野は、魔法界とは比較にならないほどの発達具合らしい。魔法界の少なくない数の者たちがナシマホウ界の文化に憧れ、正体を隠してそれを勉強しにきており、彼らが魔法界に帰ってナシマホウ界で学んだ文化を魔法界流にアレンジして流布している。


二つの世界のつながり

魔法界の住人はナシマホウ界の知識を吸収することができるが、ナシマホウ界の人間たちは杖がないので魔法を使うことはできない。

魔法界とナシマホウ界の関係性は対等ではなく魔法界側に一方的に有利なわけであり、これは魔法界側の人間にもどうしようもないことでもある。


魔法つかい達が自らの存在を秘匿する掟を作ったのも、結局はナシマホウ界の人間たちに魔法を伝えることができないからである。どこまで行っても二つの世界の住人は対等な関係になれないのだ。

自分たちの存在がナシマホウ界に知られたら、それは不安や恐れを生む可能性は否定できないだろう。


ナシマホウ界の人間である朝日奈みらいに魔法界の存在をバラし、挙句に魔法学校に学籍を置かせることになったのは、本来は許されるはずのないことである。この案件は魔法学校の最高権力者である校長の独断があったからこそ成し遂げられたことである。


ここで「そんなにバレたくないのならばナシマホウ界に行くのを禁ずる掟を作ればいいのでは?」と思われるかも知れない。少なくとも一部の選ばれた学者とかだけがナシマホウ界に行けるようにすればいいだろう。

しかし、実際には魔法界では魔法学校を卒業すれば誰もが自由にナシマホウ界へ行ける。二つの世界の行き来が効率よくできるようにカタツムリニアが運用され、そして「いかに正体がばれないようにナシマホウ界で生活するか」にみんなが必死に頭を悩ませている。

これは大いなる矛盾ではあるが、結局は「本当は仲良くしたいと魔法つかいはみんな思っている」ということである。


ナシマホウ界で生まれた人間たちも魔法が使えるようになれば、二つの世界は本当の意味で対等になれるのかも知れない。

朝日奈みらいが魔法界で杖を授けられたのは、いつか遠い未来への希望を感じさせるものでもある。

魔法界とナシマホウ界が正式に交流をもち、ナシマホウ界の人間も魔法界に自由に行けるようになれば、みらい以外にも杖をもらえる人たちが出てくるのかも…?


ナシマホウ界の神秘

ナシマホウ界は魔法文明が定着していないのは確かだが、この世界にも隠された神秘がある。

それが、終わりなき混沌と称される禍神デウスマストに関わることである。

デウスマストの眷属と呼ばれる魔神たちは、すべてナシマホウ界の古代遺跡に封じられていた存在である。また、彼らは魔法は使わずムホーと呼ばれる超能力を使う。


魔法界でもデウスマストに関する資料はほぼ残されておらず、魔法界側から派遣された考古学者のリアンが極秘にナシマホウ界の古代遺跡を調査しているような状況である。




以下、本編に関する重大なネタバレを含みます。

閲覧には十分注意してください。

















魔法界の考古学者であるリアンは、ナシマホウ界のいくつかの古代遺跡に魔法文字が刻まれた遺物が残されていることを発見している。

魔法界の住人が次元を超える方法を見つけ出しナシマホウ界を発見したのはかなり古代のことだが、遺跡はそれよりもさらに古い時代のものである。つまり、魔法界の住人はナシマホウ界を「発見」したと考えているが、実は魔法界でも忘れられるほどの古い時代に、ふたつの世界は関わりがあった可能性を古代遺跡は示しているのである。

そして、それは実際に事実であったことが、43話で妖精の里レジェンド女王が語った「忘れられた神話」により明らかとなった。


歴史にさえ記されないほどのはるか昔、「花の海」と呼ばれる理想郷たる大地が存在していた。

そこはあまねく命の母「マザー・ラパーパ」によって守られていたが、天より侵略してきた終わりなき混沌デウスマストの勢力との戦いの結果、ラパーパとデウスマストは相打ちになってしまう。(この戦いに関する詳細はマザー・ラパーパの項目を参照)


そしてこの戦いで「花の海」も大きく傷つき、ラパーパが拠り所としていた大樹と、それを支えていた大地が分離してしまった。

だが、偉大な魔法の力が込められたこの大樹は自らを中心とした周辺空間を海と空で満たすことで新たな世界「魔法界」を生み出す。終わりなき混沌との侵攻の際に大樹の上に避難していたわずかな人々はこの新たな世界で再び魔法文明を一から築くことになる。


一方、守護者を失った大地は砕かれるように分裂してしまい、五つの大陸と七つの海を持つ直径約12,800kmの惑星へと形を変えた。言うまでもなくこれこそが我々の知る地球、すなわちナシマホウ界である。

大樹を失った大地からは魔法を使うものはいなくなってしまった。「魔法の杖」は母なる大樹の小枝であったからである。しかしその中でも残された人々は環境に適応し、世界を統べる物理法則を自らの知恵のみで解明し、「科学」を発展させていったのである。

魔法界でもナシマホウ界でも世界が一つだった頃のことはすでに忘れられている。しかし、記録と記憶が残っていなくても、ナシマホウ界のとても古い遺跡の中にはその時代の名残を留めているものがある。そういう遺跡に魔法文字が刻まれたオーパーツが秘められているわけである。(魔法界は世界分裂の後に生まれた世界なので、この時代の遺物は一切存在しない)。

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