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「我こそは鉄血の錬金術師バスク・グラン!」

「鉄と血、すなわち兵士と兵器!」

「この身こそが、戦の先駆けとならずしてなんとする!!」


概要

CV:青森伸


アメストリス軍中央司令部に所属する軍人で、階級は准将。身長210㎝ぐらい。

軍隊格闘の第一人者であると共に国家錬金術師でもあり、冠する二つ名は鉄血』。

主にモーニングスターや銃砲や砲台など様々な武器・兵器の錬成を得意としており、錬成陣が彫られた厳つい形状のガントレットと腕輪を装備して、両拳を合わせる事で一気に錬成を行う。

なおマリア・ロスによれば、第5研究所の書類上の管理官も務めていた模様。


褐色肌スキンヘッド、威厳あふれる大きなカイゼル髭と、鼻の上の横一文字の傷が特徴の厳めしい顔立ちをしており、あのアレックス・ルイ・アームストロングをも上回る程の筋肉質かつ圧倒的な巨躯を誇る。目付きはやや三白眼気味であり、腕からおそらく全身に渡って無数の傷がある。


性格はまさに質実剛健という言葉を絵に描いたような人物であり、部下を退けた上であえて自らが部下達の盾となるべく前線に立つなど、勇敢で気骨溢れる高潔な軍人にして人格者。

また、戦場で降伏してきたイシュヴァール人達の話にも耳を傾けるなど柔軟性もあり、同時に自らの命と引き換えに戦争の終結を願うイシュヴァラの最高指導者に敬意を払って接するなど、敵であっても敬うべき相手は敬う礼節も持ち、同時に戦争の早期終結を願う気持ちも強かった。


ちなみに作中に登場した国家錬金術師の中では、最も階級が高いキャラクターである。


来歴

本編の時点では既に故人であり、セントラルシティで起こったスカーによる「国家錬金術師連続殺人事件」の被害者の1人として名前が挙げられたのが初出で、彼が殺害された事件からスカーは本格的に重大な脅威として認識されるようになったらしく、マスタングからは「あのバスク・グラン准将が!?」と驚かれていた他、ヒューズからも「信じられない」とコメントされている(彼が殺害された衝撃や影響は少なくなかったらしく、当初は軍内でも箝口令が敷かれていた)。


また前述の通り、一応は第5研究所の書類上の管理人だった為に、同研究所崩壊後には既に死んでいたのをいい事に軍部上層部の連中に第5研究所の件は全て彼の独断であったとして、全ての罪を着せられた上で闇に葬られるなど、割と散々な扱いをされていた(第5研究所の管理はあくまでも書類上の事だけで、彼自身はそこで行われていた研究等は何も知らなかった)。


……しかしその後、マスタング達がかつて参加したイシュヴァール殲滅戦のエピソードにて、ようやく満を持して本編内で初登場する。この当時の階級は大佐


戦意喪失して、戦線から外されたアームストロング少佐の穴埋めとして、フェスラー准将率いる部隊の戦線に加勢する。己の出世に目が眩んで、ただ兵力を消耗してばかりだったフェスラー准将の招いた劣勢を、たった一人で尚且つ一瞬にして覆すというまさに一騎当千の活躍を見せる。


本来大佐階級の彼が前線に出る必要などないにも拘らず、部下の制止を「この身が戦の先駆けとならずしてどうする!」と一蹴し、自らが前線で兵士達の盾となりながら戦線を切り開き、同時に膠着状態だった兵士達を鼓舞する。部下達の方も彼の登場に一気に士気を上げて、「大佐を死なせるな!」と彼に続く者が多く、部下達からも慕われていた事が窺える(その様は呂布奉先さながらである)。


その後は、イシュヴァラ教最高指導者ローグ=ロウの降伏を受け入れて彼を基地に案内するが、更なる戦功欲しさにフェスラーは話を聞こうともせずに、「さっさと敵を殲滅してこい」と彼等と部下達を罵倒する。これに対してグランは「戦場における士官の死因の二割は、部下によって殺されたものらしいですよ」と説明して、フェスラーを持っていたライフルで射殺する。そして「流れ弾で死んだ指揮官の代理」という名目で部隊の指揮権を奪い、ヒューズを初めとした周囲の兵士達もそれを黙認した上で、彼を自分達の新しい指揮官として支持した。その後は、戦闘を一時中断して負傷者を収容しつつ、ロウを初めとした一行をヒューイ達に案内させた上で、キング・ブラッドレイ大総統との交渉の席を設けて、戦争の早期終結の為に彼等の交渉を後押しした。

これらに対して、ロウからは「礼を言うべきだろうか」と尋ねられたが、ロウ達の命を犠牲にする事に苦渋の思いを抱いていたらしく、「礼など受け取れぬわ」と苦々しい顔で拒否し、ただ戦争が早期終結する事だけを願っている事を告げた。しかし結局、大総統に彼等の助命懇願は受け入れられずに彼の願いも届く事はなく、引き続き望まぬ殲滅戦の指揮を執る事になる(実際は、そもそもホムンクルスであるブラッドレイが、最初から戦争を止める筈がなかったのである)。


その後は、前線指揮官として最後まで戦い抜き、最後のイシュヴァールの自治区が陥落した連絡を受けた際にはそれを部下達に告げて、自ら戦争の終結を部下達に宣言した。


このように、非常に高潔かつ国を強く想う軍人であり、もしスカーに殺されていなければ、エドやマスタング達の心強い味方になっていた可能性が高かったキャラクターである。そのキャラクター性や戦闘力の高さなどからも、ファンの間では序盤で死んだ事を惜しむ声が多い(この人物もそうだが、もし最終決戦時に彼等が味方としていれば、間違いなく戦況は大きく変わっていた)。


なお、作中でのその圧倒的な戦力から、「スカーはどうやって彼を倒したのか?」という疑問がアシスタント達の間で浮上し、これに対し作者の荒川弘は、この時点でどこまで本気だったのかは不明だが、コミックス版でのオマケ漫画内にて「酔っ払って夜道を歩いていた途中に、後ろから襲われて倒されてしまった」と説明し、バッテラの手土産を片手に、ご機嫌な口振りと千鳥足で帰路につくシュールな姿が描かれた(アシスタント達からは当然ながら大不評だった模様)。


後にアニメ版(FA)では、スカーとの戦闘がしっかりと描かれ、襲いかかってきたスカーに錬成した重火器で応戦し、それを避けられると鉄の檻を錬成して拘束に成功するが、勝利を確信して檻に近づいたところで「破壊の右腕」で檻を破壊され、そのまま彼自身も右腕の餌食となった。

ちなみにこの戦闘では、最後にスカーの右腕で不意を突かれたのだが、それまでスカーは右腕を使わずに純粋な体術と身体能力だけでバスクと渡り合っていた。一度はスカーを拘束したバスク自身の実力は勿論だが、それすらも見越してあえて最初は切り札である右腕を隠し、生身一つで彼と張り合っていたスカーの凄まじい戦闘力の高さと、実戦経験の豊富さがうかがえる戦いである。

なお上述の人物像が描写されているイシュヴァール戦でのくだりは、アニメFAにおいては残念ながらカットされている。


実写映画版の特典である「0巻」に収録された本編の前日譚エピソードでは、国家錬金術師試験合格直後のエドを祝う為に、アームストロングやマスタングと共に早退して酒盛りを行う。どうやら酒癖が悪いという設定は本当だったらしく、酔った勢いで近年の国家錬金術師試験に文句を言いながら、アームストロングと共に自身の錬金術を披露していた。加えてエドに対して「軍の狗」になる事の覚悟を改めて問うており、さらにイシュヴァール戦の際の話もしている(彼が准将に出世したのは、フェスラーが死んだ事で前線での指揮権を移譲された事による、繰り上がりもあったらしい)。


2003年版アニメ

放送当時、原作ではまだ名前が触れられる程度であった為に、キャラクターとしての登場自体は本作の方が先である(同例にホーエンハイムなどがいる)。また、本作にて「錬金術を戦闘利用した第一人者」と説明されており、FAでも同様の経歴が言及されている。


軍内の「合成獣」や「賢者の石」などの極秘事項の研究を管理していた人物であり、さらにティム・マルコーの元直属の上司にして、ショウ・タッカーの後見人でもあった。階級は原作と同じく准将。


ビジュアルは原作及びFAと殆ど同じなのだが、原作及びFAの彼が三白眼気味なのに対して普通の目付きであり、顔や腕の傷が無いなど細かい部分が違う。他にも装着しているガントレットの形状も違う(腕輪は付けていない)。ちなみにメイン画像は原作及びFAの方のバスクである。

さらに使用する錬金術や戦闘スタイルも原作とはかなり異なっており、平時では腕のガントレットを変形させて相手を殴っていた他、イシュヴァール戦の際には人工賢者の石(紅い石)で錬成力を増幅して、全身を鋼鉄と砲台で覆った人間要塞化して戦っていた。この状態の彼には通常の武器は効かず、一方的な殲滅戦を展開できる(本作の彼に傷が無いのはこれが理由かもしれない)。


性格は、原作及びFAとは真逆の外道そのものであり、己の出世の為なら国家の為だと宣いながら平然と他人を犠牲するような碌でもない人物である(間違いなく本作の中でも、原作とは最も性格が乖離しているキャラクターの1人である)。イシュヴァール戦時代の元部下であるロイ・マスタングとは、出世争いをする関係で互いに快く思っておらず、彼と接点の深い「鋼の錬金術師」ことエドワード・エルリックの行動にも目を光らせており、エドに対抗してタッカーに圧力をかけたりもしていた(本作では、これがタッカーが娘のミーナをキメラに錬成する決断をしてしまった遠因にもなった)。


イシュヴァール殲滅戦では、後述するブラッドレイの子飼いという立場もあって、原作とは違って最初から前線での指揮権を委ねられており(この時の階級も原作と同じく大佐)。国家錬金術師部隊の指揮官的立場にいた。マルコーに指示して裏でイシュヴァール人や裏で処理すべき人間等で人体実験を行い、それによって完成した人工賢者の石(紅い石)を、戦争の早期終結という名目で錬成増幅剤として国家錬金術師達に配備して大虐殺を指示する。自らも手柄を得る為に、上記の人間要塞化して前線で破壊と虐殺の限りを尽くし、以来その力に陶酔し慢心していった。

また、当時の軍にとって邪魔だったロックベル夫妻(ウィンリィの両親)を、当時部下であったマスタングに命じて無理矢理殺害させている(部下の命を守る為だのと尤もらしいお題目を言っていたが、こういった汚れ仕事はその部下に丸投げである)。さらには同じく当時部下だったキンブリーが、土地を捨てて逃げようとするスカー達一行を襲撃するのを発見した際には、彼の手柄を横取りしようとキンブリーごと砲撃するなど、原作のバスクが射殺したフェスラー准将も真っ青なレベルのクソ上司である(むしろこいつも「流れ弾」で処刑して欲しいくらいである)。

当然ながら原作とは違って部下からの人望も皆無であり、マスタングからはイシュヴァール戦以降は強く警戒され反目されており、キンブリーからは第5研究所でエンヴィーが成り代わっているのを見抜いた際には、「閣下はあんな大物ではない」と皮肉を言われ、マルコーからは再会した際には、准将に出世した事を聞いて「ほう、出世されましたね…」と嫌味を言われていた。


さらには軍の特殊部隊だった後のデビルズネスト組を、口封じの為に人体実験でキメラにした張本人でもある。実は裏の顔は、本作ではホムンクルス・プライドであるブラッドレイの事実上の子飼いであり(ブラッドレイの正体やホムンクルスの事までは知らなかったようだが)、彼の意向の下で第5研究所の管理責任者として、様々な非人道的な人体実験や研究を行わせていた(マルコーやタッカーといった、医療系の錬金術師の後見人などをしていたのもその為である)。

原作では死後に軍上層部の連中によって、謂れのない濡れ衣を着せられた彼だったが、本作では本当に第5研究所での数々の実験は、ブラッドレイと彼の独断で密かに行われていたものであり、中央の軍上層部の殆どの者達は、本当に何も知らなかったという皮肉な設定になっている。


作中では、タッカーとエドが初対面した際に、タッカーの後見人として初登場する。そして娘のミーナをキメラに錬成した際に乱入し、エドをタッカーから無理矢理引き離して彼を連行し、その後は表向きタッカーを処刑したと偽装して、タッカーを第5研究所に引き込み、密かにキメラの研究を続けさせていた(同時に囚人達を使って「人工賢者の石」の実験も行わせていた模様)。


それからスカーから逃れる形でブラッドレイ達上層部の面子が、視察の名目で東方司令部に訪れた際に彼等に同行する形で再登場し、マルコーの話をしていたエド達を密かに監視して、マルコーの居場所を突き止め、新たな賢者の石生成の為に軍から逃げ出した彼を連行しようとするが、その途中でスカーに襲撃されて車を木端微塵に破壊される。マルコーが隠し持っていた人工賢者の石を手に入れた事から慢心しながら、その力を使おうとするも、一瞬で間合いに踏み込んできたスカーの動きに対応できず、そのまま「破壊の右腕」で頭部を破裂させられあっさりと殺害された。

自らが望んでいた賢者の石の力を再び手に入れた上で、しかしそれを手にした慢心故にその力を使う事もできないまま殺されるという、それまでの悪行に相応しい自業自得な末路だった。


ちなみに上記の通り、本作の彼はイシュヴァール戦時にスカー達を砲撃して、彼の兄にトドメを刺したスカーにとっては仇の1人だったのだが、その時は遠目かつ人間要塞状態だった為に、スカー自身は自分が殺した相手が仇の国家錬金術師だった事に、最後まで気付かなかった模様。


関連項目

鋼の錬金術師 アメストリス

軍人 国家錬金術師  筋肉


ジョリオ・コマンチ ゾルフ・J・キンブリー


原作・FA→理想の上司  質実剛健 豪傑

2003年版アニメ→クソ上司 外道 人間のクズ

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