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CV:中村正


概要

ゴールデンバウム朝銀河帝国に仕える門閥貴族のひとり。爵位は伯爵。後にラインハルト・フォン・ローエングラムに仕えるヒルデガルド・フォン・マリーンドルフの父。


保守的な人物ではあるが、門閥貴族のなかでも珍しい温厚篤実な人柄で知られる。

門閥貴族たちの中では非主流に属する家柄。妻は(物語開始時点で)既に亡くしており、男子ももうけていなかったため、一人娘のヒルデガルド(愛称・ヒルダ)が後継者となっていた。親族に、甥のハインリッヒ・フォン・キュンメル男爵がいる。ハインリッヒが両親を亡くしているため、伯爵が彼の後見人となり、キュンメル家の財産管理も行なっていた。この財産についても横領しなかったのはもちろん、寧ろ管理にあたって、マリーンドルフ家の資産の方を拠出するという誠実ぶりであった。(もっともラング等からは『誠実なことしか取り柄のない凡庸な男』と評されている)

遠戚にカストロプ公爵家もあり、マリーンドルフ伯爵領はカストロプ公爵領(カストロプ星系)に隣接している。領民の間でも穏やかな当主として慕われていた。この領地に警備隊を置いていることから、家格相応の規模の軍隊(私兵)を抱えていることも窺われる。


物語に登場したのは、遠縁にあたるマクシミリアン・フォン・カストロプ公爵が遺産相続に関連して帝国に叛旗を翻した時、伯爵がなんとか穏便にすませようと説得に行ったにもかかわらず、マクシミリアンに身柄を拘束されてしまった際である。

このときはジークフリード・キルヒアイス少将が反乱を鎮圧、無事に救出されている。


「リップシュタット戦役」では当初中立を望んだ。中立も叶わぬ場合にはオットー・フォン・ブラウンシュバイク公爵率いる貴族連合軍に味方することを考えていたが、娘のヒルダは「皇帝は宇宙艦隊司令長官・ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥、国務尚書・クラウス・フォン・リヒテンラーデ公爵の側にあり、正義はむしろラインハルト、リヒテンラーデ側にある」、「貴族連合側に与する者は多く、門地の小さいマリーンドルフ家に発言権は少ないが、勢力の小さいラインハルト側につけばマリーンドルフ家の発言力はそれだけ強まる」、「ブラウンシュバイク公とリッテンハイム候はラインハルト・リヒテンラーデ憎しで手を結んでいるが、そのうち仲違いするにちがいない」と父に説き、伯爵はラインハルト側への加勢を決断する。ラインハルトはヒルダからの訪問によりマリーンドルフ家の自派への加勢を知り、帰属を歓迎して領地の安堵などマリーンドルフ家への礼遇を書面にて約束した。

ヒルダの予言通り、「リップシュタット戦役」は貴族連合軍の敗北に終わり、彼女は帝国の実権を握ったラインハルトの主席秘書官に任命される。


新帝国暦1年(宇宙暦799年)、自由惑星同盟を屈服させたラインハルトはゴールデンバウム朝最後の皇帝・カザリン・ケートヘン1世からの譲位を受けて即位、伯爵は内閣首班にあたる国務尚書に就任する(席次の上では軍務尚書・オーベルシュタインより上席となる)。その直後、甥のキュンメル男爵が皇帝弑逆未遂事件を起こし、罪人の縁戚者となってしまったため、皇帝秘書官を務める娘とともに自主的に謹慎したが、連座は不要として親子ともラインハルトに呼び戻されている。


国務尚書として伯爵は人事配置と政治感覚にも優れたものをもっていたが、積極的に新しいことをしようとするタイプの政治家ではなく、その点では工部尚書ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒがはるかにまさっていた。


新帝国暦2年(宇宙歴800年)、惑星ヴェスターラントの生き残りの男による皇帝弑逆未遂事件が起き、打ちひしがれたラインハルトと彼を支えようとしたヒルダが一線を超える。

翌朝、朝帰りしたヒルダに何も問うことなく「陛下と一緒だったのだね」と話しており、娘と皇帝の仲が深まることについて、想定したことはあったと思われる。求婚に訪れた皇帝を苦笑とともに迎えるが、答えがその場で出るはずもなく、成熟した大人が未熟な少年を諭すようにお引き取りを願う。(直後に『あれであの二人、上手くやれたのだろうか?(苦笑)』と他人に聞かれれば不敬とも取られかねない述懐をしている)


しばらくして、ヒルダが皇帝の子を宿していることがわかり、ラインハルトとヒルダの結婚が決まる。このとき伯爵は外祖父が国務尚書であることの害が大きいと判断(親子揃って為政者としてのラインハルトに影響を与え得る立場に就いていて、常からオーベルシュタインに要らぬ疑義を持たれるのを警戒していた節もあり)、辞意を固める。

後任の国務尚書には公正な人柄で知られる宇宙艦隊司令長官・ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥を推薦する。

新帝国暦3年(宇宙歴801年)、ヒルダが後の第2代皇帝となるアレクサンデル・ジークフリード・フォン・ローエングラムを生み次期皇帝の外祖父となるが、同年7月に皇帝ラインハルトが崩御、国務尚書を辞職することができずに物語は終わりを告げる。


人物

物語への本格的な登場は上記の通り、リップシュタット戦役の際、ヒルダとこの内乱への対応を協議した場面である。ヒルダはこの時、「民を虐げた帝国は滅びるべきだ」と、貴族社会で育っていながらその社会の抱える病巣を見据えた発言をしているが、この発言に対し伯爵は「おい、おい…」とただ驚愕するばかりで、明らかに娘の透徹した社会認識についていけていない、保守性を示していた。しかしヒルダが一通りの分析を述べて父を説得すると、「どんな結末になっても私は後悔しない、マリーンドルフ家のことなど考えなくていい、寧ろマリーンドルフ家を道具にして、お前の生きる道を広げる方法を考えなさい」と発言し、今度は娘を驚かせている。娘の言葉を咀嚼したうえで、娘の提案に賭ける形で家の行末を決断、深い信頼を示している。


作中においては、『ヒルダの才能や(当時の帝国貴族の子女としては)革新的な思考及び生き方に制限をかけようとはせず、全て本人の意思と判断に任せた』点において後の世の歴史家から評価の対象となっている。


関連タグ

銀河英雄伝説 銀河帝国(銀河英雄伝説)

ラインハルト・フォン・ローエングラム ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ

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