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ベルアイ

べるあい

ベルアイとは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の主人公ベルとヒロインのアイズのカップリング。
目次 [非表示]

概要

ベル・クラネルアイズ・ヴァレンシュタインのカップリング。


ベルはダンジョンでミノタウロスに襲われている所をアイズに助けられた際に一目惚れし、同時に冒険者として遥か高みにいる彼女に見合う男になりたいと強く願うようになる。彼女への想いはスキルが発現する程強く、以降ベルはアイズの背中を追って凄まじい速度で成長していく。


アイズの方は精神年齢が幼いので恋心についてよくわかっていない節があるが、アイズの中でベルへの想いが増しているのは間違いなく、ベルと出会って半年程経った現在では、彼の事を考える時間が増えたらしい。ちなみにドラマCD版の女子会ではヘスティアに「今まで出会えて良かった人は?」と訊かれて、アイズは無意識のうちに「ベル」と答えている。


ベルとアイズのダンジョンでの出会いで本編が始まり、そして2人の出会いは世界の運命を大きく変えていく事になる。


作中での出来事

当初アイズは自分のファミリアの不手際でベルを傷つけてしまったので、彼に謝るタイミングを探していたのだが、ベルはアイズと出会うたびに恥ずかしさと緊張のあまり逃げ出してしまうので、自分に怖がって逃げているのだと勘違いしてショックを受けていた。


後にエイナの計らいでベルに謝る事には成功したが、彼の急激な成長速度に目を付けていたので、彼と関われば自身の成長に繋がる切っ掛けが得られるのではないかと言う理由でベルの戦い方を教えるようになる。訓練方法は実戦形式で叩きのめし、気を失ったら膝枕をするという、ベルにとって飴と鞭の繰り返し。この方法でベルは防御の基礎を学び、伸び悩んでいた『耐久』のアビリティが一気に成長する事になった。ちなみにアイズにとってベルを膝枕するのは非常に心地よく、膝枕したいがために訓練という目的を忘れて、無理やり気絶させたこともある。


遠征では、ミノタウロスに襲われているベルをアイズは助けようとするが、再び彼女に助けられる事を拒んだベルは一人でミノタウロスに戦いを挑む事を選択。この時アイズはベルの背中に、最後の戦いに赴く父の背中を重ねていた。死闘の果てにベルは奇跡的にミノタウロスを単身で撃破するが、アイズはこの時にベルのステイタスが限界突破している事を知って驚愕。以降限界突破を成し得たベルを密かに目標とするようになる。


その後もベルとの交流は続き、ダンジョンの『安全階層』をベルに案内したり、アポロン主催の『神の宴』では彼のダンスの申し入れを受け入れて一緒に踊るなど、彼に対して好意的に接している。


一方で異端児編ではモンスターに対する敵意の強さから、ウィーネを守ろうとするベルに対して剣を向けたこともあるが、心中ではかつてない程取り乱しており、ウィーネに対して凄まじい嫉妬心を抱いていた。異端児を巡る騒動が終わった後は無事に和解し、アイズはベルにもう一度戦い方を教える事を約束する。




以下、ソード・オラトリア12巻のネタバレ




『人造迷宮クノッソス』で始まったオラリオ崩壊を目論むエニュオとの最終決戦。

そんな中、アイズは宿敵レヴィスとの最後の戦いを続けていた。

アイズのスキル【復讐姫(アヴェンジャー)】によって生まれた黒い風で応戦するも、しかしレヴィスの力は強力でアイズに苦戦を強いる。


――力を!


――もっと力を!


貪欲に力を求め続け、黒い力に身体が呑み込まれそうになるアイズに、響いたのは――、



ゴォン、ゴォォン――――。



大鐘楼の音色。


誰も彼もが唖然とし、そして『彼』を知っている冒険者は誰がこの鐘を鳴らしているのか、瞬時に気付いた。


――ベル!


冒険者はこの『勝利の鐘』に続き、比喩でも誇張でもなく皆が己を奮い立たせて立ち上がった。

それは、一人決戦に興じていたアイズとて例外ではない。


思い出す。彼と戦ったあの日を。


思い出す。ひたすらに前へ進み少年の『白』を。


思い出す。少年の瞳に映った自分の微笑みを。


やがて『黒』は、『白』へと変わっていく。


そしてアイズは、躊躇なくその風の名を呼んだ。


「【白き風よ(テンペスト)】!」


彼と共に放たれる、純白の一閃。


同時に、ベルの『英雄の一撃』が放たれ、『第七の精霊』が消滅する。


そして、アイズの『決着の一撃』がレヴィスへと吸い込まれていく。


「アリアァアアアアアアアアアアアアアアア!?」


嬌声を上げながら、白き一閃を受けたレヴィスは灰と化し、消えていった。


ここに、二つの戦いが終結した。


全てが終わった後。


アイズはベルの元へ向かっていた。皆が事後処理へと明け暮れて右往左往する中、壁に寄り掛かって熟睡しているベルを発見した。年相応の寝顔に微笑しつつ、隣へ腰掛ける。


「ベル……。助けて、くれたんだね」


聞こえる筈のない感謝を耳元で囁く。

自然と顔が柔らかな笑みに変わっていく。


「君のおかげで……、勝てたよ」


あの鐘の音があったからアイズはレヴィスに勝てた。もしそれがなかったら、アイズはここに居なかったかもしれない。


心が透明になった。胸の内が洗われた。黒い炎が姿を消した。


『白い自分』が少しだけ取り戻せた。


「君の声が……、聞こえたよ」


やがてベルの頭がずれ、アイズの肩へと落ちる。その重みと温もりが今は心地よい。

アイズもまた、最後の力が抜けて少年に寄り掛かった。



「ありがとう、ベル」



少年と少女は、折り重なって安らかな眠りへついた。




以下、本編17巻のネタバレ





美の神・フレイヤがベルを手に入れるべくオラリオ中の人・神に『魅了』を施し、「ベル・クラネルはフレイヤの眷族」と記憶を改竄した。


ベルは築き上げた仲間との絆と思い出の半年を奪われ、仲間達や親交のあった人々から他人行儀され、拒絶され、敵意を向けられてしまう。


フレイヤが造り上げた『箱庭』に囚われたベルは心身ともに傷つき、絶望と諦観、フレイヤの甘言により徐々に追い込まれ、『憧憬』も失われつつあった。


だが、ミアの言葉を受けたベルは、最後の希望である『憧憬(アイズ)』の元へ辿り着き、彼女に問い掛ける。


「アイズさん……僕を知っていますか?」


「今日まであったことを、覚えていますか!?」


ベルは幾度も仲間達、親交のあった人々、神達にも尋ね、そして拒絶された言葉。


アイズとともにいたヒリュテ姉妹から敵意を向けられ、二人はアイズを連れて去ろうとした。


最後の希望が断たれ、ベルの横を通り抜けようとした瞬間、アイズはベルを手を取った。


その行動にベルとヒリュテ姉妹が狼狽える中、アイズは口を開く。




「訓練、する?」


その言葉に唖然とするベルとヒリュテ姉妹。だが、アイズはベルをまっすぐ見つめ続ける。


「私は、君を、いっぱい気絶させて……」

「そうしたら、膝枕をして……」

「起きたら、また倒して……」


戸惑うヒリュテ姉妹を他所に、淡々と言葉を続けるアイズ。


「あの『市壁の上』で、君と戦わないといけない気がする」

「君に教えて、私も教わらないと、いけない気がする」


そして、最後にアイズは言う。


「誰かと約束して……強くなりたいって……そう、言われた気がする」


それは、好敵手に敗れ、『ベル・クラネル』が『アイズ・ヴァレンシュタイン』の前で誓った、決意と約束の言葉。


その言葉にベルは膝を崩し、涙を流した。


記憶が改竄され、記憶にないはずの思い出。だが、彼女は失わなかった。


少年と築き上げた大切な思い出を。


アイズがもたらした奇跡が、失われつつあった軌跡を確信へと変えた。


「貴方に憧れて……良かった」

「貴方との出会いは、間違いなんかじゃない」


絶望から救ってくれた少年を、今度は彼女が救ったのである。


「行きます」


風前の灯が燃え上がる聖火へと変貌し、立ち上がった『【炉神の眷族(ヘスティア・ファミリア)】のベル・クラネル』は再び走り出した。


前世からの想い

メモリア・フレーゼ』の2周年イベント『アルゴノゥト』にて、ベルの前世であるアルゴノゥトとアイズの前世であるアリアドネが登場。


作中でアルゴノゥトはアリアドネの美しさに一目惚れし、アリアドネはアルゴノゥトの優しさに惹かれていく。しかし、アリアドネは生まれた時からミノタウロスの生贄にされる事が決められており、アルゴノゥトはそんな彼女を救う為にミノタウロスと戦う事を決断。死闘の果てにアルゴノゥトはミノタウロスを討伐に成功し、アリアドネを過酷な運命から救う英雄となった。


また、アルゴノゥトはミノタウロスとの戦いで視力を失い二度とアリアドネの顔が見れなくなったが、その事を踏まえるとアルゴノゥトの想いを受け継いだベルが、アリアドネに瓜二つの容姿をしたアイズに一目惚れしたのは必然だったとも言える。


時を経て再び巡り合った。少女はもう一度少年の『道標』となる。


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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

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