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概要

後のヴォルデモートことトム・マールヴォロ・リドルの母親。

本編開始よりとうの昔に死亡している人物であり、第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の過去編のみに登場する。


最後は生活に困窮しやつれ果てており、トムを産むと彼を孤児院に預けてすぐ死亡した。年齢は1925年の時点で18歳。


容姿

両眼は兄のモーフィンと同じく外斜視。髪は艶がなく垂れ下がっており、蒼白くぼってりとした顔立ち。


お世辞にも美しいとは言えず、父と兄から受けた虐待のためか打ちひしがれた表情をしている。


人生

純血聖28一族の中でも、サラザール・スリザリンの末裔であることで有名なゴーント家の出身。

ただし家財の枯渇、そして純血を守るための近親婚の繰り返しによる遺伝子異常のせいで、マールヴォロが生まれる数世代前の時点でかつての栄華は見る影もなくなっていた。


ゴーント家の最後の3人である、父マールヴォロと息子のモーフィン、娘のメローピーはマグルの村リトル・ハングルトンの郊外で、豚小屋のような劣悪な環境で生活していたのである。


暴力的な父と兄に虐待を受けながら育った彼女は、ある日近所に住むハンサムなマグルの男性トム・リドル・シニアに恋をする。しかしその恋を知った父と兄がトム・リドル・シニアへの暴行を起こしたことがきっかけで、一緒に逮捕されアズカバンに収監された後、トムに何らかの魔法をかけて自分のものとし、彼の子供を孕んだ。この際、ゴーント家の家宝であるスリザリンのロケットを実家から持ち出している。


メローピーは家族からスクイブであると思われホグワーツにも通っていなかったが、これらの事実から虐待による精神的な圧迫のため魔力が発揮できていなかっただけであることが分かる。よって、彼女がオブスキュラスであった可能性も存在する。


彼女はトム・リドル・シニアが自分を本当に愛しているのか信じていたのか、はたまた試したかったのかは不明だが、ある時から彼を魔法で操るのをやめる。当然ながら、彼は自分が近所の見ず知らずの女と結婚し妊娠させていたことにショックを受け、彼女を捨て実家に逃げ戻った。そのことにメローピーもまたショックを受け、彼女は以後魔法を使うことをやめた(あるいは全く出来なくなった)。


結果、金も職も魔力もない彼女は困窮し、仕方なくスリザリンのロケットをボージン・アンド・バークスで売るが、これも安値(10ガリオン)で買い叩かれる。そして1926年12月31日、彼女はロンドンのウール孤児院に辿り着くと、息子を出産してほどなく死亡した。


その際、息子に「トム・マールヴォロ・リドル」と名付けた。夫の名前「トム・リドル」に、ミドルネームとして父の名前「マールヴォロ」を組み合わせたものである。これが息子に彼女が残した唯一の贈り物であった。また、息子の外見が自分ではなく夫の方に似るように願っており、これは叶うこととなる。


人物

アルバス・ダンブルドアは、「メローピーは打ちのめされた弱い女性で、ハリーの母リリーのように息子に愛情を注ぎ何かに立ち向かう強さがなかった」と評価している。故に、「子供のために生きようともしなかったのか」と憤るハリーに対して「あまり責められるべきでもない」とも言っている。


魔力を手に入れてからの行動が自立への試みではなく惚れた男への依存であったり、今際の際ですら息子に(父親に似た)ハンサムな容姿を期待したり、自分を傷つけた男二人の名前を付けようとするなど、被虐的で男性に左右される気質であることが窺える。


上記の「惚れた男」にしても、「ハンサムな顔だけで自分が一方的に惚れた相手」であり、相手側の事情や人格を全く考慮に入れていないことが描写から読み取れる。実際、トム・リドル・シニアは地主の息子で、当時はセシリアという両想いの婚約者がいた。また、リドル家の人間は総じて高慢で礼儀知らずな性格のため、周囲から嫌われていた。


また、実家から持ち出した家宝であるスリザリンのロケットに関しても、どのくらいの価値のある物かを知らなかったため、前述の通り安値で買い叩かれてしまっている。現にバークは「これは値がつけられないほど(の価値がある品物)だ。(にも拘らず)10ガリオンで喜んで、こんな上手い話はまたとなかった」と当時のことを振り返っている。


息子

メローピーの息子トム・マールヴォロ・リドルは開闢以来最も危険な魔法使いヴォルデモートとなった。


「もし母親が魔女であるなら魔法で自分の身を守れたはず」という理屈に基づき、リドルはずっと父親が魔法使いだと思っていた。しかしホグワーツのどこにもリドルという名字の生徒の記録がないという事実、そしてゴーント家の最後の生き残りであるメローピーの兄・モーフィンとの対峙により、自分を産んだ後死んだ母・メローピーこそが魔女であり、スリザリンの血を引いていたことを知る。


これがトム・リドルが自分の名前を捨てる契機となった。上述した通り、メローピーは息子の外見が自分ではなく父に似るように願い、実際にそれは叶ったのだが、肝心の息子はとある闇の魔術の実践により生まれもった端正な顔立ちを自分から破壊していく。


『魔法界の病み(闇)』の象徴

ヴォルデモートこと、トム・リドルの数々の行為が彼の出自と生育環境による問題に根差していることは明らかである。

実際に作者も「彼女(メローピー)がトム・リドルを愛を持って育ててやれば、何も問題は起こらなかった」と述べており、彼女がトム・リドルを捨てたことが、結果としてヴォルデモート卿の誕生に繋がり、後の世の禍根になった。


物語内あるいは現実世界のどのような法律や倫理に照らしても、彼の生い立ちに情状酌量や同情の余地にはなっても、トム・リドルが数々の非道を行ったことの免罪符にはなり得ないことから、ある意味では彼女と彼女の行為は、ハリポタ世界における諸悪の根源と言っても過言ではない。


だがしかし、メローピーもまた、自身の家庭環境による被害者でもある。

彼女自身には何の非もないながらも父と兄にはいわれのない理由で精神的・身体的な家庭内暴力を日常的に振るわれており、自業自得な所はあるものの、金も、力も、頼りにできる縁故も無い中で、愛した男には捨てられ、最終的には心身ともに打ちのめされた中で死亡している。

この状況の中で子供を捨ててしまったことに関しては、同情の余地しかなく、一方的に責められるのは如何にも酷である。


更に言えばゴーント家の人間全体が、先祖代々の純血思想の被害者であると考えられる。

ゴーント家はマルフォイ家などと違い真の意味での純血を守るために近親姦を繰り返してきた一族であり、そのため遺伝子レベルで脳に異常を来しており、自らの意思で自分の人生を修正する能力がそもそも欠如していた可能性がある。

仮に上記の遺伝子云々の話が本当でも、そうでなかったとしても彼らが古くからの因縁に捕らわれていたことは確かであり、それを何らかの形で取り除くように周囲の人間がサポートしなかったのは同情できる部分ではある。


また、魔法社会自体の福祉・教育の問題とも考えることもできる。

これまで述べられてきた事実からもわかる通り、メローピー自身は芯が弱いだけであり魔法使いの社会ではごくありふれた魔女である。

しかし、そんな彼女がマグルの社会に放り込まれた結果、彼女は人生のどん底を味わった末に社会の片隅でひっそりと息を引き取ることになってしまった。

これは福祉的な観点から見た場合、マグルの社会と魔法使いの社会との間に相互扶助の精神が欠如しているという問題と、魔法使いの社会自体に児童虐待や家庭内暴力そのものを放置するという問題がある。

込み入った表現を使ったが、二つの問題とも弱者を助けようという精神が無いと言うところに問題の根がある。


総括すると、ヴォルデモートは魔法界そして人間の暗部を非常に色濃く受けたことで生まれてしまった存在である。


ヴォルデモートの悪行そのものはヴォルデモートにしか責任はない。

しかし、ヴォルデモートを生むきっかけとなったのは、メローピーやゴーント家にまつわる古い魔法界の因習であり、これは魔法界に生じた差別思想が原因である。


アルバス・ダンブルドアが魔法族優先思想や人狼・半人間差別に反対し、リベラル派の急先鋒として常に魔法省とは異なる思想グループを形成していたのは、第二、第三のヴォルデモートを生む要因を出来る限り取り除こうとしていたからかもしれない。


関連タグ

ハリー・ポッター ヴォルデモート トム・リドル・シニア マールヴォロ・ゴーント モーフィン・ゴーント

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