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ヤマンバ(カクレンジャー)

げんだいのやまんば

本記事では、特撮テレビドラマ『忍者戦隊カクレンジャー』に登場する敵怪人の一体としてのヤマンバを取り扱うものとする。
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「私はヤマンバ。昔から山に迷い込んだ旅人を殺しては、食べる妖怪よ!」(第50話)

カクレンジャー!我が兄、大魔王に代わりお前達を血祭りに上げてやる!」(同上)


CV:北浜晴子

人間態小甲登枝恵

登場話数:第50話「特選!! 妖怪の宿」~第52話「大団円!! 父と娘(こ)」


概要

妖怪軍団に属する妖怪の一体。

妖怪大魔王の実妹に当たり、彼のことを「兄者」と呼んでいる一方、当人からはとある事情でとうの昔に兄弟の縁を切られており、これを理由に他の妖怪からも冷淡に扱われている。そのため、妖怪軍団の一員でありながら他の妖怪とは距離を取っており、現代に至るまで弟のダイダラボッチと共に山奥にて隠遁の身の上に甘んじていた。


記事冒頭にも示した台詞にもあるように、原典となった「山姥」は昔から山に迷い込んだ人を殺して食べる妖怪であり、現代においても「グランママの家」というペンション隠れ蓑とし、そこに住まう老婆に化けては、山中に迷い込んできた子供達を食い殺して長らえていた。

妖怪としての姿は耳元まで口が裂けたおどろしい形相と、兄である大魔王と同様に全身にあしらわれた菱形の意匠が特徴で、その意匠がロングドレスの如く重厚な出で立ちを形作っている。大魔王の妹なだけあって実力も高い方で、得物であるギザギザした刃の短剣を振るい、カクレンジャー相手でも単独であれば地の利を活かして余裕で圧倒せしめるほどである。


作中での動向

夜の山中で子供達が姿を消すという怪事件を聞きつけたサスケたちは、その真相を突き止めんとネコマルでその一帯へと向かうが、どういう訳か同じ場所を繰り返し行き来するうちに「グランママの家」を発見、日没を迎えたこともありそこで一泊することとした。

そこに住んでいた老婆から、行方不明になった少年の一人がサスケ達と同様の経緯でここに泊めてもらったものの、朝になって姿を消したとの証言を得るのだが・・・一方では支配人のどこか無愛想な様子に、彼等も不審を覚えずにはいられなかった。

果たして、その支配人が深夜にを殺そうとしていたのを偶然目にしたサイゾウはその後を追うも、そこに奇襲を仕掛けてきたのが他ならぬヤマンバであり、宵闇を活かしての巧みな攻撃やダイダラボッチの加勢もあって敢えない敗北を喫してしまう。


そんなこととは露知らず、翌朝ペンションを発ったカクレンジャーは手分けして山中の捜索に当たるも、彼らの知らぬ間にサイゾウは偽者にすり替わっており、行動を共にしていたセイカイジライヤ、そして異変を察知した鶴姫までもが、相次いでヤマンバ達の手に落ちてしまう。

ただ一人残されたサスケの相手を、偽者のカクレンジャーや山に化けていたダイダラボッチに任せる一方、ヤマンバはペンションの前に引っ立てた鶴姫達を前に、自らの正体と共にこのペンションが自分達姉弟の隠れ蓑であったこと、そして飼われていた鶏も行方不明になった子供達が姿を変えられたものであることを明かし、まとめて始末しようと迫る・・・のだが、そこに間一髪ニンジャレッドが駆けつけ、4人の抹殺を寸前で阻まれることとなる。偽者をまとめて退治した際、老婆のペンダントがそばに落ちていたことからサスケもまた敵の企みを察しており、ダイダラボッチをニンジャマンに足止めさせることでここまで駆けつけるに至ったのであった。

5人揃ったカクレンジャーを相手に、それでも短剣を振るって圧倒してみせたヤマンバであったがしかし、ダイダラボッチが三神将サムライマンの前に敗れたことで動揺した隙を突かれ、カクレマル・雷光破によって大ダメージを受けたため、「おのれカクレンジャー・・・この恨み、必ず晴らしてやる!」との捨て台詞を残し、その場から退くに至った。


這々の体でガイコツ城へと戻ってきたヤマンバは、先にカクレンジャーがペンションに現れたことを報告した際も含め、それまでの数々の冷淡な扱いが「肉親の情に溺れていては、この地上に妖怪王国を築く事は不可能」との考えによるものであったこと、そしてこの一件で弟を失い、カクレンジャーへの憎しみを一層募らせたヤマンバの怒りこそが欲しかったと、大魔王から打ち明けられることとなる。

そして、カクレンジャーとの最終決戦に踏み切ることを宣言した大魔王は、全ての妖怪達から捧げられた憎しみのパワーをヤマンバに与えることで、彼女を新たな姿へとパワーアップさせたのである・・・。


バトルスタイル

「馬鹿め! 人間に憎しみと怒りと絶望がある限り、私は不死身だ! アハハハハハハ!」(第52話)


全ての妖怪から注がれた妖怪エネルギーにより、ヤマンバがパワーアップした状態。

形相や菱形の意匠にかつての名残が窺えるものの、その出で立ちはよりスマートかつシャープなものへと変化、募る憎しみを表すかのように体色も赤い部分がより広がっているのが特徴である。

パワーアップ前からの得物である短剣などを駆使した攻撃もより強力なものとなっているが、それ以上に厄介かつ恐るべき特性として、上記の台詞の通り「人間の負の思念から生じる妖怪エネルギーにより、際限なく回復することができる」というものが挙げられる。ある意味では、本作に登場する妖怪の本質の一端とも言えるこの特性により、三神将を相手に回しても圧倒的優位に立つことも不可能ではない。



前述の通りカクレンジャーとの最終決戦を宣言した大魔王は、石化させていた白面郎を自らの操り人形として目覚めさせ、地上を破壊して回るよう仕向けるが、バトルスタイルへと転じたヤマンバも花のくノ一組と共に、混乱真っ只中の地上に現れるや「白面郎が鶴姫の父である」という事実を人々に伝え、彼や鶴姫への憎悪を煽ることで大魔王による妖怪エネルギーの収集を手助けした。

のみならず、父の変わり果てた姿にショックを受ける鶴姫の前に再び現れ、白面郎が大魔王の魔力により二度と元に戻れないこと、そしてそれを止める方法として一本の剣を与え、白面郎の心臓を突き刺すことで魔力が解け永遠の眠りにつくと伝え、彼女が「親殺し」という最大の禁忌に踏み切るよう仕向けてみせた。


「信じるも信じないも、お前の勝手。もうじき白面郎は、地獄ヶ原の洞窟へ行き、しばしの眠りに就く。

 その時、お前の手で刺さなければ、白面郎は永久に暴れ続け、人間共は苦しみ、死に絶えるのだ!」


全ては禁忌を犯した鶴姫を再起不能に追い込み、カクレンジャーをバラバラにせんとする大魔王の目論見であり、意を決して鶴姫が眠りに就いた白面郎の元へと向かう中、何としてもこれを止めようとするサスケ達の行く手をヤマンバと花のくノ一組は阻んでみせた。

しかしその目論見は太郎・次郎兄弟やブンの助太刀、そしてそれによって鶴姫の元に辿り着いたサスケの説得で失敗に終わり、やむ無くヤマンバは巨大化して白面郎を目覚めさせることで、彼等を直接始末しようとするものの、これもまた太郎・次郎兄弟の捨て身の妨害により果たせずに終わった。



サスケ「やいヤマンバ! よくも白面郎を使って人々を傷つけ、鶴姫を苦しめてくれたな! お前だけは、絶対許せねえ!」

ヤマンバ「黙れ! たとえ三神将だろうがニンジャマンだろうが、この私に勝てると思ってるのか!」


ヤマンバ、そして大魔王の卑劣な策略の前に怒りに燃えるカクレンジャーは、三神将やニンジャマンと共にヤマンバに相対し、これに怒涛の猛攻を仕掛ける。

だが白面郎を利用して集めた妖怪エネルギーを受け、ダメージを受けてもその度回復するヤマンバの前には、カクレンジャー達も消耗戦を強いられるばかりであり、遂には三神将やニンジャマンを地に伏せさせるに至る。


人間がいる限り、妖怪は滅びることはないと勝ち誇るヤマンバと大魔王であったが、戦いの中で破壊された大地の中に一輪の花を見つけたサスケが、そこから「悪意に負けない命のあり方」――即ち正しいことをしようとする勇気、命を大切にする気持ち、そして愛情と未来に対する希望を見出し、三神将からも鼓舞を受けたことでカクレンジャーは再び闘志を蘇らせることとなる。


隠大将軍「人は、どんなに辛いことがあっても、あきらめたりはしない! その人達のために立て、カクレンジャー! 人々に、愛と、希望と、勇気の光を与えるのだ!」

サスケ「そうだ、その通りだ! 俺達はそういう人達に支えられ、今まで戦ってきたはずだ!」


戦意を取り戻したカクレンジャー達により、無尽蔵の力を与えていた暗雲を払われたことで、圧倒的優位を覆されたヤマンバには最早為す術もなく、無敵将軍と隠大将軍のパンチを皮切りに、例によって「青二才」の禁句で変化したサムライマンのジャベリンによる突き、そして無敵キャノン一斉射撃の鉄拳・ゴッドフィニッシュの連撃が炸裂。「この私がやられるなんて・・・! 兄者ーッ!!」という断末魔と共に最期を迎えたのであった。


冷淡な扱いに徹していたとはいえ、大魔王も妹の死には動揺を隠しきれず、遂に自らの手で決着をつけるべくカクレンジャーの前にその姿を現すのである・・・。


備考

デザインはバトルスタイルも含めて篠原保が担当。作中における最後の妖怪であると同時に、篠原が手掛けた妖怪としてもこれが最後の一体であり、菱形の意匠が大魔王との共通項であることはデザインの段階から意図されていたようで、「偉い人達に関してはチェッカーで統一しようかな」と後年のインタビューでも明かしている。

得物である短剣は、原典が山姥であることからストレートに包丁をモチーフとしており、バトルスタイルについても通常形態をそのままボディスーツっぽく持ってきたくらいで、作業的には特に苦労してはいないという。


演者のうち、CV担当の北浜はスーパー戦隊シリーズへは本作が唯一の参加である一方、兄である大魔王を演じた柴田秀勝とはかつてTVアニメ『マジンガーZ』において、登場人物の一人であるあしゅら男爵を共に担当したという繋がりを持つ。

また人間態の老婆を演じた小甲は、本作へは第36話に続けて2度目の出演となるが、奇しくもその際に演じた役柄は「(大魔王が化けた)老婆」と、やはり大魔王に絡んだものとなっている。


関連タグ

忍者戦隊カクレンジャー

妖怪軍団 妖怪(カクレンジャー) 山姥

妖怪大魔王 ダイダラボッチ(カクレンジャー):それぞれヤマンバの兄と弟に当たる妖怪で、大魔王はその名の通り自分とダイダラボッチが属する妖怪軍団の首領である

貴公子ジュニアガシャドクロ):大魔王の実子にして、ヤマンバにとっては甥に当たる妖怪


坂田ネムノ:『東方Project』の登場キャラクターの一人。こちらも山姥をモチーフとしている点で共通項を有する

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