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ラミア航空2933便墜落事故

しゃぺこえんせのあくむ

ラミア航空2933便墜落事故とは、シャペコエンセというブラジルのサッカーチームが乗り込んだチャーター便が燃料切れでコロンビアにある山の中に墜落し、乗員とサッカー選手の大半が犠牲となった事故である。事故調査を進めるうちに呆れるしかない実態が浮かび上がってきた。
目次 [非表示]

事故内容

発生日時2016年11月28日
発生場所コロンビア メデジン郊外山中
機材 アブロRJ85
乗員4名
乗客73名
犠牲者71名

夢への快進撃

長い低迷時代の後2014年にブラジルのセリエAに昇格したアソシアソン・シャペコエンセ・ジ・フチボウ(以降シャペコエンセと省略させていただく)は2016年のコパ・スダメリカーナ2016にて快進撃をし、決勝に進出。アトレティコ・ナシオナルとの試合に備えてラミア航空のチャーター便に搭乗しコロンビアのメデジンに向かっていた。


ちなみにラミア航空はボリビアの格安航空会社だが、ブラジルからコロンビアに向かう航空便にボリビアの会社を使うのは規則で許可されておらず、チームは一度ボリビアのビルビル空港に向かった後当該機に乗り換え試合に備えながら移動していた。


夢の晴れ舞台を目前に意気が高揚していたサッカーチーム。だが、彼らは自分達に破滅の運命が待ち構えているとは思いもしなかったのである。


コロンビア上空の惨劇

チームが乗り込んだラミア航空機はあと少しで着陸というところで別の機が燃料漏れで緊急着陸するために上空で待機していた。が、それに対処したところでラミア航空側が「燃料問題があるので優先的アプローチが欲しい」という報告が入ってくる。

管制官が戸周辺機も含め対処していると、30秒後に今度はラミア航空側は「燃料緊急事態発生により最終進入させてほしい」といきなりひっ迫した状況を伝えてその直後に管制官の指示を無視し降下し始めた。

2993便はあやうく他機に接触しかけ、レーダーから消えそのままラ・ウニオンの山中に激突した。そして乗務員一人と乗客6人を残して死亡し、収容された乗客のうちマルコス・ダニーロ・パジーリャも搬送中に息を引き取った。


生還した選手のうちジャクソン・ホルマンとエリオ・ネトは選手生命を絶たれ、復帰できたのは脊髄手術の末回復したアラン・ルシェウ只一人であった。

対戦相手のアトレティコ・ナシオナルは彼らへの哀悼の意を示すために優勝をシャペコエンセに譲ることを宣言した。



呆れるしかないラミア航空の惨状

調査チームが現場検証をしてみたところ、奇妙なことに気が付いた。航空燃料のにおいがまるでせず、発見した燃料タンクのメモリが空になっていたのである。(普通は旅客機は天候や空港の管制による上空待機指示を見越して、目的地への到達に必要な最低限の量だけでなく更に上乗せした量を計算して積まなければならない。)

更には回収してラボに持ち込んだコクピットボイスレコーダーとフライトレコーダーのデータを抽出してみたところ、フライトレコーダーによると燃料切れの警告を緊急着陸の40分ほども無視しており(警告開始時には当機はボゴタに近くにあり、そこで給油すべきであった)、更には18000フィートというあまりに着陸するには早すぎる段階で着陸態勢を取り始めた。ボイスレコーダーの方はというと何故か墜落の1時間40分前に途切れていた


不審に思い調査官が事故機や操縦士の経歴を洗ってみたところ、当該機を担当した操縦士はいずれもテストをギリギリ合格して決して能力が高いとは言えず緊急事態に遭遇した時に隠蔽しようとする傾向にあるとのことだった。更にはサンタクルス空港で燃料をほぼ満タンにはしたものの運用していた機種ではメデジンまで飛行するのは厳しく、真っ直ぐ飛んで殆ど上空待機なしで着陸しないと燃料が足りなくなるような状態だった。

本来なら一度別の空港を中継して給油し改めてメデジンに向かうべきだったのだが、地上管制の「航路がすいてる」という報告を受けそれならギリギリ行けるだろうと早合点し結局メデジンまで強行し、上空待機中に燃料切れを起こしてしまったのである。飛行中、操縦席の後ろにいた女性研修生が燃料切れの懸念を口にしたが機長は無視してしまい望みが絶たれてしまった。


更に運航免許を停止された会社そのものを調査してみたところ呆れかえる様な実態が浮かび上がった。ラミア航空は資金繰りも機体運営も杜撰で社員への給料が滞りがちな上に、整備も滞りがちで事故当時機能していた機体はなんと2933便に運用していた機体だけだったのである。また、事故を起こして経営者の一人が起訴されたが、もう一人の経営者は事故を起こした機の機長だったのである。ボリビアの運営管理当局の監視が不十分だったためにこのような欠陥企業が見過ごされていたのであった。

結局ラミア航空は此の不祥事と資金不足による経営難で運航停止となった。



一方で同乗していて生き延びた乗客の一人の技術者は「多くの人々は席から立ち上がって叫び始めた。私は事故の際に推奨されている「不時着時の姿勢」を作るために足の間にバッグを置いていた」と、パニックになって不時着時の姿勢をとる事が出来なかったのが被害を拡大した一因ではないかと述べていた(実際犠牲者のうち11名は機外に放り出されていた)。

とはいえ事故の根本的な原因が、金が惜しく後ろめたい運航をしてることを隠したいばかりに乗客の命の安全を担う燃料の管理を怠りあまつさえそれを隠蔽しようとした、ラミア航空の杜撰な経営体制であることは覆らないであろう。上述のボイスレコーダーの停止も「おそらく不祥事がバレるのを恐れて、記録が残らないように切ったんだろう」と調査官は憶測している。


スポーツチームに大打撃を与えた航空事故

・ミュンヘンの悲劇

・ガボン航空惨事

・スペルガの悲劇

・ヤロスラヴリ旅客機墜落事故(これはアイスホッケーのチームが犠牲になった)

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