概要
リアルグレードとはバンダイが発売するキャラクタープラモデルのブランド名の一つ。略称はRG。ガンプラ関連では最も歴史の浅いブランドだが、それに反し積極的に展開するブランドでもある。
ガンプラ発売30周年を記念して2010年7月のRX-78-2 ガンダムが最初に発売された。
コンセプトは「よりリアルな雄姿の追求」。サイズは1/144とHGと同じながらも情報量はMGと同等かそれ以上という非常に密度の高いモデルとなっている。
なお、MGと違い第一弾のガンダムから2019年のνガンダムまではラインナップは全てガンダムシリーズ作品からの機体(MS)でガンプラ専用ブランドとなっていたが、2020年に初のガンダム以外の作品「新世紀エヴァンゲリオン」からエヴァ初号機のRG化が決定したためキャラクタープラモデルのジャンルになった。
これ以降も同作から他機体の商品化が進んだ他、勇者シリーズ(勇者王ガオガイガー)の参入と言ったように、ガンダム以外の分野においても積極的な展開が行われている。
奇しくもこれは第二弾以降全てガンダムシリーズの商品だが第一弾がエヴァ初号機だったためガンプラ専用ブランドを名乗れなかったPGとは逆の流れである。
立体物のパーツ割りこそMGに似てはいるものの、RG独自のアドバンスドMSジョイントが使われ続けたり、ウイングガンダム(TV版)ではコックピットの開閉ギミックが省略されたりするなど一概に「1/144化したMG」とは言えないところがある(RGでも再現できない箇所は潔く省略する方針のよう)。
だからといって同スケールのHG系とも上述の互換性の少なさもあってかなり構造が異なるため、現在もRGは「HGともMGとも異なる独自のブランド」という立ち位置は変わっていない。
商品仕様
外装パーツは表面の材質の違いを表現するために微妙に成形色が異なるパーツ同士をはめ合わせる手法を用いており、キットのランナーも大半がこの微妙に色が違う外装にあたるパーツで占められている。そのためこの外装のはめ込み作業だけで組み立てには時間を取られてしまうが、その分それまでのマスターグレード(MG)以上に部分塗装の必要がない設定画通りの成形色の完全再現を実現している(それでも補完しきれないところは下記のリアリスティックデカールで補う)。この手法はMGのνガンダムVer.KaやRX-78-2 ガンダムVer.3.0でも取り入れられた。
MGやHGにはない独自の特徴として半完成品フレームアドヴァンスドMSジョイントと金属的な光沢を放つステッカーリアリスティックデカールがある。
組み立てる際は1/144という極小サイズなので一つ一つのパーツが細かく白化・破損しやすいうえにキットによってはランナーゲートの箇所もあるため、説明書をよく読み慎重に組む必要がある。パーツの切り取りに薄刃ニッパーは必須(一応、一般的な模型用ニッパーでも切れないことはないが、マスク等の細かいパーツを破損させたりといったトラブルの発生確率は格段に上がる)で、可能ならデザインナイフも使用したほうがいい。もちろん完成後に無理に動かそうとするだけでもパーツが壊れたり白化するので注意。
なお、顔のマスク部に「への字スリット」がある種類のガンダムは殆ど物がスリットが開口されているが、元のガンダムのデザインによっては不格好になるという意見もあり賛否両論。ただし最近のものは開口されていないものが多い。
アドヴァンスドMSジョイント
ABS樹脂やPP等で多重成形されたランナーで、切り取るだけでそれが内部フレームの役割を果たす。これによりMGと違い内部フレームを組む際の負担が大幅に減る(その分外装はめ込みが多く、組み合わせの関係で配色が異なる箇所があったり、材質の都合上塗装にはプライマー必須でそれだけ手間が増えてしまうという問題もある)。
但し近年のキットでは、アドヴァンスドの関節の弱さと素材の関係からか、内部フレームはMGと同じ(もしくはそれに近い)形になり、アドヴァンスドは一部分にのみ使用するキットが多くなっている(実際インパルスガンダムは胸部とコアスプレンダーにのみ使用し、νガンダムに至っては本体部分には使用せず、フィン・ファンネル部分にのみ使用している)。
これはKPS素材の登場が関係しており、ダブルオークアンタの腕部フレームに初採用されたのを機に、以降はフレームを強度のあるKPS製に置き換える方向性になったものである(KPS導入以前のRG「Ζガンダム」では全身がMSジョイントになっている事が災いし、変形強度が弱く安定した状態で固定できないという欠点が生じた。MSジョイントの保持力を問題視した結果、KPSフレームが採用されたと言えなくもないのだ)。
限定品ではあるものの、RX-93ffνガンダムではロングレンジフィンファンネルにアドヴァンスドMSジョイントが使用されていないため、ついにモビルスーツの商品でも使われなくなった。
リアリスティックデカール
プラスティックの分割や成形色では表現しきれなかったカラー(主にメッキにあたる部分)を補完するのに使われる他、ディテールアップにも用いられる。これもMGのVer.Ka並に細かいものが多く、説明書通りに全部貼るとなるとかなりの労力を要する上に可動させると剝れてしまう箇所もあるため、一部しか貼らないユーザーもいるほどであった。
その他のマテリアル
さらなるリアルさの追求のためにガンダムMk-Ⅱのメッシュパイプやガンダムエクシアのホログラムパーツなどプラ以外の材質のパーツも付属する場合もある。
ラインナップ
新ブランドの宿命か、やはり人気機体が優先して商品化されている。
ガンダムのようなオーソドックスなギミック止まりの機体が限界かと思いきや、何とこのサイズで完全変形するΖガンダムまで出してしまった(仕様は察するべきだが)。バンダイの技術恐るべし。
なお、ビルドファイターズ系のコッソリ対応しているものでない限り、取り付け部形状の違うHGのストライカーパックなどとの互換性はない。
その他、当シリーズ対応のオプションパーツ(デスティニーガンダムの光の翼やガンダムエクシアリペアのダメージパーツなど)や既存RGのフレーム・一部外装を流用した派生機、SEED系ガンダムのディアクティブモードなどのカラーバリエーションがプレミアムバンダイ限定でリリースされるのがほぼお決まりとなっている。
ちなみに、ガンダムMk-Ⅱエゥーゴ仕様の発売前には、一部に成型不良が発覚、回収騒ぎが起こった(ティターンズ版は予定通り発売したため結局同時発売にはならなかった)。
一般発売
- RX-78-2 ガンダム(2010年7月)
- MS-06S シャア専用ザク(2010年11月)
- GAT-105X エールストライクガンダム(2011年4月)
- MS-06F 量産型ザク(2011年7月)
- ZGMF-X10A フリーダムガンダム(2011年11月)
- FX-550 スカイグラスパー+ランチャー・ソードパック(2012年2月)
- RX-178 ガンダムMk-Ⅱ ティーターンズ仕様(2012年4月)
- RX-178 ガンダムMk-Ⅱ エゥーゴ仕様(2012年5月)※1
- ZGMF-X09A ジャスティスガンダム(2012年7月)
- MSZ-006 Ζガンダム(2012年11月)
- ZGMF-X42S デスティニーガンダム(2013年4月)
- RG 1/144 RX-78GP01 ガンダム試作1号機ゼフィランサス(2013年7月)
- RX-78GP01Fb ガンダム試作1号機フルバーニアン(2013年7月)
- ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダム(2013年11月)
- GN-001 ガンダムエクシア(2014年4月)
- MSM-07S シャア専用ズゴック(2014年7月)
- XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ エンドレスワルツ版(2014年12月)
- GN-0000+GNR-010 ダブルオーライザー(2015年4月)
- MBF-P02 ガンダムアストレイレッドフレーム(2015年8月)
- XXXG-01W ウイングガンダム エンドレスワルツ版(2016年1月)
- GNT-0000 ダブルオークアンタ(2016年5月)※2
- MSN-06S シナンジュ(2016年8月)
- GAT-X105B/FP ビルドストライクガンダム フルパッケージ(2016年12月)
- MBF-P01-Re2 ガンダムアストレイ ゴールドフレーム天ミナ(2017年3月)
- RX-0 ユニコーンガンダム(2017年08月)
- MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザクⅡ(2017年11月)
- RX-0[N] ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン(2018年2月)
- OZ-00MS トールギス エンドレスワルツ版(2018年4月)
- MSN-04 サザビー(2018年8月)
- RX-0 フルアーマー・ユニコーンガンダム(2018年12月)
- XM-X1 クロスボーン・ガンダムX1(2019年5月)
- RX-93 νガンダム(2019年8月)※3
- ZGMF-X56S/α フォースインパルスガンダム(2020年4月)
- MSN-02 ジオング(2021年1月)※4
- XXXG-01W ウイングガンダム(TV版)(2021年6月)
- RX-93-ν2 Hi-νガンダム(2021年9月)
- GF13-017NJII ゴッドガンダム(2022年8月)
- OZ-13MS ガンダムエピオン(2023年9月)
ガンダム以外
新世紀エヴァンゲリオン
エヴァンゲリオン初号機DX輸送台セット(2020年3月)
エヴァンゲリオン試作零号機DX陽電子砲セット(2020年6月)
エヴァンゲリオン正規実用型2号機(2020年9月)
エヴァンゲリオン正規実用型(ヴィレカスタム)8号機α(2021年1月)
勇者王ガオガイガー
ガオガイガー (2022年9月予定)
プレミアムバンダイ限定
- SEEDシリーズ各ガンダムディアクティブモード(ストライクガンダムはストライカーなしでの単体販売)
- 00シリーズトランザムモード
- その他限定カラー(ビルドストライクのRGシステムイメージカラー等)
- MBF-02 ストライクルージュ
- MSZ-006-3 Zガンダム3号機
- RX-78/C.A キャスバル専用ガンダム
- GNY-001F ガンダムアストレアTYPE-F
- RX-78-3 G3ガンダム
- MSM-07 量産型ズゴック
- MBF-P03 ガンダムアストレイブルーフレーム
- MBF-P01 ガンダムアストレイゴールドフレーム
- GN0000/7S ダブルオーガンダムセブンソード
- GN-001REII ガンダムエクシアリペアⅡ
- GNT-0000/FS ダブルオークアンタフルセイバー
- MBF-P01-Re ガンダムアストレイゴールドフレーム天
- GN-0000GNHW/7SGD2 ダブルオーガンダムセブンソード/Gインスペクション
- MS-06R-1A シン・マツナガ専用ザクⅡ
- MS-06R-1A 黒い三連星専用ザクⅡ
- MS-06F ザク・マインレイヤー
- MS-06R-2 ギャビー・ハザード専用ザクⅡ
- OZ-00MS2 トールギスⅡ
- MS-06-1A エリック・マンスフィールド専用ザクⅡ
- GN-001REIII ガンダムエクシアリペアⅢ
- MBF-P01-Re3 ガンダムアストレイゴールドフレーム天ハナ
- OZ-00MS2B トールギスⅢ
- GAT-X105+AQM/E-YM1 パーフェクトストライクガンダム
- XM-X2 クロスボーン・ガンダムX2
- MS-06R-1A ユーマ・ライトニング専用ザクⅡ
- RX-0 ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(ナラティブVer.)
- OZ-00MS トールギス(TV版カラー)
- FA-93HWS νガンダムHWS
- ZGMF-X56S/β ソードインパルスガンダム
- RX-78-2 ガンダム(チームブライトカスタム)
- MS-06-R1A 高機動型ザクⅡ(チームモンストルカスタム)
- MS-06-R2 ロバート・ギリアム専用ザクⅡ
- ZGMF-X56S/Θ デスティニーインパルス
- GN-0000+GNR-010/XN ダブルオーザンライザー
プレミアムバンダイ(ガンダム以外)
新世紀エヴァンゲリオン
エヴァンゲリオン初号機(夜間戦闘仕様)
勇者王ガオガイガー
ガンダムベース限定
- GN-0000/FS ダブルオークアンタフルセイバー (トランザムクリアVer.)
- RX-0 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ
- GN-001 ガンダムエクシア(トランザムクリアVer.)
- GN-0000+GNR-010 ダブルオーライザー(トランザムクリアVer.)
- GNT-0000 ダブルオークアンタ(トランザムクリアVer.)
オプションパーツのみの販売
- ガンダムアストレア
- ガンダムエクシアリペア
- デスティニーガンダム用光の翼
- ストライクフリーダムガンダム用光の翼
- ユニコーンガンダム2号機 バンシィ・ノルン用アームド・アーマーVN/BS
- νガンダム用ダブル・フィン・ファンネル 拡張ユニット
- νガンダム用HWS拡張セット
- Hi-νガンダム用ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー(漫画ベルトーチカ・チルドレン版)
- Hi-νガンダム用フィン・ファンネルエフェクト※5
※1:ティターンズ仕様と同時発売の予定が上記の成形色不良により半月ほど延期。
※2:初めてKPSフレームを部分的に採用。
※3:アドヴァンスドMSジョイントが本体に採用されていない初の商品。
※4:この商品からパイロットのフィギュアが付属しなくなった。
※5:νガンダムにも使用可能。
余談
ガンダムビルドシリーズである『ガンダムビルドリアル』では、主人公機を含め殆どの機体がリアルグレードで登場する。