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概要

ドイツ連邦陸軍現行主力戦車。最初の生産車が1979年に納入されてから、30年以上経過しているものの、絶え間なく改良が続けられ、いまだに第1線級の戦闘力を誇る。


誕生までの経緯

「レオパルト2」はその名前にもかかわらず、実はレオパルト1の単純な新バージョンではない。

元々はアメリカとのMBT-70KPz70)の共同開発プロジェクトであったが、双方の要望を盛り込んでいくうちに重量が増大し、さらに想定より開発コストが超えてしまったため、最終的にプロジェクトは中止された。

その後、アメリカと西ドイツの双方はMBT-70(KPz70)の開発で得られたノウハウを生かし、それぞれ「M1エイブラムス」と「レオパルト2」を開発したのである。


金メッキのレオパルト(レオパルト2開発計画)

純国産の新式戦車の開発は1970年にクラウス・マッファイ社によって始められた。

1年後には新戦車の名称は「レオパルト2」と決定され、元のレオパルト戦車は「レオパルト1」となった。同年17輌の試作車が発注され、16輌が製造された。開発は進み1977年1月に西ドイツ軍は3輌の車体と2基の砲塔からなる量産試作車を発注したが、これらは車体前面により強化された装甲を装備していた。続いて1977年9月に1,800輌のレオパルト2が発注され、5つの量産バッチに分けて製造された。最初のバッチは1979年10月25日に納入された。


性能

当初より、西側第三世代主力戦車の標準装備である「複合装甲」「120mm滑腔砲(レオパルト2の場合はラインメタル社製44口径120mm滑腔砲)」「1500馬力級エンジン」を備えている。

1980年代後半には「KWS(Kampfwertsteigerung=戦闘能力強化)」という、3段階に分けて攻撃力と防御力の向上を図る改良計画が立案され、A5以降ではこれに基づく改良が行われた。

Leopard-2 WehrmachtLeopard 2A6

(左:A4 右:A6)

A0からA4までの初期型は、かつてのドイツ軍戦車のような台形型の砲塔を採用していた。

A5から先述したKWSの第2段階(第1段階及び第3段階より先行して研究開発された)に基づき、隔壁装甲または楔装甲と呼ばれる空間装甲板を砲塔前面及び側面に付加。射撃統制装置を改良し、車長用ハッチ後方に全周旋回可能な車長用サイトを増設したものになった。

A6からはA5をベースにKWSの第1段階に基づき、主砲をA5までに搭載されていた44口径120mm滑腔砲から55口径120mm滑腔砲に換装。専用のAPFSDSを使用する事により有効射程が向上した。

ちなみにKWSの第3段階では更なる攻撃力アップを目的として主砲をなんと140mm滑腔砲に換装し、合わせて自動装填装置などを備えた新型砲塔に換装する計画だったが、実際にプロトタイプに140mm滑腔砲を搭載して試験が行われたものの結局採用はされずにボツとなった(ちなみに後にレオパルト2を採用したスイスでも、国産140mm滑腔砲を搭載して試験を行ったという)。

これらの改良によって戦闘能力は当初より向上したが、代償として重量が増加したこと(A4で約55トンだったのがA5では約59トン、A6では約61トンに増加)で機動性や航続距離が悪化した。加えてA6では主砲の長砲身化に伴い、市街地や森林での取り回しが悪化したことで当初の評判はあまり良くなかったという。


最新型のA7(及びその改良型のA7V)は増加装甲の追加による防御力向上やべトロニクス強化などが行われているが、結果重量が67.5トンの超重量級戦車と化した(奇しくも同じドイツで開発され機動力不足に苦しめられたティーガーⅡに迫る重量である。参考までにM1A2エイブラムスやチャレンジャー2でさえ62トンである)。そのため足回りも強化されている。

ちなみにその後、2023年よりイスラエル製の「トロフィー」アクティブ防護システムが搭載されることとなり、対戦車ミサイルやRPGなどの対戦車榴弾への防護性能向上が図られることとなった。


今の所本格的な戦車戦に投入された事はないが、旧型のA4は現代の基準で見れば既に防御力の陳腐化が否めず、シリア内戦に介入したトルコ軍の車両が対戦車ミサイルなどで10両以上撃破される憂き目に遭った。また、砲塔の後部だけでなく根元にも弾薬を収納しているため、ここに誘爆すると砲塔が丸ごと吹き飛ぶという弱点も露になった。


ヨーロッパ・スタンダード

レオパルト1と同じく多くのヨーロッパの国々に採用された。

ヨーロッパでレオパルト2を採用した国は、オーストリアオランダスイスギリシャスペインポルトガルデンマークスウェーデンノルウェーフィンランドポーランドトルコハンガリーチェコスロバキアである。

これは、自国で戦車開発をしているイギリスフランスイタリアと、現在もロシア製の戦車を配備している東欧諸国を除けば、ほぼすべてのヨーロッパの国で採用されていることになる。

その理由は、冷戦終結後の軍縮によって余剰となった大量の車両が安価に出回った点もあるが、何より堅実でありながら発展に余裕のある設計でそれぞれの使用国に合った独自のカスタマイズができ、それらの要望に応じるサポート態勢を備えているところである。

そのため、レオパルト2は「欧州標準戦車」とまで言われるようになった。


ヨーロッパ以外で採用した国は、カナダチリシンガポールインドネシアカタール等ががある。

カナダは非対称戦争に合わせて戦車を全廃し、ストライカー等の装甲車で代替しようとしていたが、アフガニスタンでは装甲車だと防御力も火力も圧倒的に不足しており、持ち込んだレオパルト1が効果を発揮したために方針を撤回、オランダとドイツからレオパルト2を緊急調達し、アフガニスタンに投入することとなった。

2022年にはロシアによるウクライナ侵攻に伴い、レオパルト2ウクライナへ供与する動きも起き、紆余曲折の末供与が決定。保有する各国からの供与が始まり、夏から始まった反攻作戦で満を持して実戦投入。撃破されたものも出てきているものの、T-80を砲撃戦で撃破するなどの戦果を挙げている。また、供与した分の穴埋めのため、ドイツ軍向けの生産が再開される。


このように世界各国に広まった結果、さまざまなバリエーションが存在しており、A4に対し追加装甲パッケージを使用した近代化改修型も開発されている。

加えて2006年には、国連PKO(平和維持活動)における市街戦対応を目的としたPSOが公開。こちらでは取り回しを重視してか主砲は44口径120mm滑腔砲と据え置きつつ、増加装甲の搭載や索敵性能の向上、RWS(遠隔操作式銃架)を搭載するといった仕様となっており、加えて車体前方に障害物排除用のドーザープレートが装備されている。ちなみにこれの要素の一部は、現在の最新型であるA7にも取り入れられている。


後継について

後継としては、現在フランスと共同でレオパルト3とも呼ばれるEMBT(欧州主力戦車)計画が進められている。レオパルト2A7の車体にルクレールの砲塔を乗せて乗員を3名に減らし軽量化を図るもので、2035年からの配備を予定している。


登場作品

ノルウェー陸軍の戦車として登場。進撃するトロールの迎撃を行う。

GUYSの保有戦力として登場。90式戦車と共にインペライザーを迎撃する。

面堂家の私設軍隊の戦車として登場。

Air』では戦略自衛隊の戦車として、『新劇場版:序』では国連軍の戦車として架空の改良型が登場。

主人公たちが使える武器としてストーリー後半に購入可能。対象は1グループながらも与えるダメージが破格で、これ1台あれば雑魚戦は概ね何とかなる。

ひとりで複数装備が可能であるなど、戦車というよりは重火器という扱いに近いが、使用時には敵からの物理攻撃を高確率で防ぐあたりちゃんと乗り込んで運用している模様(DS版では実際に防御時には車体が映る)。

EUの主力戦車として登場。一部の作品では車載機銃がM2重機関銃に変更されている。

7』でオーシア陸軍の戦車として登場。

また『6』のエメリア陸軍の戦車は本車の車体にチャレンジャー2の砲塔を載せたような外観をしている。

初代PS「コンバットチョロQ」とPS2「新コンバットチョロQ」に登場。

「コンバットチョロQ」では初期型が「レオパルド2」、A5型が「レオパルド2改」として登場。レオパルド2は作戦31「軍用機破壊指令」から、レオパルド2改は作戦39「グレートレース」から登場する。

共に後半に登場する戦後型戦車ということもあって最強クラスの性能を誇る。

「新コンバットチョロQ」では前期型が「レオパルト2」、A5型が「レオパルト2改」として登場。タンク図鑑では「現代によみがえったティーガー」と紹介される。

レオパルト2はバトルアリーナ「ワイルド」で勝利、レオパルト2改は「越えろ!大防衛線」をクリアすると使用可能となる。

敵タンクとしてはレオパルト2が「越えろ!大防衛線」に、レオパルト2改が「Qシュタイン帝国」に登場している。

いずれも同軸機関銃タイプ「T」カテゴリーの武装を装備可能。

関連タグ

戦車 ドイツ連邦軍

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