前置き
幕末にヨーロッパの理論に基づいて築造されたもので、同時代に日本で建造された五芒星形の城郭を「五稜郭」と通称するが、一般に「五稜郭」といえば、日本最大の星形城郭である函館のそれ(旧箱館御役所)を指すことが多い。
旧箱館御役所
ヨーロッパの稜堡式の築城理論に基づき、元々はもっと大きなものを作る予定だったが、費用の不足が原因で予定よりも大幅に縮小されて作られた。このため五稜郭の防御機能は本来の星形要塞に比べ不完全なものになっており、戊辰戦争であっけなく落城した原因となった。
JR北海道、道南いさりび鉄道の最寄り駅として「五稜郭駅」が存在しているが、五稜郭駅から五稜郭までは2kmほどあり、交通機関でのアクセスも便利とは言えない。もうひと駅移動し、函館駅から路線バスや函館市電を利用したほうがアクセス性が高い。
その他の星型城塞
函館周辺には星形要塞が多く、北斗市には松前藩が築いた日本初の稜堡式城郭である戸切地陣屋跡(四稜郭、ただし単に「四稜郭」と言えば後述の神山台場を指すのが一般的)があるほか、函館市には箱館戦争の際に五稜郭の支城として築かれた神山台場(四稜郭)、七飯町の山中には峠下台場(七稜郭)という野戦築城跡がある。
長野県佐久市には龍岡城という五稜郭があり、現在は学校になっている。こちらは堀の幅が4~5間(約7~9メートル)しかなく、本来ならばすべての稜堡に置かれるべき砲台は1基しかない。城郭としての防御性能は著しく低く、領主であった奥殿藩藩主・松平乗謨の砲術への興味が高じたものとするのが一般的である。
海外の星形要塞
関連タグ
100万ドルの五稜星:舞台の1つになることが予想され、キービジュアルにも登場