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初春(駆逐艦)

はつはる

初春とは、大日本帝国海軍の駆逐艦である。神風型駆逐艦(初代)と初春型駆逐艦の2隻存在する。
目次 [非表示]

概要

  1. 神風型駆逐艦(初代)の1隻。初代。1905年11月11日川崎造船所で起工。1906年5月21日進水。1924年12月1日除籍。1926年6月16日、廃船。1928年年8月13日航空母艦赤城・鳳翔搭載機の爆撃標的として撃沈処分。
  2. 初春型駆逐艦1番艦。2代目。本記事で説明

艦歴

1931年5月14日、佐世保工廠で起工。

1932年8月1日、建造中の駆逐艦1番艦に「初春」の艦名が与えられた。(同様に2番艦、3番艦にもそれぞれ「子日」「若葉」の艦名が与えられた)

1933年2月27日、進水。 

1933年9月30日、竣工。2番艦「子日」も同日附で竣工し、2隻で第二十一駆逐艦を編成。

1934年 、3番艦「若葉」、4番艦「初霜」も竣工。それぞれ第二十一駆逐隊に編入され、同隊は定数4隻を揃えた。


1944年11月13日、マニラ湾空襲にて着底。

1945年1月10日、除籍。


史実

駆逐艦「初春」型

初春型駆逐艦全体の性能については、初春型駆逐艦の記事も参照のこと。


初春型駆逐艦は、「小型の艦に特型駆逐艦並みの武装を施す」というコンセプトの元、開発が進められた。その結果、初春型は特型に比べ全長約10m、全幅約40cm小型化している。

しかし、その無茶なコンセプトが仇となり、艦の重心が上の方になって不安定になるトップヘビー状態になってしまい、初春は竣工前の試験航行の際に船体に傾斜が発生し沈みかけ、あわや廃艦になるところだった。また、同時期に艦のトップヘビーが原因の帝国海軍史に残る大事故友鶴事件も起こっており、早急な解決が求められた。

これらの問題点を解消する為に、もはや別の艦と見まごうほどの大規模な改装を受け、何とか初春は竣工にこぎつけた。しかしその代償は大きく、魚雷次発装填装置を標準装備している点と、厨房のコンロがオイル炊きになった点以外は、ほぼ全ての能力において特型駆逐艦にボロ負けという残念な性能になってしまった。


そんな初春は、同型艦である子日、若葉、初霜と共に第二十一駆逐隊を編成し、長期にわたり第一水雷戦隊に所属する事となり、南方の攻略、そして北方哨戒などの任務を歴任する。1942年1月には、フィリピンのダバオ沖で軽巡洋艦長良」と衝突し、修理を行っている。

1942年にはアリューシャン方面作戦(AL作戦)に参加し、アッツ島攻略作戦に従事した後に、千島方面での活動に専念した。しかし同年10月、北方海域のキスカ島への輸送中に敵機の攻撃を受けて航行不能に陥り、曳航されて舞鶴にまで戻り翌年9月末までの入渠を余儀なくされる。

修復後は、シンガポール、トラック島、千島列島へと多くの海域での護送任務を行った。レイテ沖海戦にも第五艦隊で参加しているが、若葉・初霜と共に別働隊として輸送任務に就き、海戦には参加していない。


そして、レイテ沖海戦直後の1944年10月から12月にかけて行われた、フィリピンのマニラからレイテ島オルモックへの増援輸送作戦である多号作戦に参加する事となった初春は、その第2次作戦中、途中で空襲に遭うものの輸送作戦を成功させ、マニラに帰投する。

その後、「島風」と共に第3次作戦に参加する予定だったが、先に実行された第4次作戦から帰投した「長波」らと合流した事で、本艦は第4次作戦の部隊の一部と共にマニラへと引き返した(なお、この後第3次作戦の面々は敵艦上攻撃機の攻撃を受けて、「朝霜」を残し壊滅している)。

1944年11月13日、軽巡洋艦「木曾」、駆逐艦「」「沖波」「秋霜」とともにマニラ湾で停泊中に、米空母機動部隊による空襲に巻き込まれ大破着底、そのまま終戦を迎えた。


1945年1月10日除籍。これにともない改初春型(有明型)も含めた残存する初春型駆逐艦は初霜1隻のみとなった。


なお、第二次大戦終結後の1946年に米軍により撮影された写真では、着底した位置は岸壁に近い方より沖波、初春、木曾となっているが、木曾や沖波に比べて破損が甚大だったという。その後については、解体されたとも自然海没したとも言われ、定かではない。


関連項目

駆逐艦 初春型駆逐艦 特型駆逐艦(前級)


同型艦

子日/若葉/初霜/有明/夕暮


初春(艦隊これくしょん)…初春をモチーフにした「艦隊これくしょん」のゲームキャラ

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