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双亡亭壊すべし

そうぼうていこわすべし

『週刊少年サンデー』で2016年から2021年にかけて連載された藤田和日郎のホラー漫画。単行本は全25巻。
目次 [非表示]

概要

怪奇に満ちた恐るべき屋敷「双亡亭」とそれを破壊しようする者たちとの戦いを描くモダンホラー

たまたま双亡亭の戦いに巻き込まれた貧乏絵描き・凧葉務と、様々な理由で双亡亭に挑む3人の者たちを主軸に物語が展開されていく。


ストーリー

東京・沼半井町に佇む屋敷「双亡亭」は大正時代より存在し、有名な幽霊屋敷として噂されていた。近隣に住む凧葉務は、「双亡亭」に引っ越してきた少年・緑朗と仲良くなるが、緑朗はその家で父を亡くしてしまう。

そんな時総理が、因縁深い「双亡亭」へ異例の空爆を指示。しかし屋敷は自衛隊の空爆を受けても傷一つ負わなかった…

その直後、45年前の行方不明機が突如飛来し、中には一人の生存者・凧葉青一が乗っていた。務の親戚と思われる名の不思議な少年は、緑朗同様に双亡亭を憎んでいるが…


キーワード

双亡亭

1925年(大正14)、画家・坂巻泥努によって10年かけて建設された屋敷。

7200平方メートル、2178坪の敷地内に複数の棟が廊下によって繋がっている。

幽霊屋敷として有名で訪れた人は大概の場合無事戻ってくるが、稀に行方不明になる人もいるという。

屋敷で怪異に遭遇したものは得体の知れない何かに飲み込まれ、見つかったときには飲み込まれた人の形をした「何か」に成り果てるらしい。

怪異に遭遇しながら生き延びは人は双亡亭対して激しい憎悪に憑りつかれる。

「双亡亭壊すべし」と……。 


登場人物

凧葉務(たこは つとむ)

美大を卒業したての絵本作家になりたい貧乏絵描き。

双亡亭の隣のアパートに住んでいた。緑朗の父の死亡事件や自衛隊による双亡亭の空爆に巻き込まれる。


立木緑朗(たちき ろくろう)

「双亡亭」の一角に引っ越してきた少年。近所のアパートに住む凧葉と知り合い、親交を持つようになる。「双亡亭」にて父を亡くす。小学生。


柘植紅(つげ くれない)

緑朗の姉。緑朗と離れて暮らしていた。

刀巫覡(かたなふげき)という巫女。小刀を使い厭魅(のろい)を断ち切る。お払いの力は現役の巫女で日本一と名高い。


凧葉青一(たこは せいいち)

45年前、行方不明となった旅客機に乗って羽田空港に現れた謎の少年。身体の一部を螺旋状に硬化させる力を持つ。

行方不明時は小学6年生で、凧葉の遠縁の親戚にあたる人物と同姓同名。


破壊者たち

斯波 敦

現内閣総理大臣。過去、双亡亭で幼なじみを亡くす。「双亡亭破壊作戦」立案者。

桐生 信一

防衛大臣。斯波とは中学生の時からの親友であり、彼とともに双亡亭の破壊に情熱を傾ける。



宿木

環境省「特殊災害対策室」作戦課。三白眼の生真面目そうな女性で、突入部隊の隊長として双亡亭破壊作戦に関わる。

森田

環境省「特殊災害対策室」生活安全課に所属。情報担当として双亡亭破壊作戦に関わる。



鬼離田三姉妹

現代最高の感知能力を持つ占い師。長女の菊代、次女の雪代、三女の琴代の三姉妹。

姉妹の1人に瞳を集め相手の弱点を瞬時に見極める力や、「お糸童子」などの鬼神を依り代に召喚して使役する力を持つ。



トラヴィス・アウグスト

アメリカ超自然現象研究会のメンバー。娘のナンシーや養女のフロル、助手らと共に双亡亭破壊作戦に関わる。心霊現象を科学で分析する。

フロル・ホロパイネン

アウグスト博士の養女で、物体を瞬間的に移動させる能力〈アポーツ〉や遠距離の能力者と交信可能な〈テレパシィ〉などの超能力を持つ。



マーグ夫妻

車椅子姿の妻・ジョセフィーン、資産家の夫・バレットの老夫婦。

ジョセフィーンは、「メアリー」という人形を使って炎を操る霊能力者。常にメアリーに向かって話しかけており、周囲からは「とっくに正気じゃない」とも言われている。

バレットは妻の車椅子を押しながら、相手の攻撃に対応できるほどの俊敏性と怪力の持ち主。妻の通訳も担当している。




黄ノ下残花

旧日本軍少尉。 昭和7年の首相暗殺犯を追って突入した双亡亭で幼馴染の泥努と邂逅。

彼が描いた絵に引きずり込まれて重傷を負う。嗤いながら自分を殺そうとした泥努に復讐を誓う。


帰黒

大正時代の新興宗教『白城百水教』で「生き本尊」を務めていた巫女。

空気を舐めてその「味」によってさまざまな事象を知ることができる。自らの白髪を自在に操る。



その他

坂巻泥努(さかまき でいど)

双亡亭の主。紡績業で財を成した資産家の長男。画家志望だったが関東大震災後に精神に変調をきたし、国外旅行から帰国後の1925年より全財産を投じて双亡亭の建設に着手した。


肖像画の中の男

凧葉が肖像画に取り込まれた際、その内部で出会った画家。気難しそうな性格で、自身の芸術表現は診察と称し、凡人には決して理解できないものだと語る。


凧葉まこと(たこは まこと)

青一の年下のきょうだい。


関連項目

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