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本名:吉澤保己(1950年1月8日~)


概要

日本の男性漫画家。1970年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載された漫画『ど根性ガエル』の作者。


長女は漫画家イラストレーター大月悠祐子(旧名:かなん)。その夫、大井昌和も漫画家である。


来歴

1950年1月8日、山梨市山梨県)に誕生。父親はギャンブルに嵌って失踪し、母子家庭に育った。

1965年、山梨県立日川高等学校に入学。同人作家として活動し、貝塚ひろしが主催する同人誌「まんがマニア」に漫画を投稿していた。

1968年、高校を卒業し上京。貝塚ひろしのアシスタントとなる。貝塚も母子家庭育ちで吉沢には優しかった。


1970年、貝塚ひろしの紹介で「週刊少年ジャンプ」に読切作品として『ど根性ガエル』が掲載される。すぐに連載が決まり、初期の少年ジャンプを支えるヒット作となった。

1972年、TBS系列で『ど根性ガエル』のアニメが放映され、2年近く続く人気作となる。

1973年、『ど根性ガエル』の儲けで家が建った。

1976年、『ど根性ガエル』の連載が終了。

1981年、日本テレビ系で放映されるアニメ『新・ど根性ガエル』に合わせ、「月刊少年ジャンプ」(集英社)で『新・ど根性ガエル』を連載。


失踪、そして現在

ど根性ガエル』の連載終了後はヒット作に恵まれない日々が続き、ペンを持つと手が震えて漫画が描けなくなる。

1982年秋、スタッフや家族を捨てて失踪。失踪中はパチンコ賭け麻雀をして過ごし、帰宅した時は千円札一枚しか持っていなかった。その後もギャンブル狂いは止まず、『ど根性ガエル』で築いた財産を食いつぶしてしまった。看護師の資格を持っていた妻が働きに出る。

漫画の仕事は完全に無くなり、警備員清掃員の仕事などで糊口をしのぐ。


息子の吉澤康宏氏(レントゲン技師)は漫画家がいかに不安定な職業であるかを目の当たりにし、その道に進む事はひとつも考えなかったと後年、田中圭一のマンガ『ペンと箸』第8話で語っている。⇒ウェブによる掲載ページ


1993年、ドラマ『ひとつ屋根の下で』(フジテレビ)で主演の江口洋介がピョン吉Tシャツを着ていた事から『ど根性ガエル』が再び注目され、ソルマック大鵬薬品工業)のCMに採用された事でなんとか生活が安定に向かった。

ドラマ化の話は実際再び老後の先行きに不安が見えていた矢先の話であったという。生活が苦しくなった時、ピョン吉が助けてくれたとは本人の弁。


漫画家としての活動は既に行っていないが、絵を描くのが苦痛になっていた事は孫(康宏の子)と一緒に絵を自由に描く事と互いに褒め合う事で少しずつ改善されていたという。


ただし、これは息子の視点であり、娘の視点からは美談とは到底言えない壮絶なものだった。


大月悠祐子から見た吉沢やすみ

大月悠祐子が2015年から連載している『ど根性ガエルの娘』(週刊アスキー(KADOKAWA)→ヤングアニマルDensi(白泉社)→マンガPark(同上))にて描かれる吉沢は徹底した畜生であり、娘側の視点では吉沢家は家庭崩壊かつ機能不全家族という衝撃的なものであった。

これまで表に出ていなかった父のDVとそれに伴う母の異常さが赤裸々に語られている。また、大月の弟である康宏も、虐待を受けながらも父をうまくあしらえない姉を内心馬鹿にしていた、と作中で語られている。


当作はいわゆる実の娘による暴露本である。なお、大月によると決して過去の話ではなく現在進行形であるとのこと。


第10話までは掲載されていた週刊アスキーの担当編集の方針で「酷い話を読者は読みたくない」から「感動の家族再生ストーリー」として進めようとしており、暴露本としての側面はあまり見られない。

しかし、第1話の時点ですでに、吉沢がど根性ガエルで度々描かれた自画像やメディアに顔出ししていた一見穏やかな風貌とは別人のようなみすぼらしい姿でありながら目が一目で常人ではないとわかるタッチで描かれている。


その為、最初に何も知らずに読んだ中にも、この描写でおかしいと気付いた人がいたようである。実際にそれが急展開に繋がる伏線であったわけだが……。


田中圭一がどこまで吉沢家の事実を知っていたかは不明であるが、「ペンと箸」第8話を読んだ上で「ど根性ガエルの娘」の第15話を読むと、ど根性ガエルで親しんで来た人にとっての吉沢やすみ像ならびに「ど根性ガエル」の人情的な作風のイメージが粉々に砕ける可能性がある。


その後の娘との関係

吉沢は2016年に長年の不摂生の影響で脳卒中に倒れ、一命はとりとめたものの左半身麻痺・視覚障害といった後遺症が残ることとなった。これで漫画家としての再起はほぼ困難となった(後述)。

その後、『ど根性ガエルの娘』3巻を読んだ際、彼はそれまでの自身の所業を認めた上で、「本当に起こったことをそのまま描きすぎている」「西原理恵子のようにユーモアを交えてオブラートに包め」とアドバイスしたと『ど根性ガエルの娘』内で描かれた。どうやら自身の保身よりも暴露物につきものの「暴露した娘が逆に読者から叩かれる側になる危うさ」を予見していたかららしい。また、もともと娘が漫画を描くことについては「自分はどのように描かれても構わない」としていた。

しかしその西原理恵子も、後に漫画の内容とは違った毒親ぶりが露見し批判を浴びることとなる。


『ど根性ガエルの娘』最終回でも、娘に対して「お前のこの作品は読んでただ辛くなるばかりだ。こういう人間のひどい部分はフィクションで描かれるべきもの。本当の漫画は読んだ人間を幸せにするものだ。」と語る。


吉沢はリハビリに励み、2023年に入り右手で色紙にイラストを描けるところまでになっているという。→外部リンク


関連タグ

漫画家 少年ジャンプ ど根性ガエル ど根性ガエルの娘

かなん 大井昌和

貝塚ひろし永島慎二吾妻ひでお:失踪した事のある漫画家。


魔夜峰央:リーマンショック以降の一時期、家庭が経済的窮地に陥った(冬の時代)上に健康問題が発覚したものの、自身の作品のリバイバル現象や元々家族を大事にしてきた人物だった為、家庭崩壊に至らずに済んだ。

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