性別	男
初登場	霹靂魔封第2章
退場	霹靂魔封第55章
根拠地	九曜居
養子	熒禍
友人	夏戡玄、東皇天下
共謀	靈霄燭幽
部下	暝邪無妄、莫如絮、冰魔、火妖
偽名	玦殘何、琛奈缺、問瑾遺
武器	一罪明今
所有物	白傘、不愆之玨
発明	往生無相塔、佛禍非禍

人物

灰色の服を纏う、白髪の隠者。文武両道な英才だが、先天的な病に悩まされる。

多くの流派の武術を身に着け、多くの流派の秘伝を残し、長らく「地獄無常天（じごくむじょうてん）」という試練の地で身を隠していた。

往生無相塔（おうじょうむそうとう）などを駆使して、三教の間に内乱を促すが、その真の目的とは……。

伝説の英才

遥か昔の武林にて、三教（儒教、仏教、道教）の中で実力が創道者たちに次ぐ修行者がいた。道教では、道皇に次ぐ人物・玦殘何（けつざんか）がいた。儒教では、皇儒無上に次ぐ人物・琛奈缺（ちんないけつ）がいた。仏教では、尊佛に次ぐ人物・問瑾遺（もんきんい）がいた。三人とも三教に大きく貢献しており、施設の建造や武芸の開発などの事績を残す。しかし、宗教の重鎮になる誘いを断り、武林から姿を消した。

玦殘何・琛奈缺・問瑾遺、三つの名前とも「玉に瑕」という意味が秘められる。三教の中で第二位の伝説を残した三人は同一人物で、本当の名は「問奈何」と呼ばれる。問奈何は三教での修行を経て、雲海仙門の主・九天玄尊と武術を研究し、共に「地獄無常天」を創設した。その後、問奈何は地獄無常天で身を隠していた。

地獄無常天

地獄無常天という地は、「霹靂天命之仙魔鏖鋒」時期から登場していた。最深部には、「玄脈寶鑑（げんみゃくほうかん）」という、問奈何と九天玄尊がともに開発した秘伝書が置かれている。問奈何が登場するまでに、君奉天・越驕子・樂尋遠などの人が秘伝を求めて、この地に訪れた。

往生無相塔

「霹靂魔封」時期に入ると、熾煉界の出現とほぼ同時に、問奈何が表舞台に浮上する。武林の三教が協力して熾煉界と戦う一方、問奈何は藍衣蒙面人ごと靈霄燭幽（れいしょうしょくゆう）と共謀して、権謀術数をめぐらす。

盗んできた儒教の楽譜「神儒玄章（しんじゅげんしょう）」と、自身が開発した幻の塔・往生無相塔を合わせて、三教に属する人々を洗脳していく。神儒玄章の楽曲を聞いた者は、あらゆる感情と欲望を消し去る効果がある。往生無相塔に介して、神儒玄章の音を広範囲に広がらせた。感情と欲望がなくなれば、争いのない平和な世界になることを目論んだ。

洗脳された三教の人々は、身内を攻撃して、三教内部に闘争を起こす。そんな中、仏教組織「大乘靈雲寺（だいじょうれいうんじ）」の副住職が問奈何に殺され、壊滅状態に追い詰められる。

中原で活動するほか、悅皇神都（えつこうしんと）の君主・東皇天下（とうこうてんか）に肉体を改造したことがある。洗脳された東皇天下は、殺人兵器と化して、往生無相塔の内部で侵入者を排除していく。その間に、問奈何が東皇天下を扮して、悅皇神都の政権を握っていた。往生無相塔により、三教内部の協力体制が幾度も崩され、多くの人が犠牲となる。

熒禍との関係

上記の活動以外に、問奈何には熒禍という養子がいる。熒禍は熾煉界出身の魔族で、幼いころから問奈何に拾われ、中原で育てられてきた。だが問奈何は、熒禍に対して時に優しく、時に冷たく接している。気まぐれで熒禍を見捨てることもあった。

そういった不安定な待遇を受け、熒禍の性格にも大きく影響される。熒禍は問奈何に対して、厚い温情を抱いており、問奈何に喜ばせようと必死であった。そのため、熒禍は問奈何に忠を貫いている。

しかし問奈何から見ると、熒禍に対する感情がはっきりしない。熒禍に「親友だと思う元佛子を殺せ」や、「疏樓龍宿をやっつけろ」など、無茶な命令を下す場面が見られる。また、熒禍と元佛子を往生無相塔の力で合体させ、「佛禍非禍（ぶつかひか）」という殺戮兵器に改造したことがあった。幾度もの戦いを経て、肉体の不安定により分離され、熒禍と元佛子が元に戻る。

真の目的

問奈何が武林の三教に参加した理由は、自身の奇病を治療できる方法を探すためである。往生無相塔の建設は、共謀した靈霄燭幽の理想「争いのない平和な世界」を成就させるためである。問奈何の真の狙いは、「熾煉界の完全封印」である。成功するには、熒禍の感情を断ち切って、その力で封印する必要があった。熒禍を気まぐれに接しているのはこのためである。

病が治療できないとわかった頃から、熒禍を幾度も刺激して、熒禍が自分を殺すように仕向けた。最後は激昂した熒禍に刺され、致命傷を負って絶命する。遺言として、熾煉界の封印を熒禍に託した。

しかしその後、熒禍は熾煉界の封印に失敗し、命を落とす。熾煉界の魔王・罪神虛無も最終的に、封印から解放された。問奈何の目的は、果たせずに終わってしまった。