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概要

2015年4月に三重県四日市市において2路線を運営することになった第三セクター鉄道である。運営路線は次の2つ。

なお、これらの路線は2015年の時点で四日市市により所有されており、第二種鉄道事業者として運営している。


第三セクターの経緯

 2012年、近鉄が所有運営していた短小路線(二路線合わせても10㎞に満たない)である内部・八王子線を廃線、子会社でもある三重交通バス高速輸送システム(BRT)への転換を計画、鉄道の存続を望む四日市市側と揉め事を起こした。

 翌年、近鉄側が提案した「公有民営方式」(すなわち四日市市が施設を所有し、運営会社が電車の運行を担う形式)で存続させるという形で両者は合意し、近鉄および四日市市が出資した第三セクター、「四日市あすなろう鉄道」として運行することとなった。


使用車両

四日市あすなろう鉄道 新260系「なろうブルー」編成

四日市あすなろう鉄道に移管されるまで、260系の2両または3両編成で運行していたが、移管後の2015年からリニューアル工事を開始した。従来車であるモ260形とク160形を近鉄の高安車両センターで改造を行い冷房化した。車齢が高かった3両編成の中間車のサ120形は廃車になり、代わりに新造車サ180形を挿入した。また、第4・5編成の先頭車ク110形も改造車であり車齢が高かったため、ク160形を35年振りに新造して差し替えた。


モ260形とク160形は車体の屋根、外板、床面、ドアエンジンなどの老朽化した部分をすべて交換、乗務員室寄りの引き戸は乗務員室のすぐ後ろに移設した。前面のライト類(前部・後部)と側面の行き先表示装置にはLEDを使用。また、窓にかかっていたカーテンを全て撤去UVカットガラスの固定窓とし、一部は内折れ式の窓となった。前面方向幕も撤去し「ワンマン 四日市あすなろう鉄道」表示に固定、行き先を丸い板で表示する方式に改めた。吊り掛け式ではあるが、モーターや台車などの交換も行われた。

車端部には冷房装置を設置、これにラインデリアを配した。冷房装置の電源用にサ180形の床下に静止型インバータを搭載した。座席もすべて背もたれの高い固定式クロスシートとなり、ハート型の手すりがついた。冷房装置により減った座席の分については先頭車両に設置したベンチシートで補った。車内表示案内器や放送装置もGPSを利用した位置情報により自動で案内を行う方式に変更された。


内部駅には車庫があり、列車検査と月検査をここで行う。重要部検査や全般検査の時は、車体をここで検査し、車体から外した台車などはトラックに積み、近鉄名古屋線塩浜駅に隣り合う塩浜検修車庫に運んで検査を行う。


余談

  • 所有路線に関しては当初三重軌道が1912年(大正元年)より敷設した軌道路線がもととなっている〔1915年(大正4年)の時点では四日市駅-八王子村駅〕。1916年(大正5年)には軌道を廃止し、軽便鉄道として三重鉄道が運営、1922年(大正11年)に鈴鹿支線として日永-内部が開通(なお内部以降鈴鹿までの路線は工事を行わなかったため免許失効、未成線となっている)。その後、三重鉄道は伊勢電気鉄道に買収され、四日市駅 - 諏訪駅間を廃止し、伊勢電気鉄道の四日市延伸に利用され、三重鉄道は子会社として存続し、1931年(昭和6年)には同じく伊勢電気鉄道の子会社だった四日市鉄道(現在の近鉄湯の山線を所有していた会社)と合併、ただしこの路線は非電化路線であったため、一体運用は電化される1943年(昭和18年)まで待たねばならなかったが、1944年(昭和19年)、戦時統合により県内6つの交通会社が合併し三重交通となり、この会社の所有していた路線は三重線と称され、湯の山線と内部線の一体運用が行われていた。しかし、1964年(昭和39年)、三重交通は鉄道部門を三重電気鉄道に分離、同年近畿日本鉄道により湯の山線が名古屋線直通のため標準軌に改軌され、残存部は二つの路線、内部線(以前の鈴鹿支線)および八王子線となり、この際内部線が本線扱いとなった。その翌年、三重電気鉄道は近鉄に併合された。
  • 八王子線は本来伊勢八王子まで路線が存在したものの、1974年(昭和49年)、水害により路盤流出し不通となり、1976年(昭和51年)に西日野駅までを復旧し、それ以外の区間を廃止した。
  • この会社による運営が開始された2015年、福岡県筑豊電気鉄道カルダン駆動(鉄道における駆動系の一種、動力源をバネ上に配置し、自在継手を介し車軸側の歯車装置を駆動する方式)の電車である新型低床車両の一編成を導入した年であり、それに取って代わる形で日本で唯一の『営業用車両が100%ツリカケ駆動(モーターを車軸と平行に配置しモーター軸の小歯車から車軸の大歯車を駆動する形式)の電車しか走行させない鉄道事業者となった。
  • 吊り掛け駆動で運営している理由としては762mm軌間の特殊狭軌線(ナローゲージ)であるが故、カルダン駆動の電車を投入するのが難しいとの事で、これは以前、いくつかの鉄道会社、特に三重電気鉄道が762mm軌間の特殊狭軌線(三重線)の電車にカルダン駆動の一種である垂直カルダン駆動方式電車を導入したものの、構造の複雑さという欠点が強すぎ、他の会社にあったものは廃線とともに廃車、三重電気鉄道が所有していた762㎜軌間の車両は湯の山線改軌後過剰設備であったため、同じく特殊狭軌線の北勢線で使用されたものの、近鉄合併後にモーターなど駆動部を撤去してしまったため存在しない(ただし、そのなれの果ての車両のどんがら三岐鉄道が所有、北勢線200系と称しクモハ277号の付随車として運用されている。

関連項目

近畿日本鉄道 第三セクター ナローゲージ ローカル線 ツリカケ駆動 三重県


外部リンク

公式サイト

wikipedia同項目

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