概要
島国である日本の場合、国外へ出るのに海を渡る必要がある(=陸路が使えないため、比較的高額な飛行機や船に乗らざるをえない)海外旅行に比べて割安で、どこへ行っても日本語が通じることなどがメリット。
インフラが整っており治安も良いので自家用車(オートバイを含む)をはじめ、鉄道、バス、フェリー、自転車(輪行)、旅館、民宿、親類や友人の家、ネットカフェ、車中泊....など交通手段や宿泊先の選択肢が多く、それらを組み合わせてお手軽かつ安心感のある旅行が楽しめる。「行き先も決めずふらっと」というのはまさに国内旅行ならではの醍醐味である。
逆に、どこへ行っても住んでいる場所とそれほど変わらないという点はそのままデメリットにもなる。また、行先や訪れる時期によってはかなりお金がかかり、離島や遠隔地などは海外に行った時よりも高くつくケースもあるので注意。離島はそもそもインフラが整っておらず、自動車などの持ち込みも困難なケースもある。
時代の影響
2010年代
2010年代に入ってからの日本国内では、円安、アジア圏の高度経済成長、ビザ緩和などに伴い外国人観光客(インバウンド)が押し寄せ、東京や大阪など大都市部の宿泊費が高騰、京都や鎌倉などのメジャーな観光地は激混みとなっていた。そのため、日本人の国内旅行愛好者の中では、訪日客集団に悩まされない地味な観光地、日帰りで行ける大都市郊外などが身近な観光地として見直されつつあった。
またテロの活発化による慢性的な海外治安悪化、インターネットの発達による海外情報入手の容易化などのほか、当時の若者世代はバブル崩壊後に生まれており内向きかつ節約志向が強く、海外旅行が敬遠されがちになっていた。
2020年代
2020年の春節シーズンは、札幌の雪まつりに中華圏などからの観光客が押し寄せる賑わいだった。ところが雪まつり閉幕と同時に、北海道などで新型コロナウイルス感染症「COVID-19」の感染者が激増(パンデミック)。これにより海外から「入国制限」がかかることになり、インバウンド需要が突如として消滅した。外出自粛要請や緊急事態宣言が出されたことで国内客も激減し、国内各地の観光地は閑古鳥が鳴くことになった。
国内の観光事業者はコロナ禍で大打撃を受け、政府の給付金やGoToキャンペーンの国内観光客で辛うじて息をつなぐ状態が続いている。2021年に入っても外国人観光客に入国制限がかかる状態が続いているため、観光地や旅行会社も近隣の日本人観光客向けのサービスを開始するなど、アフターコロナに向けた新しいかたちの国内旅行の模索が続いている。