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国鉄特急色

こくてつとっきゅうしょく

国鉄特急色とは、国鉄時代に製造された特急用車両に車両に広く使われていた塗装のことである。
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概要

一般的にクリーム色と赤のツートンカラーのことを指す。国鉄時代の特急列車のほとんどはこの塗装で塗られており、鉄道に詳しくない、興味のない人でも「こんな色のやつ走ってた」と、ファンでなくても含め日本人の間では非常に高い認知度を誇る。


1958年、特急「こだま」用の20系電車(後の151系電車)の登場に際し、クリーム4号地に対して窓部分に赤2号を巻いたデザインを決定した。この後に続く特急形の電車と気動車に採用される「国鉄特急色」の始まりである。このカラーリングはヨーロッパで当時運行されていた特急列車『TEE』のカラーを逆転させたものともいわれるが、真相は不明。


以降、国鉄時代に製造された特急車両は大半がこの塗装でデビュー。70年代、80年代には交流、直流、ディーゼル車を問わずこの塗装の特急の車両が全国を走っていた。


1980年代以降および民営化後

1981年に登場した185系では、この塗装を用いずに独自の塗装を採用。以降の車両は、独自の塗装を纏った車両が増えていくことになり、国鉄特急色が新たに登場することはなくなった。


1987年に国鉄が消滅、JRに分割民営化されると、多くの車両が現役のまま継承された。しかし、この頃になると地域密着型経営をアピールするべく独自色を出すことや車両更新のタイミングも相まって、地域色への塗装変更、新型車両の導入も相次ぎ、国鉄特急色を纏った車両は減っていくことになる。


定期運用の終了

1990年代および2000年代に入ると、これらの車両も老朽化や列車自体の廃止により急速に減少していく。


JR北海道

本州の車両とは正面の塗り分けが異なるが、キハ183系781系が継承された。781系は2007年、キハ183系は2023年に消滅したが、いずれも90年代に国鉄特急色から変更されていた。


JR東海

381系のみが継承されていた。1996年に383系が登場し順次置き換え、残っていた臨時運用も2008年に終了し、JR東海からも消滅した。


JR四国

キハ181系が継承された。1993年に全車廃車された。


JR西日本

485系489系381系キハ181系が継承された。多くの車両が継承され、運用にもついていたがその分地域色への変更も多い。キハ181系は2012年に完全引退しているが、それ以前に全車地方色に変更されていた。2011年には、JR西日本で走っていた定期特急『雷鳥』が廃止。これにより国鉄特急色車両の代表格である485系がJR西日本から消滅し、翌年には臨時列車で残っていた489系も引退(車籍自体は2015年まで残存)。残るは485系を改造した183系、2012年に国鉄色が復刻した381系のみに。183系は2013年に定期運行を終了。381系もすでに地域色への塗装変更から何年もたっていた伯備線用の車両を除いて2015年に引退し、JR西日本からは一度は国鉄特急色は姿を消した。


JR東日本

183系189系485系が継承された。485系は各地で走ったが塗装変更も多かった。183系と189系は一部がグレードアップ改造で塗装が変更され、2005年まで定期運用を持っていた。これらは2006年以降は改造車の一部も国鉄色に戻されるなどして臨時列車で運用されていた。


2015年以降

上記の通り、2015年2月に489系で唯一車籍の残っていた1両が国鉄色のまま形式消滅。381系も復刻車含め阪和地区では10月に運用離脱し、JR西日本での国鉄特急色車両の運用は終了。残るはJR東日本のみになった。さらに新潟で残っていた485系の定期列車も消滅。東北地区での運用も臨時列車のみとなっていた。

また、2012年に特急色に復元された183系も5月に最後の2両(長野地区での1編成の前後の先頭車)が廃車され、183系自体が形式消滅。

そして2016年6月、485系最後の国鉄特急色編成がついに引退し廃車。485系の原型車も全廃となった。


最後の国鉄特急色車両

485系原型車の引退後、現役で残る国鉄特急色編成は、豊田車両センターに所属する189系のM51編成のみとなった。189系は他にも3本残存していたが、国鉄特急色を纏っていたのは1編成となり、全国最後の編成となった。この編成は東京側のグレードアップ改造を受け全車両が別の色に変更されていたがその後復刻したもので、休日の快速列車、および臨時の中央線特急で運用されていた。

日本最後の国鉄特急色の車両に特別料金不要でなおかつそれを東京という首都圏で乗れるということは今見ても非常にレアかつ幸せなことである。


国鉄特急色、消滅

2018年、M51編成は快速運用および臨時特急の運用から離脱。その後、4月に長野への廃車回想を兼ねたラストラン列車が運転された。M51編成の引退、廃車により、60年にわたって日本の交通網を支えた赤とクリーム色の国鉄特急色はついに完全に消滅することとなった。なお、189系自体は2019年まで長野の1編成が残存していたが、こちらは国鉄特急色に戻されることなく廃車となった。


その後

上記の通り189系は2019年に完全引退し形式消滅、485系も2022年に形式消滅したが2018年時点で残っていた車両はすべて改造車かつジパングの中間車2両を除いて車体は当時と変えられていたために、国鉄特急色の復刻の可能性があるとしたら伯備線用の381系のみとなっていた。

そんな中、18年の10月に、新潟地区からE653系が1編成のみ勝田に復帰。なんと国鉄特急色を纏っての復帰であり、この結果、E653系のカラーバリエーションが現在は消滅したものを含めて10色となった。


そして……

2022年、特急やくも号運転開始50周年を記念して、伯備線用の381系が1編成のみ復刻国鉄特急色を纏ってデビューし、2019年以降現役の車両は381系が最後となっており、現在もファンの間を人気を誇っている。

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