概要
おおむねカタカナ表記の外来語を除く言葉のうち、漢字で表記できない言葉や、漢字表記したときに訓読みとなる言葉と考えて良い。
漢和辞典で検索したときにカタカナで表記される音読みの語彙を漢語、ひらがなで表記される語彙を和語というが、おおむねこの和語のうち、アイヌ語由来の語彙(鮭、となかい、いくらなど)を除いたものと考えて良い。
議論
しかしながら、どこまでが本来の大和言葉なのかに関しては決定的な判断を欠くものである。
例えば「神」という言葉はアイヌ語の「カムイ」と明らかに関係があるが、日本語がアイヌ語から借用した言葉なのか、逆にアイヌ語が日本語より借用した言葉なのか、はたまた現在では消滅してしまった未知の古代語から双方が個別に借用したものなのか全くわかっていないし、今後もわかる見込みがない。
「牛」を意味する言葉には「ウシ」と「べこ」の二つが存在し、どちらかが外来語と思われるが、「ウシ」は中国語の呉音に近く、「べこ」はセム語に近い(例えば、アラビア語では牛は"baqarat")など、決定的な判断を欠く。
「馬」や「駒」に至っては明らかに中国語の「ma」に由来しているが、本来の大和言葉でなんと言っていたのか全く不明であり、そもそも元来日本にはウマは生息していなかったと考えるので、該当する語彙が存在していたのかさえ怪しい(ウマと一緒に言葉まで持ち込まれた可能性が高い)。
否定語の「ない」や「食う」などの語彙はシュメール語と共通していたり、二人称の「あなた」はアラビア語の”anta”と酷似している、「鳥居」や「餅」はヘブライ語で「門」「種無しパン」を意味する語と似ているなど、日本語にはなぜか西方的な特徴を有する語彙が多分に見られる。これらの語はおそらく大和言葉ではなく外来語と考えられるが、いつ頃どのような経緯で入ってきてどのように定着したのか皆目見当がつかない。おそらくはシルクロードが関係していると思われるが、詳細は全く不明である。
そもそも、日本語には自身の方言(と見做されている数々の地方言語)や琉球語、朝鮮語族を除いて同系統もしくは同系統に由来すると思われる言語が存在せず、極東アジア地域だけで一種の独自の孤立語群を形成しているため、そのルーツは全く不明である。
地理的に隔絶した地域に同系統の言語が存在しないため、おそらく本来のルーツたる地域からそう大きく動いているわけではないと思われ、日本語や韓国語は言語学的な成立過程を含めて謎が多い存在である。
余談
東海道新幹線に最新式の300系電車を導入した際、この車両を用いて首都圏と中京・京阪神をノンストップで運行する新特急・「スーパーひかり」の名称は、こだまやひかりよりも早いものは存在しないとの理由で、「希望」に内定していた。しかし、正式決定の直前になって、審査員の家族による「国鉄の特急・急行列車は一部の例外を除き、大和言葉でつけられてきた歴史がある」との鶴の一声で、「希望」を大和言葉に言い換えた「のぞみ」に決定したというエピソードがある。