概要
大山倍達（1923年7月27日（旧暦6月4日）～1994年4月26日）
空手家。従来の伝統派空手が寸止めを旨としていたのに対し、実際に打撃を対戦相手に当てる「フルコンタクト空手」を提唱し、極真会館を創始した。
漫画「空手バカ一代」（原作：梶原一騎 作画：つのだじろう、影丸穣也）は（梶原の創作が多いが）彼の伝記である。
来歴
韓国の戸籍では1922年生まれとなっており、実際の生年は1922年と推定される。日本統治時代の金堤市（朝鮮）出身。出生名は崔永宜。父の承鉉は親日家で村長を務める富農、儒教思想に凝り固まった厳格な家長であり、永宜はそんな父に愛憎半ばする感情を抱いて育った。
1939年、山梨航空技術学校へ入学するため来日した。松濤館流空手、剛柔流空手を学ぶが満足できず、伝統空手とは決別。
1941年、山梨航空技術学校を卒業し陸軍士官学校を受験するも失敗し、木村政彦に憧れて拓殖大学に入学するが、太平洋戦争が勃発し徴用工として徴発された。
1945年、敗戦による混乱の中、朝鮮建国促進青年同盟に加わり在日本朝鮮人連盟との同胞同士の抗争に明け暮れた。
1946年、早稲田大学高等師範部に入学。同年田中清玄を媒酌人に智弥子夫人と結婚。佐藤栄作や町井久之のボディガードを務める。1948年に早稲田大学を中退（その後除籍）。
1952年、遠藤幸吉らと渡米してアスレチック・ショーの一座に加わり、アメリカ各地でレスラーや腕自慢の素人と異種格闘技戦を行う。自然石割り、ビール瓶の首を手刀で飛ばすなどのデモンストレーションも好評を博した。
1953年、帰国し、素手で牛を殺すデモンストレーションを盛んに行う。
1957年、梶原一騎が空手修行のため大山道場に入門。
1964年、日本国籍を取得した。「大山」は書生として住み込んでいた大山家から、「倍達」は朝鮮の伝説上の王朝、倍達国から。国際空手道連盟極真会館を設立。
1971年、週刊少年マガジンで「空手バカ一代」が連載され、極真会館に入門志願者が押しよせた。
1980年、ウィリー・ウィリアムス対アントニオ猪木戦に際し、「極真側が梶原を襲撃する指令を出した」という怪情報を梶原が信じ、大山に謝罪を要求したため絶縁。
晩年の大山は望郷の念が強まり、出自について隠すこともなくなっていた。
1994年、肺癌により死去。その後は大山の遺族や極真会館の指導者たちの間で内紛が続き極真会館は分裂。「真の後継者」を自認する団体も乱立している。韓国にも妻子がいた事が判明。
余談
- 若い頃、実業家として成功した在日韓国人・大山高誉（曹又億萬）の屋敷に書生として居候していた。大山高誉の息子の大山茂、大山泰彦は後に極真会館に入門。
- 極真会館の設立にあたっては統一教会の支援を受けていた。統一教会日本支部の初代会長は北米極真空手会長の久保木修己。
- 2006年に総数600ページ以上で「500点の資料と300人余りの証言を元に作成した」と称する大山倍達の伝記の決定版というべき書籍が発売された……のはいいのだが、後に著者が「ノンフィクション本で話を盛る事の何がマズいかガチで判ってない」ような残念な人である事が判明し、当該書籍は「自分でちゃんと裏取りをしないと何1つ参考に出来ない」呪われた本と化した。
- 本項目にも当該書籍を参考にしたと思われる記述が有るので、大山倍達について真面目に調べたい時には、本項目の内容は絶対に鵜呑みにせずに、必ず自分で裏取りをする事。
- ちなみに当該書籍の著者が色々とマズい人である事が判明した経緯は……「別のノンフィクション本で話を盛ったせいで取材した相手とトラブルになった」事を堂々と、自分がマズい事をした事を自覚した上での開き直りでさえない、ノンフィクションの筈の本で話を盛る事のどこがマズいのか冗談抜きで理解していない書き方で書いてしまった為。
関連タグ
空手 極真会館 迫真空手 フルコンタクト 牛殺し 異種格闘技戦
飛鳥拳：アニメ版「空手バカ一代」の主人公。大山がモチーフの人物。
愚地独歩：「グラップラー刃牙」に登場する大山がモチーフの人物。ちなみに刃牙世界では大山は別にいる設定。
ダゲキ：大山がモチーフのポケモン。片方の眉毛を剃り落としている。
龍虎の拳：タクマ・サカザキは大山が元ネタ。また、リョウ・サカザキとロバート・ガルシアの元ネタは極真会館の山崎照朝（日大の竜）と添野義二（城西の虎）。一作目のボーナスゲームには「ビール瓶切り」がある。
