天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)は、天地創造に関わった五柱の別天津神(ことあまつかみ)の一柱。性別のない独り神である。古事記によると、天地創造の際に高天原に最初に出現した神で、続いて高御産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)が現れ、すぐに姿を隠した。この三柱は「造化三神」といわれ、日本の国土が形成される前に現れた宇宙の始源神である。
のちに妙見菩薩と習合し、妙見神として信仰を集めるようになった。宇宙そのものの根源神として中世の神道教学や近世の復古神道において重要視され、北極星・北斗七星によって象徴される存在である。
なお、近代以前の中国の歴史書の中には天之御中主を「日本の王の一族の祖先にあたる人間」と記述しているものも有る。(一国の王家が神の子孫を自称する、というのは蛮族の迷信か何かだと考えたらしく、日本神話の神々の名前が天皇家の祖先として記載された模様)