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概要

ミソジニーとも呼ばれる、女性に対する嫌悪感不信感や蔑視ないしは憎悪感情、あるいはそういったものを持っている人のことを指す。

対義語は女好き…のように思えるが、必ずしもそうではない。女性は「性的な意味で好き」だが女性を軽蔑している男性も少なくないからである。よくむっつりスケベや女につれない態度を示す男の方がモテたりすると言われるが、嫌い方によりけりだったりする。


ヤリチンの女嫌いというのも結構おり、女体は好きだが女と深い関係は築きたくない、クズな自分に夢中になり股を開く女を軽蔑している、女好きの項目にある手を出してはいけない女性以外を好まない女と子どもがセットで嫌いで破壊願望のみで人格が構成されているなど、多様な嫌い方が存在している。

セックスの経験数をスコアとして数えるような「女好き」と「女性嫌い」が並立しているのは特異なことではない。


ミソジニーと女性差別の境界は非常に曖昧であり、少なくない場合において、個人史的な女性嫌いと、文化的な女性差別を厳密に切り離して考えることは難しい。女性に対する社会的・性的な直接・間接的暴力の背景にはミソジニカルな感情が関わっていることも多い。

伝統的にホモ・サピエンスの生息圏の大半で男尊女卑の傾向があり、文化的な優劣観が女性に対する抑圧や暴力衝動を解発している。例えば、イスラーム文化圏には名誉殺人という慣習があり、婚前交渉や駆け落ちなどを行った女性を「家族の名誉のため」に身内が殺害してもよいとする価値観のもとに実際に殺人が私的に行われている(ただし、イスラームの経典で名誉殺人は規定されておらず、イスラームとは無関係な土着風習に起源がある)。

個人では、例としては井上ひさしは執筆が行き詰まるとを頻繁に殴っていたことが知られているが、この前提として「妻を殴ってもよい」という価値観が日本で部分的といえど肯定されまかり通っていたのは事実である。

「女性であること」が動機となる殺人をフェミサイドという。フェミサイドは男女同権の進んだ国を含めどの国家でも起こりうるが、とりわけロシア中南米インド、北部の一部を除くアフリカ諸国等に多く発生する。日本は他のヨーロッパ等の先進国と比べて男女同権で後れを取っているが、指数的にはそうフェミサイドがきつい国ではない。


類義語と誤解されがちな女性恐怖症とも思考や根本が異なる。


MGTOWのように女性からの暴力や虐待などの経験を女性全般に一般化させ、女性との一切の関わり合いに否定的な男性もいる。


社会に流布する女嫌いを内面化した結果、女性が自身の性への嫌悪を抱く例もままあり、拒食症などの女性の思春期に発生しやすい問題は「女性であることが嫌だ」という感情としばしば結びついているという。


根源的には男女のジェンダーの違いに端を発する価値観のすれ違いが「理解や共感を阻む他者」として現前することで憎悪の因子となっている。

もし、女性に対する憎悪感が制御できなくて日常にまで変化を感じるようになったら、ネット上の偏向的な情報を一時的に遮断してみるなどしてみよう。

ネット上の経験談で他者の女性から被害に遭った報告などに共感したり、先鋭化したトキシック(有毒な言動)な投稿が飛び交う対立論争を目にしたり、被害妄想や女性不信を募らせて元々の価値観が変化してしまう人も少なくない。

これはユダヤ陰謀論ネトウヨなどにハマる人にもよく見られ、人種や性別といった広い範囲の人が属するカテゴリーを一概に規定することは不可能にもかかわらず、根拠のないエピソードや誇張を含む煽動的な情報に触れることで、偏向という意識がないまま当該集団全体についての認識を短期間に刷り込まれてしまうためである。


ホモソーシャルとミソジニー

男性が異性である女性を排除して構成する社会をホモソーシャルという。

ホモソーシャルは一般的にホモフォビアや女性蔑視などのマッチョイズム的を中心的な価値観として共有する内部同質性の高い集団である。

日本の典型的ホモソーシャルには体育会系ヤクザ政界などがある。厳密にはこれらの組織でも内部や周辺部に女性が少数存在することがあるが、内部文化としては完全にホモソーシャルであり、女性嫌悪的な文化が一般的である。

大学の体育会系サークルが時々レイプ事件で問題になるのは、まさにホモソーシャル内部が女性蔑視に溢れているからである。

日本の政界は体育会の極致と言えるほどあらゆるところに体育会文化があり、例えば国会解散で議員たちが万歳する光景は風物詩となっている。

要するに、男性だらけで風通しの悪いところはどこも大抵ホモソ化し女性蔑視が共有されている。


宗教と女性嫌い

女性と男性に扱いの差を設けている宗教は少なくない。

一般的に宗教的保守派は、女性への抑圧に同調的であったり、女性の権利向上に否定的である。

カトリック教会は、女性の聖職者を禁止していることで有名である。

イスラームの文化では、西側文化と比べるとより広範かつ様々な形で女性が抑圧されている。

創唱宗教は男性が主体であり、女性が男性の性的衝動を解発するとして、女人禁制を定める教派・教団はままある。

日本では女性が穢れの概念と絡められて考えられており、女性の立ち入りを一切禁止する神道の聖地や、寺院の女性忌避が知られている。


フィクションと女性嫌い

男尊女卑が一般的であるが故の必然として、フィクションにはしばしばミソジニーの表象が紛れ込む。

最もよく知られているのは、ゴシック小説におけるミソジニーである。

ゴシックロマンスでは、「迫害される乙女」というモチーフがよく扱われ、ヒロインの女性は古城や尖塔に監禁されてしまう役割を与えられる。


現代ホラーにおいてもミソジニーの傾向は引き継がれていて、ミソジニー的な記号は非常に一般的である。

例えば、『悪魔のいけにえ(原:The Texas Chain Saw Massacre)』では金髪の女性が長時間にわたって虐待され、悲痛な悲鳴をオーバーなほどに長々と上げるシーンが特徴的であり、典型的なミソジニーの表象を成している。


エイリアン』では女性主人公のリプリーが様々な苦難に会う様子が、女性嫌悪的な記号を示す。

映画論を得意分野とする思想家内田樹による『エイリアン』批評を参考として以下にリンクする。フィクションのミソジニーについて詳細に学びたい人はどうぞ。

http://blog.tatsuru.com/2017/10/01_1139.html


当節ではフィクションの女性嫌いについて、作品そのものの善悪の価値判断は目的としていない。先行する表象論的分析においてフィクションに女性嫌悪が検出されるという散文的事実の記載によって知見を深めることが主眼である。


関連タグ

女性 嫌い 嫌悪

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