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女教皇ヨハンナ

おんなきょうこうよはんな

女教皇ヨハンナとは中世ヨーロッパの伝説に登場するローマ教皇である。
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概要

この伝説上の人物の記述は13世紀の著作から現れる。とくにポーランド人ドミニコ会修道士オパヴァのマルティン著『教皇たちと皇帝たちの年代記(Chronicon Pontificum et Imperatum)』は現代でも400もの写本が知られるほどに普及し、ヨハンナ伝説の流布に大きく寄与した。


ヨハンナ伝説は他の年代記、歴史書にも記され、既存の著作の新しい写本にも加筆という形で挿入された。


在位期間はレオ4世(103代目)からベネディクトゥス3世(104代目)の間、850年代のことだったとされる。

マルティンによると教皇としての名は「ヨハン・アングリクス」だったという。この時点では出生名(例えばベネディクト16世にとっての「ヨーゼフ・アロイス・ラッツィンガー」)は設定されていないが、15世紀の人物アスクのアダムによりアグネスという「本名」が語られた。


イタリアの教会堂「シエナ大聖堂」には「ヨハネス8世、フォエミナ・デ・アングリア(Johannes VIII, Femina ex Anglia)」と刻まれた彫像がレオ4世とベネディクトゥス3世の像の間に置かれ、旅行者達の間で有名であったようだが、破壊されるか彫刻し直されるかして91代目教皇ザカリアスの像に置き換えられたようである。

1601年に231代目教皇クレメンス8世がわざわざ彼女の実在を否定している。上位の司祭である司教から選ばれた枢機卿から選出されるのがローマ教皇であるが、カトリックにおいて司祭は男性しかなれないものであるため、「女教皇」は存在し得ない。

上述の「ヨハン」「ヨハネス」も男性名であり、「表向きは男性であった」という設定になっている。

女教皇ヨハンナは在職中に愛人の子供を妊娠したといい、このエピソードも司祭の妻帯や性交渉を認めていない(しかし聖職に在るにもかかわらず妾を囲い、隠し子のいる破戒者が現れていた)教会からすれば気分のいいものではなかっただろう。

シエナ大聖堂の女教皇像の情報が事実とすれば、教会が意図した発注ではなく、彫刻家の遊び心か悪戯で設置されたものと考えられる。


設定・エピソード

オパヴァのマルティンの記述によるとレオ4世のあとに在位し、その期間は2年と7カ月4日(後述のプラティナの著作では2年1カ月4日)であった。


ドイツの都市マインツ出身。愛人の服を着た男装の状態でギリシャのアテネに連れてこられ、そこで学問を修めた。そこで並ぶ者の居なくなった彼女は次にローマに行き、自由七科(リベラル・アーツ)を教え、学徒たち、聴衆の偉大な教師として知られ、その名声は町中に広まった。その結果、彼女はローマ教皇に選出されたが、在世中に愛人の子を身ごもった。サン・ピエトロ大聖堂からサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂に向かう途中の、コロッセオに通じる細道で産気づいた彼女はその場で出産した。15世紀の学者、バルトロメオ・プラティナの記述によるとこの出産で彼女は命を落とし、死者への儀礼なしでそのまま埋葬されたという。


彼女の出産と死については別のパターンもある。マリアヌス・スコトゥス (Marianus Scotus) 著『教皇についての年代記』に後世に加筆されたエピソードでは、馬に乗っている時に出産し、その場で馬の尻尾に足を結びつけられ半リーグ(一リーグが3.8~7.4キロメートル)引きずり回された後に民衆からの投石を受け、死んだその場で埋葬されるも、そこに「おお(初代教皇とされる)ペトロ、父達の父よ、女性ローマ教皇の出産を裏切ってください」という文が刻まれるという凄惨なものとなっている。


タロットの「女教皇」

タロットカード大アルカナの「女教皇(ハイプリエステス)」はヨハンナがモデルとされている。


モチーフとするキャラクター

ヨハンナ(ペルソナ):『ペルソナ5』の登場人物新島真ペルソナ

ヨハンナ(Fate):『Fate/GrandOrder』に登場するサーヴァント

ヨハンナ・キョン:『BAROQUE』に登場するクリーチャー。

プレスターヨアンナ:韓国発のターン制SRPGラストオリジン』に登場する俳優型バイオロイド(生体アンドロイド)

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