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曖昧さ回避

普通名詞の「山城」

 険しいに建造されたのこと。「やまじろ」と読む。詳細下記参照。


地名の山城、およびその派生


日本人の苗字の一種

 読みとしては「やましろ」が一般的だが、「やまぎ」「やまぐすく」などと読む場合も。




山に築かれた城の「山城」

岩水城【足利両崖山城】山城下野国皆川城

概要

 主に戦国時代に多く見られる形式の城。山や丘陵の高低差を利用して築造され、要は山の頂上や稜線に防御設備を施して城としたものである。小和田哲男(『戦国の城』)によれば、ふもとから比べた高さが100mを越える山塊に築いた城を山城と言い、それ以下の緩い丘陵を利用した城は平山城と呼ぶ。山城は高低差というもっとも単純なアドバンテージにより攻めるに難く守るに易いが、その反面往来や物資の補給にも苦労するため日常生活を営んだり政庁として利用するには不便である。山城は戦時にのみ利用し、日常生活は山の麓に建てた御殿で過ごしていた武将もいる。

 そのため、時代が下るにつれて城の主流は山城から平山城平城へと変化してゆく。これは群雄割拠の時代から大勢力に統合されていくにつれて軍事拠点としての機能よりも政治・経済の中心としての機能が重視されるようになったためであり、また藤堂高虎加藤清正といった築城の名手によって平城でも充分な軍事機能を持った縄張りが実現されたためでもある。


山城の仕組み

 小和田哲男(『戦国の城』)からまとめる。近世の城は本丸、二ノ丸等に分けられるが、主に中世に築かれた山城は、本丸に当たる城の中心部を本曲輪と呼び、二ノ丸に当たる部分を二ノ曲輪と呼ぶ。これらは山頂や稜線を平坦に削って築かれる。曲輪はそれぞれ堀と土塁で囲んで、籠城する兵士を守りかつ攻める敵兵を押し止めた。また、本曲輪を守るために直下の斜面を削って平坦にした曲輪も築かれ、これを腰曲輪と呼ぶ(小和田哲男『戦国の城』)。


 小和田が挙げた防衛設備としてはまずであるが、山城では水の確保が困難なため多くが空堀であった。堀が空なら敵兵は底を通って簡単に通過できそうであるが、10m程度の深さがあった空堀も珍しくなく、守備側にとっては敵兵を弓矢や鉄砲の的にするのが容易であった。堀は通常、尾根を遮断するように掘られ(堀切と呼ぶ)、敵兵を効果的に足止めした。堀切をそのまま等高線と直角に麓に向かって延長すると、これを堅掘と呼んで敵兵の横移動を妨害したり、上から石を転がして進軍を妨害したりした。これに対して等高線と平行な堀を横堀と呼び、敵の上移動を妨害するほかに味方の安全な横移動の通路にもされたらしい(小和田哲男『戦国の城』)。


 堀を渡れば、近世の城の常識だと石垣がそびえている。しかし小和田によれば、石垣が一般化するのはは織豊期以降であり、戦国時代の多くの城では土の壁すなわち土塁であった。土塁は技術的制約から3m程度が多く(高度な普請で5m)、その上に塀や柵を建てて三間(5.4m)程度にしていた。これは兵の持つ槍が長さ三間あるため、これを立てて移動しても外から兵の動きを覚られない高さである(小和田哲男『戦国の城』)。


 小和田によれば、土塁が切れて城の出入り口になる部分を虎口と呼び、攻防の焦点になった。敵の進軍を阻むため、土塁をずらして築く食い違い虎口が比較的早期から存在した。普通は右側の土塁を手前に大きく張り出させ、その後ろに左の土塁を潜り込ませた順の虎口が築かれた。これは武士に右利きが多いため、防備の薄い左側面を守備兵に曝させる目的であった。しかし一部の山城には左右が逆となった逆の虎口が残されている。また虎口を守り味方の出撃の拠点とするために、虎口の前に土塁がきずかれるようになった。これが馬出であり、近世でいう出丸である(小和田哲男『戦国の城』)。


 なお、城といえば天守を想像する者が多いが、実際のところ天守は巨大化した物見櫓であり、岐阜城で御殿化したとはいえ城に必須のものではない(事実、徳川将軍家の居城たる江戸城は太平の世では天守は不要として焼失したあと天守台が再建されたのみで天守自体は再び上げられていない)。特にもともと高地に建てられる山城では必要性が薄く、また山城が多く築かれていた戦国時代では建築技術が未熟だったこともあって、一般的な山城には建てられていない。

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