概要
荒木飛呂彦氏の漫画『岸辺露伴は動かない』を原作とするスピンオフ小説。いわば、『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフのスピンオフといったところ。
続編として、「岸辺露伴は戯れない 短編小説集」「岸辺露伴は倒れない 短編小説集」がある。
『岸辺露伴は動かない』のスピンオフ作品として『ウルトラジャンプ』付録の小冊子に掲載された(「くしゃがら」「Blackstar.」は2017年8月号に、「検閲方程式」は2017年9月号に、「血栞塗」は2018年1月号に掲載)。
このうち「くしゃがら」「Blackstar.」「血栞塗」「検閲方程式」の4作品と、書きおろし作品「オカミサマ」が2018年6月19日に『岸辺露伴は叫ばない』のタイトルでJUMP j BOOKSから単行本化された。
著者は維羽裕介、北國ばらっど、宮本深礼、吉上亮。
本作は『岸辺露伴は動かない』と同様、本編にあたる『ダイヤモンドは砕けない』とは独立した作品であり、露伴以外のジョジョからのキャラクターは一切登場しない(ただし、あるエピソードでSPW財団の名前が登場し、ジョジョ本編との繋がりが垣間見える)。
収録作品一覧
くしゃがら
謎の言葉「くしゃがら」と、その言葉に取り憑かれた漫画家:志士十五の狂気を描く。
2020年に、NHKの実写ドラマ『岸辺露伴は動かない』で第2話のエピソードに選ばれている。ジョジョシリーズの活字媒体が実写化されるのはこのエピソードが初めて。
Blackstar.
謎の怪人:“スパゲッティ・マン”と遭遇した露伴の恐怖体験が語られる。
本編でもお馴染みのある組織のエージェントが登場する。
血栞塗
そこで彼は、手にした者を不幸に導くとされる、謎の「血栞塗」の噂を耳にする…。
検閲方程式
宇宙人に関する資料を得ようと、大学の図書館を訪れた露伴。
彼はそこで謎めいた数式の書かれたノートを発見する。
資料探しを手伝った大学院生によると、その数式は別次元に干渉するための方程式の断片で、それに挑んでいた彼の恋人は式を解いている最中に意識不明となってしまったという。
興味を持った露伴は、その女性が入院している病院を訪れるが…。
オカミサマ
税理士事務所を訪れた露伴は、そこで“オカミサマ”と書かれた領収書が落ちているのを発見する。
担当税理士によると、「領収書の相手先を“オカミサマ”と書いてもらうと、その分の『お金を払わないといけない』という事実が消える。」とのこと。興味を持った露伴は、さっそくその効果を確かめてみようとするが、それが原因で世にも恐ろしい目に遭うことになってしまう。
なお、劇中で、露伴が山を買って破産した話が出てくるため、時系列としては『六壁坂』よりも後。