この街には「!」だけの標識が多い
「その他の危険」警戒標識
26種の警戒標識では表せないような
〝警戒すべきモノ〟を示す標識だ
では警戒すべきモノとは何か?
概要
『歌うヘッドフォン娘』『虎子、あんまり壊しちゃだめだよ』の漫画家・ぬじまが描く漫画作品。
小学館が配信する無料のウェブコミック配信サイト『やわらかスピリッツ』で連載中のWEB漫画。2019年10月より隔週・金曜日に配信されている(2020年10月現在)。時には月一で掲載される事もある。
更新情報は、公式サイトの「更新カレンダー」で確認できる。
「次にくるマンガ大賞 2020 ‐ Webマンガ部門」ではノミネートもされた。
現代の日本で起こった怪奇現象や某掲示板で有名なあの駅など古今東西の怪異話が登場する。時に恐ろしく、時に可愛く、時に■ッ■な感じで登場人物が絡み、推理の要素(エッセンス)も盛り込まれている。
作品名の略称は「とと神」で、話数(ナンバリング)は「第■怪」や「幕間 その■」で表記される。
2024年3月現在、既刊7巻。
単行本は何度か重版された事もあり、第1巻は電子書籍が好調だったらしい。
2023年1月にTVアニメ化決定が発表された。
2024年4月に放送される。さらに詳細は以下別途で後述。
あらすじ
現代の日本。とある都市。何気ない日常の裏で立て続けに発生する不可思議な事件。
この怪事件に作家志望・菫子(すみれこ)と謎多き化野(あだしの)兄妹・連(れん)と乙(おと)が立ち向かう。
登場人物
主要人物
緒川菫子(おがわ すみれこ)
🎙CV:ファイルーズあい
本作の女性主人公(メインヒロイン)。第一話で誕生日を迎えた28歳。
麿眉のような短太眉、右目に泣きボクロがある。茶色の長髪、まとめ髪を基本とし状況によって髪型を変えている。私生活(オフ)では眼鏡をかけている。そして、服の上から分かるほど目を引く恵体の持ち主。
男言葉で話し、人当たりの良さを感じさせる。15歳の頃にデビューした経歴のある作家。現在は書店に就き、私生活(プライベート)では不可思議(オカルト)を追いつつ、執筆活動を続けている。
化野(あだしの)兄妹の連(れん)は職場仲間で、仲良く駄弁(だべ)り合う友人でもある。彼経由で連の妹・乙(おと)と知り合い、初めは一方的な敵視を受けていたが、次第に打ち解けていく。
ある怪異の一件で『変若人(をちびと)』という特異体質となった。これと共に本作のお色気担当にもなった(ある場面ある角度で、普段隠れている所のホクロを見つけられるぞ!)。また『変若(をち)』の一件で、30代手前として大人としての秘め事がカミングアウトされてしまった。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【「全く仕方ないな君は」年上系女性_その1、「全く仕方ないな君は」年上系女性_その2、口調が漢っぽい姉的な女性_その1、口調が漢っぽい姉的な女性_その2、多少、隙がある】では、菫子の色んな表情などが描かれている。
化野連(あだしの れん)
🎙CV:山下大輝
本作のもう一人の主人公。無造作な短髪黒髪に童顔で年齢不詳の怪異を追う青年。乙(おと)のお兄さん。作家・緒川菫子のファンで、彼にとって彼女は一番世話になった恩人でもある。
菫子(すみれこ)が勤める書店の同僚でもあり、彼女とは軽口を交える親しい友人関係(会話には時折、毒舌も混じる)。その対話から年上が好みのようだ。またサービスシーンは見逃さない男の一面がある。
彼の妹・乙(おと)には甘い所がありつつ大切にしており、兄弟仲は良い。
普段は糸目で柔和な雰囲気だが、怪異絡みなど真剣な場面では目を見開いて死んだ魚みたいな目が露(あらわ)になり面妖な顔貌となる。怪異に詳しく博識。怪異の痕跡を「標識として視認」や「異質の品を嗅いで認識」が出来る(嗅げる範囲は顔を近づける距離でないと分からない)。突然物影から現れる奇妙な所作、ある目的であの駅を利用し駅員?から『■■し』と呼ばれるなど、この世の住人ではない様子。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【こんな感じのコンビ】では、アダシノとスミレコと書かれた2人が描かれている。
化野乙(あだしの おと)
🎙CV:幸村恵理
本作のもう一人の女性人公(ヒロイン)。コオネ女学院に通う中学生。連(れん)の妹。
長い黒髪と渦目で容姿端麗の美少女。朴訥(ぼくとつ)に見えるが感情豊かで、ムスリとむくれたりなど色んな表情をみせてくれる(この子 さては可愛いな)。また甘味物(スイーツ)・お菓子に釣られやすいなど、お子ちゃまな所がある。
兄の連(れん)とは仲が良い…というかベッタリ気味。兄の仕事仲間である菫子(すみれこ)が彼と一緒にいる場面をみると明らかな嫉妬をみせる。それもあって、ある怪異の件で菫子と行動を共にする際、彼女を「若作り」や「団地妻」と呼び嫌味な態度をとるが、少しずつ打ち解けていく。
連(れん)のように「怪異のあった痕跡を標識として視認する」異能を持つ。その他、日常生活へ支障はない程度に「こっちの文字をスラスラ読めない」といった障害があり、この世の住人ではない様子。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【目が虚ろな後輩_その1、目が虚ろな後輩_その2】では、目が怖いや無言ではしゃぐと書かれた乙が描かれている。
コオネ女学院
乙の同級生
天地のどか(あめつち ‐)
🎙CV:会沢紗弥
第一話冒頭に登場した乙女たちで金髪(プラチナブロンド)をツーサイドアップにした女生徒。乙(おと)ぐらいの低身長。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【目が死んでる子の親友は性格天使。】では、イギリス辺りから来た少女などが描かれている。
桑島麻里(くわしま まり)
第一話冒頭に登場した乙女たちで黒の長髪を一つ結びにした太眉の女生徒。おっとりした雰囲気で高身長。本人は否定しているが、かなり好き者。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【そこはかとなく未亡人感が漂う友人】では、身長は高いが他は年相応などが描かれている。
赤根珠緒(あかね たまお)
第一話冒頭に登場した乙女たちで黒寄りの緑髪ベリーショートヘアで褐色肌の女生徒。語句に「ス」や「ッス」を付けた口調が特徴の元気ッ娘。恋バナ・噂話(ゴシップ)に詳しいんスよ。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【語尾が「っす」の雑に扱われるタイプの後輩】では、快活な彼女が描かれてるッス。
※姓名「赤根」は単行本7巻の表紙カバー裏にある設定画集 その漆より出典。
宇佐美エリカ(うさみ ‐)
髪をひと房(ふさ)後ろに流しておでこを出し、姉御のような女生徒。珠緒に並んで猥談(わいだん)に興味津々。ダイエット中。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【当たりはキツイけど最終的には優しいみたいなキャラ好き】では、赤髪で髪型はポンパドール風などが描かれている。
第4巻の描きおろしでは、普段の様子からだと分からなかったエリカの魅力が判明した(※中学生です)。
※姓名「宇佐美」は単行本7巻の表紙カバー裏にある設定画集 その漆より出典。
教師
畦目真奈美(うなめ まなみ)
🎙CV:堀江由衣
ちょっとドジな所がある生活指導の女教師。育ちが良さそうな雰囲気の優しい女性。夢は「生徒の夢を応援する事」で「いじめ」は良くないと注意しつつ、生徒を大切に思っているようだが…。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【小さいけど大きい先生】では、髪はゆる三つ編みにしているなどが描かれている。また「胸はデカイ」とも書かれており、連載版ではある所がデカイ。
紅衣少女孩(フォンイーシャオニュイハイ)編
トモコ
美容師をしている吊り目の女性でシズクの親友。ある雨の日から、1年も行方不明になっている…。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【眼鏡の親友】では、笑うと子どもっぽいといった彼女が描かれている。
早見シズク(はやみ ‐)
🎙CV:高橋李依
インナーカラーのショートヘアで眼鏡をかけた女性。トモコの親友。たまに「にゃー」と鳴く。メイド喫茶で働いている(にゃー)。ある雨の日にトモコから送られてきたビデオ通話越しに彼女の最後を目撃した人物。互いに天涯孤独な身のため、今まで独りで失踪したトモコと彼女を攫った犯人【雨の日に現れる赤い服を着た子ども】を探している。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【大人しくないタイプの眼鏡】では、脚が本体(!?)や初登場時に雨で濡れて分かりづらかったインナーカラーが映える彼女のコロコロ変わる表情などが描かれている(にゃー)。
猫の家編で再登場した際、姓名「早見」と年齢「22歳」が判明する。
神社姫編
姫魚よるむん(ひめうお ‐)
🎙CV:大空直美
人魚の姿をした人気VTuber。可愛らしい姿や愉快(ユーモア)な人魚像などが魅力。乙(おと)の友達・のどかも視聴者(ファン)の一人。
ある日の突然引退を機に、よるむんと関連する不可解な現象が起きており…。
猫の家編で再登場した際、よるむん自身も意外な恰好で出現する。
花村美甘(はなむら みかも)
お下げ髪に三つ編みをして眼鏡をかけた女性。難病のため車椅子で生活している障がい者。なよっとした気弱な印象だが、健常者だった頃は活発な乙女だった。
人気VTuber・よるむんと関係がある人物らしく…。
猫の家編
皆川恭一朗(みながわ きょういちろう)
初対面では少年?少女?どっち?と分かんない中性的な容姿をした男子(そう男の子です!)。皆川咲良の弟。
8年前の精神的ショック-曰く罪悪感-から失語症を患っている(この社会生活に障害をきたす事情もあってか、長髪になった外見が尚更に性別迷子させる)。
主人公・菫子(すみれこ)たちとは、彼が迷い猫・カゲトラの張り出しをしてる場面で遭遇する。
皆川咲良(みながわ さくら)
皆川恭一朗の姉。低身長の童顔から姉弟が並ぶと仲が良い小学生たちに見える成人女性(23歳!!)。
職業はフリーのカメラマン。幼少から「思い出」を共有してきた愛猫・カゲトラを探すため、普段から一眼レフカメラを携えてる様子。
失踪した最愛の家族・カゲトラを最後にみた恭一朗の話「猫が踊りながら出て行った」は現実味がなく、主人公達と出会うまで信じられずにいたが…。
カゲトラ
皆川家の飼い猫。長女・咲良(さくら)が産まれる前から飼われていた黒猫のオス。
家族の一員として仲睦まじく暮らしていたが、悲しいかな種族の寿命差で人と違い早くに老いても寄り添う姿勢をみせていた。最期の時が迫る兆候で、視力低下・食欲不振・睡眠過多・不穏な呼吸が現れていた。しかし、8年前のある夜中に老猫は突然失踪する。
カゲトラの最後を目撃した長男・恭一朗の証言は空想的な話であった。
ある晩。恭一朗は寝ている時に何かの音色と気配を感じて起きると、傍らでは二本足で立ち奇妙な踊りをしてる老猫・カゲトラの姿。当時は幼子だった恭一朗からは、元気になった家族が外へ出たがってる様子に思えたのだろう。彼が家の扉を開けてあげてる最中も踊り続ける黒猫が闇夜へ去っていく様を見送り、そのままどこかに行ってしまった…。
そして8年間、カゲトラはいまだに見つかっていない。
因みに恭一朗が張り出していた迷い猫の情報に「15歳」と表記されている(初描写では「5歳」だったが、カゲトラの猫背景から誤りと思われる)。猫の寿命を人間で換算すれば「76歳」で、失踪して8年現在は「100歳以上」のおじいちゃん猫とも考えられる背景から、外の世界で無事な状態で見つかるとは思えないが……。
猫と戯れる少女
不可思議に警戒標識が生える妖しい場所で、沢山の猫たちと「おっちょちょいのちょい」といった唄ではやし立てながら踊って登場した少女。ヘソ出しの露出が大きい恰好をしている(その為、ペッタンな姿が色っぽい)。二足歩行もしている猫の言葉を理解できたり、主人公の一人・連(れん)を『■■し』呼んだりと、彼女も怪異に関わる人物と窺える。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【結果こうなったよ。】では、ギザ歯をみせて「ニシシ」と笑うなど、悪戯っ子みたいな様子の彼女が描かれている。因みに、没の設定画集【クソガキ系褐色銀髪幼女】も投稿されたが……これもこれでアリだけど難しい事情があったようだ。
そして彼女が本格登場する章節『猫の家編』にて、怪異の世界へ存在する少女が冠する称号や、本章が収録される第5巻の表紙-月夜の都市部で沢山の猫たちと混ざり振り向く妖女の姿-とかから「正体」など明らかになっていく。
鼠浄土編
友保栄治(ともやす えいじ)
コンビニバイトをしていた男性。(まだ)少し長めの髪を一部結んだ若者。
第一話で主人公のひとり・菫子(すみれこ)が深夜来店した際に登場していた兄ちゃん。その時に遭った不思議騒動が元で退職(クビ)。
本職は売れない若手ピン芸人「ケテル友保」をしてたり、家族や周囲と不和な日々に鬱憤を溜めていた時、彼は自販機の裏に続く奇妙な空洞へ迷い込み…。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【最初に考えたコンビニ店員のデザイン】では、連載までに多大な容姿変換があったと察せられる。
ウサギ(通称)
友保が迷い込んだ場所で初めて出会った女性。
上半身を開(はだ)けた兎の着ぐるみ姿、ビキニ型の肌着、頭には兎頭をすっぽり被ってるため素顔は不明(友保からは「不思議と全然エロくないな。」という印象だが、傍目の画的には中々な出で立ち)。
名前も不明。周囲からは通称「ウサギ」で呼ばれてる模様。語尾に「~し」と付けて話すことが多いし。
何か芸能関連で悩みを抱えているようだし…。
タナカたち
友保が迷い込んだ奇天烈な溜まり場へ、突如として現れたスーツ姿の大人(おっさん)たち。
時空の隙間からニュッと出てきたり、何かの管理者であり、彼等は皆揃って「タナカ」と便宜な感じで自己紹介したりと、異界・怪異に関わる存在。
七星娘娘編
三輪氷彗(みわ ひすい)
実は主人公達と同じ書店へ勤めるバイトさんで、名前だけなら第一話に登場している。
10代でネット掲載していた小説が書籍化するといった才能があり、怜悧(れいり)な一面から同世代から近寄りがたい空気を纏ってもいる。
そんな才知とは別に、異質な悩み事で毎日を囚われているようで……。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【きのこ派の人】では、本格登場時期には見られなかった可愛らしい不機嫌顔など、貴重な表情集も描かれている。
葛葉純(くずのは じゅん)
三輪と同じ高校へ通う女生徒。顔の右側に大きな傷跡があるも、それを隠そうとせずさっぱりしたポニテ少女。がっしりした体型であり、女性的魅力もばっちり。
学校内外で突飛もない行動をしてる好奇心旺盛な奇人。真偽は定かでない様々な噂が囁かれ、文武両道に秀でた若き天才でもある。
実は不理解な感覚に悩まされているらしく……。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【享楽的な三白眼傷跡女子。】では、傷跡の形状や初登場時期には見られなかった間抜け顔などが描かれている。
その他の人物・怪異など
大仁志(おおにし)
眼鏡をかけ、髪は七三分け。緒川菫子と化野連の主人公達が勤める本屋「みどり書店」の従業員。
駅ぎらさきの駅員
🎙CV:野沢雅子
化野(あだしの)兄妹が拠点としている異界駅の窓口にいる何か。人影の代わりに湿ってる輪っかの縄がぶら下がっているだけ。不気味な存在感で語りかけてくる。
この駅員?へ呪物を提示すると、それに見合った異界行き切符を交換してくれる。
おっさん
🎙CV:内田夕夜
スーツをだらしなく着て鍔(つば)つき帽子を被った細身、無精ひげを生やし喫煙・飲酒を好むくたびれたサラリーマン風の中年男性。化野(あだしの)兄妹とは既知の親しい仲。
単行本2巻の紹介文に『異界の扉の番人“時空のおっさん”』とあるように、彼もまた化野兄妹みたいに異界へ関わる住人で、都会の何処かへ辿り着いた場所に「ある役目」から滞留している。
一見は頼りなさげだが、(違法で)身分証明の品を用意したり、ある怪異の件で負傷した連(れん)の眼を治療-包帯を巻いて血が滲む痛々しい様で、おっさん曰く応急処置の気休め-といった確かな腕を持つ。
猫の家編 幕間で主人公のひとり・菫子(すみれこ)とも対面。その際におっさんは、便宜で思いつきな感じに「タナカ」と自称した。
玉心堂書店の女性定員さん
怪しい路地裏を抜けた先にある『玉心堂書店』へ勤める定員のお姉さん。相当な本好きであり、近寄りがたい雰囲気があるも意外に優しい美人さん。主人公の一人・菫子(すみれこ)が幼少期に出会った女性で、人付き合いに悩んでいた彼女の話を聞いてあげて、後に物書きへの助言をした人物。また当時の交流で、元気になっていく菫子(すみれこ)へ向ける眼差しは【特異な眼】をしており、お目が高い神秘的(ミステリアス)な所がある。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【目が死んでて怖いけど意外に優しい奴】では、細身の体型で目に光は無いが艶っぽい仕草のあるリーディンググラス女子として描かれている。
因みに彼女が登場する回の前編がビッグコミックスピリッツに出張掲載された。なお定員さんがオススメしていた「相撲取りが爆死するタイプのミステリー」は引用元がある。
そして本好き姉さんが描かれる第4巻の表紙では、彼女の書店にて「この本はどうかな?」と幼少期の菫子(すみれこ)へ薦めるような、他愛無くも優し気な日々を過ごしていたと思わせる一枚絵が描き下ろしされている。
用語
※項目内の画像はイメージです。
「!」の標識
道路交通標識の中で「その他の危険」を表す幻の第27警戒標識。形状は黄色の菱形(ひしがた)で真ん中に「!」が表示されている。その為、創作では「人ならざる何かの痕跡を示す」意味合いで引用もされる(例えばコレとか)。
本来は本作では私室や屋上、トイレ、廊下など怪異のあった場所に「!」の標識が現れ、物語の雰囲気を表す存在(シンボル)。これは常人に見えず、怪異の徴(しるし)を表す存在という事で不気味な存在感を醸し出している。
主人公のひとり・乙(おと)曰く「何かあった跡の違和感…?みたいな…当て嵌まる言葉が存在しない」という感じで、化野乙(あだしの)兄妹は便宜的に「標識」と呼んでいる。
怪異
主人公のひとり・連(れん)曰く「現代怪異や都市伝説。その一部は実在します。」との事。彼の解説では明治時代の哲学者・井上円了(いのうえ えんりょう)の著書『妖怪学講義』が引用されている。その中で妖怪・怪異とは、恐怖心や誤解が生んだ虚構「虚怪」と実際に起きた超常現象「実怪」に分類されている。この説明時(単行本2巻収録)には下図のような目録(イメージ)が描かれた。
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本作の主人公たちが対峙するのは、科学でも解明できない本当の怪現象「真怪」であり、円了(えんりょう)の定義する「真怪」は自然の法則全てを指す事らしい(ある意味、怪異の対極みたいなモノ)。だが連(れん)の定義は文字通り「真の怪異」であり、滅多に出会わないモノだという。
概要でも述べたように、作中には古今東西の怪異が登場し、それらの文献を調査・引用し正体を探る。中には関わり方や正体を見誤ると命の危機に陥る事件もある。
また怪異と出会う理由として、主人公のひとり・菫子(すみれこ)の件では「ただの偶然」「ある時 ある場所に偶然居たから」とされていたが―
" なんせここは新しい街だからね。ある意味一種の空白地帯みたいなもんだ。 "
化野(あだしの)兄妹の知人・おっさん(タナカ)は、主人公たちが暮らす街に【怪異=警戒標識】が多い理由として、上記の科白(せりふ)から、今は得体の知れないモノが集まりやすい時期だと示唆している。
〝 新しい土地には新しい神が宿るのさ。 〟
駅ぎらさき
現実世界の某ネット掲示板で有名な都市伝説の駅。おお、こわいこわいと侮って検索すると怖い目に遭う内容なので検索にご注意下さい。検索にご注意下さい。検索にご注意下さい。
本作では、化野(あだしの)兄妹が「ある目的」で利用する場として度々登場し、物語の象徴的な場所(シンボル)。元ネタをイメージするかのように不気味で荒廃した有様で、文字が全て鏡文字だったり受付に首吊りの縄があったりなど、、、この世ではないかのような不穏な空間となっている。
作中この駅では、怪異に交換レートが設けられており、何処かへの乗車券と引換ができる。
コオネ女学院
主人公のひとり・乙(おと)が通学している女子校で、通称「コオ女」と呼ばれる。小中高一貫教育で全12学年。途中入学者も多数在籍している。友愛・礼節・勤勉を校訓としていて風紀や伝統を重んじる厳格なお嬢様学校。
ある時期から奇妙な理由で不登校になる生徒が多数出ている。
その事は生徒の間で『ヨダレカケ』と呼ばれる不可解な現象で…。
作者の𝕏️(前代・Twitter)にある設定画集【ボレロって実際には見たことない】では、制服の設定画が描かれている。
𝕏️(Twitter)と乙女と神隠し
作者・ぬじまの𝕏️(前代・Twitter)では本作の連載・関連情報も配信(ポスト、前代・ツイート)されている。その中には描き下ろし作品(イラスト)もある。
例えば―
- 上記にもあるように、登場人物の設定画集(中には作中で登場していない者もいるようだが…)。
- 次にくるマンガ大賞webマンガ部門のノミネート告知でキャピっとした乙(おと)とダラっとした菫子(すみれこ)
- 2月22日(にゃー)・猫の日ですってね
- 単行本特典でボツ案の菫子(話題になったあの素晴らけしからん衣装)。
- 小さな植物が植わった鉢を前に、化野(あだしの)兄妹のかわいい一幕。投稿時期に地上波で放送されたアニメ作品の夢ネタ。この一幕は本編(単行本2巻収録)で、ある回のつなぎ場面でもある。
- 2021年の年明け恒例で、例のアレな姿になった乙女たち!
- 2021年9月。新登場すると思われる乙女の設定画集【手がちぎりパンみたいだが可愛い系】が投稿された。とてもふくよかな乙女で食べる事が大好きらしく、横からの画もみると彼女のぽよぽよ感がより分かりやすい。
単行本と乙女と神隠し
第1巻の単行本は紙書籍と電子書籍で表紙が異なる。表紙カバーを外した本表紙は、Twitterで掲載された画も含む登場人物の設定画集となっている。
収録話は、WEBに掲載された「数話」を書籍では「1話」にまとめられている。その為、WEB連載時の読者は単行本を読んだ時(又はその逆で単行本→WEB)で読み比べると、読み応えが異なるのではないか。
参考
第1話→WEB版(公式HP)・書籍版(𝕏️-Twitter-_1/11)
単行本の描きおろしでは、作中の幕間にあったエピソード【おまけの一日】が収録されている(中にはちょっと■ッ■な内容もある)。
更にというか、書店特典の中には■ッ■な流行もので描かれた乙女たちが描きおろしされている。
参考
アニメと放送と神隠し
2024年4月より放送開始予定。
主要スタッフ
主題歌
🎥TVアニメ『怪異と乙女と神隠し』PV第1弾:Mysterious Disappearances【2024年4月放送開始!】 - YouTube
補足と余談と神隠し
- 紙雑誌の週刊スピリッツへ何度か出張掲載されている。
- 単行本第1巻には「日本現代怪異事典」の著者・朝里樹から推薦文が寄せられている。作者・ぬじま先生は本作の制作にあたり、朝里樹の書籍を参考資料として読み込んでいる。推薦文の話を知った時は「未だにドッキリじゃないかとちょっと思ってます。」と驚いたとのこと。
- 怪異を説明する際に登場した井上円了(いのうえ えんりょう)とは、かつて海外旅行が困難だった時代に世界中を旅した哲学者。作中で解説があるように『妖怪学講義』を執筆し『妖怪博士』とも呼ばれ、東洋大学の創立者でもある。
🎥【東洋大学創立者】旅する哲学者 井上円了 - YouTube
- やわらかスピリッツ公式HPにある編集部コメント『「たわわ」から「ぺったんこ」まで性癖に突き刺さる女子』と述べられているように、多彩な要素を持った登場人物たちが描かれており、そういった視点でも楽しめる漫画的表現がある。
- 作中では怪異の正体・現象を探る過程などで、人の心理や生理(生物が生きているうえで起こる体の現象という意味で)といった科学的な解説もされる。作中の表現を引用するなら、恐怖心や誤解が生んだ虚構「虚怪」に触れる事柄と思われる。余談だが、某百鬼夜行シリーズでこの「虚怪」を相手にする陰陽師の黒い男は、(敢えて表現するなら)偽怪(人為的)や誤怪(偶然的)といった科学的な根拠(更に仮怪(自然的)や、これの物怪(物理的)と心怪(心理的)も含む)で、怪異譚のような不可思議は現実にもある考えを持ち、座右の銘に『この世には不思議なことなど何もないのだよ』がある。
- 「姫魚よるむん(VTuber)」のエピソードでは、作者・ぬじま氏がVTuberにハマってる話を編集さんにした事が創作のきっかけとなったらしい。ぬじま氏は「急遽始まった感」や「準備不足感がエグい」と、四苦八苦な思いを感じながら臨んでいる模様。
因みにハマっていたVTuberには「桐生ココ(🐉)」など、その時々で熱中している様子が窺える。
🐉2019年12月~2021年7月まで活躍した、仁義と任侠を重んじる正義感あふれるデッカイ竜娘のVTuber。
- 第三十六怪の宣伝告知で掲載誌の編集部は、何故か菫子の怖い画(?)を引用したツイートをして、作者・ぬじま氏は「何故このシーンを宣伝に…?」と突っ込みをしている。
まあ菫子さんのアレは恐ろしいほどの迫力(褒め言葉)がありますもんねー(安心して ただの脂肪よ)。
つまり否応なく何かの妖怪・怪異みたいにされた菫子(メインヒロイン)なのだった。
関連サイト(外部リンク)
- 怪異と乙女と神隠し - やわらかスピリッツ
- 怪異と乙女と神隠し - ニコニコ漫画
- 怪異と乙女と神隠し【単話】 - pixivコミック
- 怪異と乙女と神隠し - pixivコミック
- 次にくるマンガ大賞 2020
- 怪異と乙女と神隠し - Wikipedia
- オカルト好きが今すぐ読むべき漫画『怪異と乙女と神隠し』作者インタビュー - ねとらぼ
- 幼い時にだけ行けた「あの場所」の正体は? ノスタルジックな漫画『怪異と乙女と神隠し』が話題 - Real Sound(リアルサウンド ブック)
- 作者・ぬじまのアカウント - pixiv・𝕏️(前代・Twitter)
- ぬじま - Wikipedia
関連項目
本作と似た題材を扱った作品
現代の日本にある町を舞台に、怪異となってしまった主人公の青年やヒロインの乙女たちが奇々怪々な存在に巻き込まれる長編シリーズ。神隠しのように人を迷わす牛や雨の名を関する悪魔など、古今東西の怪奇やそれらを相手にする専門家も登場する。また短期間に多種多様な物の怪が出現する原因として、専門家のおっさん曰く『疲弊した土地神の影響で「良くない気」が溜まり易いパワースポットになってる』と分析するなど、物語が進む中で、その諸事情が明らかになっていく裏話(エピソード)もある。また特殊な色気のある作品でもある。
かつて神隠しにあった乙女が、怪異たちの案件を請け負う『知恵の神』となった怪奇ミステリー。相棒で恋人?の実は人外な彼氏と共に、様々な怪事件・犯人と対峙するアクション作品でもある。
主人公の乙女たちが、都市伝説のひしめく裏世界(異界)と表世界(この世)を往来するSFホラー冒険譚(そして百合)。掲示板で有名なあの駅や時空の狭間に現れるおっさん、(可愛い?)猫の怪異などなど、数多の噂話(ネットロア)が登場する。
主人公は家族と引っ越し中に神隠しに遭ってしまった少女。そこは不思議な湯屋や「帰りがない」といわれる不特定な電鉄のある『この世』ではない世界だった。これは奇妙な住人や怪異のように得体が知れない黒いモノ、なぜか親しみを感じる少年との出会いと別れの物語であり乙女の成長記録でもある。
忘れないために私はここに記しておこう。
これは私 緒川菫子と
口の減らない友人・化野連の、
ささやかな友情と別れに関する記録だ。