概要
1972(昭和47)年、日本と中華人民共和国の間で国交が樹立されたことによって、それまで「中国の政府」として承認されていた中華民国(台湾)政府との断交が決定した。当時国際航空路線の運航は日本航空1社のみ認められていたが、中国政府より「中国に乗り入れる航空会社を台湾に乗り入れさせることは認めない」との声明が発表されたことで、台湾路線用に日本航空の子会社を設立することになった。
1975(昭和50年)、日本アジア航空株式会社は設立され、東京国際空港-台北松山空港・高雄国際空港線を皮切りに、旅客・貨物輸送を開始した。
経営が拡大するにつれ、新東京国際空港や関西国際空港、名古屋空港発着の路線も開通し、行先もグアムや香港、インドネシアへと拡大するなどただの台湾路線用航空会社の枠を超える規模に成長していった。
2007(平成19)年、「日中路線に乗り入れている航空会社(=日本航空)の台湾乗り入れを認める」ことが決まったことで日本アジア航空の存在理由が消滅、2008(平成20)年3月31日、日本アジア航空は日本航空へ吸収合併され、運航路線は移管されることになった。
なお、同じ理由でブリティッシュ・エアウェイズやKLMオランダ航空、カンタス航空、エールフランスなどが専門の子会社を用意した一方、全日空やルフトハンザドイツ航空などは国内線を運行する子会社に台湾便を運行させており、対応が分かれる格好になった。