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東武20000系

とうぶにまんけい

東武鉄道が保有・運用している通勤形車両。ここでは改造車「東武20400系」「アルピコ交通20100形」についても解説。
目次 [非表示]

東武20000系

東武鉄道営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線との直通運転用として1988年(昭和63年)にデビューした車両。全車ステンレス製。カーブのきつい日比谷線に対応するため、先代の2000系に続き18メートル車体8両編成という異色の存在である。また、勾配の多い地下鉄線を走るため、東武鉄道では唯一MT比が3:1の6M2T構成で製造された。


なお、車両形式は「20000系」であるが、8両固定編成であるため10000系以来の慣習に基づき百の位は「8」となり、番号は「2X8XX」で表されている。


20000型

デビュー当初のグループ。基本的な構造は2000系と同じで18メートル車体3扉の8両編成。制御方式は10000系・10030系などと同じチョッパ制御。13編成を製造した。

20050型・20070型とは異なり、自動放送装置を持たなかった。


20050型

日比谷線の混雑に対応するため、20000型のマイナーチェンジ車として登場した。東武鉄道の「仕様変更を行うと形式も変える」というルールにより形式番号こそ別だが、基本設計はほぼ同一。

8両のうち両端の2両ずつを5扉に変更し、行先表示機が幕式からLEDに、制御方式もVVVFインバータ制御に変更されている。扉が増えたのは、当時、日比谷線内でホームの端に階段がある駅が多いせいで混雑が悪化し始めていたためで、この時代に増備された日比谷線の03系にもこの仕様が見られる。

また、登場当時は、現在ではすっかりおなじみとなったドア上液晶を先駆的に採用。のちに劣化のため取り外され、広告枠期間を経たのちスクロール式LED表示機に交換されたものの、当時としては画期的であり、注目された。8編成を製造した。そのうち21852Fは2000年発生した中目黒駅脱線衝突事故の当該編成で、3号車と4号車の損傷が大きかったことからこの2両については代替新造の上、使える機器を移植している(書類上は修理扱い)。この車両は現在は21434Fの中間車になっている。


20070型

日比谷線の直通本数増のため20050型のマイナーチェンジ車として製造された20000系列の最終増備グループ。全車両が3扉に戻り、ドア上にスクロール式のLED表示機を標準で取り付け、パンタグラフもシングルアームパンタに乗せ換えられたほかは20050型と同一。3編成を製造した。


運用路線


なお東京急行電鉄(現・東急電鉄)の保安装置を搭載していなかった為、日比谷線のもう一つの直通相手だった東急東横線には入線出来なかった。


東武20400系

【HD東武18-1】同じ形式なのに4種類ある車両【20400型】

日比谷線用の車両を4扉車へ統一する目的で、東武側は70000系を、東京メトロ側は13000系をそれぞれ投入することに決定。本系列は代替されることになったが、東武線内ではまだ比較的古い8000系がまだ大量に残っていることから、編成短縮改造・リニューアル工事を施し、支線区へ転用することにした。

なお、車両形式の「20400系」の名称は4両固定編成にちなむものである。こちらも10000系以来の慣習に基づいている。


転用改造に際し制御方式が2種類で混在するため、20000型は中間車をすべて廃車のうえ、20050型・20070型から余ったVVVFインバータ制御の中間車と20000型の先頭車で編成を組成し、全車両をVVVFインバータ制御に統一させる方針にした。

編成は8両編成から4両編成へ短縮され、リニューアルに合わせ外観も大きく変更された(改造内容は車体色の変更、ドアボタン新設、前照灯LED化と先頭車スカート装着など)。また、ワンマン運転に対応している。

制御装置などはそのまま使われており、更新などは行われていない。細かな違いはあるものの、運用上の区別はない。


20410型

4両編成・10番台は先頭車含め純粋なVVVFインバータ制御編成である20070型からの改造グループである。元8~6号車と1号車が種車。

全3編成。


20420型

4両編成・20番台は20070型から余ったVVVFインバータ制御の中間車と、20000型の先頭車で編成を組成したグループである。20000型と20070型はクーラーキセの形状など一部仕様が異なるため別番台となった。また、窓周りの寸法もよく見ると異なる。改造種車は20000系の1号車と8号車、20070系の2号車と3号車。

同じく全3編成。


20430型

4両編成・30番台は先頭車含め純粋なVVVFインバータ制御編成である20050型からの改造グループである。両先頭車は5扉車が種車であるため、一部の扉を閉塞し3扉車へ改造する工事も行われた。そのため、元から3ドアの先頭車より座席数が少なくなっている。種車となったのは8、6、5、1号車。これは搭載している機器配置の関係。

全8編成。


20440型

4両編成・40番台は20050型から余ったVVVFインバータ制御の中間車と、20000型の先頭車で編成を組成したグループである。東武日光方から2両目の中間車・モハ23440形は5扉車が種車であるため、一部の扉を閉塞し3扉車へ改造した。種車は20000系の先頭車と20050系の2号車と3号車。

同じく全8編成。


運用路線


本形式導入により、当該区間の10000系列と6050系の運用を全て置き換えた。


アルピコ交通20100形

アルピコ交通 20100形

アルピコ交通上高地線(旧松本電気鉄道)では、京王電鉄から譲り受けた現行の3000形の部品確保が難しくなったことから、同車を置き換える目的で東武鉄道から中古車を購入することに。

20000型・20050型のうちの中間車それぞれ4両を京王重機整備にて先頭車化改造を施した上で譲り受け、20100形として就役。2021年12月に最初の2両が新村検車区に到着し、試運転ののち2022年3月25日より運行を開始した。


  • 松本駅寄りが、20050型を種車とし、主電動機と霜取りパンタグラフを持つモハ20100形(奇数)
  • 新島々駅寄りが、20000型を種車としながらも電装を解除し、2基のパンタグラフを持つクハ20100形(偶数)

どちらも前面は非貫通式である。

上高地線では、他の長野県内の私鉄+3セクしなの鉄道の計4社共々ワンマン運転を行うが、日比谷線03系が譲渡された長野電鉄とは異なり車内精算方式であるため、バックミラーや運賃箱も設置された。なお画像はラッピングが張られる前の姿で、現在は前面にはアルピコカラーのラッピング、側面には紫色の帯と「ALPICO」の文字が入っている。


東武からの車両譲渡は1996年以来25年ぶり。また、長野電鉄・上田電鉄・アルピコ交通、長野県内の私鉄3社で「日比谷線の走行実績がある車両がそれぞれ在籍している」という珍現象が起こった。


運用路線

  • 上高地線:松本〜新島々

余談

20000系列のパーツは予備も含めて相当数作られており、余剰となった分はあちこちに譲り渡され、活用されている。


伊予鉄道(横河原高浜線、郡中線)では、元京王の旧型車置き換え用として製造したオリジナル車の610系2両編成2本が、側面を20000系と同一の規格品を使用しているほか、20000系によって日比谷線から置き換えられた2000系が、20000系と同一規格の前面形状にリメイクされた上で東武野田線に転用、2080系として少しの間使われていた。


長年にわたってクレヨンしんちゃんに登場する東武線の車両だったため東武の顔であるスペーシアこと100系を差し置いて全国的に知名度があり、東武と縁のない地域では東武線=20000系を想像する人も多い(現在は50000系一族など後継車両が登場することが多い)。


日比谷線直通時代の1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件では、21811F(現・21421F)が被害車両となった。当該車両は当時中目黒発東武動物公園行として運行されていたが、途中の霞ケ関駅で運行を打ち切り、自衛隊によるサリン除染作業が行われた。


2000年3月8日に日比谷線中目黒駅構内で列車脱線衝突事故が発生。中目黒を出発した21852F(現・21434F)が、同駅到着直前に脱線した営団03系(03-102F)と衝突し、モハ23852(6号車)及びモハ24852(5号車)が大破。6号車に乗車していた乗客5名が死亡した。

大破した2車両は事故後に代替製造され復籍した。


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