概要
かつては江差線(現道南いさりび鉄道線)の木古内駅で分岐し、松前郡松前町の松前駅までを結んでいた路線。線路跡の一部は海峡線の路盤に転用されている。
歴史
1942年(昭和17)に国有鉄道の福山線として渡島吉岡まで開業。(ちなみに江差線は昭和11年に全通)この近辺にマンガン鉱があり、軍需物資であるそれの輸送のために急ピッチで建設された経緯がある。
太平洋戦争後に松前まで延伸し、現在のルートが確立された。
そのほか松前から先の大島地区までの延伸計画もあったが、戦後まもなく近辺のマンガン鉱が閉鎖されてしまったため、工事途中で放棄された。
1980年(昭和55)の国鉄再建法により、1984年(昭和59年)6月に第2次特定地方交通線に指定された。
このとき松前線単独では存続基準にぎりぎりで届かないというレベルであった。しかし、実際には松前線よりも同じく木古内駅から分かれる江差線の木古内~江差駅間のほうが利用客が少なかった。また、1980年以降に廃止基準を上回った年があったとして、1977年からの3年間の輸送密度ではなく直近の輸送密度で廃止承認すべきと異議申し立てを行うも、国鉄サイドは「もう決まった事だから100%覆らない」として却下された。
そこで、地元住民の「乗って残そう運動」という牛歩作戦を展開し、基準をクリアした年もあったが、これに政府が国鉄に対する営業妨害と見なしてぶちギレて、「追試」によって再び基準を割ってしまい、結局JR北海道に移行されたのち1988年(昭和63年)2月に廃止された。
なおその後生き残った江差線の木古内~江差間も2014年(平成26年)5月12日に廃止された。
松前線の廃止から26年後のことである。