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「あら~ボーイさぁん?ワインならそこに置いといてくれる?それとも一緒に飲むゥ?」


声:本多真梨子


概要

『逆転裁判』第2話『逆転姉妹』に登場。年齢23歳。身長157cm。


情報処理会社コナカルチャー社長・小中大の秘書。ピンクのスーツは上司の彼とお揃いである。「小中とは愛人関係にあるとの噂」があり、それを示唆する様な描写が散見される。


ホテルの同じ部屋に2人で宿泊したり、作中の『ストーリー・イメージイラスト』では「小中に肩を抱かれて嬉しそうに、蠱惑的な笑顔を浮かべた梅世の姿」が描かれている。2人の人間性や会社の内情からして「あくまで利害関係の一致から協力関係を強化する為、恋仲になっているだけで、まともに恋愛感情を共有している訳ではない」のかもしれない。小中の方は「遊びの一環」梅世の方は「甘い汁を吸う目的で上司に取り入ってるだけ」という線も考えられる。


新社会人に当たる年齢からして、大卒であれば入社からあっと言う間に秘書まで出世し、小中の側近として活躍しているので、恋愛感情は抜きにしても「実力的には社長のお気に入りである事」は間違いないだろう。


性格は「典型的なワガママなぶりっ子を突き詰めた様な女性で、常に周囲の男性を魅了しては意のままに操ったり翻弄する等して、何らかの利益を獲得する事を楽しむ享楽的な魔性の女である。『蘇る逆転』の攻略本では「ぶりっ子モードとは裏腹に、性格はかなりねじれ気味」だと評された。また開発者には「この様な性格に設定したのは、プレイヤーが倒した時スッキリする証人にする為」と説明されている。


持ち前のチャーミングな美貌と猫の様な可愛らしい振る舞いで、男性を虜にするのが趣味にして特技。業務の主軸である情報収集を目的に、潜入先の男性から色仕掛けで情報を引き出してきたと思われる。自ら嬉々として小悪魔的な魅力を持った悪女を意識して演じているが、隠し切れていない腹黒い本心や粗暴な一面が言動の節々から垣間見える。上司と同じく他人を馬鹿にするのが好きで、露骨に相手を見下す発言や態度も多い。


ワインが好物で、劇中では『板東ホテル』に宿泊しルームサービスで注文している。テレビドラマ鑑賞が趣味で、宿泊中にも楽しんでいる。303号室に宿泊しているが、これは「宿泊客の2人が3拍子揃った名前の持ち主」なのに引っ掛けているのだろうか。


外見

センシティブな作品

ピンクのセミロングの髪型で、巨乳美脚グラマーな容姿をした美女。劇中では板東ホテルのボーイ「キレイな方だな」と見惚れている他、留置所の看守も見惚れて動けない様な反応を示している。『板東ホテル』で成歩堂と会った時は「お化粧してくる」とパウダールームに引き返したが、ノーメイクでもかなりの美人である。


爪には赤いマニキュアを塗り、耳にはハートのピアス、ハートのボタンが付いたピンクのボディコンスーツ、同じくハートのアクセサリーが付いた赤いピンヒール、側面に深いスリットが切れ込む白いミニスカート(膝上26cm)と、全体的にピンクずくめかつハートをあしらったファッションをしている。攻略本では「ラブリーテイスト」と称された。ハートの装飾品は全6個。初期設定では、今とほぼ同じ衣装だが、ハートの装飾品が過剰で20個近くもあった。


胸元を開き強調した谷間、胸を揺する、猫の手の様なポーズ、甘ったるい喋り方、ウィンク投げキッス等、男性の視線を釘付けにする様な仕草を多用。バスタブやドアの陰から艶めかしい美脚を覗かせたり、上述のミニスカートとピンヒールを着用している事からも、脚線美には相当の自信がある事が解る。


総じて、セクシーさとキュートさを併せ持つ「魅惑の美女」と言える。


事件での動向

綾里法律事務所』所長・綾里千尋殺害された事件発生当時、事務所向かいのビジネスホテル『板東ホテル』に宿泊しており、事件の一部始終を目撃し通報。翌日、警察からの通達もあり同ホテルに引き続き滞在していた。


この時、宿泊中の303号室を成歩堂が訪れているが、検察側の証人である事を理由に、彼から何を聞かれても話をはぐらかすばかりで、一向にまともな情報を話そうとしなかった。ちなみに、この時点で同室にあったテーブルにはワインボトルとグラス2本が置かれており、彼女以外に何者かが宿泊していた事が窺える。色んな意味で怪しい。


一方で、タンスの引き出しに引っかかっているドライバーを成歩堂に怪しまれると、引きつった表情で止めようとした。案の定、数時間後に入浴していたころ再び訪れた成歩堂によって、盗聴器を発見されている。入浴中の梅世自身はそんな事にもルームサービスを運んで来たボーイが退室していた事にも全く気付かず「ボーイさぁん。まだいるのぉ?」と声をかけるや、成歩堂は潔く退室した。


アニメ版ではホテルでの入浴中、ボーイがルームサービスを届けに来たものと思い、バスルームのドアから脚だけを覗かせて上述の台詞を発すると、自慢の美脚をこれ見よがしにアピールし色仕掛けで飲みに誘おうとするが、その先には事件の捜査のため部屋を訪れていた成歩堂しかおらず、それ所ではない彼に「結構です」と返されている。こちらでは成歩堂が303号室を訪れたのはこの1回だけとなり、裁判当日まで対面していないものの、彼が退室する時につまづいたゴミ箱から盗聴器とカフスボタンが発見されている。また原作とは違った形での「グラマー美女の側面を強調したシーン」ともなった。程なくして、ボーイが訪れた時は何を思っただろうか。


翌日の法廷では、入廷時に胸を揺らす等して(成歩堂除く)法廷中の男性のハートを鷲掴みにする。そして事件当夜、目撃した事を証言する。だが一見置き物にしか見えない凶器『考える人の置き時計』が時計なのを知っている等の不審な点が発覚し‥‥。



関連タグ

逆転裁判

逆転裁判・逆転検事シリーズキャラクター一覧

板東ホテルのボーイ 小中大 綾里千尋



以下ネタバレ
































美人秘書の凶暴な本性

「何だっつーのよ!このギザギザアタマがぁ!あのコムスメがやったんだ!とっとと死刑にしちまいな!」

【逆転裁判】松竹梅世

追い詰められた梅世は激怒して豹変。般若の如く恐ろしい形相となり、極妻の様な暴言を吐き散らかした。その姿は成歩堂も恐怖を感じる程であった。それと同時にハートのボタンも逆転し、それまでしていた猫手の様なポーズもやめており、正に猫被っていたのであった。この凶暴な本性を武器に、大勢の被害者を脅迫して、多くの利益の獲得に成功していたのは間違いない。


その豹変振りに法廷中の人々は驚きを隠せなかった。裁判の最終局面では窮地に陥った現状を堪えられず、若い女性らしく泣き出してしまう。この時には普段の姿に戻って可愛げのある泣き顔だったが、今更これを見せつけられた所で、法廷の人々の彼女に対する印象が変わる訳が無かった。


実は梅世はホテルで綾里姉妹の会話を盗聴しており、その上ボーイ長の青年の証言時に「もう1人の人物と2人で宿泊していた事」が判明。ルームサービスで注文したアイスコーヒーきっかり9時に受け取っており、その際アリバイ作りで自分を印象付けようと、ボーイの頬に接吻している。呑気な事にボーイは「ワタクシにホの字だったのでは」と惚気気味に語っていた。アニメでは、上述のカフスボタンがその人物が宿泊していた手掛かりとなった。


閉廷後は、偽証と盗聴の容疑で緊急逮捕される。成歩堂が証言を纏めるも結局、偽証ばかりだったので「被害者は攻撃をかわし右に向かって逃げたが、追いつかれて殴られた」という一文のみが手掛かりとなる。


一緒に宿泊していた人物は「真宵が千尋を殺害したとの偽証と事件現場の盗聴」を命じていたが、梅世本人は留置所でその事を成歩堂に追求されると「喋るのが怖い。あの女弁護士みたいに消されたくない」と怯え出した。その一緒に宿泊していた人物こそ『コナカルチャー』社長・小中大であった。彼は翌日の法廷で、真犯人であると発覚し逮捕された。


留置所での小中に怯える様子からは「彼との本来の関係性の片鱗」が見える。小中は部下としても、愛人としても、まともに梅世を可愛がっていた訳ではなく、動向次第ではいつでも彼女を捨て駒にするつもりで、それを梅世自身も認識していた事が見て取れる。小中も成歩堂に「梅世君には悪い事をした」と嘲笑しながら語っている。仮に愛人関係だったとしても「お互いに打算ずくめの、ビジネスライクな関係」であったと察しが付く。


梅世が小中の共犯者となったのは、彼に好意を寄せていたのではなく、あくまで上司の小中から圧力を掛けられて忠実な部下として従っていたに過ぎない。千尋殺害に対しても、小中の役に立てた等と喜んだり、楽しんでいた訳でもなく、ただただ「犯行は人生の必要な通過点」としか見ていなかった。


小中の圧力で従わされただけで、自由意思で犯行に及んだ訳ではなく、犯罪も盗聴や偽証等といった軽いものなので、後に「情状酌量の余地がある」と判断されたと思われる。しかし、この先の話でも何人か登場する「殺人は犯してはいないが、真犯人の共犯者で、偽証や現場工作等に及んだ人物達」とは彼女は大いに異なる。


「自分も真犯人も、私利私欲と自己保身が目的であり、逮捕された事件以外でも、幾つもの罪を重ねて来た悪人」である為、同様の罪で逮捕された他の人々と比べると、重罰が科せられたのは確実であろう。数年後には釈放はされただろうが、悪徳企業だと暴かれた勤務先は倒産し「有名な凶悪犯の共犯者」という、前科持ちの彼女でも身を寄せられる場所はまず無い立場となった為、未来が暗澹たるものとなったのは想像に難くない。


余談

名前の由来は言うまでもあるまい、冬を越すめでたい植物松竹梅であり、上司の「小中大」とセットで考えると、大きさや等級から来ているとも捉えられる。

一方で英語版では「April・May(エイプリル・メイ)」と「4月、5月」由来の名前になっている。英語圏では「エイプリル」は一般的な名前で、日本人に置き換えると「卯月」と名付けられた様なものだろう。


プロトタイプである『サバイバン』の企画書には「彼女らしき人物」が既に確認されており「普段は猫を被っているが豹変」というコンセプトも、この時から確立していた模様。何故か豹変はリストカットしているモーションで描かれている。これを初稿とするならば、『逆転』シリーズに登場したキャラクターでは珍しく、デザインが第一稿で決定稿となっている。ラフスケッチでは、ぶりっ子ポーズで自らを「うめピー」と言う等、某アイドルの様な口調が想定されていた模様。


また本編には登場しないが、公式イラストではナース服を着たものも用意されている。掲載されている書籍には「特に看護婦だった訳ではない。潜入捜査する為の服装か」等の記述あり。『コナカルチャー』の実態や、男を誘惑して狡猾に立ち回る普段からの梅世の振る舞いからして、ナース服は潜入捜査目的で着用しているのは確実だろう。同じく公式イラストには、綾里姉妹と3ショットしているものも存在する。


ちなみに、未使用アクションで「成歩堂の目がハートマークになるもの」が存在しており、本編では傍聴人達が彼女の虜になるのを呆れながら見ていたが、当初は彼までも虜になってしまった場面に使うものだったと思われる。「幾ら何でも成歩堂が、師匠の仇の共犯者に惚れるのは不謹慎」と判断されて没にされたと推測される。


「可愛らしい女性が凶暴な本性を露わにする」というインパクトの強さ故か、以降同様に豹変する女性キャラクターはシリーズの恒例となった。


実写映画版には登場しなかったものの、劇中の雑誌にTAR69のメンバーとしてその名が掲載されている。


逆転シリーズ豹変美女の系譜

松竹梅世→葉中のどか

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