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架空創作表現規制反対

かくうそうさくひょうげんきせいはんたい

カクウソウサクヒョウゲンキセイハンタイ
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架空創作表現規制反対』は、架空創作表現を規制あるいは萎縮させる可能性のある法律およびその案(法案・条例案)やそれらの規制を推進する団体等の活動等に対し、反対の意思を表明する、批判する、情報の共有を呼びかける等の投稿につけられるタグである。

概要

 平成20年の第169回国会に当時の与党であった自由民主党および公明党側議員より提出された『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律( 児童ポルノ法 )』改定案 議案本文 )に、将来的な創作物規制につながる可能性のある記述が附則として盛り込まれていた事から投稿が活発化した。
 なおこの法案は衆議院の解散に伴い審議未了となったため、現状では主張する事例はとくに限定せず、主としてpixivにおいて架空の創作表現規制に反対の意思を示す投稿全般につけられる共通タグとして定着しており、【規制反対】タグと一緒に用いられる事が多い。

表現規制と抵抗の歴史

 表現規制をめぐる戦いの歴史は古く、憲法の始まりにおいては「為政者による方言の規制」が話題となっていた。
 戦後においても規制を行いたい為政者および大手企業と守りたい出版放送業界との戦いは続き、昭和30年の「悪書追放運動」等、たびたび起こる大規模な表現規制運動に対して出版界や編集者・言論界等は抵抗を続けてきた。

悪書追放運動( 1955年 )

日本子どもを守る会」「母の会連合会」「PTA」などによる「悪書追放運動」。
 この運動のきっかけはそれ以前に行われていた 「低俗出版物追放運動」や、アメリカ合衆国におけるコミック排斥運動などをきっかけとして行われ、「読まない 見せない 売らない」をスローガンとして、版元、書店、貸本店などへの抗議活動を行ったり、国への規制強化の陳情を行ったりしていた、またあるときには漫画を校庭に集めて「焚書」にするといった「魔女狩り」にも似た行為が横行したとされる。「図書選定制度」「青少年保護育成法案」といった動きの反面、出版界、編集者も批判に抵抗したとされる。この動きが出版業界の自主規制の流れの要因のひとつとされる。
 なお、表現規制に関する詳しい歴史についてはこちらのサイトが詳しい。
日本でのマンガ表現規制略史(アーカイブ)(AMI-Web、2012年解散)

『児童ポルノ法』

 この法律は正式には『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律』であり、平成10年、自民・社民さきがけ3党の議員立法によって成立した法律。
 背景としては外圧によるものであったが、その批判ももっともなものであったことと援助交際社会問題化によるものであった。
 この法律は平成16年に改正され、平成26年に媒体の単純所持が禁止となった。
 なお平成10年に成立した『児童ポルノ法』においては絵は規制対象ではないが、1998年3月に当時の与党三党による児童買春問題等プロジェクトチームによって発表された要綱( 全文 )および提出案( 全文 )には「児童ポルノ」の定義に「」が含まれていた。しかし、その後の議論によって「絵」は除外された(法律条文 )。
 その後も「絵も児童ポルノとして規制すべき」という運動は一部団体等によって、例を挙げれば児童買春等禁止法改正に関するユニセフ公開セミナー( 日本ユニセフ協会 )続けられていたが、その改正は行われなかった。
 しかし、平成20年の第169回国会に当時の与党側議員によって提出された『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律( 児童ポルノ法 )』改定案に、以下の記述が附則として盛り込まれた。

  • 第二条 政府は、漫画、アニメーション、コンピュータを利用して作成された映像、外見上児童の姿態であると認められる児童以外の者の姿態を描写した写真等であって児童ポルノに類するもの(次項において「児童ポルノに類する漫画等」という。)と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとともに、インターネットを利用した児童ポルノに係る情報の閲覧等を制限するための措置(次項において「インターネットによる閲覧の制限」という。)に関する技術の開発の促進について十分な配慮をするものとする。
 つまり、「将来的に漫画アニメーションCG等も将来的に児童ポルノとして規制しましょう」という事である。
 これに対し、また同改正案に同じく盛り込まれた「単純所持の禁止」も含めて各方面で反対の動きが活発になった。
 その時点でpixivにおいても反対の意思を表明したり情報の共有を呼びかける投稿が行われたが、ほとんど認知される事はなかった。

『青環法』

 正式には『青少年有害社会環境対策基本法』であり、青少年の性若しくは暴力に関する価値観の形成に悪影響を及ぼし、又は性的な逸脱行為、暴力的な逸脱行為若しくは残虐な行為を誘発し、若しくは助長する等青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境から青少年を守るための法律の案であることをうたっている。
 平成11年から自民党参議院議員などが中心となったグループが取り組んだ法律案であり、平成14年を目処に国会への法案提出を予定していたものの、反対運動によって提出断念に追い込まれた。その後、平成16年の第159回国会に当時の与党側議員( 提出者は中曽根弘文議員外3名 )によって『青少年健全育成基本法案』として内容を一部変更し国会に提出されたが、賛同を得られず審議未了で廃案となった( 議案本文 )。
 この法律案では、現在は各自治体などが独自に設けている 「青少年保護育成条例(青少年の保護を目的とする条例、東京都の場合東京都青少年健全育成条例が存在し、一部県以外に存在する )」 などの有害図書規定による 「有害図書」 や 「有害情報」 などの未成年対応を国のレベルまで引き上げ、法律で規定。総理大臣内閣が青少年の保護に関する 「基本方針」 を策定、閣議決定し、官民あげて有害図書や情報を封じ込めるというものであった。
 また、従わない出版社、新聞社、放送局、映画制作会社およびそれぞれの制作者等は指導・勧告・事業者や責任者名の公表などの罰則付きで取り締まったり規制する内容であり、これらは日本国憲法第21条に定められた「表現の自由」 への著しい侵害であり「検閲の禁止」 にも反するとして反対運動が広がった( 実際には判例において「検閲は事前に行われるもののみを対象とする」ため検閲の禁止には抵触しないのだが )。また野党であった民主党水島広子衆議院議員( 当時 )らが中心となり、対案として『子ども有害情報からの子どもの保護に関する法律案』という類似の法律案を作成したものの党内での反対意見が根強く国会への提出は見送られた。

【参考】メディア規制三法

 上記の『青少年有害社会環境対策基本法』に『個人情報保護法』『人権擁護法』を加えた3法を総して、メディア規制三法と呼ばれる事がある( タイトルのリンクはWikipedia )。

『個人情報保護法』

 『個人情報保護法』( 正式名称『個人情報の保護に関する法律』 )は第154回国会に当時の内閣によって提出(議案本文)。平成11年5月23日に成立し、平成17年4月1日に全面施行された。
 この法律では、5000件を超える個人情報を個人情報データベース等として所持し事業に用いている事業者は個人情報取扱事業者とされ、個人情報取扱事業者が主務大臣への報告やそれに伴う改善措置に従わない等の適切な対処を行わなかった場合は、事業者に対して刑事罰を科すとされている。

『人権擁護法』

 『人権擁護法案』は、平成9年5月に当時の松浦功法務大臣が法務省の人権擁護推進審議会に対して行った諮問に対する答申に基づき、新たな人権救済制度の創設に関わる法案として法務省がまとめたものである。
 法案は第154回国会に当時の内閣によって提出されたが、その後の継続審議を経て最終的に廃案となった(議案本文)。なお提出時の与党は自由民主党公明党保守党を与党とする自公保連立政権であり、内閣総理大臣は小泉純一郎である。
 この法律では、人権侵害等の禁止及び差別助長行為等の禁止を定め、また法務省の外局として人権委員会を設置する事を定めている。
一方、当時の野党民主党は対案として『人権侵害による被害の救済及び予防等に関する法律案( 人権侵害救済法案 )』( 議案本文 )を第162回国会に提出したが、審議未了で廃案となった。

憲法21条改正問題

 安倍晋三麻生太郎などをはじめとした、自由民主党の一派が憲法改正について発言することは多い。その中でも日本国憲法21条改定は、表現規制と直接関係する条項としてしばしば議論の的となっている。
 憲法21条は本来「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する( 第1項 )」「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。( 第2項 )」というもので、政府に対し国民の基本的人権である表現の自由を保障する義務を課している。
 ところが、自民党の憲法改正案(自由民主党 憲法改正推進本部日本国憲法改正草案(全文))から該当部分を抜粋するとこのようになっている。
憲法21条改正案【表現の自由】
第1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
第2項 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。
 ここで重要なのは、今までどおり表現の自由を保障する条文を盛り込みつつも、「公益及び公の秩序を害すること」を認めないと言う制限を挿入したこと、そしてその定義は、中央政府が勝手に決めていいと言う点である。このような漠然とした規制で政府への批判を封殺した例は腐る程あるのだが、それらとまるっきり同じ手口と言う点が実にストレートで分かり易い。

pixiv上の活動

開始当初

pixivの開始当初より、これら「表現の自由法律のかせにはめる」こと、架空の創作表現規制に反対の意思を示す主張主張を含む作品はそれなりの数投稿されているものの、それらをまとめるタグがないため、それらの作品を探すことは困難となっている。

絵画調に萌える


 また、平成20年には創作物の規制/単純所持規制に反対する請願署名市民有志の実施した署名活動に対し参加を呼びかける投稿が行われている。

べ、別に☆


 なお、上記の署名は紹介議員を介して国会に提出されている。詳しくはこちらを参照のこと。

企画『架空創作表現規制反対!』

 ところがその後『【企画】架空創作表現規制反対!【規制反対】』という企画が立ち上げられた事により問題が広く知れ渡るようになり、また『架空創作表現規制反対』タグが共通タグとして用いられるようになった。

【企画】架空創作表現規制反対!【規制反対】


 企画では当初、表現規制をめぐる議論が各所で活発化してきている事をpixiv内で呼びかける事に加え、オンライン署名架空創作表現規制禁止の法制化を求める署名(現在サービス終了)への参加を呼びかけていた。
 しかし、平成22年4月時点では、同企画の企画目録においては、東京都の「青少年の健全な育成に関する条例改定案を受けて都議への反対メールの送信を呼びかけているものの、同タグで投稿される作品も上記の署名への呼びかけを含まない作品がほとんどである。

その後の動き

 ところがその後も漫画アニメといった架空の創作表現を規制しようという動きは権力側および団体側より絶えずおこなわれ手いる状況であり、今後も注意が必要である。

規制推進派のミスリード

 規制推進派が賛同者を得るためには正しい正しくないを問わず、さまざまな意見や比較を用いる(そう、ネトウヨサヨク陰謀論者と同様である!)。特に良く使われるのが「G8(旧西側先進国7カ国+ロシア)で規制していないのは日本とロシアだけ」という、「日本は国際的に遅れている」というネガティブな意見であるが、実際はこの意見はミスリードさせる要素を含んでいる。
 実際G8の中で「児童への性的虐待犯罪件数」が最も多いのはアメリカ合衆国であり、次いでカナダである。最も件数が少ないとされるのが日本であるものの、件数を人口で割った人口比ではロシアが最も低い。つまり、表現規制していない国の方が児童への性的犯罪は少ないのである。
 日本は元々性犯罪件数は極端に少ない(ただし性犯罪は申告制であるため少なくなる傾向がある)のだが、規制が強化されるたびに悪質性犯罪が微増する傾向が存在している(世界の「猥褻規制と強姦件数」に関するグラフ)。
 またロシアはソ連時代の数字があてにならない為( ただし、基本的に共産圏では認められない買春は極刑である )、1991年以前のデータが無いに等しいが、エリツィン政権以降を検証すると、プーチン政権下で婚姻可能年齢を14歳に下げた時点から対児童性犯罪が激減し、また経済の混乱によって低下する一方だった出生率が改善されている。
 つまり、現在までのデータでは性の規制の度合いと悪質性犯罪の発生件数は反比例の関係にあるのである。
 また、イギリスにおいてはポルノに対する規制を強化すると逆に強姦件数が増加したり、スウェーデンではポルノ規制を強化するたびに強姦件数が増えていったり、三次元どころか二次元まで規制が入っているカナダでは10万人あたりの強姦件数が日本の30~40倍近かったりする。
 ただし実際にはこれら諸国では日本などと異なり強姦は非親告で罪に問えたり規制と並行して強姦の定義拡大( 日本などではカウントしない「同居の夫婦同士での性行為の強要」や「男性に対するレイプ」も強姦にカウント )がなされたり、取締まり強化による検挙率アップもなされているため、これらの事例だけで因果関係を証明できるとは言えないものの、規制推進派がこのような事例に触れようともしないのは少なくともフェアな態度とはいえない上、性犯罪被害者を減らすという目的に合致した行動とは言い難いだろう。
 規制推進派が先進国云々言い出したら真っ先に「強姦などの悪質性犯罪件数が低いのはG8で日本ロシアが2トップ(この二国ともポルノの規制がゆるいとされる)だよ」と言い返すこと。

参考Webサイト

コンテンツ文化研究会
うぐいすリボン
インターネットユーザー協会(MIAU)
エクパット・ジャパン・関西
子どもの人権と表現の自由を考える会
STOP!今そこにある「漫画・アニメ禁止法案」
AFEE エンターテイメント表現の自由の会
保坂のぶとWEB
弁護士山口貴士大いに語る
世界の「猥褻規制と強姦件数」に関するグラフ

児ポ法改定の問題点

「日本弁護士連合会/児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」見直しに関する意見書
 ちなみに、規制推進派は先行して規制したアメリカ合衆国の事例を良く出したがるが、アメリカでは連邦裁判所でこれらの規制が憲法違反するとの判決が出て法律自体が消滅している。そのため、現在のアメリカは日本よりも性的表現に寛容。もちろん日本でも最高裁判所が違憲立法の判断を下せば、法律全文が消滅しかねず、さらに最高裁判所により検閲の定義が変更された場合、下手するとわいせつ物の取り締まりなども行うことができなくなる可能性も存在してしまう(現代最高裁判所が支持する検閲の定義は「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、表現物の一部または全部の発表を禁止する目的で、対象とされる表現物を一般的・網羅的に、発表前に審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止すること」である)。

以上の問題点をまとめると起こり得る事

これらの現実がある以上、規制派のアンフェアな態度が続くのならば、表現の自由の侵害と威力業務妨害で国自体を出版社や作家が訴訟対象に選ぶか、架空表現で性欲の発散が出来なくなったために現実の女子供が犯罪の被害に遭いやすくなるか、これらの現実とアンフェアな態度が世間一般に知れ渡る事で規制派にとってのっぴきならない事態に陥る事は明確。その結果、表現が前時代以上に自由になるか、レーティングの線引きが無くなるという事も起こり得る。それを信じて表現の自由を守るために声を上げよう。
どんな汚いマネをしても、神様は全部見ている。表現の自由を侵害する者に神はきっとのっぴきならない報いを下す。

『児童ポルノ法』国会論戦

国会会議録検索システム
上記サイトの【簡単検索】で、平成21年6月26日を指定。
No.004の衆議院法務委員会を参照のこと。

2009年衆議院総選挙資料

2009年衆議院選挙・表現規制対応MAP

その他資料

性暴力ゲームの規制強化に向けた提言( 同人用語の基礎知識内の記事 )

関連タグ

【規制反対】 リアル図書館戦争
憲法 表現の自由
児童ポルノ 児ポ法改正反対
非実在青少年 非実在青少年規制 青少年健全育成条例反対 東京都青少年健全育成条例改正案

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