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やめなされ・・・惨い殺生はやめなされ


概要

「毒もみ」「アメながし」とも呼ばれる法。

水中にを撒きその水域の獲物を文字通り一網打尽にする、人類史において紀元前の頃から世界中で行われてきたという由緒正しい漁法である。古代ギリシアにおいても紀元前4世紀頃の哲学アリストテレスの著作「動物誌」にて「毒物その他による魚の漁法」という題で記録が残されている。


…が、食用でない魚やまだ獲るべきではない稚魚など水中の生物を根こそぎ殺してしまうため、文明が発達した今日においては環境破壊の側面から多くの国や地域で禁止されている。


ダイナマイト漁・電気漁と合わせた、三大禁止漁法の一角といってもいいだろう。


現代では東南アジア方面で、それも古式の毒ではなく青酸カリ(=人体にも有害)を撒く漁法が行われており、魚類どころかサンゴ礁までもダメージを与えることから問題となっている。

ただし、南米のヤノマミ族のように、少数部族が伝統的手法に則ってあくまで生存のために行う例も存在する。


なお根流しとは福島県での呼称であり、上記の通り地方によって名称は異なる。


日本において

違法である。

水産資源保護法 第六条
水産動植物をまひさせ、又は死なせる有毒物を使用して、水産動植物を採捕してはならない。但し、農林水産大臣の許可を受けて、調査研究のため、漁業法第百二十七条に規定する内水面において採捕する場合は、この限りでない。

これに加えて、行った水場が私有地であった場合は器物損壊も付いてくる。

絶対に真似しないように


伝統的手法と仕組み

行われる国や地域によって材料や詳細は異なるが、概ねは植物毒を用いて行われていた。

下記は日本の会津地方、記事名でもある「根流し」の例。


  1. 山椒の木の皮や葉を焼きます。場合により(シキミ)の実や蓼(タデ)も潰します。
  2. 煮立った鍋の中に1と灰を入れて煮込みます。
  3. おさかな大漁です。

こうして出来上がった「根」を撒かれた水中は酸欠になり範囲内の生命は根こそぎ死滅する


そして特筆すべきなのが山椒。

山椒の辛味の主成分サンショオール」は魚には猛毒であり、人間には問題のない量でも強烈な神経毒となって水中の生命に対し襲いかかる。


まさに「毒と薬は表裏一体」を体現した先人の知恵の結晶なのである。

山椒とは逆に、毒として扱われていたものに、現代になって薬効が見いだされた例も存在する(アルボレアの一種など)。


魚を麻痺させる触媒のレシピはこの他にもクルミの樹皮・エゴノキムクロジの実などを使う例が知られている。

なお当時においても、完全な根絶やしを防ぐ(水産資源の保護の)ため無制限の乱獲は禁忌とされ、この漁を行う場合でも「サツマイモのつるで堰を作り、下流に流れる毒を減らす」「決められた日にしか行わない」などの決まりごとがあったという。


むごい殺生をする人たちの一例


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