概要
中国神話に登場する邪神・四凶の一柱。中国語ではタオウー(Taowu)、上古中国語ではドゥーグード(Dungud, duːŋuːd)と呼ぶ。
『神異経』によると、その姿は「人面虎足」(人の顔に虎の「手足≒体」)・長さ二尺(約40cm)の体毛と一丈八尺(3m60cm)の尾・猪のような大きな牙を持つという、キメラさながらの異形ぶり。
邪神なのだが三皇五帝の1人・顓頊(せんぎょく)の子息と、高貴な血統を持つ。
根っからの戦闘狂で、すこぶる凶暴な上に尊大かつ頑固な性格で、他者の話には全く耳を貸さず、常に荒野を好き勝手に暴れまわり、戦となれば決して退かず死ぬまで戦い続けるとされる。
「無知」「愚か」等を意味する檮杌の名が示す通り、どうしようもない阿呆なので、「難訓(話を聞かないやつ)」の別名まで付いている。
そんな傍若無人を絵に描いたような彼だったが、聖人舜帝によりようやく捕らえられ、西方の果てにある羽山に流罪となった。
……もっとも、これは羽山が風水における『鬼門』に相当する地域であり、四凶を配置して凶事の侵入を防ぐ意図があると、最後の最後で(結果的にだが)ノブレス・オブリージュに務めるに至った。