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みんな、殺されちゃえばいいのに


概要

小説家・平山夢明が発表した作品。『独白するユニバーサル横メルカトル』に収録されている。

父親から虐待を受け、学校では凄絶ないじめを受け、周囲の大人たちからは性的な目を向けられる中で世界に絶望した少女・フミが、世間を騒がせる連続殺人鬼に救いを求める物語である。


2015年に映画化企画が立ち上がり、児童虐待等が含まれる作品であるために制作やスポンサー集め等が難航し、2016年に『無垢の祈り Innocent prayer』という題で公開された。放映終了後、毎回平山氏や出演者らによる数十分のトークショーが開かれた。

主な登場人物

フミ以外の名前は映画版にて設定された。


フミ(演:福田美姫)

人生に絶望しきった少女。世界を呪うあまり、連続殺人鬼に会いたい、皆を殺してほしい、と無垢の祈りを毎日殺人現場にて捧げている。原作では未遂だが、映画版では義父に性的暴行を受けている。

演じた福田氏が当時小学生であったため、演じるにあたって氏のトラウマにならないよう演出が配慮され、性的暴行の場面は「人形遣い(演:綾乃テン)が操る児童を模した人形が苦しむ姿をフミが他人事のように見つめる」という演出が為された。


クスオ(演:BBゴロー)

フミの義父。アル中のDV野郎。日々妻子に凄絶な暴行を働く一方で浮気までする、平山ワールドでも屈指の外道。

トークショーにて、演じたBBゴロー氏は「演じるにあたって、クスオの所業を見ていかに観客に怒りを覚えさせるか、に重きを置いた」「”怒らせること”と”笑わせる”ことは表裏一体であるため、演じるに当たってさほど特別な苦労は無かった」と語っていた。


カオル(演:下村愛)

フミの母親。娘に対しては確かな愛情を抱き、クスオの暴行からも庇っているが、カルト宗教にのめり込んでしばしば家のカネを持ち出し、フミに対しても「今苦しんでいるのは前世のカルマによるものだから」と現実逃避している。


骨なしチキン(演:サコイ)

巷を騒がせる連続殺人鬼。遺体からだけを抜き取り、肉塊だけを現場に残すことからこの名が付けられた。原作では人間業とは思えない力技で殺人を行ったことが示唆されており、人外であるかのような錯覚まで読者に与えるが、映画版ではせっせと刃物で人間を解体する「等身大の殺人鬼」として描かれており、原作とは違った恐怖感を与える。


ムトウ(演:平山夢明)

連続殺人鬼を追う刑事。連日現場に出没するフミのことを心配しており、彼女に優しく接する。原作ではフミの心情も汲み取った上で、殺人鬼を逮捕する件を「彼だって一人で苦しんでいる、だから誰かが傍にいてやらなくちゃいけないんだ」と彼女に説明する、唯一のまともな大人として登場しているが、映画版では「犯人はキチガイだ、捕まえねばならない」と語っており、ムトウもまた汚い大人の一人として描かれている。

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無垢の祈り

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児童虐待 DV 救済

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