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概要

狙撃とは、一般的には遠距離から標的を射撃することを言う。

英語ではSnipingと言い、その語源はタシギ(Snipe)から来ているという説がある。


狙撃は主には小銃狙撃銃を用いて行われる。

一撃必中の思想から、サブマシンガン機関銃等の全自動火器を用いた制圧射撃と対を為すもの。

特殊な行動と思われがちであるが、現在の歩兵のメインである小銃手(ライフルマン)が敵をアサルトライフル射撃する場合は狙撃か制圧射撃かのほぼ二択であり、数ある射撃の中でもメインとなるものである。

射撃の練習と言えば、基本的に狙撃である。


嘗ては狙撃を特に専門として行う者は小銃手の中から優れた技能を持つ者、銃も小銃の中から所謂「当たり品」等と呼ばれる特に精度の高い物を抜き出して任命・所持させていたが、現在では狙撃手はそれ専門のカリキュラムの下養成され、狙撃銃は小銃を下地とし、専用設計される物も多い。


現在のような狙撃の運用方法が確立されたのは比較的最近で有り、ベトナム戦争で活躍したカルロス・ノーマン・ハスコックII世が大きな影響を与えている。

それ以前では何処の国の軍隊も運用方法は大差が無く、狙撃を任された当人の経験がすべてだった。

第二次世界大戦中に至っては碌な偽装もせず撃った後に移動する事も無く、同じ場所で狙撃を繰り返していたという事も有ったという。


戦術

狙撃と言う戦術は陸軍などが行う軍事作戦において敵の作戦の中枢である指揮官や、命令を伝達する為の通信要員、味方歩兵部隊の前進を阻む機関銃手等の重要目標を狙い撃ち、敵の行動を阻害・麻痺させ味方の進軍または撤退を補助する役割を担う。

また、重要目標を失う事は、失った側の士気を大いに低下させるうえ、何処から狙われているか分からないという恐怖感からプレッシャーを与える事が出来る。


また、警察における狙撃は、主に犯人が人質を取っている場合において特に有効で、強行突入して銃撃戦を行う場合に比して人質への被害が少ない事が挙げられる。

1発撃つごとに移動する必要性が薄い代わりに、人質を拘束した背後の敵を撃つといった、より細かい照準の狙撃が必要に成る等、軍隊での狙撃と多少異なる部分がある。


技術

姿勢

被発見性と安定した姿勢を確保する為、伏射(プローン)と呼ばれる腹這いの姿勢が最も利用される。

窓などから撃つ為にテーブルやカメラ用三脚等に銃を載せて撃つ場合、椅子に座った姿勢から撃つ場合もある。

そして銃自体にもそれ自身の安定させる為、バイポッド(二脚)が銃先端部に、モノポッド(一脚)が銃後端部に装備されるものもある。

機関銃用の三脚架が用いられる事も有る。

バイポッドの代わりに土嚢や背嚢などに銃を載せる「依託射撃」と言う方法も用いられる。

依託射撃は様々な狙撃方法が訓練では用いられ、その場で伐採した枝やスキー用ストック等で簡易三脚を作ったり、前に座ったスポッターの肩に乗せる、orzの姿勢となったパートナーの尻に乗せる等、様々な代用品が用いられる。

また、呼吸や拍動による振動が照準に及ぼす影響を最小限とする為、バットプレートと肩の間にクッションを挟む等する。

立射での狙撃の場合、立木やカメラ用三脚、構造物など、様々なものを用いて銃と姿勢を安定させる。

ドアや窓の縁に銃口側に倒したバイポッドを押し付けて安定させるのは一例である。


  • 最も代表的な姿勢「伏射」

その綺麗な顔を


  • その他の射撃スタイル(左:膝射、右:立射)

センシティブな作品zielt.


  • 依託射撃

ジャーヘッドフェアリー


照準

照準は長距離射撃の場合は倍率の掛かったスコープが用いられ、レティクルと呼ばれる照準器内に刻まれた十字線を基にして行われる。

ただ単に十字線の中心に標的を持ってくるだけでは、そこに命中はしない。

距離・風向・風力・気温・気圧・湿度・重力・コリオリ力、高低差、使用弾の弾道特性等、様々な条件により修正を行わなければならない。

特に風に関するデータは重要で、これにより精度が大きく変わってくる。


スポッター

狙撃手のスコープは視野が狭いため広域の観察、捜索にはあまり向いておらず、重たい狙撃銃を長時間構えっぱなしというのもなかなか辛い。狙撃に十分な集中力を保ちながら、風向、風速等を加味して弾道計算をするのも難しい作業である。

このため近年では、敵の観察、捜索、弾道の計算に護衛まで、実際に射撃する以外の様々な作業を請け負う要因としてスポッター(観測手)が付き添うことが多い。

顕密な連携の為、スポッターにも狙撃手としての技量が必要となる。

観測の為の望遠鏡(フィールドスコープ)の他、護衛の為のアサルトライフルを装備している事が多い。


  • スポッターと組む狙撃スタイル

狙撃訓練中


任務によってはスポッターが随伴しない場合もあり、WW2中の様に狙撃技術が確立していない時代では単独で狙撃を行う事が多かった。単独では着弾確認しづらい為、炸裂弾を用いて着弾を確認したというエピソードもある。


広義の狙撃

現在では、狙撃という言葉は中距離から遠距離の標的を射撃するという意味で用いられる言葉である。

しかしながら、現在のような「狙撃」という概念が一般的に広まる以前には、特に報道機関や治安機関の間では「特定の人物に対して銃撃を加える」という、意味合いで使用される事が多かった。

つまり不特定多数を狙った「乱射」や、或いは組織などを標的とした「襲撃」と対を成す言葉として用いられていた。

例えば、昭和5年11月14日に時の総理大臣であった濱口雄幸が東京駅で銃撃を受けた際には、翌日付の大阪朝日新聞に「濱口首相狙撃さる」という見出しが載った。

遅くとも後述の通り1990年代までは、使用されていた様子である。

一方で現在では、特に遠距離の標的を射撃する他に狙撃という言葉が用いられる事は少ない。

平成25年12月19日に餃子チェーン王将の社長が襲撃された事件は、「射殺事件」と呼ばれている。


狙撃に関する事件

  • 1566年2月24日:戦国大名三村家親が宇喜多直家の命を受けた遠藤秀清と弟の俊通により暗殺される。日本史上最も古い要人狙撃事件とされる。
  • 1570年6月22日:戦国大名織田信長杉谷善住坊に狙撃される。銃弾自体は信長を掠めただけで失敗に終わっている。
  • 1867年12月8日:新選組局長近藤勇御陵衛士残党に狙撃され、負傷。
  • 1963年11月22日:第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディリー・ハーヴェイ・オズワルドに狙撃され、死亡。
  • 1972年9月5日:ミュンヘンオリンピック事件。西ドイツ警察が犯人の射殺に失敗し、人質全員が殺害される。この事件を機に対テロ特殊部隊GSG-9(国境警備隊第9グループ)が創設されるきっかけとなった他、多数のターゲットに迅速に命中させる為、多少の精度を犠牲にし(それでも最低限の精度を保ったまま)速射性を持たせたオートマチックスナイパーライフル(半自動狙撃銃)、PSG-1が開発される。
  • 1981年3月30日:第40代アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンが狙撃され負傷。
  • 1995年3月30日:警察庁の國松孝次長官(当時)が何者かに狙撃され負傷(警察庁長官狙撃事件)。この用いられたのは小銃でも狙撃銃でもなく「拳銃」であり(コルトパイソンと鑑定)、20メートルの距離から4発中3発を命中させている。

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